「振動計って何?」「振動計はどんなときに利用すればよいの?」と気になる人もいるでしょう。振動計は日常生活で使用する機会はほとんどないため、具体的な用途がわからないかもしれません。
本記事では振動計とは何か、使用する目的やメリットをわかりやすく解説します。
おすすめの振動計ランキングも紹介しているので、何を選ぼうか悩んでいる企業の方は参考にしてください。
振動計とは
振動計とはその名の通り、物体や機械などから生じる揺れを計測するための装置です。
例えば、建物や構造物の耐震性を評価する際や、機器の異常検知のほか、工事現場の騒音対策・防音対策にも導入されています。
上記のように、建築や土木、機械工学などの幅広い分野で振動計は効果的です。
加速度計との違い
振動計と加速度計の違いがよくわからない方もいるでしょう。
加速度計と振動計は、どちらとも振動を測定する装置ですが、使う目的が異なります。
加速度計は、物体が加速や減速する際に、速度の変化を測定する装置です。
そのため、振動や周波数よりも、物体の動きの速さや変化を確認したいときに使用します。
例えば加速度計は、自動車の衝突を防止するためのエアバックや、スマートフォンの画面回転機能・GPSなどにも利用されます。
一方で、振動計とは前述の通り物体や機械などから発生する振動を測る装置のため、利用用途が異なります。上記の動画では、振動計と加速度計の違いについてわかりやすく解説されていますので、ぜひご覧ください。
振動計を利用するメリット
振動計の利用にはいくつかのメリットがあります。
例えば、機械や装置から発生する振動に異常を感知したら、故障する前に必要な対策を講じられるため、完全に止まってしまうリスクを軽減できます。
損傷や故障の前兆に気づくことができれば、修理費用やコストも抑えられます。
振動計のデータをもとに、定期的なメンテナンスを実施できれば、生産性も安定するでしょう。
さらに、振動計を使用してテストを行うと、性能や安定性・耐久性などを調査できるので、商品への信頼も生み出せます。
ほかにも、工事現場の振動を計測することで騒音や振動を抑制できれば、近隣に住む住民やオフィスで働く会社員への、負担軽減につながります。
防音対策としても有効なので、ぜひこの機会に一度振動を測定してみてください。
工事の騒音対策や防音対策が重要な理由は、下記の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
振動計のおすすめランキングTOP15
振動計の用途やメリットを解説した次は、振動計のおすすめランキングTOP15を紹介します。
いずれも、工事現場での騒音対策に悩んでいる企業の方に、おすすめできる製品です。
ランキング | 製品名 | メーカー | おすすめポイント |
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1位 | 揺れウォッチャー | CACH株式会社 |
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2位 | 音ウォッチャー | CACH株式会社 |
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3位 | 騒音・振動大型表示器 OK-S | 株式会社近藤インスルツルメンツ |
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4位 | VB-8201HA デジタル振動計 | マザーツール |
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5位 | 汎用振動計 VM-82A/VM-82【レンタル】 | リオン |
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6位 | OH-580Aデジタル振動計 | testo |
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7位 |
Model-1332B 携帯型振動計/ポータブル振動計 |
昭和測器 |
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8位 | FUSO |
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9位 | 診断機能付振動計 MK-21 | JFEアドバンテック |
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10位 | OH-580Aデジタル振動計【レンタル】 | testo |
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11位 | ペン型振動計 | SMART SENSOR (US) |
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12位 | 振動計 BS-GM63A | bitstrong |
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13位 |
WiFi振動センサー 『コナンエアー』 |
中山水熱工業株式会社 |
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14位 | 水中騒音振動計『SG-502』 | 有限会社アイオーテクニック |
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15位 | ポータブル振動計『TIME7126』 | 株式会社アイシル |
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それぞれの特徴や魅力を解説します。
1位 揺れウォッチャー
振動計のおすすめ製品1つ目は、揺れウォッチャーです。
揺れウォッチャーは、手のひらにおさまるコンパクトなサイズが特徴で、電源不要で利用できます。
電気工事を行う必要がないため、すぐに測定できるほか、単管や壁などにも簡単に設置できます。振動測定器はスマホやパソコンで確認でき、一定の振動値を超えたらアラートメールが届く機能が搭載されています。
揺れウォッチャーの口コミ
実際に、揺れウォッチャーを利用した会社の導入理由と、使用した感想を紹介します。
振動対策・振動測定器導入のきっかけ
解体工事開始時から振動標示版は設置していましたが、近隣住民からブレーカーや圧搾機による振動について苦情が寄せられました。
そのため、複数地点の振動を計測しながら、苦情が来ないような工事管理をする必要がありました。
振動対策導入後の効果
苦情をいただいていた方の住居近くの振動をピンポイントで簡単に計測できました。
また、揺れウォッチャーの機能を活用して振動を抑制する工事監理を行ったところ、苦情を減らすことができました。
工事はどうしても近隣住民に影響が及ぶため、クレームが発生することも珍しくありません。
しかし、揺れウォッチャーを活用したことで、振動の抑制につながりクレームが減少した事例が紹介されています。
他の会社の導入事例や揺れウォッチャーのさらに詳しい内容は、下記のサイトから確認が可能ですので、ぜひご覧ください。
2位 音ウォッチャー
振動計のおすすめ製品2つ目は、音ウォッチャーです。
音ウォッチャーも、先ほど紹介した揺れウォッチャーと同様に、電源不要で手軽に測定できる製品です。単三電池駆動のため電気工事が不要で、仮囲いや壁にも簡単に設置できます。
さまざまな箇所に設置することで多点計測ができるので、どこの場所・どの作業の騒音が大きいかを、可視化できます。
音ウォッチャーの口コミ
実際に、音ウォッチャーを導入した企業の口コミを確認してみましょう。
導入のきっかけ
当該エリアでは長期に渡り、建築工事や道路工事等が行われており、周辺住民より工事騒音に対する苦情が多く寄せられていた。
毎日、騒音計を持った騒音監視員を置いて対応していた。
導入後の効果
音ウォッチャーを導入したことで、日々の騒音計測やデータ整理の手間がなくなり、リアルタイムで騒音データを確認できるようになった。
これを活かして、迅速に作業員へ注意喚起することで近隣住民からの苦情が減った。
こちらも揺れウォッチャーと同じく、音ウォッチャーを導入したことで、苦情が減った事例が紹介されています。また、日々の計測やデータを整理する手間が削減されたのも、嬉しいポイントです。
音ウォッチャーを活用して騒音の大きい地点を特定し、騒音対策を行いましょう。
3位 騒音・振動大型表示器 OK-S
振動計のおすすめ製品3つ目は、騒音・振動大型表示器 OK-Sです。
業界では珍しい一体型両面表示器で、騒音計・振動計のデータをデジタル表示するため、現場でも数値が見やすくなっています。
寸法は幅400×奥行200×高さ550mmと、従来型のOK-Uと比較するとコンパクトです。
オプションでスタンドも用意されています。
4位 VB-8201HA デジタル振動計
「VB-8201HA デジタル振動計」は、ISO2954に適合した相対感度を備え、速度と加速度の測定が可能な振動計です。速度は0.5~199.9m/s、加速度は0.5~199.9m/s²の範囲を測定できます。ピーク値や実効値(RMS)の測定機能により、振動の強度やエネルギーを詳細に把握できます。
機能面では、測定値を固定するデータホールド機能や、最大・最小値を表示するMAX/MIN機能が搭載されています。また、約10分間の無操作で自動的に電源が切れるオートパワーオフ機能や、電池残量が少ない際に通知するローバッテリー機能もあり、便利で使いやすい設計です。
その他の特徴として、1999LCDの表示と、精度は±(5%+2dgt)(特定条件下で)と高精度を実現しています。本体サイズは78×185×38㎜で、重量は約270g。持ち運びやすく、卓上使用に適したスタンド付きです。付属品として磁気ベース付きプローブ、9V乾電池(試用用)、取扱説明書が付いています。
5位 汎用振動計 VM-82A/VM-82【レンタル】
振動計レンタルサービスは、産業用機械の保守管理や試験用途に安心して使用できる高機能な測定機器を、日数単位でレンタル可能です。すべての商品は出荷前に検査済みで、日数延長も柔軟に対応しています。操作は片手で行え、不要な設定キーはスライドカバーで隠せるため、使用が簡便です。また、前回設定した条件を維持するバックアップ機能や、省エネ設計により30時間連続使用が可能です。コンパクトで軽量(約320g)なため、持ち運びにも適しています。
使用範囲は、加速度・速度・変位の各モードで設定可能な周波数範囲をカバーし、振動ピックアップPV-57Aにより、微小レベルから大加速度まで幅広く対応します。表示はデジタルLCD画面により視認性が高く、データホールド、MAX/MIN値表示、オートパワーオフなどの便利機能も搭載しています。さらに、約1000件までのデータをメモリ保存可能で、バックライト付きで暗所でも見やすくなっています。
レンタルにはWEB発注が必要で、5日、10日、15日、30日といった期間を選べます。また、返却は着払い伝票付きで、返送の手配もスムーズに行えます。
6位 OH-580Aデジタル振動計
testo OH-580Aデジタル振動計(型番 503070 1010)は、加速度、速度、変位の3モードで振動を測定可能な小型軽量の振動計です。Hi・Loレンジ切り替えによって高精度の測定ができ、AC・DC出力機能やローパスフィルタ(ACC2モード時のみ)を内蔵しています。主に工作機械、電動機、コンプレッサーなどの保守管理に適しており、最大値ホールド機能により激しい振動でも瞬時に固定表示が可能です。
使用方法としては、ピックアップアタッチメントの先端を測定対象にあてるだけで測定が開始でき、またマグネットアダプタにより鉄製の表面に簡単に装着できます。片振幅、両振幅の測定にも対応しており、幅広い周波数範囲での振動を測定することができます。
同梱品には、本体、ピックアップ、ピックアップケーブル、マグネットアダプタ、アタッチメント、マイナスドライバー、収納ケース、単3乾電池2本、取扱説明書が含まれます。
7位 Model-1332B 携帯型振動計/ポータブル振動計
Model-1332B「デジバイブロ」は、誰でも簡単に振動を測定できる超小型・シンプルな携帯型振動計です。使いやすいハンディタイプで、スピーディーな計測を実現し、広範囲な計測レンジを備えています。Hi/Loのレンジ切替により、加速度は0.01~199.9m/s²、速度は0.01~199.9mm/s、変位は0.001~19.99mm(P-P)まで測定可能です。
また、単3型アルカリ乾電池2本で30時間以上連続使用が可能です。標準でコンタクトピン、マグネット、取付ネジ、キャリングケースが付属し、回転機などの良否判定を可能にするJIS B 0907規格にも準拠しています。さらに、振動波形の記録や周波数分析を行う機能拡張が別売りオプションで可能です。同梱品には、圧電型加速度センサやローノイズケーブル、マグネットホルダーなどが含まれ、持ち運びやすく便利に使用できます。
8位 ペン型振動計 PVB-820
FUSOのペン型振動計「PVB-820」は、センサー一体型のコンパクトな振動計で、軽量・手軽に振動測定が可能です。速度の測定範囲は0.5~199.9mm/sで、加速度は0.5~199.9m/s²まで対応しますが、振動周波数は10Hz~1kHzに限定され、地震波や低周波の振動測定には対応していません。機能にはデータホールドやローバッテリー表示があり、単4電池4本で動作します。サイズは40(W)×32(D)×175(L)mm、重量は240gです。
9位 診断機能付振動計 MK-21
MK-21 診断機能付振動計は、設備の異常を簡単に判定するために設計された振動計です。ベアリングの劣化や機構部のガタなどの異常判定に必要な3つの測定モード(加速度、速度、変位)を搭載し、電源を入れるだけでJIS B 0906に基づく自動診断が可能です。初めて使用する方でも本体裏面の判定グラフを使って転がり軸受の良否を簡単に判断できるため、専門的な知識がなくても効率的に設備の健康状態を把握できます。
さらに、バックライト付きのLCD表示により暗い場所でも視認性が高く、単3電池1本で8時間以上使用可能な省エネ設計となっています。また、軽量かつコンパクトな設計で、持ち運びに便利なキャリングケースも付属しています。測定レンジは加速度200m/s²、速度200mm/s、変位1990μmに対応しており、±2%の精度での高精度測定が可能です。使用温度範囲は0~50℃で、保管時には-10~60℃まで対応しています。
付属品には、圧電式振動ピックアップ(マグネット付)、カールコード、キャリングケース、取扱説明書などが含まれ、機器の保守や産業機械の点検において信頼性の高い診断が可能です。
10位 OH-580Aデジタル振動計【レンタル】
デジタル振動計OH-580Aは、加速・速度・変位の3モードで計測が可能なデジタル機器で、最大値ホールド機能も搭載しています。本体は寸法72×24×220mm、質量200g(乾電池含む)で、持ち運びやすい設計です。電源は単3乾電池2本で動作し、付属品としてピックアップ、ピックアップケーブル、マグネットホルダー、アタッチメント、ハンドストラップ、マイクロドライバー、収納ケースが付いています。
測定精度はFS±5%以内で、周波数と計測範囲は以下の通りです。加速度モード(ACC1)は10~6000Hz、加速度(ACC2)は10~300Hz、速度モード(VEL)は10~1000Hz、変位モード(DIS)は10~1000Hzに対応しています。それぞれの範囲は、加速度(Hi: 1.0~199.9m/sec²、Lo: 0.1~19.99m/sec²)、速度(Hi: 1.0~199.9mm/sec、Lo: 0.1~19.99mm/sec)、変位(Hi: 10~1999μm、Lo: 1~199.9μm)です。
2か月以上の長期レンタルも可能で、詳細な在庫、納期、価格については、ホームページに記載の連絡先にお問い合わせください。
11位 ペン型振動計
SMART SENSOR製のペン型振動計「AR63C」は、軽量で持ち運びやすく、デジタル表示で振動状況を計測する測定器です。1~2営業日で出荷され、全国送料無料で1年保証が付いています。AR63Cは、機械製造や電機電力、車製造業など幅広い分野で使用されており、暗所でも計測可能なバックライトやオートレンジ機能、オートパワーオフ機能が搭載されています。
主な仕様として、加速度範囲は0.1~199.9m/s²、速度範囲は0.1~199.9m/s、変位範囲は0.001~1.999mmです。加速周波数範囲は10Hz~1KHz(LO)、1KHz~15KHz(HI)、速度および変位の周波数範囲は10Hz~1KHzで、測定精度は±5%H±2桁となっています。
12位 振動計 BS-GM63A
引用:振動計 BS-GM63A
振動計「BS-GM63A」は、人工分極セラミックの圧電効果を採用し、回転機械や往復機械など、さまざまな振動機械設備の監視に適した設計です。加速度、速度、変位を測定でき、機械製造、電力、冶金、航空などの業界で広く利用されており、持ち運びに便利なコンパクトな構造と簡単な操作が特徴です。
異なる振動周波数に対応し、高感度の長短プローブヘッドも付属しています。
13位 電池式Wi-Fi振動計『コナンエアー』
WiFi振動センサー「コナンエアー」は、設備装置の予防保全に役立つ電池式の小型Wi-Fiセンサーで、簡単にタブレットやスマートフォンと接続でき、ベアリングの異常検知や軸受診断も可能です。1kHzまでの加速度生波形データの保存や、クラウドを活用したIoT・AIによる異常診断システムにも対応しています。
自動モードでは全自動測定ができ、マニュアルモードでは巡回測定がスマホやタブレットで手軽に行えるため、労力削減やコスト削減に優れています。
14位 水中騒音振動計『SG-502』
水中騒音振動計「SG-502」は、海洋工事現場や外洋での水中騒音や海底の振動を測定し、データを内蔵SDカードに収録する装置です。30日間以上の連続観測が可能で、DocomoのLTEエリアであればリアルタイムでデータにアクセスできます。サンプリング周波数20.48kHzのデータを収集し、1/3オクターブ解析が可能で、測定データはモニタリングシステムを通じてサーバーに送信され、グラフや表として解析されます。
この解析結果はインターネット経由で現場に即時フィードバックされ、5分間隔などで定期的に更新されます。また、衛星通信制御装置を使うことで、広範囲のモニタリングが可能です。データはWindowsで簡単にコピーや管理ができ、PCに接続してモニタリングすることも可能です。
15位 ポータブル振動計
ポータブル振動計「TIME7120」は、振動速度の実効値を測定するペン型の使いやすい振動計で、小型軽量でボタン電池で動作します。モーターや電動ファン、ポンプなどの故障診断に適しており、振動速度の実効値を0.1〜199.9mm/sで測定可能です。
機能として、オートパワーオフ機能があり、検査結果は40秒間保持されます。納期は約2週間で、1年間の故障保証が付いています。企業向けの注文も対応しており、見積もりの依頼が可能です。
振動計の選び方
振動計はさまざまなメーカーが開発しているため、どれを選べばよいか迷うかもしれません。
振動計を選ぶ場合は、以下の点に着目しましょう。
- 用途
- 測定項目
- 大きさ
例えば、工事現場の騒音対策に利用したいのか、機器が正常に作動しているかどうかを確認するために使用したいのかで、選ぶべき商品は異なります。
また、製品の大きさも大切なポイントです。
手軽に使えるコンパクトな小型タイプか、その場に置いて測定する大型タイプかによっても変わります。
先ほど紹介した、揺れウォッチャーや音ウォッチャーは、電源不要で手軽に計測できる点が魅力です。さまざまな場所に設置する多点計測も可能なため、騒音対策を考えている方におすすめです。
せっかく振動計をレンタル・購入したのにうまく活用できないとならないよう、事前に目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
騒音振動表示器の選び方は、こちらの記事でも詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
振動計ランキングについてまとめ
本記事では、振動計とは何か、用途や導入するメリットなどを紹介しました。
振動計は、振動から機器の異常を察知したり、工事現場の騒音対策に有効です。
ただし、サイズが大きいものや電気工事が必要なものもあるため、目的・用途に合ったものを選びましょう。
手軽に揺れや音を計測したい場合には、揺れウォッチャーや音ウォッチャーがおすすめです。
手のひらサイズの大きさで、電源が不要なため、電気工事は必要ありません。
工事の騒音対策にお悩みの企業の方は、ぜひチェックしてください。