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製造業こそRPAが必須!最新事例・導入ケース・成果を生む方法を紹介

IT技術の発展に伴い、近年では製造業のDX化が求められているというニュースを見ました。
その中でも著しい発展を遂げていると説明されていたのがRPAによる技術活用です。

この記事では、スターティアレイズ株式会社が発表した、製造業におけるRPA技術の最新事例をわかりやすくまとめました。また、製造業におけるPRA活用方法も紹介しているので、製造業DX実現の参考にしてみてください。

製造業で役立つRPAとは?

RPAとは、あらかじめ設定した自動化の仕組みをロボットに実行させる技術のことです。
従来、人間が実施しなければならなかった次の作業をまるごとRPAに任せられます。

  • データ入力
  • 検索
  • 集計
  • 資料作成

またRPAはひとつずつの作業を自動化できるのではなく、一連の流れを自動化できるのが魅力です。特に製造業は、材料の確保や製造、発送といった幅広いサプライチェーンをカバーしなければならないため、人力による作業がまん延している環境を改善できます。

さらに近年では少子高齢化の影響によって、製造業でも人材不足が加速している状況です。
製造ラインの維持、効率化を目指す必要があることを背景に、RPAの導入など、製造業DXに注目が集まっています。

また、CAD関連のRPAに興味をお持ちなら、以下の記事がおすすめです。

CAD/CAMにおけるRPAの特徴まとめ

製造業におけるRPAの活用事例

RPA活用事例

RPAの技術はすでに、製造業で活用がスタートしています。
スターティアレイズ株式会社が発表した事例の中から、製造業の生産性向上に役立つ事例をピックアップして4つ整理しました。

在庫状況のタイムラグを解消

法人向けのECサイトを運営する企業「光洋陶器株式会社」では、在庫管理の人力更新に負担を抱えていました。莫大な在庫を更新しなければならない中、すべて人力で更新するため、どうしても次の課題が発生します。

  • 更新のタイムラグ
  • 入力ミス

特に在庫切れのタイムラグが発生すると、問い合わせ受けるケースがあるため、電話対応などにも時間を割かなければなりませんでした。対してRPA技術を導入した後は、手間のかかっていた人力作業をまるごと自動化しています。

例えば、在庫管理システムへのログイン、売上の処理、在庫数の更新をすべて連続で実行できるロボットを作り、人力操作が不要な管理体制を作り出しました。結果として、タイムラグや入力ミスを防止でき、製造業でよく発生する在庫トラブルを解決しています。

品番変更の重複ミスを解消

「光洋陶器株式会社」ではほかにも、ECサイトの販売管理システムを使う際に、新しい商品登録で、誤って廃版の品番を使わないように2,000件以上の手入力を実施していました。本業とは別に廃版の管理が必要であり、休日出勤等も発生していたそうです。

一方、RPAを導入してシステムログインや廃版商品の品番変更を自動化した結果、人力での作業が不要となりました。廃版を選択するだけで自動で品番変更を実施できるため、休日出勤といった負担が減り、メイン業務に注力できるようになっています。

ダウンロード・保存の手間を解消

精密加工事業を展開する「株式会社ミモト」は、製造業で利用する生産計画の立案データを、基幹システムからダウンロードし、フォルダ管理するために日付や名前を設定するといった作業に負担を感じていました。

毎日数回ずつの作業ではありますが、1日に数分ずつタイムロスが発生していたそうです。

この会社では、連続するダウンロード・フォルダ管理の作業を自動化するためにRPAの技術を導入しました。基幹システムへのログイン、データのダウンロード、名前設定、保存をまとめて自動化できたことから、毎日数分かかっていた単純作業がゼロに変化しています。

生産管理システムの登録・チェックの手間を解消

医療用製品の製造を提供する「イーゲート株式会社」は、投入作業やロット完了時の登録作業における作業工数が多く1日で作業が終わらないこと、手入力するため登録漏れやヒューマンエラーが発生することに課題を抱えていました。

対して、生産管理システムの作業全体をRPAで自動化設定したところ、何日もかかる登録・チェックが、わずか1時間まで短縮されました。もちろんロボットが自動で入力していくことから、登録漏れやチェックの負担を削減できます。

ひたすら登録を続ける人力作業の負担削減にも効果を発揮するため、製造業における人材コストの短縮を実現しています。

製造業においてRPA導入がおすすめなケース

RPAの導入がおすすめなケース

一言で製造業といっても、さまざまな業務体制で運営されています。
そのため、RPAの導入が最適・不適な製造業があるのも事実です。

ニュースで取り上げられた項目として、PRAの導入がおすすめの製造業の特徴をまとめました。

ルーティン業務が多い

まず製造業の業務で次のようなルーティンが発生している場合には、RPAの導入が最適です。

  • 管理しているシステムの入力・操作手順がいつも同じである
  • 毎日のように操作している作業がある
  • 大勢の従業員が同じ業務を繰り返している

製造業は「製造」というひとつの流れに沿って業務が決められています。
ある程度ルールが体系化されているほか、毎日のように繰り返す作業や、定期的に発生する人力作業が多いはずです。

RPAはそういったルーティン業務に強く、製造業の効率化に役立ちます。
繰り返し作業で従業員に負担がのしかかっている、雑務のせいでメイン業務の時間を取れないとお悩みなら、製造業DXに向けてRPAを導入してみるのが良いでしょう。

業務が属人化している

製造業を含め多くの企業が悩む問題として、特定の業務がひとりの担当者に属人化しているケースがあります。他の担当者では対応できないほか、引き継ぎの際に苦労するポイントです。また、担当者が転職、育休などを取ると業務が滞るケースもあります。

対してRPAを導入すれば、属人化しやすい項目をすべて自動化して、引き継ぎ等の手間を削減できるのが魅力です。ルールに則り作業を実施できるため、製造業らしいラインの整った業務体制へと改善できます。

管理システムが複数ある

製造業の会社によっては、次のようなシステムを分けて管理している場合もあるでしょう。

  • 基幹システム
  • 生産管理システム
  • 販売管理システム
  • 在庫管理システム
  • 会計システム

そして中には、各システムに担当者がいて、全員のスケジュールが整わなければうまく業務が進まないとお悩みの方もいるはずです。それなら、すべてのシステムを横断して自動化できるRPAを活用するのが便利です。

例えば、システムごとのログイン作業を自動化できるほか、あるシステムでRPAの作業が終われば、すぐに別のソフトでRPAが稼働するといった仕組みを作り出せます。製造業のシステム統合を図りたいのなら、RPAの活用がおすすめです。

製造業の業務効率化は、RPA以外の技術でも実施できます。
もしIoT関連の技術に興味がある方は、以下の記事をご参照ください。

IoT技術を体験できるバーチャルオンライン展示会5選

製造業のRPAで実現できること・できないこと

生産性向上やDX化の実現として話題を集めるRPAですが、製造業において実現できること・できないことがあるとご存じでしょうか。参考として、できること・できないことの概要を整理しました。

自社で改善したい業務に適用できるのか参考にしてみてください。

製造業のRPAで実現できること

RPAは製造業における以下の単純作業の自動化を得意としています。

得意な項目 自動化の例
Webからのデータ取得 競合他社や国の最新動向などを求めるペースでスプレッドシートに管理できる
レポートの作成 製造業における売上・在庫管理といった情報から日々のレポートを作成する
勤怠管理 製造業の事務所や工場内における従業員の出勤状況・給与などを自動化できる
計画書の作成 登録された情報をもとに、様式が決まった計画書を自動で作成する
問い合わせ対応 フォームからの問い合わせに自動返信したり、担当者へ共有したりできる

上表からわかるように製造業のRPAは、手動によるパソコン作業をまるごと自動化できるのが特徴です。単体の作業を自動化できるのはもちろん、作業内容が連続している場合には、一連の業務を自動化できます。

特に製造業は、一連の流れが決まった作業が多い仕事です。
製造業の人力作業で負担が大きいポイントがあるのなら、RPAを導入して業務効率化を目指すことをおすすめします。

製造業のRPAで実現できないこと

人力作業のルーティンが多い製造業の仕事ですが、次のポイントではRPAの効果を発揮できません。

苦手な項目 理由
現場状況に応じた判断 自動化のルールを設定できないため
アナログな作業 パソコン内の自動化だけが可能であるため
発注者により要件が異なる業務 手順をルール化できないため
処理件数が少ない業務 人力作業のほうが安く・早く済む場合があるため

製造業の中でも、その都度考えなければならない検討業務や調整業務は、RPAが苦手とする分野です。

大前提として、RPAは同じことの繰り返し作業を自動化できるツールだと説明しました。
そのため、業務内容や要件が紆余曲折する場合には、ルール化したとしてもすぐに使えなくなるでしょう。

長期的に何度も発生する作業、莫大な情報を人力で処理している作業など、シンプルでわかりやすい作業でなければ、製造業でRPAを活用しにくいと覚えておきましょう。

さらに詳しく、できること・できないことを知りたいのなら、DXについて学べるセミナーに参加してみるのはいかがでしょうか。

製造業でRPAから成果を挙げるポイント

製造業RPAから成果を生み出す

製造業でRPAを導入すれば、既存の働き方から業務効率化を実現しやすくなります。
しかし、RPAを活用するポイントや組み合わせを具体的に検討しなければ、逆に作業の手間が増えたり、途中でRPAの活用をやめてしまったりするかもしれません。

参考として、製造業でRPAから成果を挙げるポイントと手順を以下にまとめました。

  1. 製造業の悩みを抽出する
  2. 現場状況で負担の大きいポイントを見つける
  3. RPAの導入ができる項目をピックアップする
  4. RPAを導入できる項目の優先順位を決める

はじめてRPAを導入するのなら、具体的にリサーチすること、現場状況を把握することが重要です。人任せや的外れな導入では製造業の効率化を実現できないので、この機会に社内の問題を再検討してみてください。

製造業のRPAについてまとめ

製造業の会社でルーティン作業や属人化に悩んでいるのなら、業務を自動化できるツール「RPA」を導入するのがおすすめです。

また近年では、製造業DXとしてRPAやAI、IoTといった技術の活用が増えています。
今回のニュースで事例が取り上げられたように、新たな活用方法が登場する場合もあるので、今後の動向から目が離せません。

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