今回は、3Dプリンターの使い方について徹底解説します!
3Dプリンターの造形方法の中で主流となっている、材料押出法(FDM /FFF法)の3Dプリンターを使うことを前提としています。
3Dプリンターを使うために必要なもの
3Dプリンターを動かすために最低限必要なものをまとめました。
赤字で書いてあるものは、必須アイテムなので忘れないようにしましょう!
- パソコン
- 3Dデータ
- 3D-CADソフト
- スライスソフト
- 3Dプリンター
- フィラメント(材料)
3Dプリンターによるものづくりの工程
3Dプリンターは、装置の電源を入れてスイッチを押せば立体モデルができあがるというわけではありません。
3Dプリンター本体で造形している最中に必要な作業はほとんどありません。しかし、その前工程と後工程が必要になります。
前知識:サポートとは
前工程
前工程では、3Dプリンターに取込む3Dデータを用意するのはもちろん、造形をスタートさせるためのさまざまな条件を設定します。
- 3Dデータの入手/作成/編集
- 3Dプリンター対応のデータ形式への変換(スライスソフトを使用)
- 造形条件の設定(造形のサイズ、積層ピッチなど)
- 材料などのセッティング
3Dデータの入手/作成/編集
3Dプリンターによって立体モデルを造形するには、3Dデータが不可欠です。
3Dデータの作り方や入手方法に関しては、「3Dプリンター用のデータを作成する方法」でまとめています。
3Dプリンター対応のデータ形式への変換
3D-CADなどで編集したデータ結果をファイルに保存して、3Dプリンターに転送したり、メーカーが提供するソフトウェア(機種によってはオープンソースのものを使用)で読み込みます。
読み込んだあとは、実際に3Dプリンターを動かすための制御データ(造形時に必要なサポート部を付加して、スライス化(断面形状の作成)を行ったもの)を作成します。
造形条件の設定
造形エリア内に立体モデルを配置する向きや大きさ、積層ピッチの厚さ、中実部の埋め方などをスライスソフトで設定します。
材料などのセッティング
立体モデルに使用する材料(フィラメント等)を3Dプリンター本体にセットします。
必要に応じて造形プレートの高さや水平調整も必要です。
自動水平補正(オートキャリブレーション)機能が搭載されている3Dプリンターなら、ソフトウェアが造形プレートの水平具合を数値化して表示してくれます。
わずかなズレなら自動で補正してくれるものもあります。
造形
前工程が終わったら、3Dプリンター本体によって造形をすすめていきます。
このときに必要な作業はほとんどありません。プリントミスやフィラメント切れに注意して、完成を待ちましょう!
後工程
造形が完成したら、後工程を行います。
後工程とは、サポートと呼ばれる3Dプリントに発生する構造の除去や、表面を磨いたり強度を高めたりといった後処理のことです。
- 3Dプリンターから立体モデルを取出す
- サポートの除去
- 仕上げ加工や着色
3Dプリンターから立体モデルを取出す
造形が完了した立体モデルを3Dプリンターから取り出します。
造形プレートに強固にくっついてしまっていることもあるため、取り外しには十分注意して、造形方法に応じた処理を行ってください。
サポートの除去
3Dプリンターから立体モデルを取り出せたら、ニッパーなどの道具を使い、サポート部を除去していきます。
3Dプリンターの機種によっては、付属のソフトウェアの設定でサポートの取り外しやすさに優れ、手で除去できるものもあります。
(ケガのおそれがあるので、できるだけ道具を使うことをおすすめします。)
仕上げ加工や着色
必要に応じて立体モデルに色を着けたり、表面をみがいたり、強度を増すための加工をします。
「アルテコスターターキット」といった専用の道具を使えば、粗い造形物であっても時間をかけずにきれいな仕上がりにできます。
サポートとは
3Dプリンターのような積層造形において、立体モデル以外に造形した仮の部分をサポートと呼びます。
ある高さから突然現れる形状では、仮の土台としてサポート材(サポート部分)が必要になります。
どの部分にサポート材が必要になるのかは、3Dプリンターに付属するソフトウェアなどが自動的に判断し、追加をしてくれます。
ソフトウェアの機能によって、この判断の良し悪しも変わってきます。
まとめ
3Dプリンターの使い方について、その工程をまとめて紹介しました。
3Dプリンターを動かしたいと思っても、何段階か準備が必要なんですね。
機械の性能や自分自身が作りたいものによって、前工程や後工程の数が変わってくると思います。
3Dプリンターを用意したら、まずは使うために必要最低限のアイテムを揃えることから始めましょうー!