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ものづくり補助金とは? 公募期間と対象経費まとめ

今回は、新しいことに挑戦したい中小企業を支える「ものづくり補助金」を紹介します。
3Dプリンターや3Dスキャナーなどの設備を導入したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは

「ものづくり補助金」とは、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図るために、中小企業庁が実施している補助金制度です。

最大のメリットは「少ない自己負担で設備投資等が可能になる」ことです!

「新事業にチャレンジしたい!」「生産ラインを増強したい!」「サービスの質を高めたい」という方には特におすすめです。

公募期間

16次「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の公募・申請開始日や、申請締切日については以下のとおりです。

公募開始日:令和5年7月28日(金) 17時
申請開始日:令和5年8月18日(金) 17時
申請締切日:令和5年11月7日(火) 17時

※お問合わせや、公募の詳細は「全国中小企業団体中央会」のHPから確認できます。

対象事業

「ものづくり補助金」の対象者や支援要件について、詳しく紹介します。

補助対象者

「ものづくり補助金」の支援を受けられるのは、日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者、社会福祉法人、特定事業者の一部、および特定非営利活動法人に限ります。

支援要件

以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画方針をたてていることが必要となります。

  • 事業者全体の「付加価値額」※1を年率平均3%以上増加
  • 「給与支給総額」※2を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

※1 付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したもの。
※2 給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く)。
※3補助事業実施年度に新型コロナウイルス感染症の影響を受けることを想定して、上記の付加価値額及び賃金引上げの目標を据え置きし、その翌年度から3~5年の間にこの目標値を達成する計画とすることが可能です。(回復型賃上げ・雇用拡大枠を除く。)

支援内容

支援内容は申請枠によって異なります。
補助申請枠は、以下の表のとおりです。

① 通常枠 革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援
② 回復型賃上げ・雇用拡大枠 業況が厳しい事業者※が賃上げ・雇用拡大に取り組むための革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援
③デジタル枠 DXに資する革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援
④グリーン枠 温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援を支援
⑤グローバル市場開拓枠 海外事業の拡大等を目的とした設備投資等を支援。海外市場開拓(JAPANブランド)類型は、海外展開に係るブランディング・プロモーション等に係る経費も支援

対象経費

対象経費

どのような費用でも、補助金の対象になるというわけではありません。補助金の対象となる経費はあらかじめ決められています。
以下は補助金の対象となる経費の一例です。

  • 機械装置・システム構築費
  • 運搬費
  • 技術導入費
  • 知的財産権等関連経費
  • 外注費
  • 専門家経費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 海外旅費 ※グローバル市場開拓枠のみ対象
  • 通訳・翻訳費 ※グローバル市場開拓枠のうち②海外市場開拓(JAPANブランド)類型のみ対象
  • 広告宣伝・販売促進費

さらに、この中には経費の金額に、上限(例.「税抜の補助対象経費総額の1/3まで」など)を設けているものもいくつかあります。

何にどのくらいお金がかかるのか、事業実施後のビジョンを明確にすることが大事ですね!

ものづくり補助金のスケジュール

補助金のスケジュール

上の図は、かなりざっくりとしたまとめになりますが、補助金が交付されるまでの一連の流れです。
前述したとおり公募はもう始まっていて、第二次締切が2023年11月7日(火) と迫っています。
補助金の支払いは、2024年以降となりそうですね。

スケジュールを守らないと当然、補助金を受けることができなくなるため、注意が必要です。

審査項目

気になる審査項目は大きく分類して以下の7つです。

① 補助対象事業としての適格性 前述の「対象事業」に該当するかどうか。
② 技術面 新製品・新技術・新サービスの革新的な開発となっているかどうか、それらの開発における課題が明確に設定できているかなど
③ 事業化面 事業実施のための体制や、最近の財務状況などから、補助事業を適切に遂行できると期待できるか
④ 政策面 新たな活路を見出す企業として他の企業のモデルとなるとともに、地域経済と雇用の支援につながることが期待できる計画かどうか
⑤炭素生産性向上の取組等の妥当性(グリーン枠のみ) 炭素生産性を向上させるための課題や取り組み明確に示されているか、温室効果ガスの排出削減、エネルギー消費削減等に資する継続的な取組かどうかなど
⑥グローバル市場開拓の取組等の妥当性(グローバル市場開拓枠のみ) 事前の十分な市場調査分析を行ったうえで、国際競争力の高い製品・サービス開発となっており、海外展開等に必要な実施体制や計画が明記されているか、国内の地域経済に寄与するものであるかなど
⑦大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性(大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例のみ) 大幅な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その内容や根拠が妥当なものとなっており、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか、人事配置等の体制面・販売計画等の営業面の強化に取り組んでいるかなど

あくまで大きく分類しての話なので、この中に細かい審査項目がたくさんあります!

ですが、その中でも事業内容の「革新性」が大きく問われるものと認識しておくのがベターだと考えられます。

補助事業の目的として、公募要領の冒頭にも「革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援」と書かれています。

また、「加点項目」および、「減点項目」も公募要領に示されているので事前に確認すると良いでしょう。

革新性とは

革新性とは

革新性とは簡単にいうと、「自社になく、他社でも一般的ではない、新しい取り組み」のことです。

審査の要点となる「革新性」については、下記のサイトで詳しく説明されています。
参考:「ものづくり補助金」審査上最大の論点”革新性”とは何か

ものづくり補助金について気をつけること

補助金を活用する上で注意すべき点は、主に以下の4つです。

  • 補助金は後払い。
    機械装置などの調達には、補助金交付より前に支払いが必要なため、資金繰りに注意が要必要。
  • 事業が終了した後も、5年間にわたり、事務処理(書類作成)もしくは監査が発生する。
  • 補助金を受けた事業で利益が出たら、返還する義務(=補助金の収益納付)がある。
  • 補助金の対象は「補助事業期間内の発注、納品、支払い」のみ。
    期間外に発生した経費は交付されない。

もちろん、提出する書類に虚偽の報告をしたら違法になります!

補助金を申請する前には、メリットだけでなく、それに伴うリスクに関しても調べておくと良いですね。

ものづくり補助金で3Dプリンター・3Dスキャナーを導入しよう

ものづくり補助金を活用することで、ものづくりに欠かすことのできないハードウェアを導入することができます。
3Dプリンターや3Dスキャナーもそのうちのひとつです。

以下では、おすすめの業務向け3Dプリンターや3Dスキャナーを紹介します。

おすすめの業務向け3Dプリンター①:Raise3D Pro3

Raise3D Pro3

メーカー Raise3D
価格 ¥1,012,000(税込)
造形マテリアル T-PLA、T-ABS、PETG、PTG、Polyflex、カーボン、木質、etc
最大造形サイズ シングルヘッド造形時:300W×300D×300H mm
デュアルヘッド造形時:255W×300D×300H mm
積層ピッチ 0.01〜0.65mm

Raise3D Pro3は安定した造形品質と安定度で、業務で人気の高い3Dプリンターです。
可動式デュアルヘッドを搭載しており、同時に2種類のフィラメント(材料)を用いることができます。
ノズルごとに異なる材料や色違いのフィラメントを使用すれば、2色での造形や、サポート材として水に溶ける水溶性フィラメントでの造形が可能です。
また、最新機能の「Hyper FFF™」はヘッドの加速度を最大10倍にすることができ、ハイスピードの造形を可能にしています。

おすすめの業務向け3Dプリンター②:Raise3D Pro3 Plus

Raise3D Pro3 Plus

メーカー Raise3D
価格 ¥1,397,000(税込)
造形マテリアル T-PLA、T-ABS、PETG、PTG、Polyflex、カーボン、木質、etc
最大造形サイズ シングルヘッド造形時:300W×300D×605H mm
デュアルヘッド造形時:255W×300D×605H mm
積層ピッチ 0.01〜0.65mm

Raise3D Pro3 Plusは、先ほどご紹介したPro3シリーズの大型機種です。
Raise3D Pro3よりも縦に2倍ほど大きく、より大型の造形に対応できるようになっています。
基本の機能はRais3D Pro3と変わりませんので、少しでも大きいものを作る可能性がある場合は、こちらのRaise3D Pro3 Plusを選ぶと良いでしょう。

おすすめの業務向け3Dプリンター③:Mark Two

Mark two

メーカー Markforged
価格 要見積もり
造形マテリアル ONYX /ナイロン /カーボンファイバー /ファイバーグラス /高耐熱ファイバーグラス /ケブラー
最大造形サイズ 320×132×154 mm
積層ピッチ 100〜200μm

Mark Twoは、カーボンファイバーを造形できる世界初の3Dプリンターです。
卓上サイズなのでオフィスにも置くことができ、造形中の音も静かです。
Mark Twoは外側はONYXなどの樹脂、内部は繊維素材(カーボンファイバー)で強化することで、造形物の強度と剛性、耐久性に優れた造形物をプリントすることができます。製造工程で使用する治具や、強度を要求される部品の製造に役立つ3Dプリンターです。

おすすめの業務向け3Dプリンター④:Form3L

Form3L

メーカー Formlabs
価格 【ベーシックパッケージ】¥1,761,100(税込)
造形マテリアル スタンダードレジン、エンジニアリングレジン、キャスタブルレジン他
最大造形サイズ 335×200×300 mm
積層ピッチ 25-300 μm

Form3Lは、LFS方式(光造形方式)の大型3Dプリンターです。
LFS(Low Force Stereolithography)方式とは、新構造のレーザーユニット(LPU)とレジンタンクにより実現した革新的な光造形方式のことを指します。
ライトタッチサポートと呼ばれる、より微細で簡単に除去できるサポート構造を実現したことで、後処理にかかる時間が従来品より軽減されています。
また、最大造形サイズ335×200×300 mmと大きな造形を可能としている点が特徴です。

おすすめの業務向け3Dプリンター⑤:Metal X

Metal X

メーカー Markforged
価格 要見積もり
造形マテリアル 17-4 ステンレス鋼 /マレージング鋼 /チタン /インコネル /銅 /アルミニウム
最大造形サイズ 300×220×180 mm
積層ピッチ 50〜200μm

Metal Xは、従来にはない新しい種類の金属3Dプリンターです。
ADAM方式と呼ばれる造形工程により、わずかなコストで金属部品・治具・工具の造形を短時間で完成させることができます。
また、Metal Xは3Dプリントした造形物を洗浄し焼結するための付帯設備が必要です。当然コストが別でかかりますので、導入を考えるときには、本記事で紹介した補助金をうまく活用すると良いでしょう。

おすすめの業務向け3Dスキャナー:EinScan Pro HD

EinScan Pro HD

メーカー SHINING 3D
価格 1,419,000円
シングルスキャン範囲 209×160mm-310×240mm
光源 LED
屋外での使用 可能(カバー等を使用して、直射日光を避けてください)

EinScan Pro HDは、簡単な操作で高精度・高精細なデータを取得でき、初心者でも扱いやすい3Dスキャナーです。
固定・ハンディの両方のモードを搭載しているため、幅広いサイズの対象物をスキャンできます。本体重量は1.25Kgと軽量なので、ハンディモードでの利用もつらくありません。
別売りのカラー取得モジュールを使用することで、フルカラーのスキャンにも対応することが可能です。

まとめ

新しいことに挑戦したい中小企業を支える「ものづくり補助金」を紹介しました。

その最大のメリットは「少ない自己負担で設備投資等が可能になる」ことです。
3Dプリンターや3Dスキャナーの購入も、補助金を使って負担額を減らすことができます。

補助金を受けるためには厳しい審査(採択率は約40%前後)がありますが、この制度によって諦めかけていたアイデアを実現させることができるかもしれません。

ものづくり補助金を申請する前には、必ず公募要領をよく読みましょう!

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