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解体工事でよくあるトラブルとは?騒音や振動の苦情を防ぐ方法を紹介

近年、解体工事の騒音が原因でトラブルに発展するケースが急増しています。
解体工事の騒音・振動対策は法で規定されていますが、「適切な対策方法が分からない」という事業所もあるのではないでしょうか?

この記事では、解体工事でよくあるトラブル、騒音や振動の苦情防止方法を紹介します。

解体工事でよくあるトラブル4選

解体工事でよくあるトラブル4選

解体工事は周辺環境への影響が大きく、中には大きなトラブルに発展するケースもあります。
ここでは、解体工事でよくあるトラブルを4つ紹介します。

  1. 隣接住宅の破損
  2. 粉塵の飛散
  3. 路上駐車
  4. 騒音・振動の発生

トラブル①隣接住宅の破損

解体時のトラブルの一つは、隣接住宅の破損です。
解体工事では、予期せぬ天候不良や作業ミスにより、隣接住宅を損傷することがあります。

主な原因は、足場崩れ、廃棄物・泥の侵入、解体物の落下、重機の接触や圧力、解体用薬剤の漏洩、振動や地盤沈下による亀裂発生です。

トラブル②粉塵の飛散

解体工事のトラブルには、粉塵の飛散もあげられます。
解体工事による粉塵の飛散は、気管支炎や肺炎などの健康被害を引き起こす可能性が高いです。
特に、アスベストを含んだ粉塵は重篤な疾患につながります。

このように、粉塵被害は深刻なトラブルに発展するケースが多いです。
その他、近隣住民の車両や住宅、洗濯物に粉塵が付着する被害もあります。

トラブル③路上駐車

解体工事の際には、路上駐車によるトラブルも多いです。
解体工事における路上駐車は、交通や通行の妨害、さらには事故誘発につながります。

例えば、路上駐車によって道路幅が狭くなり通行車両が渋滞する、歩行者の安全な通行が妨げられる、路上駐車車両によって視界が遮られるなどです。

特に、狭い路地や交通量の多い場所の路上駐車はトラブルが生じやすくなります。

トラブル④騒音・振動

解体工事で最も多いトラブルが騒音・振動です。
令和2年の環境省の調査によると、日本国内の騒音・振動に関するクレームのうち、解体工事を含む建設作業に対するものが38.5%と圧倒的比率を占めていました。

騒音や振動は、近隣住民との関係悪化、工事の遅延などさまざまな問題を生じます。
近隣住民とのトラブルが深刻化すれば、損害賠償請求に発展する可能性は高いです。

特に、早朝や深夜など一般的に静かな時間帯の作業、長時間に及ぶ作業、窓や路面が揺れるような強い振動には注意しておきましょう。

参照:環境省公式サイト

以下の記事では、簡単にできる振動対策を紹介しています。
振動対策を検討している事業者の方はぜひ参考にしてください。

簡単な振動対策を紹介!苦情やクレームを減らす振動対策とは

解体工事で周辺住民への配慮が必要な理由

解体工事で周辺住民に配慮が必要な理由は、日常生活にさまざまな悪影響を与えるためです。

解体工事の際に生じる騒音や振動、粉塵問題は完全に排除できませんが、しかし配慮を怠れば深刻なトラブルに発展する可能性が高くなります。

周辺住民は、年齢、性別、生活スタイル、家族構成など、それぞれ状況が異なります。
例えば、夜勤の方や昼寝を必要とする幼い子どもがいる家庭では、一般的に日中問題ないとされる騒音や振動でもストレスを感じやすいです。

体調不良の方や高齢の方の場合、騒音や振動により体調悪化を招く恐れもあります。

粉塵は、住宅や車など、個人の所有物を汚染する可能性もあり、特に、洗濯ものに粉塵が付着すると家事労働の増加につながり、住民に大きな不快感と負担をもたらすでしょう。

解体工事前には近隣住民へ挨拶しよう!

工事を始める前に必ず近隣住民へ挨拶を行い、詳細な情報を共有することが大切です

挨拶の際には、主に以下の4点を伝えてください。

  • 解体の工期と具体的な時間帯
  • 建物の大きさや解体方法、解体の規模
  • 想定される被害に対する防止対策
  • 問題が発生した場合の連絡先

解体工事前の挨拶は、近隣住民とのトラブル防止、円滑な工事推進へとつながります。
近隣住民と円滑な関係を築くためにも、住民の立場に立って丁寧な説明と誠意ある態度で接しましょう。

解体工事でトラブルを防ぐ方法

解体工事でトラブルを防ぐ方法

解体工事でトラブルを防ぐ方法を、前項の「よくあるトラブル」を基に解説します。

  1. 作業員の安全意識向上
  2. 養生の徹底
  3. 道路使用許可の取得
  4. 騒音・振動測定器の利用

解体工事でトラブルを防ぐ方法①作業員の安全意識向上

解体工事におけるトラブル①隣接住宅の破損を防ぐ方法は、作業員の安全意識向上です。
具体的には、定期的な安全教育や訓練の実施、適切な作業計画の策定、作業中の監督強化などが挙げられます。

解体工事における隣接住宅の破損は、深刻なトラブルに発展する可能性があります。
事業者にとって、金銭的な損失だけでなく、信頼失墜にもつながるので十分に対策しておきましょう。

解体工事でトラブルを防ぐ方法②養生の徹底

解体工事のトラブル②粉塵被害を防ぐ方法は、養生を徹底することです。
粉塵被害は深刻なトラブルに発展しやすいため、事前に養生を施すなどの対策を取っておきましょう。

危険性が高いアスベストを含む粉塵の場合、事前に自治体に申請し、事前調査を行うなど計画的に進める必要があります。

解体工事でトラブルを防ぐ方法③道路使用認可の申請

解体工事トラブルの原因③路上駐車を避ける方法は駐車場の利用です。
とはいえ、多くは近隣に駐車場がないため路上駐車を余儀なくされているでしょう。

路上駐車を避けるのが難しい場合は、事前に道路使用許可を申請してください。
道路使用許可は、各地域の警察署で道路使用許可(1号許可)を申請すると、道路使用許可表示板を受け取れます。

道路使用許可表示板は、周辺住民が見やすい場所に設置してください。
同時に、コーンを設置する、警備員を配置するなど、安全対策を徹底することも重要です。

解体工事でトラブルを防ぐ方法④騒音・振動測定器の利用

騒音・振動による被害・苦情を防止する方法は、騒音・振動測定器の利用です。
近年は、電源不要で持ち運び便利なコンパクトタイプが続々登場し、手軽に騒音・振動測定できるようになりました。

また、スマホでリアルタイムに状況把握できる、法令基準超過を警告する製品も見られます。
過去のデータと比較できるタイプを使えば、問題発生時の迅速な対策立案・実行を強力にサポートしてくれます。

騒音対策におすすめ!音ウォッチャー

音ウォッチャーは、騒音苦情件数ゼロ」を目指せる高機能な小型騒音測定器です。
外部電源不要タイプなので、複数箇所に設置することも可能。
騒音データを過去1時間~1週間遡って確認できるため、騒音発生源の特定もスムーズです。
スマホ・パソコンでログインすれば、隔地でも騒音状況を一目で把握できます。
「導入費コストを抑えたい」「特定期間だけ利用したい」という方に最適なレンタル式で、大手ゼネコンでも多数利用されている人気のツールです。

設置が簡単!手軽に使える揺れウォッチャー

手のひらサイズのコンパクト設計が魅力の揺れウォッチャー
設置も簡単、外部電源不要の手軽で使いやすい振動測定器です。

複数箇所に設置すれば、広範囲の振動状況をチェックすることも可能です。
振動発生源を迅速・正確に特定できるのは、揺れウォッチャーならではでしょう。

計測した振動データは、パソコンやスマホがあればどこでも閲覧できます。
インストール不要なので、「すばやく振動状況を把握したい」という方にも最適なツールです。

騒音測定表示器には、さまざまな種類があります。
「どの騒音測定表示器が良いか分からない」という方は、以下の記事を参考にしてください。
騒音測定表示器の選び方、利用時の注意点について記載しています。

騒音振動表示器の選び方を詳しく解説!種類や用途も紹介

騒音や振動に規制の基準はある?

騒音や振動に規制の基準はある?

騒音や振動の規制基準は法律により定められています
以下で、各規制法について詳しく解説しましょう。

  • 騒音規制法
  • 振動規制法

騒音規制法

人が心身に負担を感じる音は、すべて騒音とみなされます。
騒音は睡眠の妨げなど、生理的・心理的ストレスを引き起こし、ひいては健康被害や日常生活への深刻な支障を及ぼします。

このような人的被害を与える騒音を防ぐため、1968年に施行されたのが騒音規制法です。

騒音規制法では、工場や建設工事、自動車、列車、飛行機などから発生する音の許容レベルを細かく規定し、地域ごとに昼夜の基準を設けています。改善勧告や改善命令に従わない場合は懲役や罰金の対象となります。

参照:e-Gov法令検索

騒音の具体例

騒音の具体例は以下の通りです。

  • 車やバイク、航空機のエンジン音
  • 工場の稼働音
  • 工事の作業音
  • 電車やバスの走行音
  • 人の話し声や叫び声
  • 音楽やテレビの音
  • ペットの鳴き声

振動規制法

過度な振動は、騒音同様に生活環境や健康に悪影響をもたらす恐れがあります。
振動規制法は、工場、建設工事現場、道路交通などから発生する振動を規制し、快適な生活を守ることを目的として1976年に施行されました。

この法律では、一定の許容レベルを超える振動が発生する工場や事業場に対し、振動測定と適切な対策の実施を義務としています。

また、道路交通による振動が基準を超えた場合、路面の修繕や交通規制を要請できます。

参照:e-Gov法令検索

振動の具体例

具体的な振動例を以下に挙げてみます。

  • 建設工事での重機の使用
  • 工場における大型プレス機などの稼働
  • 鉄道や地下鉄の通過
  • 大型トラック等の通過
  • 航空機の離着陸
  • 爆破作業や採掘作業

解体工事でよくあるトラブルまとめ

解体工事による騒音・振動は、周辺住民にとって大きなストレスとなります。
国は騒音規制法・振動規制法に基づき、人的被害防止に努めており、法令遵守はトラブル防止の観点からも重要です。
小型で使いやすい音ウォッチャー揺れウォッチャーは、スマホを使いリアルタイムで騒音・振動状況をチェックできる高機能な測定器です。
リース式なので、必要な期間のみ利用したい方にも最適。
電源不要なので複数個所の設置にも便利です。
便利な測定器を活用し、周辺住民への影響を最小限に抑え、法令遵守を徹底しましょう。
解体工事でよくあるトラブルとは?騒音や振動の苦情を防ぐ方法を紹介
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