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【2024】Solid Edgeの学生版とは?概要や使用条件、初心者のコツなどを紹介

「Solid Edge」の初心者にとって、いきなり有料の既製品を購入することは不安があります。しかし、無料期間の1ヶ月足らずでは、基本を習得することが難しい方もいるでしょう。

そこで、初心者の方には「Solid Edgeの学生版」がおすすめです。期間の制限なく、無償利用が可能となっています。

今回は、学生版の概要や使用条件、初心者が設計時に押さえたいコツなどを紹介します。

Solid Edgeとは

Solid Edgeとは

Solid Edgeは、製品・機械の設計ができるCADソフトです。シーメンスPLMソフトウェアという会社がシステムを提供し、有償もしくは無償でソフトをダウンロードして使えるようにしています。

Solid Edgeの使い道は幅広く、建築設計や電気機械の設計、自動車の部品製造など、製造業の分野で頻繁に使用されています。特に3D設計が可能な点が大きな特徴です。

以下の記事で、Solid Edgeの特徴を詳しく解説しています。

Solid Edgeとは?特徴を徹底解説!

3D設計が2D設計と異なる点

Solid Edgeを始めとしたCADソフトには、使える機能によって3Dと2Dの違いがあります。まず2Dは、「2次元的な平面」での設計です。一方で、3Dは「3次元的な立体」での設計です。

2Dが「縦」と「横」の2つの軸しかないのに対し、「縦」と「横」に「高さ」を加えた3つの軸があります。そのため、設計時には立体的にパーツを組み立てて、立体的な凹凸を調整できるのです。

CADの意味

「CAD(Computer Aided Design)」は「コンピューター支援設計」の意味です。設計図はデジタル化される前、図面の紙にペンや印刷の手書きで行われていたことが知られています。それをデジタルな制作環境で作れるようにしたものです。いまでは製造の分野でよく使われています。

Solid Edgeの学生版とは

Solid Edgeの学生版は、同社のCADソフトにおける製品の中の1つです。そして、商用版と同じプロ仕様のソフトを試すことができます

「Solid Edge」学生版の特徴 詳細
無償で使える 使用条件はあるが、費用は発生しない
機能制限はない 商用版の本製品と同じ機能が使える
コンテンツの一部が無料で使える 学習用のチュートリアルや基礎コース(オンライン コース、ウェビナー向け)が無料

学生版は無償で使える

Solid Edgeの学生版は、無償で提供されています。Solid Edgeの学生版には料金設定がなく、途中で費用請求が発生することもありません。サブスクリプションの契約が不要です。そのままダウンロードして使えます。

無償提供の理由は、学生が本格的な3DCADソフトの使い方を学ぶ機会として、費用のかからないように配慮しているためです。学生にとっては3D設計やモデリングを学習する際に、ソフトの費用は大きな負担となります。

そこで、学習用としての提供です。機能制限や使用条件はあるものの、プロ仕様とほぼ変わらない内容のソフトです。

Solid Edgeを学生版以外で無料で使う方法を、以下の記事で紹介しています。

Solid Edgeを無料で使う方法を紹介!導入するメリットも紹介

機能制限はない

Solid Edgeの学生版は、商用版の本製品と同じ機能が使えます。つまり、無償で使えることに対する機能制限が存在しません。

ただし、まったく同じというわけではありません。後述するような利用上の禁止事項や条件の違いがあります。しかし、それらを除けば、同じように機能が使えて、学習にも使えるのです。

学習コンテンツの一部が無料で使える

Solid Edgeの学生版には、「Siemens Learning Cente」から無償の学習コンテンツが用意されています。それが、学習用のチュートリアルや基礎コース(オンライン コース、ウェビナー向け)です。

例えば、無料で公開されている「庭の鳥小屋をデザインする」や「部品、図面、アセンブリを使用してフロントローダーを構築する」などのチュートリアルです。パーツビューやモデリングの機能を文章や画像、動画の形式で解説しています。

また、習熟度を示す「Solid Edge認定資格」や「学生設計コンテスト」の募集を実施しています。そのため、基本学習の後に、習得した技能を周囲に示したり、世界に自分の設計技術を示して将来のキャリアにつなげたりできます。

ちなみに、資格の認定はオンラインの試験を通じて受けることが可能です。認定される資格にはレベルがあり、Solid Edge Mechanicalの「アソシエイトレベル認定」が初級です。次に「プロフェッショナルレベル認定」、最後に「エキスパートレベル認定」が容易されています。ユーザーの目的に応じてレベルに合ったものを取得するのがおすすめです。

学習コンテンツに関する参照URL:「solid edge」公式サイト

Solid Edgeの学生版を使う条件

Solid Edgeの学生版を使う条件

Solid Edgeの学生版には、機能制限がない代わりに、一定の使用条件が定められています。以下に使うときの条件を4つ説明します。

条件1.学生なら誰でも使える

まずSolid Edgeの学生版は、学生なら誰でも使えます。ここでの「学生」とは、学校に通う学生のことだけでなく、家で独学する方や、趣味の学習教室で学ぶ個人なども含まれます

学生以外の方で、すでに基本学習を終えており、Solid Edgeを業務で使いたい方は対象外となります。

また、教員や学校関係者の方は「Solid Edgeの学生版」ではなく、もう1つの「Solid Edgeの教育者版」を使うことが必要です。教育者版は、学生版と同じ無償提供です。プロ仕様の機能が学生版同様にそのまま使えます。

条件2.商業利用には使えない

2つ目は、Solid Edgeの学生版は、学生の学習用として無償で提供しているもののため、商業利用ができません。ここでの商業利用とは、ソフト内で設計したデータを利益の発生する業務には使えないということです。

もし学習や研究にではなく、商業利用に使いたい方は、プロ仕様の商用版ソフトが必要です。そのため、本来の「Solid Edge」を料金プランに応じてサブスクリプションで購入し、商業利用の権利を得た上で利用する必要があります。

条件3.商用版で読み込まない

3つ目は、Solid Edgeの学生版で作成したファイルを商用版で読み込ませないことです。この条件は、商業利用には使えないことに関連しています。

設計やモデリングでは、企業がデータをもとに管理します。実際に現場で製品を組み立てる際は、Solid Edgeのソフトで読み込む必要があるのです。しかし、Solid Edgeの学生版は、図面への透かしを挿入するなどして、商用版でデータが読み込めません。読み込めなければ製造現場で使うデータを用意できないでしょう。

条件4.学習コンテンツの許可範囲に違いがある

4つ目は、Solid Edgeの学生版には、学習コンテンツを閲覧できる範囲に違いがあることです。

例えば、基礎コースは「Solid Edge スケッチ基礎コース」や「3D CAD基礎コース」が代表的です。しかし、「Solid Edge スケッチ基礎コース」にある章の大半は、商用版でサブスクリプションの契約をした人にしか閲覧することはできません

上記のように学生版だけでは使えないコンテンツがあります。

学生版でも同じなSolid Edgeの機能と特徴

学生版でも同じなSolid Edgeの機能と特徴

Solid Edgeの機能は、「モデリング」や「図面作成」、「アセンブリ」が代表的です。例えば、モデリング機能では製品を3Dで立体的に表現することができます。作成した2Dスケッチのパーツを3Dにするモデリング化のことです。

始めから3Dのラフスケッチを作るのではなく、2Dのラフスケッチを作成してから、それを立体的に変換できます。そのため、多くの作業の手間を省略することが可能です。また、図面作成機能では、図面のビューや分解図を図面化する機能があります。

それ以外にも、データ管理や3次元注釈など、設計や図面の作成に必要となる機能が詰め込まれています。

Solid Edge初心者の学生が設計をするときのコツ

Solid Edge初心者の学生が設計をするときのコツ

Solid Edgeは初心者でも学びやすいことで知られています。そこで、今回紹介したSolid Edgeの学生版を通じて設計を学ぶためには、初心者が押さえるべきコツが3つあります。

  1. スケッチ作成で完成後をイメージする
  2. 3DCADソフトの仕様と機能をよく使うものから覚えていく
  3. ツール機能の活用を検討する

コツ1.スケッチ作成で完成後をイメージする

1つ目のコツは、スケッチ作成することで、パーツごとに組み立てた製品を具体的にイメージする準備をすることです。スケッチをせずに、すぐにパーツを設定して3D設計やモデリングに入ってしまうと、最終的に作りたい製品の外観や設計図が、自分のイメージと噛み合わなくなります。

場合によっては、パーツから作り直す必要が出てくるのです。特に初心者の学生は、ソフトでスケッチ作成と組み立ての実体験から基本の流れと設計を学ぶことが大切です。

Solid Edgeの学生版では、チュートリアルなどを利用して、CADパーツのスケッチからパーツの組み立て、アセンブリとの関連付けをまとめて押さえることができます。

コツ2.3DCADソフトの仕様と機能をよく使うものから覚えていく

2つ目のコツは、Solid Edgeの機能をよく使用するものから順に覚えていくことです。作業しながら、その都度必要になる機能の説明を確認します。

なぜなら、Solid Edgeの学生版は、プロ仕様と機能が同じで、最初にすべての機能を把握するのは大変だからです。それだけで多くの時間を必要とします。そのため、初心者は学生版のソフトを実際に使いながら、よく使うものを中心に覚えるのが効率的です。

コツ3.ツール機能の活用を検討する

3つ目のコツは、ツール機能を上手く活用して、効率的な作成を意識することです。Solid Edgeは直感的な操作で設計やモデリングができるため、初心者でも機能を使いやすくなっています。しかし、直感的に変更する方法は、作業の無駄も多く発生するのです。場合によっては、設計全体のバランスが崩れることもあります。

そこで、ツール機能を活用する方法を覚えて、無駄を省き、作業を短縮することです。例えば、図面のレイヤー管理や適切なコンポーネントの使用などです。さらに、ミュレーションで解析の応用が可能になれば、さまざまな作業を後々減らすことに繋がります。

Solid Edgeの学生版についてまとめ

Solid Edgeの学生版は、プロ仕様の商用版と同じ機能を無償で使える3DCADソフトです。学生版の制限として、条件に商用利用の禁止があります。しかし、それを除けば学習用として機能の使い方や操作を学ぶのに適しています

まだ3DのCADソフトに慣れていないSolid Edge初心者の方には、学生版がおすすめです。

Solid Edgeの学生版とは?概要や使用条件、初心者のコツなどを紹介
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