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【2025】ミドルシニアが持つ9つの強みとは?企業が行うべき強みを生かすための注意点

90年代後半からの日本経済の低迷は、終身雇用制度の崩壊や産業構造の変化をもたらし、特にミドルシニア層に大きな影響を与えています。かつては重宝されていたスキルや経験が、新たな時代において必ずしも通用するとは限りません。

製造業からインターネットやサービス業へと主戦場が移り変わり、求められる人材像も大きく変化しているのです。この変化の波に乗り切れずに、これまでの価値観やスキルが通用しない状況に戸惑い、キャリアの岐路に立たされているミドルシニア層は少なくありません。

彼らは、過去の成功体験にとらわれず、これからの社会で求められるスキルを身につける必要があります。しかし、一体どのようなスキルを身につけるべきなのでしょうか。

今回は、ミドルシニアが持つ9つの強みやその強みを生かすための注意点を解説します。

そもそもミドルシニアとは

そもそもミドルシニアとは

東京しごとセンターでは、年齢層を以下の3つに分類しています。

ヤング 29歳以下
ミドル 30歳〜54歳
シニア 55歳以上

しかし、この区分は厳密なものではなく、他の機関や調査では異なる場合もあります。一般的に「ミドルシニア」と呼ばれるのは、ミドル世代とシニア世代の両方に属する40代〜60代の中高年層を指します。

参照:東京しごとセンター

ミドルシニアが持つ9つの強み

ミドルシニアの世代が持つ強みは以下のように数多く存在します。

  1. 豊富な社会経験がある
  2. 専門性や経験値を持っている
  3. 企業の業績向上が期待できる
  4. 教育コストが大幅に削減できる
  5. 若手のロールモデルになる
  6. マネジメント能力がある
  7. 精神的な支柱になる
  8. 自社にない人脈を生かせる場合がある
  9. 自社の社会的なイメージが向上する

それぞれの項目を以下で詳しく解説します。

①豊富な社会経験がある

ミドルシニアの方は、長年の社会経験から培われた豊富な知識やスキルを有しています。これは、若手にはない大きな強みであり、中小企業が求める「即戦力」として高く評価されるポイントです。

社会経験は、資格のように直接的にアピールできるスキルではありませんが、あらゆる仕事の基本となる土台です。例えば、どんなに専門的な資格を持っていても、実際の業務で必要なノウハウや経験が不足していれば、その能力を最大限に発揮することは難しいでしょう。

中小企業は大企業に比べて、個々の社員の経験やスキルに期待する傾向があります。特に、業界特有のルールや暗黙の了解など教科書では学べない知識は、企業にとって貴重な財産となります。そのため、ミドルシニアの方が持つ豊富な社会経験は、中小企業にとって非常に魅力的なものなのです。

②専門性や経験値を持っている

ミドルシニア世代のエンジニアは、長年の経験から培われた深い専門性と豊富な実務経験を有しており、若手にはない高い能力を発揮することが期待できます。彼らは、単に技術的な業務をこなすだけでなく、基本的な業務手順を熟知し、部下や後輩への指導育成も行うことができます。

中には、経営やマネジメントの経験を持ち、プロジェクトを円滑に進めるためのマネジメントスキルを習得している人もいます。特に、プロジェクトマネジメントの経験は、新たな開発プロジェクトにおいて大きな強みとなるでしょう。これまでの経験を活かし、自社では未開拓であった領域への進出を加速させることも可能です。

エンジニアが転職を希望する理由については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

エンジニアが転職する際のポイントを紹介!希望する条件を叶える方法とは?

③企業の業績向上が期待できる

ミドルシニア世代の社員は、長年培ってきた豊富な知識や高度なスキル、そして広範な人脈を駆使し、より複雑かつ重要な業務を担うことで、組織に新たな価値をもたらします。

ミドルシニア社員の活躍は、業務効率の向上だけでなく、組織全体の活性化にも繋がります。彼らが持つ経験と洞察は、新たなプロジェクトの立ち上げやチーム力の強化などの取り組みを加速させ、企業全体に活力を与えます。結果的に、企業はより高いレベルでの成長を遂げ、業績向上を実現できるでしょう。

④教育コストが大幅に削減できる

経験豊富なエンジニアを採用することで、教育コストを大幅に削減できます。特に、ミドルシニア世代は、これまでのキャリアの中で培ってきた技術力に加え、部下指導の経験も豊富であるケースが少なくありません。

新人を採用した場合、一から技術指導を行う必要がありますが、ミドルシニアであれば、即戦力として活躍できるだけでなく、社内での人材育成にも貢献することができます。ミドルシニアの採用は、教育コストの削減だけでなく、社内教育体制の強化にもつながるのです。

実際、多くの企業が新人のOJTや教育担当として、ミドルシニアのエンジニアを採用しています。

⑤若手のロールモデルになる

ミドル・シニア社員は、若手社員にとって、自身の将来を投影できる「ロールモデル」としての役割を担っています。ロールモデルとは、私たちが目標とする人物で、その人の行動や考え方を参考にしながら、自分自身を成長させていこうとする際に、重要な存在となります。

特に、年齢が近い中堅社員は、若手社員にとって身近な存在であり、彼らの働き方やキャリアパスは、若手社員の将来像を形作る上で大きな影響力を持つと言えるでしょう。

ミドルシニア社員が組織内で活躍し、目標に向かって日々努力する姿は、若手社員にとって大きな刺激となり、モチベーション向上に繋がります。逆に、中堅社員が活躍できていない職場では、若手社員は自身の将来に不安を感じ、組織への帰属意識や貢献意欲が低下し、転職を考える可能性も高まってしまうでしょう。

⑥マネジメント能力がある

30代後半から40代、50代と年齢を重ねるにつれて、多くのビジネスパーソンは少なからず部下を率いた経験を持つのではないでしょうか。特に中小企業においては、社員の育成システムが十分に整っていないケースも多く、部下を指導し、その成長をサポートするマネジメント能力は、非常に高い評価を得られます。

部下の仕事を的確に評価し、プロジェクトを成功へと導く能力や部下のモチベーションを向上させる能力は、長年の経験を積んだミドルシニアならではの強みと言えるでしょう。ただし、中小企業では、社員からの信頼を得るためには、まず自分が模範となることが求められます。

⑦精神的な支柱になる

ミドルシニア社員が若手社員をしっかりとサポートし、活躍している職場では、「〇〇さんがいてくれるから大丈夫」という安心感が生まれ、若手社員は新たな挑戦に意欲的に取り組むことができます。この精神的な支柱の存在が、企業全体の活性化を促し、風通しの良い職場環境を醸成します。

結果的に、社員の定着率向上にも繋がり、企業全体の安定的な成長に貢献することが期待されるでしょう。

⑧自社にない人脈を生かせる場合がある

ミドルシニア層には、プロジェクトマネジメントや事業運営などの豊富な経験を持つ人材が数多く存在します。彼らは、長年のキャリアを通じて培ってきた広範な人脈や自社にはない独自のノウハウを保有していることが特徴です。

新規プロジェクトの立ち上げや新たな事業への参入、革新的な製品・サービスのローンチを計画している企業にとって、こうした経験豊富な人材の採用は大きなメリットをもたらします。ミドルシニア層の持つ人脈を活用することで、新たなビジネスチャンスの創出や、有力なパートナーとの連携が期待できます。

また、彼らが持つ専門知識やノウハウは、新規事業の成功率を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。

⑨自社の社会的なイメージが向上する

日本社会においては、世代にこだわらず、社員一人ひとりの個性と能力を最大限に引き出すことを目指す企業は、社会的な責任を果たしているという印象を与え、企業イメージの向上に繋がります。また、様々な価値観や経験を持つ人々が集まることで、新しいアイデアが生まれやすくなり、イノベーションを促進することができるため、企業の競争力強化や事業拡大にもつながる可能性があります。

このように、多様な世代の人材を採用し、活躍の場を提供することは、企業の社会的な責任を果たすだけでなく、企業の成長にも貢献する一石二鳥の取り組みと言えるでしょう。

ミドルシニアの強みを生かすための注意点

ミドルシニアの強みを生かすための注意点

ミドルシニア世代が持つ豊富な経験、専門知識、安定したパフォーマンスは、企業にとって大きな力となります。しかし、ミドルシニア世代を有効活用するためには、いくつかの注意点があります。

以下で詳しく解説します。

適性検査を活用する

ミドルシニアの採用においては、豊富な実務経験に加え、入社後の活躍を左右する様々な要素を評価することが重要です。適性検査は、このように多角的な評価を可能にする有効なツールとなり、応募者がどのような仕事や職場に適しているかを判断します。

応募者の能力や性格、人柄などの多角的な側面から評価を行い、企業と個人がお互いにとって最善のマッチングを図ることを目的としています。エンジニア経験が豊富であっても、入社後に周囲との連携を円滑に進め、安定したパフォーマンスを発揮できるかどうかは、個人のコミュニケーション能力やチームワーク力に大きく依存します。

また、技術革新が激しい現代においては、常に新しい知識やスキルを習得しようとする向上心や変化の激しい環境に適応できるストレス耐性も求められます。これらの要素が不足している場合、早期の離職につながる可能性も否定できません。

そのため、ミドルシニアの採用では業務遂行能力だけでなく、コミュニケーション能力、向上心、ストレス耐性など、多岐にわたる能力を客観的に評価することが重要です。適性検査は、これらの能力を数値化し、比較検討するための有効な手段と言えるでしょう。

キャリアデザインを支援する

ミドルシニア世代は、今後のキャリアについて様々な思いを抱いており、転職を経験し、新たな挑戦に踏み出したとしても安定した状況に安住し、さらなる成長を望まなくなるケースも少なくありません。このような状況を踏まえ、企業は従業員のキャリアデザインを積極的に支援する必要があります。

キャリアデザインとは、個人が主体的に将来のキャリアを設計していく考え方です。近年、多くの企業が人材育成の一環としてキャリアデザインに注目し、従業員の成長をサポートする取り組みを進めています。

特に、今後のキャリアに迷いを抱える社員に対しては、企業が具体的な道筋を示すことが重要です。個々の強みや興味関心に基づいたキャリアプランを一緒に考え、目標に向かって取り組めるような環境を提供することで、従業員のモチベーション向上と定着率の向上に繋がるでしょう。

長く活躍できる環境づくりを行う

シニア世代を採用する場合、特別に活躍できる場を設ける工夫も求められるでしょう。定年の延長を視野に入れるなど、シニア層が長く活躍できる環境づくりに注力する必要があります。

シニア世代を生かす環境づくりとしては、新たな部署の新設や新規事業の立ち上げなど、マネジメントの立場で活躍できる場を設けることが考えられます。そのため、これまでの豊富な経験を生かしつつ、新たな領域に挑戦できる機会を提供することができます。

リカレント教育を実施する

リカレント教育とは、一度社会に出てからも学びを続け、新しい知識やスキルを身につけることです。学生時代に一度勉強を終えたという考え方は、もはや過去のもので、社会に出てからも学び続けることが重要視されています。

新しい知識や経験は、仕事に対するモチベーションを高め、より充実した働き方を可能にします。また、組織にとっても従業員のスキルアップはイノベーションを促進し、企業全体の競争力強化に貢献します。

そのため、企業は以下のような研修プログラムの提供や資格取得支援など、様々な形でリカレント教育をサポートする体制を整備することが求められます。

リカレント教育については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【2025】リカレント教育とは?リスキリングとの違いやメリットを解説

CAD人材育成サービス

弊社では、ミドルシニアの方がスキルを習得し、活躍できるようなCAD人材育成サービスを提供しております。まず、貴社の現状や課題を詳しくお伺いし、製造に関する深い知識を持つコンサルタントが、貴社のニーズに最適な研修プログラムをご提案いたします。

ご提案内容にご納得いただけましたら、カリキュラムや研修後のフォロー体制について、綿密な打ち合わせを行います。研修の実施後には、研修中の質問やプロジェクトメンバーの関心事、理解度などをまとめた詳細な報告書を提出いたします。

この報告書は、今後のCAD業務の計画策定や、より高度な産業用DX、AI、IoT人材育成のための貴重な資料としてご活用いただけます。弊社が提供するCAD人材育成サービスは、ミドルシニアの方が新たな技術を習得し、自信を持って活躍できるよう全面的にサポートいたします。

ミドルシニアの強みを生かして生産性の向上に繋げよう

ミドルシニアの強みを生かして生産性の向上に繋げよう

今回は、ミドルシニアが持つ9つの強みやその強みを生かすための注意点を解説しました。ミドルシニア世代は長年の経験から培われた専門知識や技術を有しており、即戦力として企業に貢献できることが期待されています。特に技術職においては、その経験は非常に貴重であり、企業にとって大きな魅力となるでしょう。

ミドルシニア世代は即戦力に留まらず、教育コストがほとんどかからないという点も大きな魅力です。新卒採用と比較して、即戦力となる人材を比較的少ないコストで獲得できるため、企業にとっては費用対効果が高いといえます。

また、ミドルシニア世代は豊富な人脈を持っている場合が多く、新規顧客開拓やビジネスチャンス拡大にもつながる可能性があります。一方で、ミドルシニアの中には、年齢を重ねるにつれて、引退を意識し始める人も少なくないため、企業がミドルシニア世代の人材を積極的に採用するためには、キャリアデザインの支援が不可欠です。

個々のキャリアプランに合わせた働き方を提案し、定年の延長を視野に入れた雇用制度を構築することで、ミドルシニア世代のモチベーションを高め、長期的な活躍を促すことが重要です。ミドルシニア世代の人材を効果的に活用することで、企業全体の生産性向上にも繋がるでしょう。

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