Fusion 360は、Autodesk社によって提供されているクラウド型の3DCADソフトで、個人や売上が一定程度の法人であれば無料で利用し続けられるなど、使いやすいのが特徴です。では、企業でのFusion 360の社員研修はどんな方法で実施できるでしょうか。
この記事では、無料で始められるものから講師がつくものまで、Fusion 360研修の選択肢と選び方を整理して紹介します。
Fusion 360の研修に公式チュートリアルを利用する
Fusion 360は3DCADの中でも操作がしやすく、幾何学的なものから流線形に至るまで、さまざまな3Dモデルを作成できるソフトです。人の思考回路を加味して操作しやすいよう工夫が施されているソフトですので、初めて3DCADを使う人も違和感なく利用できます。それでも、仕事で使うためには系統だった学びが必要です。質の高い成果物を作るためにも、一定以上のレベルの知識や技術を社員全員に身につけさせたいと考える企業は少なくないでしょう。
Fusion 360の習得のために、社員研修として使えるものの一つがチュートリアルです。費用をかけずに始められるFusion 360研修として、まず候補に挙がる方法です。チュートリアルはハードウェアに加え、Fusion 360などのソフトウェアの利用方法を習得するための教材です。紙面やPDFなどで出されることが主流でしたが、近年では解説付きの動画が多く用いられるようになっています。チュートリアルの多くは無料で、Youtubeなどで配信されているものもありますので、自社にとって必要なものをピックアップして利用できます。
チュートリアルの動画であれば操作方法を自分の目で確認して学習できますし、特に講師をつける必要がないことから、予算や人手が不足している現場のFusion 360研修では特に役立つことでしょう。ある程度の操作をマスターしている人であれば、特定の操作の詳細などより狭い範囲の情報を深堀りして知りたいといった要望が出てくるかもしれません。その場合は、操作別や設計する部品別に説明書きが記載されたチュートリアルを使うとじっくり学べるでしょう。
数あるFusion 360のチュートリアルで利用したいものの一つが、ソフト提供元であるAutodesk社が公式で出しているものです。情報源として信頼できますし、他のソフトを使っていた人が新たにFusion 360を利用するケースを意識した内容のチュートリアルになっているのが魅力です。提供されているチュートリアルの主な内容ですが、インターフェースの紹介や概念とファブリケーションツールセットの紹介など、アウトラインとなるものに加え、基本機能からフリーフォームモデリングまで段階的に学ぶことができます。さらに、データ変換やデータ管理とチームコラボレーションなど、データの扱いやチームでの仕事を意識した内容も含まれています。
Fusion 360を使用している人のチュートリアルも研修の参考に
Fusion 360を実際に使用している方が出しているチュートリアルも参考になります。例えば、「3DCAD使い方の扉」では、Fusion 360で作成したデータや練習用問題などを公開していますので、実践的に学ぶのに役立つでしょう。また、「Fusion 360のチュートリアル」では公式・非公式を含め、学びに役立つチュートリアルの情報元をまとめて掲載しており、機能別・形状別の学習材料を得ることもできます。
なお、Fusion 360の基本操作から練習したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
Fusion 360のセミナーや講師派遣を研修に利用する
各社員のレベルに合わせ、一定の水準の知識や技術を習得できるようにするには、セミナー利用や講師派遣による社内研修、個人レッスンが効果的でおすすめです。講師が付くことで、自分一人で学ぶだけでは習得が難しい技術を身に着けることができたり、つまずきやすい点をカバーしてもらえます。Fusion 360のセミナーや研修はいろいろなところで開催されていますが、Fusion 360研修としてはAutodesk社が出しているセミナーの利用価値が高いと言えます。Autodesk社では動画で学べるオンラインセミナーを行っており、Fusion 360の紹介から始まり、操作方法やモデリング・レンダリングの方法を視聴できます。
また、Autodesk社ではFusion 360の無料オンラインセミナーを視聴でき、初級編ではFusion 360のユーザーインターフェースや基本操作、管理方法や共有の仕方を習得することが可能です。中級編では、スカルプトでのモデリングの方法やアセンブリについて学び、実践編ではパッチのほか、いろいろなテクニックを使用してのモデリング方法を学習できるようになっています。
CADソフトの販売を手掛ける「株式会社ファクト」でも、セミナーを開催しています。無料オンラインセミナーも開催しており、セミナー終了後に質疑応答の時間が設けられているので、わからなかったところを確認できるほか、セミナー後、1カ月間のサポートを無料で体験することが可能です。セミナーの内容が気に入り、講師派遣による研修を依頼する場合は、無料セミナーを受講していると割引が受けられます。Fusion 360の社内研修を考えている企業は、Fusion 360研修の第一歩として、まずは無料オンラインセミナーを利用してみるとよいでしょう。
「CADオンラインレッスンのFrenz」でも、オンラインによるFusion 360研修やセミナーを提供しています。ポイントを押さえた3時間程度の内容に加え、Fusion 360の基本設定や操作から3Dモデリングに対応した4時間コースの研修、全くの初心者や初級者がFusion 360を一から学べる5時間コースなど、社員のレベルに合わせられるのが魅力です。また、自社が提示する図面を教材として使うことが可能ですので、より実践的な内容を学ぶことができるでしょう。参加人数や教えてもらいたい内容などの相談もでき、使い勝手の良さを感じる企業も多いです。CADオンラインレッスンのFrenzではオンラインによる個人レッスンも開催していますので、必要に応じて利用することも検討できます。
ここまでのFusion 360研修の学習方法を比較すると、以下のようになります。
| 学習方法 | 無料 | 期間・ペース | レベル目安 |
|---|---|---|---|
| 公式チュートリアル | ○ | 自分のペース | 未経験〜中級 |
| Autodesk社 無料オンラインセミナー | ○ | 自分のペース | 初級〜上級 |
| Autodesk Fusionセミナー講習(GETT Proskill) | × | 2日間 | 未経験〜上級 |
| 講師派遣・個人レッスン(Frenz等) | × | 3〜5時間コース〜 | 初級〜中級 |
Fusion 360研修の選び方

Fusion 360の研修は形式や費用に幅があるため、目的を決めてから選ぶと失敗を防げます。選定時は以下のポイントを確認しましょう。
- 受講形式:会場受講・ライブウェビナー・動画教材のうち、どの形式のFusion 360研修が自社の勤務体制に合うか
- 対象レベル:未経験者を含むのか、すでに触っている社員の底上げなのか
- 期間:短期集中で終わらせたいのか、業務の合間に少しずつ進めたいのか
- 費用と助成金:その研修が人材開発支援助成金などの対象になるか
- サポート:受講後に質問できる窓口や教材が残るか
自社の目的が「まず全社員に触ってもらう」であれば無料のチュートリアルやオンラインセミナーで十分ですが、「設計業務で使えるレベルまで引き上げる」のであれば、講師がつく研修を選ぶ方が結果的に早く定着します。
特におすすめのFusion 360研修

Fusion 360の研修の中でも、受講した方からの満足度が高いのがGETTProskillが提供している「Autodesk Fusionセミナー講習」です。
こちらは初めてFusion 360を使う方でも、2日間の短期集中で確実にスキルアップできるFusion 360研修です。
Autodesk Fusionセミナー講習の内容

「Autodesk Fusionセミナー講習」の具体的な内容ですが、まず1日目に3Dデータを作成するための基本や3Dプリンタの使い方、2Dで作成したファイルの活用、レンダリングなど、未経験者から初級者レベルの方に必要な内容を学びます。2日目には高度なモデリング、アセンブリの基礎に加え、自由曲面のモデルなど、中級者から上級者レベルの内容をマスターできます。設計課題が多いなど学習内容が充実しており、Fusion 360研修としては2日間で高度なテクニックを使えるようになるとともに、Autodesk社公認の修了証明書がもらえることも励みになるでしょう。
GETT Proskillの「Autodesk Fusionセミナー講習」の他のメリットは、受講形式を選べる点にあります。会場受講による対面学習に加え、同じ内容をライブウェビナーで受講することもできます。また、自分のペースで学べるEラーニングの活用も進んでいます。まず、対面学習では東京に加え、名古屋・大阪・新潟・福岡などでも開催しており、Fusion 360研修を予定している多くの企業が利用しやすいよう配慮されています。セミナーではパソコンの貸し出しもしていますので、受講者側で準備すべきものがないことも利点です。
受講会場まで遠い会社や時間を有効活用したい企業は、ライブウェビナーを活用できるでしょう。インターネット環境とFusion 360がインストールされているパソコンがあれば利用可能で、必要な場合はパソコンの貸し出しも行っています。Eラーニングは、他の受講形式よりも受講料が抑えられ、申込後1年間はいつでも視聴可能な点も魅力です。Fusion 360研修を一気に終わらせるというよりも、徐々に力をつけてほしいと思っている企業におすすめと言えます。
Fusion 360研修を受けるメリット
独学でも操作は覚えられますが、Fusion 360研修を挟むと定着までの時間と社内でのばらつきを大きく縮められます。Fusion 360研修を社員研修として実施する主なメリットは、次の3つです。
- つまずく時間をなくせる:スケッチの拘束やアセンブリの参照など、独学だと数日止まる箇所を講師がその場で解消してくれる
- 社員のレベルをそろえられる:同じカリキュラムのFusion 360研修で学ぶため、担当者ごとに操作方法や作図ルールがばらつかない
- 学んだ内容を自社の設計業務にそのまま持ち込める:自社図面を教材にできる研修なら、受講した直後から実務で使える
特に、すでに独学で触っている社員がいる場合ほど効果が出やすくなります。自己流で覚えた操作は本人が誤りに気づきにくく、データの管理方法まで人によって変わってしまうためです。Fusion 360研修で共通の型を作っておくと、後から設計データを引き継ぐときの手戻りも減らせます。
Fusion 360研修の講師と受講者の声
講師を務めるのは、Autodesk認定インストラクター(ACI)の資格を持つ技術者や、製造業向けに3DCADの導入支援を行ってきたコンサルタントです。操作方法だけでなく、設計現場でどう使うかまで踏まえた指導を受けられるのが、講師がつくFusion 360研修の強みです。
受講者からは、自己流で覚えていた操作の誤りに気づけた、持ち帰った資料で受講後も復習できたといった声が寄せられています。独学では気づきにくい部分を指摘してもらえる点が、Fusion 360研修を選ぶ大きな理由になっています。
| セミナー名 | Autodesk Fusionセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
CAD全般の研修を比較検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
Fusion 360研修の申し込みから受講までの流れ
Fusion 360研修は申し込んで終わりではなく、受講前の準備まで含めて段取りを決めておくと当日の学習効率が変わります。Fusion 360研修の一般的な流れは次のとおりです。
- Fusion 360研修を受ける目的と、対象になる社員のレベルを決める
- 自社の勤務体制に合う開催回を確認する
- 申込フォームから申し込み、案内に沿って支払い手続きを済ませる
- 受講案内に沿って、パソコンやソフトの環境を準備する
- 研修後は社内で共有する場を設け、学んだ操作を実務へ定着させる
最少開催人数に届かない回は日程が変更になることもあるため、受講したい時期が決まっているときは早めに申し込んでおくと安心です。複数名で受講する場合は同じ回にまとめて申し込むと、受講後の情報共有もしやすくなります。
Fusion 360研修についてよくある質問
Fusion 360の研修に関して、よくいただく質問と回答をまとめました。
Fusion 360の社員研修には色々選択肢がある
Fusion 360を用いてビジネスとして質の良い成果物を作成するには、チュートリアルやセミナーを利用して研修を実施するなど系統だった学びが必要です。セミナーの中でも受講者の満足度が高いのが、GETT Proskillが提供する「Autodesk Fusionセミナー講習」です。
たった2日間で上級者レベルの操作方法を身につけられるのが魅力で、企業の事情に合わせて受講形式を自由に選ぶことができます。Fusion 360研修を実施する際は、自社に合ったものを有効に活用しましょう。