最近では、人工知能(AI)やディープラーニングの仕組みを使ったサービスが増えてきました。今回は、人工知能システムを設計、開発、および管理するAIエンジニアの仕事内容から、必要なスキル、取っておいた方が良い資格について解説します。
最後におすすめのセミナーも紹介するので、最後まで読み進めてみてください。
AIエンジニアとは
AIエンジニアとは、人工知能(AI)システムを設計、開発、および管理するためのスキルを持っているエンジニアのことです。AIエンジニアに必要なスキルとして「機械学習」「自然言語処理」「画像認識」などがあります。
AIエンジニアは、ビジネスニーズに合わせてAIシステムを設計し、データを使用して学習モデルをトレーニングします。また、継続的なモニタリングや改善を行い、システムの性能を最適化することもあります。
AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアの仕事内容としては次の3つが挙げられます。それぞれ解説しましょう。
- AI開発
- AI学習
- 学習データ分析
AI開発
AI開発は、人工知能(AI)システムを設計、開発、および実装するためのプロセスです。AIエンジニアは、さまざまなタイプのAIシステムを開発するために使用する技術選定を行い、それらを適切に組み合わせて、AIシステムを構築します。
たとえば、機械学習によってAIシステムがデータから学習し、自己改善し、パフォーマンスを向上させることができます。自然言語処理によって、AIシステムは人間の言語を理解し、文章を生成することも可能です。また、画像認識によって、AIシステムは画像から情報を抽出することもできます。
AI開発を行う場合には次の7ステップで行うことが一般的です。
- ビジネスニーズのアセスメントを行う
- 技術の選定を行う
- データの収集と前処理を行う
- モデルのトレーニングを行う
- モデルの評価を行う
- モデルのデプロイを行う
- 継続的な改善を続ける
AI学習
AI学習は、人工知能(AI)システムがデータから学習・自己改善を行い、パフォーマンスを向上させるためのプロセスです。 AIエンジニアは、学習に使用するアルゴリズムと学習データを選択し、それらを使用して学習モデルをトレーニングします。
AI学習を行う場合には次の5ステップで行うことが一般的です。
- データの収集と前処理
- アルゴリズムの選択
- モデルのトレーニング
- モデルの評価
- モデルの調整
また、学習アルゴリズムには、監視学習、強化学習、非監視学習などがあります。
監視学習は、予測するために使用するデータに対して正解が既知であるときに使用されます。一方で、非監視学習は正解が既知でないデータを使用して学習するときに使用されます。
AIエンジニアは、学習プロセスを管理し、学習モデルを調整し、最適な性能を達成するために、都度改善や変更を実施します。AI学習は、AIシステムが正確に予測を行うために必要な工程なので、AI学習に関する知識が必要です。
学習データ分析
AIエンジニアの仕事の一つに、学習データの分析があります。学習データ分析は、学習に使用するデータを選択し前処理を行い、そのデータを使用して学習モデルをトレーニングする一連の流れを指します。
学習データ分析は、次の4ステップで行われます。
- データの収集:学習に使用するデータを収集するために、API、クローリング、データベースなどのデータソースからデータを収集する。
- データの前処理:収集したデータをクリーニング、変換、欠損値の補完などの前処理を実施する。
- データの分析:前処理されたデータを分析し、データセットから有用な情報を抽出する。
- データの特徴量の選択:分析結果から、学習に使用する特徴量を選択する。
学習データ分析は学習モデルのパフォーマンスに大きく影響を与えるため、正確で的確
データ分析が必要です。そのため、学習分析を担当するAIエンジニアはデータ分析に関する知識が必要となります。
このデータ分析には、データサイエンスのスキル、データの可視化、統計学などの知識が含まれます。
AIエンジニアに向いている人の特徴
続いては、AIエンジニアに向いている人の特徴について解説しましょう。AIエンジニアに向いている人の特徴には、次の3つが挙げられます。それぞれ解説していきます。
- 論理的思考能力のある人
- 学び続ける知的好奇心のある人
- 問題解決能力の高い人
論理的思考能力のある人
AIエンジニアに向いている人の特徴として、論理的思考能力があることが挙げられます。なぜなら、AI開発にはプログラミングスキルだけでなく、アルゴリズムの選択、モデルの設計、データの前処理、ハイパーパラメータのチューニングなど、複雑なタスクをこなす論理的思考能力が必要だからです。
また、AI開発においては、問題を分析し、それを解決するためのアプローチを考えることが求められます。この場合にも、論理的思考能力が大切です。
学び続ける知的好奇心のある人
AIエンジニアには、学び続ける知的好奇心が必要です。なぜなら、AI技術は急速に進化しており、新しいアルゴリズムや技術が発明されているからです。
そのため、AIエンジニアとして活躍するには、常に新しいことを学び、新しいアイデアを生み出す知的好奇心があることが望ましいといわれています。
問題解決能力の高い人
AIエンジニアに向いている人の特徴の一つに、問題解決能力が高いことが挙げられます。なぜなら、AIはさまざまな問題を解決するためのツールとして使用されるからです。
つまり、AIエンジニアは顧客の問題や課題・やりたいことを分析し、適切なアルゴリズムや技術を選定し、それを実装するということです。そのため、AIエンジニアには問題解決能力の高い人が向いているといえるでしょう。
AIエンジニアになるために必要なスキル
AIエンジニアになるために必要なスキルとしては、次の4つが挙げられます。それぞれ解説しましょう。
- Pythonなどのプログラミング知識
- 統計学などの数学的知識
- ディープラーニングや機械学習の知識
- SQLなどのDB知識
Pythonなどのプログラミング知識
Pythonは、機械学習や深層学習に使用されるプログラミング言語です。AIエンジニアになるためには、Pythonプログラミングの知識が必要です。
Pythonには、機械学習ライブラリであるscikit-learnやKeras、深層学習ライブラリであるTensorFlow、PyTorchなどがあります。これらのライブラリを使用することで、AIモデルを開発することができます。
また、Pythonはデータ分析にも使用されており、データ分析に使用されるライブラリには、NumPy、Pandas、Matplotlibなどがあります。
統計学などの数学的知識
AIエンジニアになるためには、統計学、計算幾何学、線形代数、微積分、確率論などの数学的知識が必要です。
統計学は、データを分析するために必要な基礎的な知識です。統計学を使用することで、データからさまざまな統計量を計算し、データのトレンドを把握することができます。また、統計学を使用することで、データの分布や欠損値の処理などを行うことができます。
計算幾何学は、画像認識やロボットなどの視覚処理に必要な知識です。計算幾何学を使用することで、画像の座標変換や特徴点の検出などを行うことができます。
線形代数は、多変数解析や行列計算に必要な知識です。線形代数を使用することで、多次元のデータを扱うことができます。
微積分は、機械学習や深層学習に必要な知識です。微積分を使用することで、関数の最小値や最大値を求めることができます。
確率論は、機械学習や深層学習に必要な知識です。確率論を使用することで、データから確率分布を推定し、モデルを学習することができます。
これらの数学的知識があれば、AIエンジニアになりやすいといえるでしょう。
ディープラーニングや機械学習の知識
AIエンジニアになるためには、ディープラーニングや機械学習の知識が必要です。
ディープラーニングは、人工ニューラルネットワークを使用した機械学習の一種で、画像認識や自然言語処理などのさまざまなタスクに利用されます。ディープラーニングは、大量のデータと大規模な計算リソースを使用するため、深層学習とも呼ばれます。
機械学習は、データからパターンを学習し、予測や分類などのタスクを自動化する技術です。機械学習には、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」などさまざまな手法があります。
SQLなどのDB知識
AIエンジニアになるためには、データベースに関する知識が必要です。特に、SQL(Structured Query Language)は、データベースに対してクエリを発行し、データを取得したり更新したりするために使用されます。
AIエンジニアは、大量のデータを処理し、分析するためにデータベースを使用することが多いため、SQLを使ってデータを取得し、加工できる知識が必要になります。
また、NoSQLデータベースも使用することがあるため、併せてNoSQLの知識も持っていると良いでしょう。
AIエンジニアになるために取っておいた方が良い資格
続いて、AIエンジニアになるために取っておいた方が良い資格について解説します。
- G検定
- E資格
- 統計検定
G検定
G検定(公式名:ジェネラリスト検定)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している、ディープラーニングに関する知識を有しているかを確認するための試験です。
G検定を受験することで、人工知能プロジェクトに役に立つ知識を幅広く体系的に整理できることができるというメリットがあります。
G検定を取得することは、AIエンジニアになるために必須ではありませんが、G検定を取得することで、技術力を証明することができます。
E資格
E資格(エンジニア資格)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している人工知能(AI)やディープラーニングに関する資格です。 ディープラーニングを実装するエンジニアを育てるための資格であり、G検定よりも難易度が高いという特徴があります。
E資格を取得することも、AIエンジニアになるために必須というわけではありませんが、技術力を証明することにつながります。
統計検定
統計検定は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。統計学を使用することで、データからさまざまな統計量を計算し、データのトレンドを把握することができるためで、資格を取っておくと良いでしょう。
AIエンジニアになりたい方におすすめのセミナー
最後に、AIエンジニアになりたい方におすすめのセミナーを2つ紹介します。
- AIエンジニア育成講座
- ビジネス向けAI完全攻略セミナー
AIエンジニア育成講座
一つ目は、AI研究所の「AIエンジニア育成講座」です。
AI研究所のAIエンジニア育成講座は、プログラミングのためのAI・機械学習と開発環境の構築から始まり、機械学習モデル(ニューラルネットワーク)の実装を行い、実践的なAIプログラミングの実装を行います。3日間の研修で、最適なAI学習モデルを選定し課題解決ができるようになるところまでを目標として、AIについて学ぶことができます。
AI学習未経験でも受講可能で、3日間で応用まで完全制覇することができます。
ビジネス向けAI完全攻略セミナー
二つ目は、AI研究所の「AIエンジニア育成講座」です。
AI研究所のAIエンジニア育成講座は、「AIの基礎知識を理解する」「AIの作成に必要となるデータや設定項目を習得する」という目標を達成するための講座です。AI学習未経験でも受講可能で1日で応用レベルまで学ぶことができます。
実務で使える知識と活用術を習得したい人におすすめです。
企業向けDX・AI人材育成サービス
企業が直面する課題を解決し、DXを進めるためには、AIを活用することが必要不可欠です。
AIについての正しい知識を身につけ、AIプロジェクトを成功に導くための支援があることをご存じでしょうか。
AI研究所では、企業向けにAIコンサルティングを提供しており、専門家がご要望に合わせて、ご相談に応じます。
些細なことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。コンサルタントが直接ご連絡いたします。
まとめ
AIエンジニアになるために必要なスキルや、取っておいた方が良い資格について解説しました。
AIエンジニアは、人工知能(AI)システムを設計、開発、および管理するためのスキルを持っているエンジニアのことです。AIエンジニアは、今後も需要が伸びていくことが想定されます。
AIエンジニアに興味のある方は、今回紹介したAI研究所のセミナーの受講を検討してみてください。