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Raise3D E2はどんな3Dプリンター?特徴や同時造形について詳しく解説

業務用3Dプリンターの中でも、高精度かつコスパの良いRaise3Dシリーズ。なかでも、エントリーモデルの「Raise3D E2」は、低価格で手に入るデュアルヘッド3Dプリンターとして人気です。
今回は、Raise3D E2の機能や特徴を、詳しく解説していきます。

Raise3D E2の特徴は?

Raise3D E2とは、アメリカに本社を置く3DプリンターメーカーRaise3D社が手がける、エントリーモデルの3Dプリンターです。
Raise3D E2は、業務用としては低価格で手に入るモデルでありながら、高機能かつ精度の高さが魅力の3Dプリンターです。造形方式は、FFF(熱溶解積層)方式を採用しています。
それでは、Raise3D E2の特徴について解説していきます。

独立型デュアルヘッドのエクストルーダー

Raise3D E2の特徴は、IDEXという独立型デュアルヘッドのエクストルーダーが搭載されていること。同時に2つの造形物を出力できるため、シングルヘッドよりも効率的にプリントができます。

自動ベッドレベリング機能

また、Raise3D E2には自動ベッドレベリング機能が搭載されていることもポイント。自動ベッドレベリング機能とは、自動的にプラットフォームの水平調整を行うことをいいます。
自動ベッドレベリング機能がない場合、プリンターを使う時に手動で調整しなければなりません。手動の調整だと手間がかかり、精度も落ちてしまうのが難点です。自動ベッドレベリング機能があれば、誰でもすぐに精度の高い調整ができます。

ビデオアシストオフセット機能

さらにRaise3D E2には造形の精度を高める機能として、ビデオアシストオフセット機能があるのも特徴のひとつです。
ビデオアシストオフセット機能とは、正しく水平調整ができているか確認するために、スクリーンにガイドが映し出される便利な機能のこと。画面の指示に従うだけで細かい調整ができるため、初心者の方でも難なく扱うことができます。

20種類以上のフィラメントが使用可能

Raise3D E2が対応しているフィラメントには、PLAやABSといった一般的な樹脂素材が使えます。
また、木の質感にこだわったPolyWood、耐熱・耐衝撃性のあるGreenTEC Pro、安全性の高いカーボンフィラメントのPA12 CFなど、Raise3D E2は20種類以上のフィラメントを使用できるのが特徴。
豊富なフィラメントを活用して、幅広い用途に活躍できます。

設置しやすいサイズ感

Raise3D E2の造形サイズは、シングルヘッド時は330×240×240mm、デュアルヘッド時295×240×240mmと標準的なサイズ。
本体の大きさは607×596×465mm、重量は30kgと、一般的な大きさのデスクであれば載せられるサイズ感です。
Raise3D E2は、会社や学校、自宅にも気兼ねなく設置できるのがポイント。

柔軟性のあるビルドプレート

ほかにも、出力後に折り曲げて造形物を取り外せる、柔軟性のあるビルドプレートも特徴です。無理に力を入れて造形物に傷をつける心配がないため、安心して取り外しができます。

停電復帰機能

また、Raise3D E2には突然の停電にも対応できる停電復帰機能を搭載。停電が起きてしまっても、停電前の進捗状況を自動的に保存するため、すぐにプリントの再開ができます。

7インチの大きめのタッチスクリーン

さらに、Raise3D E2の7インチの大きめタッチスクリーンも特徴のひとつ。大型なので画面が見やすく、出力の進捗状況もすぐに把握することが可能です。

Raise3D E2のIDEXによる同時造形とは?

Raise3D E2の特徴であるIDEXについて、さらに詳しく紹介していきます。
IDEXとはIndependent Dual Extrudersの略で、独立型デュアルエクストルーダーと呼ばれます。
ルエクストルーダーはプリントヘッドのこと。つまりIDEXとは、2つのプリントヘッドを使って、同時造形を可能にする機能を指します。
Raise3D E2でできる同時造形には、2パターンがあります。1つ目は、コピーモード。左右同時に同じ3Dモデルを出力するため、2倍のスピードでプリントすることが可能です。
2つ目は、ミラーモード。ミラー印刷は、その名の通り左右対称に同じ3Dモデルを出力する方法です。ミラーモードを活用すると、印刷時間を速めて効率的に3Dモデルを生成することが可能です。
同時造形は、印刷効率と生産性を上げる機能なので、業務用として活用されるシーンが多いです。例えば、すぐに消費される消耗部品を大量に生成したい場合や、学校の教材として同じモデルが大量に必要なシーンなどで活躍します。

Raise3D E2と他製品との比較

Raise3D E2と特徴や価格帯が近い製品と、性能や特徴の比較をしていきます。

FLASHFORGE「Creator3 Pro」

Creator3 Proは、独立型デュアルヘッドをもつ3Dプリンターです。デュアルヘッドを活用すれば、Raise3D E2と同じくコピー印刷やミラー印刷が可能です。
Raise3D E2と異なる点は、2色同時の色違い印刷や、左右別々の素材でも印刷ができること。例えば、溶性サポート材を使うこともできます。
また、Raise3D E2よりもCreator3 Proの方が低価格なのもポイント。Raise3D E2は約50万円、Creator3 Proは約30万円と、Creator3 Proの方がコストを抑えることが可能です。
ただし、造形精度はRaise3D E2の方が優位です。Creator3 Proの積層ピッチは、最小0.05〜最大0.3mmですが、Raise3D E2は最小0.02〜最大0.65mmまで調整ができます。
また、対応しているフィラメントの数もRaise3D E2の方が多いという特徴があります。Raise3D E2が使用できるフィラメントは20種類以上ありますが、Creator3 Proは10種類です。
デュアルヘッドで2色印刷を使用したい場合や、コストをできる限り抑えたい場合はCreator3 Proがおすすめです。造形精度の高さや対応フィラメントの豊富さを求めるなら、Raise3D E2がおすすめです。

FLASHFORGE「Guider3」

Guider3は、高速印刷が可能な3Dプリンター。Guider3はCore-XY構造を採用しているため、250mm/sの高速印刷が可能です。
Raise3D E2の印刷速度は最速150mm/sのため、Guider3の方が印刷速度が速い点が特徴。またフィラメントを押し出すギアにダブルギアを搭載し、ノズル詰まりしづらいのもポイントです。
ただし、積層ピッチは最小0.05~最大0.4mmであり、Raise3D E2の方が造形精度が高いといえます。また、Guider3の対応フィラメントは9種類であり、Raise3D E2の方が上回っています。
シングルヘッドで高速印刷したい場合や、フィラメント詰まりなどのトラブルが気になる方にはGuider3がおすすめ。造形精度の高さやフィラメントの種類の多さでは、Raise3D E2が優れています。

Raise3D E2の購入・セットアップ方法

Raise3D E2の購入方法や、セットアップ方法を簡単に解説します。

Raise3D E2の購入方法

Raise3D E2は、国内では「日本3Dプリンター株式会社」が総合代理店を担っています。したがって、Amazonや楽天市場などの総合オンラインストアでは、基本的に取り扱っていません。
Raise3D E2を購入する場合は、日本3Dプリンター株式会社へ見積もりを依頼するか、正規販売店で購入しましょう。

Raise3D E2のセットアップ方法

Raise3D E2の本体は完成品なので、届いた後に組み立てる必要はありません。本体の電源を入れるとすぐに起動し、初回セットアップガイドが表示されます。ガイドに従うだけで、初期設定は完了します。
本体のセットアップが終わったら、スライスソフトをダウンロードしましょう。スライスソフトは、独自ソフトの「ideaMaker」を使用します。
ideaMakerをダウンロードした後にも初回設定やミラー・コピー造形の設定があるので、続けてセッティングしていきましょう。最後に、プリンターとPCの接続を設定すれば、初期のセットアップは完了です。
造形する際には、スライスソフトを入れたPC、もしくはUSBにエクスポートしたデータから出力することが可能です。スクリーンに表示されたガイドに従って、造形を開始しましょう。

Raise3D E2は高機能な3Dプリンター

デュアルヘッドで効率よく出力ができ、かつ高精度な造形が特徴のRaise3D E2。
Raise3D E2は対応しているフィラメントの豊富さも魅力的な特徴のひとつです。操作方法やセッティングも簡単なため、初めて3Dプリンターを導入する企業や個人の方に、おすすめの業務用プリンターです。

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