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人的資本経営のウェビナーが開催!経済産業省が取りまとめる伊藤レポートとは?

日刊工業新聞社が、労働者不足の問題を解決する取り組みとして「人的資本経営の視点からみた製造業の人材活用」というウェビナーを開催しました。では、人的資本経営とはどのようなものなのでしょうか。

今回はウェビナーについて取り上げられたニュースをもとに、人的資本経営の必要性や具体的な施策、経済産業省の取り組みについて解説します。製造業で人材の課題を抱えているのなら、ぜひ参考にしてみてください。

日刊工業新聞社が人的資本経営のウェビナーを開催

人的資本経営のウェビナー

産業専門のメディアを提供している日刊工業新聞社が、製造業における人材問題の解決を目的として、人材資本経営のウェビナーを開催しました。

セミナー名称 人的資本経営の視点からみた製造業の人材活用
講習内容 人材育成・技能伝承・品質管理・デジタル化における事例紹介
参加企業 杉本キャリア開発研究
ウイルテック
Skillnote
Tebiki
プラスアルファ・コンサルティング
参加方法 オンライン
参加費 無料

費用負担なく誰でも参加できることはもちろん、ウェビナーであるためパソコンやスマートフォンから気軽に視聴できるのが魅力です。

過去3回のウェビナーが開催され、どれも視聴者からの好評を得ています。
今後も開催される予定があるため、興味がある人は人材資本経営のウェビナーを探してみてください。

日刊工業新聞社が開催している産業向けのウェビナー

日刊工業新聞社は、人材資本経営のウェビナーだけでなく、次のような豊富な講習会を開催しています。

  • もの作り現場における海外人材の活用
  • 「組織と人が活きる」スキルマネジメントとその実践事例
  • ノウハウ・スキルの可視化で変わる製造現場教育
  • 人材育成と組織力最大化を実現するタレントマネジメントとは

どのウェビナーも、製造業を含む産業界に欠かせないノウハウを学べるのが特徴です。
自社に不足している知識・ノウハウがあるのなら、ぜひ今後開催が予定されているウェビナーに参加してみましょう。

人的資本経営とは

人的資本経営とは

人的資本経営とは、従業員を含む人材を会社の資本として捉え、価値を最大限に引き出す経営のことを指します。ただ従業員に作業をさせるのではなく、ひとり一人が価値のある行動をして会社に貢献できる体制を整えるために、経営という立場を見直すのが特徴です。

また、人的資本経営は短期的な対策だけではなく、中長期的に実施しなければなりません。
職場の雰囲気を改善するのはもちろん、スキルアップしやすい環境を整備するなど、人的資本経営のためにできることがいくつもあります。

人的資本経営と今までの経営との違い

これまでに実施されてきた経営手法と、人的資本経営にはさまざまな違いがあります。
具体的な相違点を下表にまとめました。

これまでの経営 人的資本経営
人材の捉え方 事業を進めるための「資源」 事業を成長させるための「資本」
経営の目的 人材のコストを管理する 人材の価値を創出する
企業の行動 人事制度で人を集める 人材戦略で適材適所を見つける
主導する担当者 人事 経営者層
従業員と会社の関係 相互依存 各従業員の自律

従来の経営では、従業員を会社の歯車(資源)とみて、ルールに基づくマネジメントを実施していました。一方で人的資本経営では、従業員をひとりの人間(資本)とみて、成長につながるサポートをしつつ、適している業務に就かせるなど、適材適所を見ていくのが特徴です。

従業員が働きやすく、より良い成果を生み出すためには今後、人的資本経営へと移行していくことが欠かせません。持続的に企業を成長させるためにも、人的資本経営について導入・移行を検討することが重要です。

また製造業では、人的資本経営のみならずGXやDXといった取り組みが必要とされています。
詳しくは以下の記事で解説しているため、あわせてチェックしてみてください。

ものづくり白書とは?生産・製造業界に求められるGX・DX

人的資本経営と健康経営との違い

人的資本経営と似た言葉に「健康経営」というものがあります。

まず人的資本経営は、従業員といった「人材」に視点を当てて、より価値を高める経営を実施する取り組みです。一方で健康経営は「人材の健康」という点に視点を当てて、心身に関わる投資をする取り組みのことを指します。

つまり、広義な意味で人的資本経営のなかには、健康経営の考えが取り込まれていると言えるでしょう。

人的資本経営が必要とされる背景

人的資本経営が必要とされる背景

人的資本経営についての考えが生まれたのは、製造業を含む産業界で「人材」に関わるさまざまな問題が発生しているからです。参考として、人的資本経営が必要とされるようになった具体的な背景を紹介します。

少子高齢化による人材不足

人的資本経営が生まれた大きな理由として挙げられるのが、日本ならではの問題である「少子高齢化」による人材不足です。

例えば、今までは団塊の世代など人口比率の大きな年齢層の人たちが活躍していましたが、近年ではそれらの人たちが65歳以上の後期高齢者になるなど、主力として働いていた人材が減り続けている状況です。

一方で、若い世代の人口が減っている影響で、団塊の世代の代わりとなる人材が集まりにくくなりました。求人の募集をかけても人が集まらないという状況になっていることから、ひとり当たりの業務の質を向上しながら、長く働いてもらうために人的資本経営が必要とされています。

離職者の増加

人的資本経営が必要とされる理由のひとつに、離職者の増加という問題が関係しています。

せっかく人材が入ってきてもすぐに辞めてしまうなど、近年では転職ブームなどが起きている状況です。そのため、1~3年ほど教育した人材がいなくなるせいで売り上げが減っていく、また人手不足の影響でほかの従業員に負担がのしかかるといった問題が発生しています。

さらに日本では、少子高齢化により求職者の数が少ない「売り手市場」となっていることから、いかに人材を離職させないかを検討するために人的資本経営の必要性が高まっている状況です。

また、製造業では作業効率化としての取り組みが進まないといった課題も出てきています。
デジタル化などの取り組みが進まない理由を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。

製造業のデジタル化はなぜ進まない?進めるためにはどうすべき?

人的資本経営のフレームワーク

人的資本経営では3Pモデル・5Fモデルというフレームワークを用いて経営を実施します。
参考として、フレームワークの考え方や視点についてまとめました。

3Pモデル

3Pモデルとは、どのような視点から人材戦略を立てるべきなのかという視点のことです。
基本的に以下に示す3つの視点から人材戦略を検討します。

  • 経営戦略と人材戦略の連動
  • As is To beギャップの定量把握
  • 企業文化への定着

例えば、人材の確保に向けてKPIを検討する、人材が思う会社のギャップを埋める、企業文化の定着に力を入れるといった視点で人的資本経営を始める必要があります。具体的に視点を決めたうえで経営に取り組むことにより、効率的よく人材の課題を解決できるのが魅力です。

5Fモデル

5Fモデルとは、製造業のみならず産業全体で取り組むべき人材戦略の要素のことです。
例えば、以下に示す5つの要素で人材戦略を立てていきます。

  • 動的な人材ポートフォリオ
  • 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
  • リスキル・学び直し
  • 従業員エンゲージメント
  • 時間や場所にとらわれない働き方

企業が実施すべき要素として、人材を構成する内容を整理したり、経験・スキル習得に力を入れたりと、従業員のエンゲージメントを高めることが重要です。近年ではウイルスのまん延といった問題が起きているため、時間や場所にとらわれない働き方の導入なども大切です。

人的資本経営の成功に欠かせない伊藤レポートとは

人的資本経営の伊藤レポート

人的資本経営の基礎知識や取り組みを理解するために重要なのが、経済産業省が取りまとめている「伊藤レポート」をチェックすることです。

伊東レポートとは、経済産業省がコーポレートガバナンス改革をけん引する報告書として作成した報告書であり、座長を務めた一橋大学名誉教授である「伊藤邦雄」の名前にちなんで命名されたレポートです。

前述した3P・5Fモデルのフレームワークはもちろん、製造業が人的資本経営に取り組む要素が詳しく取りまとめられています。参考として、今までに公開されてきたレポートの情報を解説します。

人材版伊藤レポート2.0の概要

人材版伊東レポート2.0では、主に次の人的資本経営に関わる情報が記載されています。

  • 必ずCHRO(人事の最高責任者)を設置する
  • 人材の問題について全社的な経営課題を抽出する

上記2つの戦略を連動させることにより、人的資本経営を軌道に乗せやすくなるのが特徴です。
人材戦略の変革の方向性や、経営者層・投資家が果たすべき役割、人材戦略に共通する視点や要素(3P・5Fモデル)について深掘りした説明が掲載されています。

人材版伊藤レポート3.0の概要

人材版伊藤レポート3.0は、人材版伊藤レポート2.0のあとに公開された資料のことであり、持続可能な発展を目指す企業経営(SX)を実施する目的として、人的資本経営を主軸とした次の取り組みが重要だと説明されています。

  • 環境
  • 社会
  • 企業統治

例えば、SXを実現にするために必要な、前提となる価値の捉え方、実現に向けた方向性の設定、重要な取り組みについて解説してあるのが特徴です。

成功事例も掲載されており、製造業において人的資本経営の具体的な取り組み方が解説してあるため、ニュースで紹介されたウェビナーに参加する前に概要をチェックしてみてください。

人的資本経営についてまとめ

人的資本経営とは、人材を資本という視点でとらえ、持続的な企業成長を生み出すためにサポートし続ける経営のことを指し、これからの製造業において欠かせない取り組みだと考えられています。

人材に関わる経営課題を解決するウェビナーなども豊富に開催されているため、人材不足に悩まされている企業は、最新のウェビナーに参加してみてはいかがでしょうか。

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