こんにちは!CAD研の濱谷です。
「Jw_cadで作成した図面を誰かに渡す場合、利便性を高めるためにPDFに出力したい」、逆に「PDFで図面を受け取ったけど、どうにかJw_cadで図面として利用できないか?」と言う話を良く聞きますが、残念ながらJw_cad自体にはPDF読み込みや書き出し機能がありません。
そこで、今回はJw_cadのPDF活用方法について徹底解説します!
Jw_cadを使う際に役立ててください。
Jw_cadとは?
Jw_cadはWindows Vista, 7, 8, 10 上で動作する2D(2次元)汎用CADです。
開発に建築士が関わっているため建築分野に便利な機能が多く、建築汎用CADとも言われています。
また、大きな特徴として、無料で商用利用が可能なソフトになっています。
有志により、Mac OS用の「JW-CAD for Mac」が配布されています。
Macユーザーの方のインストールはこちらの記事をご確認下さい。
Jw_cadのPDF活用まとめ
Jw_cadにPDF書き出し(変換)機能が無いため、今回はPDFに変換するプリンタドライバーをインストールする方法を解説します。
Jw_cadデータをPDFで出力する方法
この方法は「印刷のときにPDFへ変換する」という流れなので、一番簡単で直感的に使えます。
このPDF変換できるプリンタドライバーは無料のものがありますので、日本語に対応している代表的なものをご紹介します。
今回は、「CubePDF」を使用して説明しますが、「PDF24」でも同様にできます。
CubePDFをダウンロードする
「無料ダウンロード」をクリックしてください。
お使いのOSが64ビット版の場合は「64bit版はこちら」をクリックします。
ダウンロードした「cubepdf-1.0.0rcXX.exe」を実行します。
※XXはバージョンの数字なのでダウンロードする時期によって変わります。
※64bit版は「cubepdf-1.0.0rcXX-x64.exe」とバージョンの後に-x64が付きます。
実行後、ユーザーアカウント制御が表示されたら、「はい」をクリックしてください。
「使用許諾契約書の同意」画面になりますので「同意する」を選択し、「次へ」をクリックします。
「インストール先の指定」画面になります。
インストールするフォルダを設定し、「次へ」をクリックします。
*特別な理由が無ければ、初期値で問題ありません。
「プログラムグループの指定」画面が表示されます。
ここも特別な理由が無ければ、初期値で問題ありません。
「次へ」をクリックします。
「キューブサーチの設定」画面が表示されます。
今回は「なにもしない」を選択し、「検索ボックス、お気に入りの設定」もチェックを付けずに「次へ」をクリックします。
「オプションアプリのインストール」画面が表示されます。
「利用許諾に同意してインストールする」にチェックを付けなければ、インストールされません。
必要なければチェックを付けずに「次へ」をクリックします。
「インストール準備完了」画面が表示されます。
「インストール」をクリックします。
インストールが終わると「CubePDFセットアップウィザードの完了」画面が表示されます。
「CubePDFユーザーズマニュアル.pdfの表示」のチェックを外し、「完了」をクリックします。
以上でCubePDFのインストールは終了です。
Jw_cadからPDFの印刷
次に、PDFの印刷方法です。
今回は、A3、1/100の図面をPDFにしてみます。
ツールバーの「印刷」、または、メニューバーの「ファイル」ー「印刷」を選択します。
プリンターの一覧画面の「プリンター名」の右にある▼ボタンをクリックして、一覧から「CubePDF」を選択ます。
「CubePDF」を選択し、「OK」ボタンをクリックします。
「印刷プレビュー」画面が表示されます。
赤い線が印刷の用紙枠で、初期設定がA4の縦になっています。
今回はA3横使いの図面なので「プリンタの設定」をクリックします。
用紙サイズを「A3」印刷の向きを「横」にして「OK」をクリックします。
赤い線が用紙枠なので、確認をします。
位置の調整がしたい場合には、[範囲変更(R)]で位置調整します。
左上の「印刷」をクリックします。
「CudePDF」の設定画面が出てきます。
今回は、「出力ファイル」を設定します。
「出力ファイル」の横にある「…」をクリックします。
ファイルの出力先フォルダとファイル名を設定します。
設定ができたら、「保存」をクリックします。
「CubePDF」の画面に戻ってきたら、「変換」をクリックします。
変換が終了すると、パソコンにインストールされているPDFのビューアーが起動します。
確認できたら、閉じてしまって大丈夫です。
PDFデータをJw_cadに取り込む方法
まず、Jw_cadは直接PDFファイルを読み込む事ができないため、PDFファイルをDXFファイルへ変換する事が必要となります。
つまり
- DXF
- Jw_cad
という流れになります。
ただし、このPDFからDXFへの変換するにあたって、注意点が1つあります。それは「PDFファイルがどの様に作成されたか?」という事です。
もう少し掘り下げると、PDFファイルが「ベクターデータ」か「ラスターデータ」かという話になります。
「ベクターデータ」はCADやドロー系グラフィックソフトで使われている形式のため、CADデータであるDXFファイルへの変換も容易です。
「ラスターデータ」は画像処理ソフトやペイント系グラフィックソフトで使われている形式のため、CADデータであるDXFファイルへの変換は難しくなります。
また、PDFからDXFへの変換は若干無料ソフトもありますが、変換精度やフォローを考える有償ソフトをお勧めします。
一般的には「ベクターデータPDFの変換のみ」のソフトの方が「ベクターデータPDF/ラスターデータPDFの両方変換」のソフトより安いです。
購入する前に多くの変換ソフトが体験版を用意しているので、扱うPDFファイルが「ベクターデータPDFの変換のみ」で対応できるのか、「ラスターデータPDFの変換」も必要なのかをご確認下さい。
それぞれ代表的なソフトをご紹介します。
「ベクターデータPDF/ラスターデータPDFの両方変換」+CAD
AutoCAD 71,500円/年
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/overview
「ベクターデータPDF/ラスターデータPDFの両方変換」
VectorMasterPremium 107,800円
https://www.systems.nakashima.co.jp/setsubi/vectormasterpremium/
図脳RVコンバータPRO Ver.3 要問い合わせ
https://www.photron.co.jp/products/rv/rvpro/
「ベクターデータPDFの変換のみ」
PDF 2 DXF 4.0 5,300円
https://www.cadkas.com/pdf-to-dxf-japanese.php
Illustrator 28,776円/年
https://www.adobe.com/jp/products/illustrator.html
Jw_cadをもっと学びたいなら
2次元汎用CADソフトのJw_cadは、無料でずっと使えるのがメリットです。
CAD初心者は、Jw_cadから取り組んでみるとよいでしょう。
今回は、Jw_cadを学ぶ際のポイントやおすすめのセミナー情報を紹介します。
まずはJw_cadの基本的な機能を押さえておく
Jw_cadには、さまざまな機能が搭載されています。
一度にすべてを覚えようとすると、混乱してしまうこともあるでしょう。
まずは、図面枠の設定、マウスの操作、図面の保存、レイヤー設定などの基本的な操作から身につけるのがおすすめです。
たくさんトレースをしてJw_cadの操作に慣れることも、上達の近道です。
いろいろな図面を参考にしながら、コツコツと練習を続けてみるとよいでしょう。
セミナーで学ぼう
独学だと時間がかかってしまうこともあるかもしれません。
Jw_cadのスキルを効率よく身につけたいならば、セミナーへ参加してみるとよいでしょう。
Jw_cadを学びたい方におすすめなのは、株式会社VOSTが主催するJw_cadセミナーです。
こちらのセミナーでは、2日間でJw_CADの基本から応用までを学ぶことができます。
計測機能や他データの活用術などといった実践的な内容も盛り込まれており、短期間で高度な図面の作成のスキルが身につきます。
会場での受講のほかに、ウェビナーやeラーニングで学ぶことも可能です。
自分の都合に合った受講形式を選んで参加してみてください。
まとめ
今回、PDFの活用方法として、
- Jw_cadからPDF出力
- PDFファイルのJw_cadの読み込み
を解説しました。
PDF出力は無料で簡単に行えますが、PDFからJw_cadへの読み込みは有償の変換ソフトが必要となってきます。
体験版を活用して、読み込みの頻度や変換精度と金額のバランスを検討してみてくださいね。