Solid Edgeは多様な製品の設計や分析も実現した、高精度な3DCADソフトです。設計から分析まで幅広い機能を持つだけに、近年は多くの企業への導入が進みSolid Edgeの高いスキルを持つ人材の需要も高まっています。
その一方でSolid Edgeのスキルを取得したいとは思うものの、具体的な学習方法が分からずにお困りの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Solid Edgeを効率的に学習できる本や、学ぶ時のポイントなども紹介します。
Solid Edgeとは
Solid Edgeはドイツの電気、ソフトウェアメーカーであるシーメンスが開発した、3次元モデリングの設計が可能な3DCADソフトです。多様な製品の設計が可能で、特に機械設計などに特化しています。
また熱伝導や応力、振動などの外部的要因による製品の状態を測定、分析できるCAE解析も可能です。
そのほかにも2Dデータの3Dデータへの変換や、対象の断面を確認しながらリアルタイムでの修正を実現した「ライブ断面」など、多彩な機能を搭載しています。
Solid Edgeの導入方法や基本の使い方については、以下の記事でご紹介しています。
Solid Edgeのおすすめ本4選!
近年のSolid Edgeの需要の高まりに伴い、詳しいノウハウなどを記載した本が多数発行、販売されています。
ここからはSolid Edgeの学習に有効活用できる、おすすめの本4選を紹介するので学習時の参考にしてください。
本の名称 | 特徴 |
Solid Edge ST3/ST4 ベーシックマスター | これからSolid Edgeを始める初心者向け |
Solid Edgeではじめる3DCAD入門 | 初心者~2Dから3Dへの移行を検討しているCAD技術者まで |
Solid Edge 2021 Basics and Beyond: Black & White | 実際の業務への実用例も豊富に掲載 |
Solid Edge ST7 Basics and Beyond | これからSolid Edgeをはじめ、細かなスキルを学びたい人に最適 |
Solid Edge ST3/ST4 ベーシックマスター
この書籍は、株式会社秀和システムが発行、販売しているSolid Edgeの初心者向けの本です。
これからSolid Edgeを始める初心者向けに全体を3部構成に分類し、3DCADの基本的な考え方から、図面を中心とした応用操作までのスキルを学ぶことができます。
Solid Edgeや3DCADに馴染みのない、初心者向けの本です。
Solid Edgeではじめる3DCAD入門
Solid Edgeで始める3DCAD入門は、現役のCAD技術者が3DCADの基礎から応用スキルまでを書き下ろした本です。3DCADに馴染みのない初心者から、2Dから3Dへの移行を検討しているCAD技術者にも役立つスキルが掲載されています。
機械系3DCADの大まかなスキルを取得できる、おすすめの1冊です。
Solid Edge 2021 Basics and Beyond: Black & White
この本は、Solid Edgeの基礎から応用スキルまでを1冊にまとめた本です。ページングとインストラクションシーケンスを活用し、Solid Edgeのメイン機能に関する体系的なトレーニングができます。
実際の業務への実用例も豊富に掲載されるなど、実用性にも富んだ内容になっています。
Solid Edge ST7 Basics and Beyond
Solid Edge ST7 Basics and Beyondは、初心者から中級者向けの実用性に富んだ本です。書籍内には実務的な演習が多数掲載されており、Solid Edgeの機能性に関して存分に解説されています。
また編集者に質問をメールすると、質問への回答をメールしてくれるなど便利なサービスも提供しているのも特徴です。これからSolid Edgeをはじめ、細かなスキルを学びたい方に最適な1冊といえます。
Solid Edgeを本で学ぶ時のポイント
Solid Edgeの学習効率を高めるためにも、いくつかのポイントに留意して学習を進めなければいけません。Solid Edgeを本で学ぶ際のポイントには、以下の3点が挙げられます。
- 自分のレベルに合った本で学習する
- 学びたい内容の本で学習する
- 目的に合った本で学習する
ではそれぞれのポイントを詳しく紹介します。
自分のレベルに合った本で学習する
Solid Edgeの本は、初心者向けの3DCADの基本的な取り扱い方から教えるものから、細かなCAE解析のノウハウなどを共有する上級者向けのものまでさまざまです。3DCADに面識のない初心者が、CAE解析の手法などを共有している上級者向けの本を購入しても、内容をほとんど理解できないまま断念してしまいます。
一方で今までほかの3DCADなどを使用し、高いスキルを持つ上級者が3DCADの基礎を教える本を購入しても意味がありません。このような事態を防いで効率的に学習を進めるためにも、自分のレベルに合った本を選んで学習を進めましょう。
学びたい内容の本で学習する
Solid Edgeは機械部品の設計や製図に特化していますが、そのほかにも2D図面の3D図面の書き換えやCAE解析、3Dモデリングなどさまざまな用途に利用されます。
したがってSolid Edgeの本により学べる内容も異なるので、自分がSolid Edgeのどのような機能を学びたいかを明確にし、その解決策を提案してくれる内容の本で学習しましょう。
事前に本の学習内容を確かめるため、Webサイトでの口コミやAmazonでの商品レビューなどを参考にするのもおすすめです。
目的に合った本で学習する
Solid Edgeは設計や分析など多岐にわたる機能を有するため、実際の業務においても設計のみならず、幅広いジャンルに活用されます。
したがって自分がSolid Edgeのスキルを取得して、どのような業務に従事したいかなど、スキル取得後の目的を明確にして最適な内容を教示している本を選択しましょう。
Solid Edgeのソフトウェア情報
Solid Edgeは多様な機能を有した3DCADソフトですが、具体的にどのような高い機能を有しているのでしょうか。ここからは、Solid Edgeのソフトウェア情報を細かく解説します。
直観的でスムーズな設計
Solid Edgeはアセンブリを管理しているTeamcenterを1つに統合し、従来の3DCADのシステムよりもダウンロードの高速化に成功しました。また新たに設置されたクイックパターンコマンドにより、アセンブリのフィーチャー機能をパターン化している点もメリットです。
そのほかにもBOMビューの改善や優れたパスファインダー管理により、アセンブリでの作業効率を大幅に向上させるなど、直感的でスムーズな設計を実現しています。
高生産性の設計環境を構築
Solid Edgeは、従来の3DCADの機能に多様なカスタマイズオプションを導入し、初心者から上級者まで多くのユーザーが設計しやすい環境を提案しています。
強化型のコンテキストツールバーや再設計された垂直コマンドバーにより、多様なシーンに柔軟に対応できるシステムを構築しました。
学習教材や無料トライアルなども提供するなど、多様なユーザーが効率的に使いこなすための環境も提示しています。
高度な板金設計機能を搭載
Solid Edgeは高度な板金設計機能を有しており、その機能により設計業務全体作業効率や精度を高めることに成功しました。高精度な板金設計に必要な曲げ控除や曲げ許容値など、板金設計に欠かせない高精度な曲げ計算機能が搭載されています。
そのほかにも、曲げや曲面をしっかりサポートし、必要な箇所にエッチングを配置する機能など、板金に必要な高精度な機能を多数搭載した3DCADソフトです。
効率的なアクセスを実現
Solid EdgeはSaaS環境の導入により、各ソフトウェアへのスピーディーなアクセスを可能にしました。
中でもSolid Edge Xは、自動更新機能やクラウドデータ管理機能など多彩な機能を搭載し、シンプルなアクセス、操作性を実現しています。
また同僚や顧客との効率的なデータ共有、共同作業も実現するなどシームレスなアクセスも実現しました。
高い操作性と強力なサポート機能
Solid Edgeに搭載された、スマートアシスタンス機能により迅速なツールパスの作成が可能になり、最適なパフォーマンスの自動化に成功しました。
そのほかにもジグザグミリング機能や高度な粗削り機能により、研削精度を高めた設計を実現するなど、高い操作性やサポート機能も充実しています。
高度な協力・共有ツールを搭載
次世代型の共有ツールを搭載し、直接的な協力やコラボレーションを実現しています。Solid Edgeのシステム内でアセンブリを共有し、効率的なタスクの追跡や状況に応じたプロジェクト作成や編集、削除などを可能にしました。
現状進行しているタスクやプロジェクトのメンバーとの共有や、効率的なタスクの作成や担当決めなども可能です。
最新のWebベースのツールで電気回路図を作成
Solid Edgeは Capital X Panel Designer と呼ばれる、シーメンスの最新のクラウド電気設計ツールと連携しており、高精度な電気回路図をスムーズに作成できます。
直観的であらゆるデバイスやOSで使用できる Capital X Panel Designerは、アクセスも簡単で電気設計機能を強化して生産性向上へと導きます。
高度な相互運用性によるプロジェクト最適化
Solid EdgeはNXとの同調率が高く、効率的な連携によりデータ再利用を促進したシームレスな運用でプロジェクトを最適化します。Solid EdgeはNXの連携により、高度なPMIや断面図、運動学データなどをスムーズに転送することも可能です。
そのほかにもFoundation Class (IFC) ファイル タイプのインポートやエクスポートが自動的にサポートされ、細かな資料などを翻訳せずにユーザーはプロジェクトに関する情報を取得できます。
Solid Edgeの価格や購入方法については、以下の記事で解説しています。
Solid Edgeのおすすめ本についてまとめ
近年Solid Edgeはその機能性の高さから、さまざまな業界への導入が進んでおり、確かなスキルを身に着ければ就職や転職、キャリアアップを有利に進めることができます。
一方で機能性の高さゆえにスキルを取得するのも大変なので、学習時には本記事を参考にして頂き、自分に合ったSolid Edgeの本で効率的に学習を進めてください。