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特定建設作業で必要な騒音対策を基準値や音の具体例と共に解説!

特定建設作業と呼ばれる騒音や振動が出やすい作業を行う際には、市町村への届け出が必要です。また、この作業を行う場合、騒音や作業時間に関する規制を受けることになります。

あとで知らなかったと後悔しないためにも、特定建設作業の内容や騒音対策方法をよく知っておきましょう。

特定建設作業の作業内容とは

特定建設作業の作業内容とは

特定建設作業とは、建設作業の中でも、特に大きな騒音、もしくは振動を発生させるものです。

騒音規制法、振動規制法という2つの法が根拠になっており、これらに該当する建設作業を行なう際、元請業者は作業開始日の7日前までに各市町村に必要な届け出を行う必要があります(作業開始日と届出日は日数に含まないため、実質的には中7日開けなければなりません)。

届け出を行わなかったり、あるいは虚偽の届け出をした場合には、罰則の適用があります。

特定建設作業における規制基準

県知事もしくは市長などが定めた指定地域内で特定建設作業を行う場合、騒音や作業時間に関する規制基準を遵守する必要があります。

一定以上の大きさの音を出したり、指定された時間外に作業を行ったりしてはいけないわけです。

特定建設作業の種類

特定建設作業に該当する具体的な作業は以下のとおりです。

くい打機 圧入式くい打ちくい抜機又は、アースオーガと併用する作業を除く
びょう打機を使用する作業
さく岩機を使用する作業 作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る
空気圧縮機を使用する作業 さく岩機の動力として使用する作業を除く、電動機以外の原動機を用いるもので定格出力が15キロワット以上のもの
コンクリートプラント
アスファルトプラント
コンクリートプラント:混練容量0.45立方メートル以上
アスファルトプラント:混練重量200キログラム以上
バックホウ 低騒音型を除く原動機の定格出力が80キロワット以上、※低騒音型建設機械を除く
トラクターショベル 低騒音型を除く原動機の定格出力が70キロワット以上、※低騒音型建設機械を除く
ブルドーザー 低騒音型を除く原動機の定格出力が40キロワット以上、※低騒音型建設機械を除く
くい打機、くい抜機 圧入式くい打機、油圧式くい抜機を除く
鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業
舗装版破砕機を使用する作業 作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る
ブレーカーを使用する作業 手持式のものを除く

引用元:台東区役所公式サイト

届け出が不要なケースも

特定建設作業を行う場合でも、作業開始日と終了日が同一の場合は、届け出は不要となります。
ただし、数日ごとに作業を行うなど、断続的に作業を行う場合は届け出が必要です。

特定建設作業の騒音対策基準値は?

特定建設作業の騒音対策基準値は?

特定建設作業を行う場合、騒音が「特定建設作業をしている場所の敷地の境界線において、85デシベルを超えない大きさであるもの」にするように定められています。
この大きさを越えるときは、大きな音が発生する機械の周囲を吸音材で覆ったり、工事内壁面に防音シートを貼ったりして対策しなければなりません。

85デシベルの騒音ってどれくらいうるさいの?

85デシベルは人間の感覚で言えば「かなりうるさい」「きわめてうるさい」と言ってしまって差し支えのないレベルです。

具体的には、地下鉄で窓を開けたときの騒音、至近での救急車のサイレンや犬の鳴き声などがだいたい80~90デシベルくらいです。

一般的に聴覚機能に以上をきたすのは100デシベル以上とされていますので、一応はそれ以下ではありますが、長時間聞いているのが不快であることは間違いないでしょう。

建設作業における騒音規制

建設作業における騒音規制

特定建設作業に該当しない建設作業を行う場合、上記の規制の対象にはなりませんが、では規制がないからといって何もしないでいいのかというとそんな事はありません。

騒音が原因でクレームが入ればそれだけ作業にも影響をきたしますし、最悪の場合差止請求や損害賠償請求に至る可能性もあります。

もちろん人間が作業をする以上、建設現場の騒音を完全になくすことはできませんが、対策をすればかなり小さく抑えることはできるでしょう。具体的な対策をいくつか紹介します。

情報技術を用いた対策について知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてください。

ICT施工が必要な理由とは?できることや現場で発揮する効果を解説

建設重機の操作は慎重に!

当たり前の話と思われるかも知れませんが、建設重機の操作は十分に注意を払って行わなければなりません。工事に慣れてくると注意力が散漫になることもあるかと思いますが、毎朝の朝礼での呼びかけ、ポスターの提示などで注意喚起を行いましょう。

敷地内での大型車両は最徐行を心がける

大型トラックやクレーン車を運転するときは、最徐行を心がけましょう。具体的には、10km/h以下が目安となります。
移動速度を落とすだけで、騒音対策はもちろん振動もかなり軽減することが可能です。

防音シート、吸音材などを活用する

先ほども少し触れましたが、防音シートや吸音材などを活用するのも有効な手段の一つです。

最近流通している防音シートは周囲に大きな文字で「防音」と書いてあるものも多いですが、これは防音対策をきちんとしているという周辺住民へのアピールにもなりますので、積極的に活用していきましょう。

具体的に今どれくらいの音が出ているかを表示する騒音計もあるとよりよいでしょう。

騒音対策にデジタルを活用したい方は、こちらの記事も参考にしてください。今建設業界で導入されているDXについて理解が深まります。

建設DXとは?具体的な導入手順や技術内容をわかりやすく解説

特定建設作業での騒音対策方法

特定建設作業での騒音対策方法

引用元:CACH公式サイト

上記の通り騒音対策方法はいくつかありますが、人の注意力頼りだったり、お金がかかったりするのが難点です。

ここでは、コストを掛けずに、しかも機械に大半を任せられる騒音及び振動対策ができるアイテムを紹介します。

国土交通省登録済、外部電源不要で騒音対策「音ウォッチャー」

音ウォッチャーは、大手ゼネコンでも多数導入されている騒音測定器です。従来の騒音測定器と違って外部電源が必要なく、手のひらサイズなので騒音対策をしたいところに設置するだけですぐに計測を開始できます。

小さいうえにレンタル費用が安価なので工事現場に多数設置する事も可能で、現場の中で特にうるさい地点をすぐに特定可能です。
計測データは過去のものもパソコンやスマホでチェック可能なので、どの時間帯にどこがうるさくなっているのかをすぐに把握できます。

一定以上の音が出た場合のアラートメール送信機能もあるので、苦情の対象になりそうな音だけに絞った対策ができます。
レンタル費用は従来の一般的な騒音測定器の1/2程度。まずはメールで問い合わせてみましょう。

振動を70%減らす「揺れウォッチャー」

揺れウォッチャーは、大手ゼネコンで多数導入されている振動測定器です。こちらも電源が必要なく、約8cm角のサイズで非常に小さく、置くだけで計測を開始できます。面倒なソフトウェアのインストールなども一切不要です。

磁石が入っているので、壁にくっつけるようにすることもできます。もちろん多数設置も可能です。

計測したデータはパソコンやスマホでリアルタイムに確認可能。データを分析することで、どの重機のどの作業が大きな振動を生んでいるかをすぐに特定できます。
ある導入事例では、55デシベル以上の振動を13回から4回に減らす(約70%減)事に成功しました。

導入費用は従来の振動測定機の1/3ほど。騒音対策にお悩みの方は、まずはメールで相談してみましょう。

特定建設作業で必要な騒音対策まとめ

特定建設作業で必要な騒音対策まとめ

特定建設作業と呼ばれる、大きな騒音や振動を伴う作業を行う場合は、事前に市町村に届け出を行わなければなりません。
特定建設作業の際には、敷地境界線における騒音が85デシベル以下になるように対策しなければなりません。

お金をかけた騒音対策が難しいという方におすすめなのが、音ウォッチャーです。
レンタル費用が安く、それでいて効率的な対策ができるので、コストパフォーマンスに優れた対策を御考えの方は導入を検討してみてください。

音ウォッチャーの詳細はこちら

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