CADソフト「Solid edge」を選ぶときに気になること。
CADソフトの1つに「Solid edge」があります。3Dのモデリングや設計をしたいときに、選択肢としてよく上がるソフトです。しかし、Solid edgeは「使いにくい」と言われて、評判や使うメリットが気になる方もいるでしょう。
そこで、Solid edgeが使いにくいと言われる理由やメリット、おすすめの機能を解説します。
Solid edgeの特徴については、以下の記事で解説しています。
Solid edgeが使いにくいと言われる理由
Solid edgeは、ユーザーの使用感として「使いにくい」と言われることがあります。
例えば、機能の一部やモデリングの作業、シミュレーションなどの使用感です。この背景には国内外でさまざまなCADソフトが登場しており、他のソフトと比較する機会が増えたことが挙げられます。
評判にはユーザー数が影響している
日本で「使いにくい」と言われる場合の多くは、単純にSolid edgeのユ―ザーの数が少なく、使いにくさや改善について書いた口コミ・評判が目立ってしまうことが原因です。
もちろん、「使いにくい」と指摘するユーザーの評判はあります。しかし、その一方で機能や使いやすさを挙げているユーザーも多く存在しています。
そこで、良い評判や使いにくいとする評判について次に取り上げます。
Solid edgeの実際の評判
以下に、Solid edgeの実際の評判でよくあるものを紹介します。
- 直感的な操作性でモデル設計がスムーズに行える
- Solid edge以外の他社ソフトが必要になる
- ツールメニューが使いやすい
- 動作が重くなる
- マクロを使用した複数モデルの自動化が行える
- バージョンを変えての複数インストールができない
- 説明書が読みにくい
直感的な操作性でモデル設計がスムーズに行える
Solid edgeの実際の評判として多くのユーザーが最初に挙げるのが「直感的な操作性」です。Solid edgeでは、リアルタイムに変更を反映し、マウスで矢印を引っ張り形状や設計細部を変更できるのです。
この矢印のことを「ステアリングホイール」と呼び、つかんだり離したりできます。作業時の効率が大きく変わる点が良い評判として上がる理由です。
Solid edge以外の他社ソフトが必要になる
改善点として上がる口コミの中に、3Dモデリングが「使いにくい」という評判があります。
例えば、3Dモデリングで複雑なパーツがあると「想定外の動作が起きる」「動作が遅くなる」「細かい調整が必要になる」などが理由です。ユーザーの中には、これが原因で3Dモデリングの再現時に別のソフトを使用することで対応する方もいます。
ツールメニューが使いやすい
Solid Edgeの良い評判の1つに、ツールメニューが使いやすいことを上げるユーザーもいます。メニューやボタンがわかりやすく、初心者にとっては使いやすさの面で評価されています。
動作が重くなる
ユーザーの「使いにくい」とする評判の中には、画面の動作が重くなることを挙げているユーザーもいます。例えば、モデルを1つ表示する場合には快適でも、複数のモデルを呼び出したときに画面が固まってしまうなどです。
また、複雑なパーツで組まれた3Dモデリングでも、使用するパソコン環境の性能次第では、動作が重くなります。これらのユーザーは、その体験を3Dモデリングやそのシュミレーション時に経験していることが多いのです。
マクロを使用した複数モデルの自動化が行える
事業でソフトを使用するユーザーは、自動化機能が使いやすいことを評判として挙げています。複数のモデルを作成する際に、Solid Edgeはマクロを使うことで自動化が可能です。
ただし、マクロの記録にはコードの知識が必要となるため、初心者の方には少し難しいでしょう。しかし、事業でモデリングや設計の用途で使いたい方には、複数モデルの自動化で効率よく作業を進めることができます。そのため、中級・上級ユーザーには評判です。
バージョンを変えての複数インストールができない
Solid edgeは通常、最新バージョンをインストールして実行します。そのため、複数インストールができない仕様です。
事業で使う方は、顧客対応で複数のバージョンが必要になります。パソコンと1つのソフトですべてに対処できません。これが「使いにくい」と評判に上がる理由です。
説明書が読みにくい
Solid edgeはアメリカの会社で生まれたソフトです。説明書が英語で日本人には使いにくいのです。英語の説明でサポートが不十分と評価されています。
また、国内ユーザーの少なさも原因の1つです。日本語で書かれた個人ブログやサイトが少なく、国内向けに集められる情報が限られています。
Solid edgeの評判は、以下の記事でも詳しく紹介しています。
Solid edgeを使うメリット
Solid edgeは使用する個人や企業が得られるメリットがいくつかあります。
メリット1.「シンクロナス・テクノロジー」を使える
Solid edgeを使うメリットは、「シンクロナス・テクノロジー」で設計の自由度が向上することです。CADソフトは、部品の多い設計の変更や修正が複雑になりがちです。
しかし、「シンクロナス・テクノロジー」は、モデルの一部を直接操作して直感的に変更できます。履歴を確認して、何度も変更する作業が必要なく、編集したい場所をマウス操作で直接変更を加えることができます。
メリット2.モデリング、製図、設計機能をまるごと備えている
Solid edgeは、図面や設計図、デザイン作成に必要な機能を網羅しています。そのため、幅広い業種の3Dモデリングや製図、設計に対応できます。
作成に必要となるライブラリの搭載やテンプレートの用意も豊富です。特に製品設計を手掛ける方は、モデリングから設計までの機能が必要です。Solid edgeのソフトを導入することで、自動車の製品設計から建築設計や土木設計の図面、電気工事の回路図などまでカバーできます。
メリット3.費用を抑えられる
Solid edgeのソフトは、導入費用を抑えられることもメリットの1つです。導入時にサブスクリプションの4つの基本パッケージがあり、それぞれ月額2万~7万円のプランでソフトを導入可能です。
また初めて導入する際に、30日間無料となる「Solid Edgeの無償評価版」をダウンロードすることができます。また、ビューアは無料で提供されており、いつでも「3D CAD Viewer」を使うことができます。
メリット4.設計やその他業務スピードの向上
Solid edgeのソフトを導入した企業の中には、設計効率が上がってスピードが向上するメリットも確認されています。設計スピードが挙がる理由としては、直感的な操作が可能になること、計量解析の自動化ができることなどです。
また、ミスの多かった設計で履歴確認が減り、完了までのスピードが上がったケースもあります。特に製造業では、製造工程や修理過程において、業務時間の短縮が起こり、時間のムダを減らせるのです。
Solid edgeのおすすめな機能
Solid edgeには、新旧をあわせて複数の機能が搭載されています。上手く活用することでモデルや図面の作成効率を上げることができます。ここでは特におすすめな機能について4つ紹介します。
おすすめな機能 | 詳細 |
ジェネレーティブデザイン | 「荷重条件」や「設計空間」などの条件を設定して、設計案を自動で生成することができる |
コンテキストツールバー | ツールやオプションを探す必要がなくなり、作業に関連するコマンドを表示することが可能 |
データ設計共有のコラボレーション機能 | チーム全体で最新の設計データを共有できる |
シミュレーション機能 | リアルな検証回数を減らせる |
おすすめな機能1.ジェネレーティブデザインの機能
Solid edgeはパソコンで使うソフトの強みとしてAIを活用したデザイン機能「ジェネレーティブデザイン」があります。
AIの中でも設計を自動で行うための調整がされています。そのため、「荷重条件」や「設計空間」などの条件を設定して、設計案を自動で生成することができます。
ただし、この分野でデザイン案のAI活用は事例が少なく、高品質なものを作り出すには独自の工夫や調整が必要です。したがって、新しい試みとして設計業務にアイディアを加えたいときにおすすめです。
おすすめな機能2.コンテキストツールバーの機能
2つ目のおすすめ機能として「コンテキストツールバーの機能」があります。コンテキストツールバーとは、設計作業を素早くできるように、自動でツールを表示する機能です。ツールやオプションを探す必要がなくなり、作業に関連するコマンドを表示することが可能です。
使い方は、ツールバーの位置を手動で変更して、そのときの作業内容にあわせます。スケッチや部品設計に向いています。使いこなせば、ユーザにとって使用頻度の高い機能です。
おすすめな機能3.データ設計共有のコラボレーション機能
Solid edgeには、企業や個人がチームで仕事をする際に、制作中のデータを共有して、共同で編集する機能があります。
データをクラウド保存しての共有が可能です。その際に使われる「Teamcenter Share」は安全基準を満たしています。そのため、機密の多い企業でも使いやすい機能です。
また、デスクトップで作成したものをクラウドで同期できる仕様となります。チーム全体で最新の設計データを共有することも簡単です。
おすすめな機能4.シミュレーション機能
Solid edgeでモデリングをした際に、モデルの性能を確かめたり、耐久度を確かめたりできる機能が「シミュレーション機能」です。製造や材料にかかる費用を計算することもシミュレーション機能では容易です。
特に部品の多い設計では、シミュレーション機能による解析は重宝します。これはリアルな検証回数を減らすことにもつながるため、デジタル技術のCADソフトならではの強みです。
Solid edgeが使いにくいと言われる理由についてまとめ
Solid edgeは、海外で広く使われ評判も上々ですが、国内では「使いにくい」と言われます。しかし、企業が導入して業務の効率化やスピードが向上するなど、さまざまなメリットがあります。
おすすめの機能を確認して、自分にあったSolid edgeの機能を使いこなしましょう。