エクセルで大量の数字を連続して入力したい場合、一つずつ手作業で入力するのは手間がかかります。そんなときに便利なのが「オートフィル機能」です。
この機能を使えば、数値を瞬時に連続入力できるため、作業効率が大幅にアップします。本記事では、オートフィルを使って数字を容易に連続入力する方法について解説します。
エクセルのオートフィルとは
エクセルのオートフィル機能は、セルに入力した値のコピーや連続データを自動的に反映できる便利な機能です。
例えば、1と2を入力したセルの範囲を選択し、右下に表示されるフィルハンドルをドラッグするだけで、連続した数字「3, 4, 5…」を自動的に入力できます。
オートフィルを活用することで、数値や日にちなどの規則性のあるデータ入力が瞬時に完了し、必要な作業を大幅に省略できます。
作業の効率化やミス防止に役立ち、特に大量データの処理に便利です。
エクセルで数字を連続で入力する方法
エクセルで数字を連続で入力するには、オートフィル機能を使います。A1〜A10のセルに1〜10の数字を連続で入力する方法について見ていきましょう。
- A1に「1」を入力する
- 右下のフィルハンドルをA10までドラッグする
- 右下に表示されるオートフィルオプションのアイコンをクリックする
- 「連続データ」のラジオボタンをアクティブにする
手順2の段階では、数字のコピーになるので、コピー後にオプションを変更する必要があります。
しかし、Ctrlキーを押しながらドラッグすると、最初から連続データの入力ができるので、このショートカットも覚えておきましょう。
また、あらかじめA1には1、A2には2と二つのセルに数字を入力しておくことでも、オプションを使わずに連続データを入力できます。
さらに、隣接するセルにデータが入力されている場合は、フィルハンドルをドラッグではなくダブルクリックすることでも、数字の連続入力は可能です。
エクセルで連続する数字の間隔を調整する方法
数字を「1.2.3…」ではなく「1.5.9…」のように一定の間隔で連続させたい場合は、あらかじめ空けたい間隔で数字を入力しておくことで対応できます。
例えば、4ずつ増やしたい場合は、A1に1、A2に5と入力しましょう。そして、二つのセルを両方選択した状態でオートフィルを適用してください。
あらかじめ数値を入力しておくことで、ソフトがどれだけの間隔を空けたいかを自動で判断してくれるため、「1.5.9.13.17…」と4刻みの数字が連続入力されます。
連続する日にちの間隔を変える方法
また、オートフィルでは日にちの間隔も自由に変更できます。オートフィルを適用後、右下に表示されるオートフィルオプションのアイコンをクリックしてください。
連続データ | 説明 |
週日単位 | 土日を除く。祝日は除かれない。 |
月単位 | 一月ずつ増えていく。 |
年単位 | 一年ずつ増えていく。 |
上記の表に記したオプションを活用することで、土日を除いたり、月単位で日にちを入力できたりします。
ガントチャートなど、作業の進捗を確認するための表を作りたい場合などに活用しましょう。
また、エクセルでガントチャートを作ってみたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。ガントチャートの作り方から注意点までを解説しています。
エクセルで数字を連続入力する際の注意点
エクセルで数字を連続入力する際は、以下の2点に注意してください。
- 漢数字は連続入力できない
- 表の見た目が崩れる場合がある
これらの注意点について見ていきましょう。
注意点①漢数字は連続入力できない
エクセルでは、アラビア数字の連続入力はオートフィルに対応していますが、漢数字には対応していません。
例えば「1日、2日、3日…」のような形式ならオートフィルを使えば自動的に連続入力ができます。
しかし、「一日、二日、三日…」のような漢数字では手動入力が必要です。もし漢数字を使った連続したデータを入力したい場合は、以下の設定からデータはアラビア数字で、表示のみを漢数字に変更する必要があります。
- A1に「1」と入力する
- 右クリックで開くメニューから「セルの書式設定」をクリックする
- ダイアログボックスが開いたら、表示形式タブの「分類」を「その他」に変更する
- 種類から「漢数字(十二万三千四百)」を選択してOKボタンで閉じる
- A1にオートフィルを適用する
漢数字の連続データは、書式設定を変更する必要がある点を押さえておきましょう。
注意点②表の見た目が崩れる場合がある
オートフィルを使って数字を連続入力すると、表の見た目が崩れる場合があります。
例えば、交互に背景色をつけたデザインの表では、元の書式がそのままコピーされてしまい、均等な配色が乱れてしまいます。
オートフィルで表の見た目が崩れてしまう問題は、以下の手順で解決可能です。
- オートフィル適用後に右下に表示される「オートフィルオプション」をクリックする
- 「書式なしコピー」のラジオボタンをアクティブにする
これにより、数値の連続入力は保たれつつも、書式は適用されないため、表のデザインを維持できます。
表内でオートフィルを使う機会も多いので、ぜひ覚えておきましょう。
数字を連続入力する以外の便利なオートフィルの使い方
オートフィルには、数字の連続入力以外にもできることがあります。
- データのコピー
- 数式のコピー
上記のオートフィルでできることの使い方について見ていきましょう。
使い方①データのコピー
オートフィルは数字の連続入力だけでなく、データのコピーにも使えます。
同じデータを複数のセルにコピーしたい場合、右下のフィルハンドルをドラッグすることで、毎回コピー&ペーストをする手間が省けます。
例えば、「オレンジ」という文字がセルA1に入力されている場合、A1のフィルハンドルをドラッグするだけで容易にコピーが可能です。
この機能は、縦方向・横方向どちらにも適用できます。管理表で同じ担当者をコピーして貼り付けたい場合などに活用できます。
使い方②数式のコピー
オートフィルは数式のコピーにも役立ちます。例えば、A列とB列に数値があり、C1に「=A1*B1」という掛け算の数式を入力していた場合、フィルハンドルを縦方向にドラッグするだけで、C列全体に同じ掛け算の数式がコピーされます。
このとき、オートフィルはセル参照を相対参照として処理するため、C2には「=A2*B2」、C3には「=A3*B3」というように、自動的に参照セルが変わるのが特徴です。
もし特定のセルを固定して計算したい場合には、絶対参照を使いましょう。
絶対参照は、セル番地のアルファベットと数字の左側に「$」をつける、もしくはF4キーを押すことで変換できます。
「$A$1」のようにセルを固定しておけば、ほかのセルにフィルハンドルで数式をコピーしても、常にA1を参照する数式となります。
また、絶対参照についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。絶対参照の使い方や、ほかの参照方式について詳しく解説しています。
オートフィル以外のエクセルでよく使う機能
エクセルでは、オートフィル以外にも以下の機能がよく使われます。
- テーブル
- 関数
- フィルター
これらの使い方について見ていきましょう、
よく使う機能①テーブル
エクセルの「テーブル」は、データを整理して管理しやすくするための機能です。
テーブルへの変換は、挿入タブから「テーブル」のアイコンをクリックすることで行えます。
表をテーブルに変換することで、見た目が整うだけでなく、自動で列にフィルターが設定されます。
また、データを追加すると自動的にテーブル範囲が広がり、数式やフォーマットも反映されます。特に、大きなデータセットを扱う際の分析や整理で役立つ機能です。
なお、エクセルのテーブルについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。テーブルの変換やスタイルの調整方法、テーブルを使うメリット・デメリットなどについて解説しています。
よく使う機能②関数
エクセルの「関数」は、計算やデータ処理を効率化するための重要な機能です。
SUM関数で合計を計算したり、IF関数で条件に応じた値を表示したりできるため、請求書の計算や条件に応じて出力する文字を変えたい場合などに使われます。
関数には「=SUM(A1, B1)」のようにそれぞれ固有の構文があり、引数を任意の数字やセル番地に変更することで、自動的に処理が行われます。
しかし、すべての構文を覚えるのは大変なので、数式バーに「=」と関数名を入力し、Tabキーを押すことで適用される補完機能をうまく活用しましょう。
関数を使うことで、エクセル作業が自動化され、ミスを減らしながら効率的にデータを管理できるようになるので、ぜひ活用してみてください。
よく使う機能③フィルター
フィルターは、データを絞り込んで表示できる機能です。特定の条件に合致するデータだけを表示したり、数値や文字列の並べ替えをしたりできます。
フィルターを活用すれば、大きなデータセットを扱う際に、特定の値や条件に応じたデータを容易に見つけられるでしょう。
データタブの「並べ替えとフィルター」グループにある「フィルター」のアイコンをクリックすることで、表にフィルターを適用できます。
効率的なデータ分析をしたい場合は、積極的に活用しましょう。
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エクセルで数字を連続で入力する方法のまとめ
手作業で行っていた数字入力も、オートフィルを使えば容易に行えます。
特に、数字が連続する場合、ソフトが自動で間隔を把握してデータを反映してくれるため、ユーザーが必要なのはドラッグもしくはダブルクリックの操作のみです。
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