会議はただ集まるだけでは、結局何も進まず、話し合いのための話し合いになってしまうこともあります。だからこそ、限られた時間で成果を出す会議の効率化が必要です。
効率化の鍵となるのがアジェンダですが、忙しさの中でその準備に手が回らないことも。そんなとき頼れるのが生成AIです。必要な情報を伝えれば、あとは生成AIがサッとアジェンダを用意することが可能です。
今回は、生成AIで会議を効率化する15の活用術や、会議で使えるおすすめの生成AIツールを解説します。
生成AIで会議を効率化する15の活用術
生成AIを会議に導入すると、以下のような効率化が可能です。
- 議事録作成の効率化
- リアルタイムな文字起こしの効率化
- 要点の抽出や要約の効率化
- 発言者の明確化
- 会議準備の効率化
- アジェンダ作成の効率化
- 関連資料の自動収集の効率化
- 情報共有の効率化
- 会議の流れの効率化
- 質疑応答のサポートの効率化
- 多言語対応による効率化
- 会議後のタスク管理の効率化
- リスト整理の効率化
- フィードバックの効率化
- 議事録データベースの効率化
以下で、各項目を具体的に見ていきましょう。
生成AIでできることについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
1.議事録作成の効率化
生成AIは、会議中の音声から、誰が何を話したのか重要なポイントはどこかを整理しつつ記録してくれます。しかも、口癖や曖昧な言い回しや、話の脱線まで拾って整理してくれるため、あの発言はどんな意味?と悩むことも減るでしょう。
会議に不在だった人が読んでも理解できる構成に整えてくれるのも嬉しいポイントです。
2.リアルタイムな文字起こしの効率化
生成AIに搭載された音声認識は、発言者が話す内容をリアルタイムでテキスト化し、その場で確認するという効率化ができます。
特に、スピード感ある議論や、専門用語が飛び交う場面では、その効率化を実感しやすいはずです。自然な文章に整えることもでき、録音だけでは把握しきれないニュアンスまで補完してくれるのが魅力です。
3.要点の抽出や要約の効率化
生成AIは、要点抽出や自動要約で効率化することもできます。会議中の発言の中から、議論の柱となる重要なキーワードや結論、課題点などを的確に拾い上げ、分かりやすくまとめてくれるのです。
しかも、前後の文脈を踏まえているので、初めて読む人でも内容がスッと頭に入ってくるのが特徴です。
4.発言者の明確化
生成AIの自動話者分離機能は、会議中の発言の見えにくさを解消してくれます。
議事録上に「Aさん:〜」「Bさん:〜」と明確に記録してくれるため、誰がどんな意見を出したのか、責任の所在や次のアクションに繋げる上でも大きな助けになります。
また、自分が言ったか覚えてないといったトラブルも減り、情報共有の精度を向上させる効果もあります。
5.会議準備の効率化
生成AIに会議のテーマや目的をざっくり伝えるだけで、ネットや社内の情報をうまく引っ張ってきて、要点をまとめてくれたりします。
これまで会議前の準備にかかっていた時間や労力が生成AIによりグッと効率化された分、本当に集中すべき内容や議論にしっかり向き合えるようになります。
6.アジェンダ作成の効率化
アジェンダは、会議をスムーズに進行させるために欠かせません。とはいえ、作成するのは意外と面倒で、つい後回しにしてしまう人も。
そんなときに役立つのが、生成AIによるアジェンダ作成の効率化です。生成AIに、会議のテーマや背景、ゴールなどをざっくり入力するだけで、最適な構成案を提案してくれます。
7.関連資料の自動収集の効率化
生成AIはキーワードや会議のテーマを入力するだけで、関連ニュースや論文、社内文書などをピックアップし、要点をまとめて効率化してくれます。
また、資料を読む時間がないというときも、生成AIの要約機能で効率化できるので、必要な情報が必要な形で手に入り、情報の迷子状態から解放されるのです。
8.情報共有の効率化
生成AIは、会議のアジェンダや関連資料を事前にまとめ、それぞれの参加者に合わせた形で要点を送ったり、見逃しがちな人にはリマインドを送ったり、必要な情報が届くように効率化することができます。
さらに、チャットやメールと連携すれば、読むだけで会議の背景が理解できるまとめを配信することも可能です。
9.会議の流れの効率化
生成AIは、会議の土台をしっかり支えて効率化することができます。特に、複雑なトピックや新しいテーマに挑むときには、生成AIが情報の流れを整えることで、参加者の理解が深まり、自然と発言が活発になる効果もあります。
10.質疑応答のサポートの効率化
生成AIはリアルタイムで質疑応答のサポートも可能です。参加者が気になるキーワードや話題をチャットで入力すれば、生成AIが迅速に背景情報や補足を提示してくれます。
進行の邪魔にならないので、参加者一人ひとりの理解を後押ししてくれるでしょう。質疑応答サポートの効率化により、会議中に分からないまま進むことが減り、参加者の理解度と発言意欲がグンと高まります。
11.多言語対応による効率化
生成AIによる多言語対応機能を使えば、発言をリアルタイムで翻訳するのはもちろん、会議資料や議事録も多言語で自動生成できるため、各参加者が自分の言葉で会議内容を理解できます。
特に、ニュアンスや専門用語の違いを生成AIが補完してくれることで、誤解や行き違いがグッと減るのも大きなメリット。これにより、通訳を待つことなく、テンポが効率化され議論が進むようになります。
12.会議後のタスク管理の効率化
生成AIで会議後のタスクを管理をすれば、発言内容からタスクを抽出し、担当者と期限を明確にします。
進捗の追跡やリマインドまで効率化できる生成AIツールも登場しています。
13.リスト整理の効率化
生成AIは発言内容を解析し、担当者や具体的な期限などのタスクを見つけ出し、リストとして整理してくれます。さらに、プロジェクトの役割に応じて提案する機能もあるため、会議後に改めて整理する必要がありません。
生成AIによりタスク一覧が共有されれば、参加者の責任感も高まり、やるべきことが見えるので、チーム全体の動きが効率化されます。
14.フィードバックの効率化
生成AIを活用すれば、会議終了とほぼ同時に要点をまとめた議事録が生成され、参加者に自動で共有されることができます。さらに便利なのは、参加者がその場でコメントや補足を入れられる機能。
例えば、この部分ニュアンスが違う、と感じた点をすぐに書き込むことで、情報の質も精度もアップします。これにより、フィードバックのタイミングが早まり、情報の鮮度を保ったまま改善が効率化するのです。
15.議事録データベースの効率化
生成AIは自動で議事録をテーマやプロジェクト別に分類し、要点やキーワードもタグ付けしてくれます。そのため、後からキーワードや会議参加者などで簡単に探せるように効率化できます。
さらに、「〇〇の進捗についての議論があった会議は?」と聞けば、該当部分を抜き出してくれる機能も。
会議の効率化に役立つ目的別の生成AIツール
生成AIは会議の効率化でさまざまなサポートをしてくれるものの、実際どのツールを使えばいいか分からない人も多いと思います。
ここでは、目的別の会議の効率化に役立つ生成AIツールをご紹介していきます。
AI議事録取れる君|議事録作成で会議を効率化
AI議事録取れる君はZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなどの主なオンライン会議ツールと連携することができ、会議の文字起こしを効率化してくれます。
発話者ごとの識別や要点の自動要約機能も備えており、議事録作成の手間を大幅に効率化できます。さらに、チーム機能では、参加者全員でリアルタイムに議事録を編集・共有することが可能です。
参考:AI議事録取れる君
Scribe Assist|議事録作成で会議を効率化
Scribe Assistは、オフライン環境でも効率化ができる議事録作成ツール。高精度な音声認識技術により、会議の内容を正しく文字起こしし、セキュリティ面でも安心して利用できます。
特に、インターネット接続が制限される環境や、機密性の高い会議の効率化に最適です。
AI GIJIROKU|多言語対応で会議を効率化
AI GIJIROKUは、30か国以上の言語に対応した多言語対応の議事録作成ツール。リアルタイムでの翻訳機能や各業界の専門用語にも対応しており、グローバルな会議でもスムーズなコミュニケーションが効率化できます。
さらに、99.62%の高い音声認識精度を誇り、要約機能や清書機能も充実しているため、海外展開している企業にとっても心強いでしょう。
参考:AI GIJIROKU
VoicePing|多言語対応で会議を効率化
VoicePingは、45か国以上の言語に対応した議事録生成AI。話した内容をその場で翻訳して字幕表示してくれるため、お互いの言葉が違ってもスムーズに議論が効率化できます。
さらに、会議内容を要約する機能もあるので、議事録の作成にも一役買ってくれます。NECや伊藤忠などの大手企業も導入しているだけあって、信頼感もバッチリです。
参考:VoicePing
スマート書記|セキュリティ機能搭載で会議を効率化
スマート書記は、セキュリティ対策が万全な議事録作成AI。ZoomやTeams、Google Meetなどの主な会議ツールと連携し、90%以上の精度で文字起こしの効率化を行います。
フィラー除去や最大20名までの話者識別機能も備えており、大規模な企業の会議だけでなく、セミナーや講演の記録にもピッタリです。
参考:スマート書記
Cisco Webex|セキュリティ機能搭載で会議を効率化
Cisco Webexは、セキュリティに強い仕組みがしっかり組み込まれている議事録生成AI。エンドツーエンドの暗号化や高度な認証機能が特徴です。
そのため、医療機関や行政、法務など、情報の取り扱いに厳しい現場でも多く採用されており、その信頼性は折り紙付き。生成AIによるリアルタイム要約や翻訳機能も搭載されています。
参考:Cisco Webex
生成AIで会議を効率化する際の注意点
生成AIは会議を効率化する力を持っていますが、導入すればすぐにうまくいくというわけでもありません。便利な分、扱い方を間違えると逆効果になる可能性もあるのです。
以下では、生成AIで会議を効率化する際の注意点をご紹介します。
機密情報に配慮する
企業の会議では製品の開発情報のほか、顧客データなど、外部に漏れては困る情報が飛び交います。
こうした機密情報が、生成AIの処理過程でどこかに保存されたり、意図しない形で外部に送信されたりしないかという不安は少なからずあるはずです。
だからこそ、ツール選びの段階で、データの保存場所や暗号化の有無、第三者との情報共有のルールなどをしっかり確認しておく必要があります。
AIの能力を理解する
生成AIは、まだまだ万能ではありません。特に、会議のような人間らしさが強く出る場面では、意外なところでつまずくことも。
そのため、生成AIを過信してしまうと、後々大きなミスに繋がる可能性もあります。大事なのは、生成AIはあくまでサポート役という位置づけを忘れないことです。
議事録が出てきたら、人の目で必ず確認し要点は自分で整理し直すことで、生成AIによるミスのリスクをグッと減らせるでしょう。
段階的に導入する
生成AIは使い方が多様なため、部署や業務によって効率化に差が出やすいものです。そこで大切なのが、いきなり100%を目指すのではなく、段階的に導入を進めることです。
まずは、小さなチームやプロジェクトで導入し、使い勝手や効率化を実感してもらえれば、その体験が口コミのように社内に広がっていきます。
また、社内でのトレーニングや、マニュアルの整備も重要です。生成AIで会議の効率化を高めるには、社内の使い方ルールも含めて考えることが、効率化を定着させるカギになります。
既存システムと連携する
生成AIが効率化を発揮するのは、日々の業務や既存のシステムと繋がったときです。
大切なのは、生成AIが生み出した議事録をSlackに自動投稿したり、タスクをプロジェクト管理ツールに反映させたりすること。こうした連携があるだけで、効率化されたという実感がグッと増します。
そのためには、すでに使っている業務フローやルールに導入を検討している生成AIがなじむかどうかも事前に見ておくべきポイントです。
プロンプト力を鍛える
生成AIで効率化させる上で、誰もが一度はつまずくポイントとして、プロンプトの聞き方が挙げられます。
だからこそ、プロンプトのコツを実践的に学べる機会があると、会議の効率化はもちろん、その活用の幅はグッと広がります。
プロンプトエンジニアリングについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
生成AIセミナー
生成AIセミナーは、まさにそのプロンプトエンジニアリングを底上げしてくれる場です。
ただツールの使い方を学ぶだけでなく、効率化を図れる言い回しや、どうすれば効率化にフィットする使い方ができるのかという事例を交えながら、自分の中にしっかり落とし込める内容になっています。
短期間で学べるよう構成されており、基礎から応用までの生成AIに関する知識をしっかり学べます。
学習内容の一例は以下の通りです。
基礎 | 応用 |
生成AIや大規模言語モデルの仕組み | 画像・動画・コード生成などのツールの使い方 |
ChatGPTなどのツールの使い方 | APIやノーコードツールの活用 |
プロンプトエンジニアリングのコツ | 独自のChatGPTの構築 |
プロンプトを上手に扱えるようになれば、生成AIは会議を効率化する上において、頼れるパートナーへと変わるでしょう。
セミナー名 | 生成AIセミナー |
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運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー |
会議の効率化を図るなら生成AIの力が不可欠
今回は、生成AIで会議の効率化を爆上げする活用術やおすすめのツールを解説しました。生成AIは、議事録や要約生成を効率化するだけのツールではなく、議論の流れを見える化したり、参加者の理解を深めたりと、会議の効率化を底上げしてくれる存在です。
何より、準備や記録に追われず、議論そのものに集中できるでしょう。もちろん、導入してもプロンプトの工夫や社内での共有、セキュリティの意識を丁寧に進める必要はありますが、運用できたとき、会議はもっと効率化されるはずです。
これからの会議で人とAI、それぞれが得意なことを生かし合えば、会議の効率化ができるようになるでしょう。
