ものづくり補助金は準備や提出・審査に時間がかかるので、交付までに少し期間がかかります。
この記事では、「ものづくり補助金」が交付されるスケジュールと交付の条件に焦点を当てて解説します。
ものづくり補助金とは
ものづくり補助金は、日本政府が中小企業の製造業に対して提供する補助金の一つで、これらの企業が技術開発、設備投資、人材育成などにより競争力を高める手助けをすることを目的としています。
この補助金制度は、国の産業構造を強化し、経済成長を支えるとともに、地域の雇用を促進することが目的です。以下にものづくり補助金について詳しく紹介します。
ものづくり補助金の申請資格
ものづくり補助金の申請資格は中小企業に限定されることが多いです。
しかし、特定の技術開発や産業分野においては、大企業も対象となる場合があります。
ものづくり補助金の申請手続き
ものづくり補助金を受けるには、事業者が具体的な事業計画を立て、政府に提出する必要があります。これには、投資計画、事業の目的、期待される効果などの情報を細かく報告しなくてはなりません。審査が行われ、承認された場合に補助金が交付されます。
この補助金は、製造業の競争力を強化するための重要な手段となっており、これにより、中小企業が持続的な成長を遂げる上でのハードルを低減することができます。
しかし、申請には慎重な準備が必要であり、審査プロセスも厳格です。
したがって、補助金を利用する企業は、計画の策定段階から適切な情報を集め、十分な準備を行う必要があります。加えて、ものづくり補助金の具体的な内容や対象となる事業、補助率などは政府の政策によって変動する可能性があるため、常に最新の情報をチェックし、適切なタイミングで申請を行うことが重要です。
この補助金がもたらすメリットは大きく、中小製造業者が新しい技術や設備に投資し、生産性や品質を向上させる手助けをすることで、日本の産業全体の競争力を高め、持続可能な経済成長に貢献しています。
ものづくり補助金の詳しい概要はこちらの記事で解説しています。
ものづくり補助金が交付されるスケジュール
ものづくり補助金が交付されるスケジュールは、年度によって若干異なる可能性がありますが、一般的な流れとして以下のような手順があります。
公募告知
公募告知では、政府が補助金の目的・対象者・交付額・必要な書類・申請締切日等の基本情報を公開します。企業側はこの情報を基に補助金を利用するか判断します。
公式ウェブサイトや関連団体を通じて告知が行われることが一般的です。
申請受付開始
ものづくり補助金の応募開始は発表後すぐに開始され、年によって違いますが大体1〜2ヶ月あります。
応募画面では、企業は事前に準備しておいた計画書や必要書類を提出します。
この際、公募告知で示された内容に沿って正確な申請を行うことが重要で、申請はオンラインまたは郵送で応募することができます。
応募期間に間に合わせるために余裕を持って応募しましょう。
審査
審査期間は大体1〜2ヶ月あり、審査の内容は、計画の実現可能性・イノベーション性・社会への影響などの要因が考慮されます。
また、審査の途中で追加情報の提供を求められることもあります。
交付決定
企業に対して補助金の交付が決定されると、通知書が送られます。この通知には交付額、使用条件、報告要件など、補助金の利用に関する詳細な情報が含まれます。
この交付に同意して、申請する期間が1ヶ月あります。
契約締結
企業と政府は補助金交付に関する正式な契約を結びます。契約には、補助金の使用目的、支払い条件、達成すべき目標、進捗報告の方法などが明確に記載されます。
補助金の支払い
契約が結ばれた後、補助金の支払いが開始されます。
支払いは一括で行われることもあれば、プロジェクトの進行状況に応じて分割されることもあります。また、支払い前には中間報告を求められることもあります。
報告と検証
補助金を受けた企業は、プロジェクトの進行に伴って政府に対して進捗報告を行う必要があります。これは通常、書面で行われ、プロジェクトの達成状況、予算の使用状況、問題点や解決策などを含むことが一般的です。
プロジェクトが完了した際には、最終報告書を提出し、補助金の使途とプロジェクトの成果を詳細に報告します。場合によっては、第三者機関による検証が行われ、プロジェクトの成果や補助金の効果的な使用が評価されます。
この交付開始から最終報告書までは半年ほどあります。
ものづくり補助金が交付される条件
ものづくり補助金が交付される条件は、公募要項によって異なることがありますが、一般的な基準として以下のような条件が設けられていることが多いです。
対象者
ものづくり補助金は特定の規模の企業を対象とすることが多く、中小企業やベンチャー企業が主な対象です。この条件は、業界や地域のイノベーションを促進し、経済成長をサポートするために設けられています。対象となる企業の規模は、従業員数や売上高などで定義されることが多いです。
業種
補助金は、国や地域の政策によって、特定の製造業や技術分野に限定されることがあります。
例えば、環境技術、医療機器、ロボティクスなど、将来性が見込まれる分野が優先されることが多いです。
プロジェクトの内容
補助金を申請するプロジェクトは、新しい技術開発や生産プロセスの改善、製品の品質向上など、ものづくりに関連するイノベーティブな内容でなければなりません。
これは、国内産業の競争力を高めることが目的です。
経済的効果
プロジェクトは、雇用の創出、地域経済への貢献、新市場の開拓など、経済的な利益をもたらす可能性が評価されます。具体的な数値やデータを用いて、プロジェクトがどのように経済に寄与するかを明確に示す必要があります。
具体的な計画
企業は、プロジェクトの目的、実施計画、予算、期待される成果などを具体的かつ詳細に示す必要があります。また、リスク管理や問題解決策など、プロジェクト遂行における対策も盛り込むと良いでしょう。
自己資金の拠出
補助金はプロジェクト費用の一部を補填するものであり、企業が自己資金を拠出することが求められます。これは、プロジェクトに対する企業のコミットメントを示すとともに、リスクを分散させる目的もあります。
報告義務の遵守
補助金を受ける企業は、プロジェクトの進捗状況、財務報告、成果物の提出など、定期的な報告が求められます。これは、補助金が適切に使用され、プロジェクトが計画通り進行していることを確認するためです。
報告が不十分な場合、補助金の交付が停止されることもあります。
その他の要件
特定の補助金プログラムでは、地域性を重視し、地域資源を活用したものづくりに焦点を当てている場合があります。
また、環境に配慮した製造プロセスや、女性の雇用を奨励するなど、社会的側面を考慮するプログラムも存在します。
ものづくり補助金で3Dプリンター・3Dスキャナーを導入しよう
ものづくり補助金を活用すれば、3Dプリンター・3Dスキャナーを導入することもできます。
以下では、業務向けに特化したおすすめの3Dプリンター・3Dスキャナーをご紹介します。
Raise3D Pro3 Plus
メーカー | Raise3D |
価格 | ¥1,397,000(税込) |
造形マテリアル | T-PLA、T-ABS、PETG、PTG、Polyflex、カーボン、木質、etc |
最大造形サイズ | シングルヘッド造形時:300W×300D×605H mm デュアルヘッド造形時:255W×300D×605H mm |
積層ピッチ | 0.01〜0.65mm |
Raise3D Pro3 Plusは、業務向けシリーズ「Raise3D」の大型機種です。
同シリーズのRaise3D Pro3と比較して縦に2倍ほど筐体が大きくなっており、より大型の造形が可能となっています。
最新機能の「「Hyper FFF™」」により、高速造形に対応することもできるほか、専用ノズルを使用することで強度の高い造形物をプリントすることも可能です。
使用できるフィラメントも豊富なので、幅広い造形がしたい方にぴったりの製品と言えるでしょう。
Mark Two
メーカー | Markforged |
価格 | 要見積もり |
造形マテリアル | ONYX /ナイロン /カーボンファイバー /ファイバーグラス /高耐熱ファイバーグラス /ケブラー |
最大造形サイズ | 320×132×154 mm |
積層ピッチ | 100〜200μm |
Mark Twoは、カーボンファイバーを造形できる世界初の3Dプリンターです。
卓上サイズなのでオフィスにも置くことができ、造形中の音も静かです。
Mark Twoは外側はONYXなどの樹脂、内部は繊維素材(カーボンファイバー)で強化することで、造形物の強度と剛性、耐久性に優れた造形物をプリントすることができます。製造工程で使用する治具や、強度を要求される部品の製造に役立つ3Dプリンターです。
EinScan Pro HD
メーカー | SHINING 3D |
価格 | 1,419,000円 |
シングルスキャン範囲 | 209×160mm-310×240mm |
光源 | LED |
屋外での使用 | 可能(カバー等を使用して、直射日光を避けてください) |
EinScan Pro HDは、簡単な操作で高精度・高精細なデータを取得でき、製造業でも力を奮っている3Dスキャナーです。
固定・ハンディの両方のモードを搭載しているため、幅広いサイズの対象物をスキャンできます。
従来品よりも暗い金属や鋳物の表面よりスキャンしやすく、微細なディテールにも対応する高解像度のスキャンが可能となっています。
また、別売りのカラー取得モジュールを使用することで、フルカラーのスキャンにも対応することが可能です。
ものづくり補助金のスケジュールについてまとめ
今回はものづくり補助金の交付スケジュールに関して詳しく解説しました。
ものづくり補助金は応募期間から最終報告書の提出まで大体9ヶ月〜10ヶ月ほどあります。
このスケジュールを加味しながら補助金を利用するプロジェクトを組み立てると良いでしょう。