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【2026】サプライチェーンの可視化を高めるポイントとは?競合他社と差をつけよう

NTTデータ関西は2024年12月、「BIZXIM CFP」という企業がサプライチェーン全体のCO2排出量を製品ごとに詳細に把握し、可視化することを可能にした解決策を発表しました。

BIZXIM CFPは、全ての排出量を製品レベルで詳細に算出し、可視化することができ、ある製品が原材料の調達から製造、最終的な消費者の手元に渡り、廃棄されるまでのライフサイクル全体におけるCO2排出量を、製品ごとに特定することが可能です。

企業が既に保有している生産管理システム内の部品表や品目情報などのデータを活用するとともに、外部から様々な補足情報を連携させることができるため、より正確で詳細なCO2排出量の算出が可能になります。

今回は、可視化するサプライチェーンの対象やサプライチェーンの可視化を高めるポイントを解説します。

サプライチェーンの可視化とは

サプライチェーンの可視化とは、レントゲン写真で体の内部を見るように、企業の製品やサービスが作られ、顧客のもとへ届くまでの道のりをすべて詳細に把握することです。

サプライチェーンとは、原材料の調達から製造、輸送、最終的な販売までの様々な工程を指す経営用語です。

この流れを一目でわかるように可視化することで、企業はこれまで見えなかった問題点や課題を具体的に把握できるようになります。

例えば、ある部品の調達が遅れているために、製品の納期が遅れているといった状況を、リアルタイムで把握することや自然災害や経済情勢の変化など、外部要因によるリスクも事前に予測し、対策を講じることもできます。

サプライチェーンについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

サプライチェーンとは?企業マネジメントのポイントや問題点・具体例を簡単に解説

可視化するサプライチェーンの対象

可視化するサプライチェーンの対象

サプライチェーンを可視化するためには、ビジネスの根幹を支える「物」「人」「金」「情報」の4つの要素を可視化することです。以下で詳しく見ていきましょう。

在庫管理の基本は、商品が入庫される過程と出庫される過程を正確に把握することにあります。

在庫数は、入庫量から出庫量を差し引いた単純な計算で求められますが、その背景には、原材料の調達から製品の販売に至るまで、多くの部門が関与する複雑なプロセスが存在します。

従来、各部門はそれぞれ異なるシステムやデータを用いて業務を行っており、情報共有が十分に行われていないケースが少なくありません。

例えば、過剰在庫が発生した場合、どの部門の入庫計画の誤りなのか、それとも販売部門の予測不足が原因なのか、といったように、責任の所在が曖昧になることがあります。

このような問題を解決するためには、全社的に在庫情報を共有し、透明性を高めることが重要です。数値に基づいた客観的なデータに基づいた状況を分析することで、責任の所在を明確にし、改善策を迅速に実行することができるでしょう。

多くの企業や組織において、5W1Hが明確に定義され、可視化されていないのが現状です。5W1Hとは、以下の単語の頭文字を取った言葉で、情報をより明確かつ体系的に捉えることができるフレームワークです。

Who 誰が
When いつ
Where どこで
What 何を
Why なぜ
How どのように

業務の5W1Hを明確にすることで、作業内容を可視化し、改善や問題点の共有を可能にします。一見当たり前のことのように思えますが、作業内容が曖昧なままでは、改善点を見出すことができず、問題が発生した場合に迅速な対応も困難になるでしょう。

作業内容を明確に定義し、可視化することで、どの工程で時間がかかっているのか、どの作業でミスが多いのかなどの具体的な改善点や全員が同じ認識を持つことで、問題点を共有し、効率的な解決策を導き出すことができます。

また、一人ひとりの担当業務を明確にすることで、人員配置の最適化を図ることや、どの作業がどの程度の品質で行われているのかを把握し、業務品質の向上を図ることができるでしょう。

サプライチェーンは、複数の企業が複雑に連携し、製品やサービスを顧客に届けるリレーレースのようなものです。

このバトンタッチの度に、リスクと所有権が移転し、債権や債務が発生するため、キャッシュフローの管理や資産の所在を把握することは非常に重要です。

リスク

損失が発生する可能性と、その規模を掛け合わせたものが管理すべきリスク量となります。サプライチェーンにおけるリスクは、自社が引き起こすものと、外部要因によるものに大別されます。

自社が引き起こすリスクとしては、商品の売れ行きや買い過ぎによる在庫の積み上がり、契約を履行できないことなどが挙げられます。

一方、外部要因としては、取引先の倒産や契約不履行、政治的な不安定さ、コロナ禍のようなパンデミックなどが考えられます。これらのリスクは常に変動するため、リアルタイムで把握し、管理することが不可欠です。

リスクは、完全に回避することはできませんが、闇雲にリスクを取るのではなく、自社の許容範囲内で管理することが重要です。

サプライチェーンは、最も弱い部分が全体の強度を左右する鎖のような仕組みのため、ある一つの工程が滞れば、全体の流れが止まってしまう可能性があるのです。そのため、リスク量が大きすぎる場合は、早急な改善策を講じる必要があります。

情報

供給情報と需要情報を可視化することは、サプライチェーン管理の理想的な状態と言えるでしょう。川上側の供給情報を可視化することで、下流側の企業は将来起こりうる状況を予測し、事前に準備することが可能です。

例えば、パンデミックのように、製造工場の生産能力が大きく変動する事態が発生した場合、早期にその兆候を察知し、他の企業に緊急の手配を依頼することで、自社の生産ラインの停止や減産を防ぐことができます。

一方で、適切な量の製品を供給するためには、需要情報の可視化も重要です。一度工場を建設してしまうと、稼働率を維持するために生産を続けなければならず、企業は常に生産過剰に悩まされることになります。

このような状況下では、需要側の企業が強い立場にあり、自社の需要情報を積極的に開示しようとしない傾向が見られるため、事前にパートナー企業との間で信頼関係を構築し、戦略的な連携体制を築くことが重要です。

サプライチェーンの可視化を高めるポイント

サプライチェーンの可視化を高めるポイント

最後に、サプライチェーンの可視化をさらに深め、企業の成長に繋げるための具体的なポイントをご紹介します。

現場任せにしない

サプライチェーンの可視化による現場レベルでの課題解決も大切ですが、真の可視化は、サプライチェーン全体を俯瞰し、最適化を図ることから始まります。

関係者が多岐にわたるため、全社最適という視点すら狭く、個々の最適化に注力するだけでは、全体最適から遠ざかってしまうでしょう。

サプライチェーンは、企業にとって生命線と言える存在であり、経営の最重要課題のため、可視化の取り組みは、上層部で推進されるべきです。

上層部が明確な目的を示し、変革の方向性を示すことで、全社一丸となって取り組みを進めることができるでしょう。

現場の意識改革を行う

サプライチェーンの可視化は、、現場の意識改革と多角的な視点が重要です。すべての情報や作業内容、コスト、人員、必要なスキルなど、サプライチェーンに関わるあらゆる要素を可視化することで、全体像を明確にし、改善すべき点を見つけ出すことができるでしょう。

プロセスマップや業務プロセス図は、サプライチェーン全体のフローと各関係者の連携を視覚的に示す有効なツールです。これらの図を作成する際には、関係者全員が解釈なしに理解できるよう、精緻かつ簡潔な表現を心がける必要があります。

可視化の対象は自社だけでなく、顧客やサービス品質、商品、パートナー、現場、業界など、多岐にわたります。それぞれの視点からミクロとマクロの両方の観点で可視化することで、より深い洞察を得ることができるでしょう。

業務可視化ツールを導入する

サプライチェーンの可視化を成功させるには、すべての活動データをデジタル化し、関係者が共通のデータ基盤上で情報を共有することが重要です。業務可視化ツールは、以下のような機能を提供し、サプライチェーンの可視化をサポートします。

  • サプライチェーンフロー図の作成
  • 物・人・金・情報の可視化
  • プロセスの監視
  • KPIモニタリング
  • 改善効果の予測・測定

様々なツールが存在しますが、いきなり大規模な導入を進めるのではなく、まずは自社の課題を明確にし、スモールスタートで導入を進めることが重要です。

目的意識を持ってツールを選択し、段階的に活用範囲を広げていくことで、より効果的な導入が期待できるでしょう。

ネットワーク内でデータを共有する

サプライチェーンの可視化は、単なるデータの可視化に留まらず、サプライヤーやメーカー、ディストリビューター、小売業者など、サプライチェーンに関わるすべてのプレイヤーが商品の流れや収益に影響を与えるデータをリアルタイムで共有できる環境こそが、真の可視化と言えるでしょう。

生産の遅延、在庫不足、需要の急増、規制上の問題といった、ビジネスに大きな影響を与える可能性のある事象も例外ではありません。

そのため、こうした状況に対応するために、現代のサプライチェーン管理システム(SCM)は、各プレイヤー間の連携を円滑にするための機能を備えていることで、サプライチェーン全体での情報共有が容易になり、迅速な意思決定が可能となるのです。

サプライチェーン管理(SCM)については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【2025】サプライチェーンの管理とは?期待できる効果や企業の成功事例

サプライチェーンの可視化で利益を高めよう

サプライチェーンの可視化で利益を高めよう

今回は、可視化するサプライチェーンの対象やサプライチェーンの可視化を高めるポイントを解説しました。

製造業において、サプライチェーンの最適化は、企業の収益性向上に欠かせない要素ですが、多様な取引先が絡み合い、外部環境の変化にも影響を受けるサプライチェーン全体を完全に把握することは容易ではありません。

しかし、サプライチェーンの可視化により、これまで見えなかったコストや工数の無駄を特定し、改善することで、企業全体の効率化を図ることができます。

自社に適したツールを選択し、サプライチェーンを可視化することで、コスト削減や品質向上、リスク管理などが期待できます。自社の現状に合った形でサプライチェーンを可視化し、課題解決に取り組むことで、企業の持続的な成長を実現しましょう。

キャド研では、御社の業務内容を詳しくヒアリングし、最適なCADのご提案から、3DCAD導入に必要なスキルの教育、実際の導入まで、一連のサポートをいたします。

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サプライチェーンの可視化を高めるポイントとは?競合他社と差をつけよう
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