シーメンスPLMソフトウェア社が販売するSolid EdgeとNX。
2つの違いがわからない方も、多いのではないでしょうか。
本記事では、Solid EdgeとNXの違いを検証しています。
どちらを購入しようか悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
Solid EdgeとNXの違いとは
Solid EdgeとNXの違いを、以下の2つにわけて解説します。
- Solid Edgeはミドルレンジ
- NXはハイエンド
Solid Edgeはミドルレンジ
Solid Edgeとは、シーメンスPLMソフトウェア社が販売する、ミドルレンジのCADソフトウェアです。ミドルレンジとは、性能や価格帯などをもとに3種類に区別された言葉で、上からハイエンド・ミドルレンジ・ローエンドに分けられます。
Solid Edgeは中程度のミドルレンジに位置しているため、機能面や価格帯のバランスがとれた、コストパフォーマンスを重視したい方におすすめのソフトです。
ほかのミドルレンジに位置するCADソフトは、以下の製品が挙げられます。
- SOLIDWORKS
- 図脳CAD3D V2
- iCAD SX
- Inventor
- TopSolid
しかし、ミドルレンジに位置するものの、ハイエンド並みの機能が備わっているソフトもあります。一方で、ローエンドよりの製品もあるため、何の機能を求めるのかなどを確認してから選定するとよいでしょう。
NXはハイエンド
一方で、NXはハイエンドに位置するCADソフトで、同じくシーメンスPLMソフトウェア社が提供しています。機能の豊富さはもちろん、ほかのCADソフトとの汎用性が高いため、扱えるデータが多いのが特徴です。
また、高速処理も可能なため、作業スピードの削減にもつながります。
同じハイエンドに属するCADソフトは、下記のとおりです。
- CATIA V5
- Creo
ただし、ハイエンド製品は価格が高いため、費用面を考慮して選定すると良いでしょう。
Solid EdgeとNXの機能面の違いを検証
Solid EdgeとNX違いを、機能面から検証します。
どちらを購入しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
Solid Edgeの主な機能
Solid Edgeの主な機能を、次の5つ紹介します。
ただし、ライセンスによっては制限されている機能もあるため、参考程度にお考えください。
- 板金設計
- アセンブリ
- フレーム
- 動作シミュレーション
- 標準部品
Solid Edgeの機能①板金設計
Solid Edgeの板金設計は、シンクロナス手法を用いることで、板金設計特有の設定が自動的に反映されます。そのため、少ないコマンドでスピーディーに形状作成ができます。
Solid Edgeの機能②アセンブリ
アセンブリとは、作成したパーツを組み合わせることです。
組み合わせる際にドラッグするだけで部品を追加できるので、複雑な設計も可能となります。
Solid Edgeの機能③フレーム機能
フレーム機能とは、登録した金型やライブラリから選んだ金型を使用して作成できる機能です。
スケッチに沿ったフレームを設置でき、パーツの保存も可能です。
Solid Edgeの機能④動作シミュレーション
動作シミュレーションとは、部品がどのような動作をするかアニメーションとして確認できる機能です。曲げや強度、干渉状況などのチェックも可能です。
Solid Edgeの機能⑤標準部品
標準部品は、頻繁に使用する部品を配置・格納する機能のことです。
効率的に配置できるため、作業スピードが向上します。
こちらの記事では、Solid Edgeに搭載されている他の機能や、導入事例を紹介しています。
あわせてご覧ください。
NXの主な機能
続いて、NXの主な機能を下記の5つ紹介します。
ただし、ライセンスによっては制限されている機能もあるため、参考としてお考えください。
- モデリング
- アセンブリ
- 板金設計
- 製図
- アニメーション
NXの機能①モデリング
NXのモデリング機能は充実しており、サーフェスやダイレクト、ポイントクラウドなど、さまざまな機能が搭載されています。
NXの機能②アセンブリ
アセンブリは部品を組んで構築して、さまざまなアセンブリモデルの作成を支援します。
また、干渉具合も検出されるので、設計時点で問題を把握できます。
NXの機能③板金設計
板金設計は、厚みや曲げ戻し値などの特有な設定を最初に行えるため、途中で気にせずにモデリングが可能です。ほかにも、穴やポケットなどの機能を備えています。
NXの機能④製図機能
製図機能では、単品部品やアセンブリから図面を作成できるため、作業の効率化が実現します。
断面図の作成や注釈の追加なども、スムーズに行えます。
NXの機能⑤アニメーション機能
アニメーション機能では、モデリングが完成したイメージを確認できます。
光の当たり方や反射などがリアルに再現されます。
Solid EdgeとNXの機能の違いは?
Solid Edgeのほうが簡単に操作しやすく、多くのタスクを効率的に処理できます。
シンクロナステクノロジー機能も備わっているため、図面の作成や編集などをスピーディーに操作できる点が利点です。
一方で、NXのほうがハイエンド製品のため、より高度な機能が備わっており、複雑な設計やシミュレーションなどの幅広い製品開発に対応しています。
自由度の高いモデリングをしたい場合には、NXが向いています。
以上のことから、Solid Edgeは直感的な操作が可能なため、新規ユーザーでも比較的スムーズに扱える点が特徴です。NXは操作が難しいと感じる可能性があるものの、複雑かつ高度な機能が充実しています。
Solid EdgeとNXの価格の違いを検証
最後に、Solid EdgeとNXの価格の違いを検証していきましょう。
- Solid Edgeの価格
- NXの価格
Solid Edgeの価格
Solid Edgeはライセンスによって価格が異なります。
4月時点で掲載されている公式サイトの情報を表にまとめたので、ご覧ください。
種類 | 月間サブスクリプション価格 | 年間サブスクリプション価格 |
---|---|---|
Solid EdgeDesign and Drafting | 2万4,614円 | 22万1,520円 |
Solid Edge Foundation | 4万9,294円 | 44万3,630円 |
Solid Edge Classic | 6万1,374円 | 55万5,600円 |
Solid Edge Premium | 8万8,860円 | 79万8,120円 |
Solid Edgeはパッケージによって4つのタイプに分かれており、月額サブスクリプション価格は2万4,614円~です。年間で購入すると費用を抑えて購入できます。
なお、Solid Edgeには無料体験版も用意されており、ダウンロードが可能ですので、ぜひお試しください。
また、Solid Edgeの価格については、下記の記事にて詳しく解説しています。
NXの価格
続いてNXの価格を紹介します。
4月時点で掲載されている公式サイトの情報を表にまとめたので、ご覧ください。
種類 | 年間サブスクリプション価格 |
---|---|
NX X Design Standard | 1,016,760円 |
NX X Design Advanced | 1,320,960円 |
NX X Design Premium | 1,686,000円 |
Solid Edgeと同様に、NXもパッケージによって料金が異なります。
複雑かつ高度な機能が備わっている「NX X Design Premium」が最も高額で、年間1,686,000円です。
ただし、NXも無料体験版が用意されているため、期間内であれば無料で利用できます。
先に無料体験版でどのような機能が備わっているか確認してから、有料版を検討するとよいでしょう。
Solid EdgeとNXの違いを検証まとめ
本記事では、Solid EdgeとNXの違いを、価格や機能面から検証しました。
NXはハイエンドのため費用は高額ですが、複雑かつ高度な設計が可能です。
一方で、Solid Edgeはミドルレンジに属しており、価格と機能のバランスがとれています。
なお、Solid Edgeの無料体験版は以下のページからダウンロードが可能なため、ぜひチェックしてください。