小規模工事とは一般的に、国が発注する小さな規模、かつ内容が軽易な建設工事や修繕などを指します。令和4年3月31日には、関東地方整備局が全国で初の「小規模工事ICT施工活用の手引き」を公表し、注目を集めました。
本記事では、小規模工事とはどのような工事か、具体例や起こりえるトラブルを解説します。
また、トラブルを抑制できる対処法も紹介しているので、参考にしてください。
小規模工事とはどんな工事?
小規模工事とは、国や地方自治体が発注する、規模の小さな現場の工事を指します。
工事金額の上限は市によって異なり、例えば東久留米市は執行予定額が130万円未満で、八王子市は50万円以下です。
工事を契約する際は、原則として複数の業者が見積書を提出し、最低価格を提示した業者と契約します。見積書を出したあとに辞退することも可能ですが、発注課に連絡しなければいけません。
また、住宅や店舗のリフォーム、内装工事なども小規模工事に含まれます。
こちらは国や地方自治体が関与するのではなく、一般消費者がリフォーム会社に依頼して、水漏れや壁の補修などを行います。
小規模工事の具体例
小規模工事の具体例として、代表的な工事の種類をいくつか表にまとめて紹介します。
種類 | 内容 |
---|---|
土木一式工事 | 道路や下水、水路の修繕工事など |
建築一式工事 | 建物の工事や修繕で、複数の種類に及ぶもの |
タイル・れんが・ブロック工事 | コンクリートブロック積み工事や、タイル張り工事など |
造園工事 | 公園設備工事や植栽工事など |
内装仕上工事 | 壁張り工事や内装間仕切り工事、畳やふすま工事、カーテン・ブラインド工事など |
小規模工事の主な例は、道路の補修工事や水路の修繕工事などの公共工事が挙げられます。
また、私たちが普段利用する公園の整備や公共施設に関する工事も、小規模工事に含まれます。
いわば、利用者が快適かつ安全に過ごせる環境を維持するために行われる、規模の小さな工事を想定するとよいでしょう。
さらに、キッチンの改装やバスルーム、外装の塗装や修繕なども対象です。
このように、小規模工事は公共工事から、個人が住みやすい環境を手に入れるためのリフォームなど、多岐にわたります。
小規模工事にICT施工は活用できる?
小規模工事にも、ICT施工は活用できます。
ICT施工とは、建設現場にICT(情報通信技術)を導入して、作業効率と安全性を向上させる取り組みです。
ICT施工の具体的には、ドローンを使った現場の測量や、3次元ソフトを活用した設計シミュレーションなどが挙げられます。
3Kのイメージが強い建設業界は、作業人員の不足に悩む企業も少なくありません。しかし、ICTを活用することで効率よく作業を進められるため、少ない人数でも施工が可能です。
また、ICTを利用すれば正確なデータを収集できるため、精度も高まります。
しかし、小規模工事ではICTを導入するための予算の都合上、利用が伸び悩んでいました。
そこで、普及拡大を目的として、令和4年3月31日に関東地方整備局が「小規模工事ICT施工活用の手引き」を発表しました。
いきなりICTを全面的に利用するのではなく、身近な作業を少しずつ効率化できるよう、小規模工事の現場でも導入を提案しています。
予算の問題や技術力などのさまざまな課題が残りますが、今後は小規模工事の現場にも、ICTはますます活用されていくと予想できます。
なお、ICT施工が必要な理由や、できることなどは下記の記事で詳しく解説しています。
ICTを現場に導入するメリットも紹介しているので、ぜひご覧ください。
小規模工事でおこりえるトラブルと対処法
小規模工事は規模の小さな工事ですが、トラブルが発生することもあります。
例えば、工事の遅延や安全管理の問題などもその一例です。
しかし、騒音や振動の問題は近隣住民へ影響が及ぶため、特に対策しなければいけない問題です。ここでは、小規模工事でおこりえる騒音・振動のトラブルと、その対処法を説明します。
なお、建設工事で発生する騒音や振動が原因で、過去には損害賠償が請求されたケースもあります。下記の記事で解説しているので、ご覧ください。
トラブル①騒音
小規模工事でおこりえるトラブル1つ目は、騒音です。
工事現場で音の発生はつきものですが、騒音対策は不可欠です。
なぜなら、近隣住民へ被害が及ぶとクレームの発生原因となり、工事の円滑な進行に影響が及ぶからです。
騒音対策におすすめの製品が「音ウォッチャー」です。
音ウォッチャーは外部電源が不要で、すぐに使える騒音測定器です。
騒音対策したい場所に置くだけで、簡単に利用・測定ができます。
複数の箇所に設置すれば多点観測も可能なため、どの地点でどのくらいの騒音が発生しているかが一目でわかります。計測したデータは、パソコンやスマートフォンから確認が可能なため、リアルタイムで状況を把握できます。
さらに、一定の騒音値を超えた場合はアラートメールが届くため、騒音の抑制につながります。
メールが届く基準は細かく設定できるため、よりピンポイントで騒音対策が可能です。
レンタル費用やお見積りは、下記の公式サイトからお問い合わせください。
トラブル②振動
小規模工事でおこりえるトラブル2つ目は、振動です。
小さな規模の工事といっても、振動をゼロにすることは現実的ではありません。
先ほど紹介した騒音とともに、住民へ被害が及ばないようしっかりと対策を講じる必要がある問題です。
振動対策には「揺れウォッチャー」をご活用ください。
揺れウォッチャーも、電源が不要ですぐに使える振動測定器です。
揺れの大きさを測りたいポイントに設置すれば、どの作業の振動が大きいのかを特定でき、速やかに振動対策が可能です。
計測中のデータはパソコンなどで閲覧できるため、小規模工事の現場付近にいなくても確認が可能です。さらに、工事現場の画像を振動データに重ねて表示させることもできるため、どの箇所の揺れを抑えるべきか一目でわかります。
導入するための工事も不要なため、コストを抑えて計測できます。
揺れウォッチャーはレンタルで利用できるため、まずは下記のリンクからお見積り・お問い合わせください。
小規模工事についてまとめ
本記事では、小規模工事とはどのような工事か、起こりえるトラブルと対処法などを解説しました。小規模工事とは国や自治体が発注する、比較的小規模かつ容易な工事です。
工事の上限金額は市によって異なり、130万円未満や50万円未満など、さまざまです。
また、国が関与する公共工事のほかに、個人がリフォーム会社に依頼してキッチンやトイレ、外壁などを入れ替えるのも、小規模工事に含まれます。
小規模工事はその名のとおり規模の小さな工事ですが、騒音や振動は避けられません。
あまりに大きいと近隣住民へ健康被害やトラブルを招くため、適切な対策を講じる必要があります。
騒音問題や振動対策には、ぜひ「音ウォッチャー」と「揺れウォッチャー」をご活用ください。
どちらも外部電源が不要なため、設置するための大規模な工事は必要ありません。
計測したい地点に置くだけで、簡単に計測できます。
さらに複数の箇所に設置すれば多点観測も可能なため、どの箇所で音や揺れが大きく発生しているかが、一目でわかります。
騒音や振動が大きければクレームにつながり、工事の円滑な進行に影響を及ぼします。
音ウォッチャーと揺れウォッチャーを活用して、小規模工事をスムーズに進めましょう。
