エクセルは、スケジュール管理などに使うことも可能です。そして、表に文字を書き込むオーソドックスな形ではなく、棒グラフで表すガントチャートを作るという方法があります。そのガントチャートの作り方を、詳しく解説していきます。
棒グラフを使ったエクセルのガントチャート
エクセルの「ガントチャート」とは、棒グラフを使ったスケジュール表のことです。基本的には、縦にタスク、横に日付を入力します。そして、開始日から終了日までの日付を、タスクのセルごとに色付けする形にすることができます。そうすれば、どのタスクがいつ始まっていつ終わるのかが、棒グラフ状になって表示されます。
エクセルを使えば、大量のタスクを取り入れたガントチャートを作成可能です。また、タスクの種類や担当する人によって、棒グラフの色を変えて見やすくするという方法もあるでしょう。
エクセルでガントチャートを作るメリットとは
エクセルを使ってガントチャートを作る方法を知る前に、まずはどのようなメリットがあるのかを確認しましょう。
スケジュールの把握が容易
ガントチャートは、複数のスケジュールを把握しやすいのが大きなメリットです。数多くのタスクスケジュールが数字だけで表示されている場合、全てを把握することは中々難しいでしょう。その点ガントチャートであれば、棒グラフであるため見やすいです。
タスクごとの開始日と終了日だけでなく、他のタスクと重なっているかどうかも把握しやすくなります。また、チームでスケジュールを管理する場合、メンバー全員が、他メンバーの予定やタスクを知ることが容易になるでしょう。
ガントチャートは簡単に作れる
エクセル特有のメリットとしては、ガントチャートを作りやすいという点が挙げられます。あらかじめ表のフォーマットができていて、そこに日付や棒グラフを追加するだけで、ガントチャートを作成できるでしょう。また、エクセルには、ガントチャートに使える機能が数多くあります。そのため、効率的にガントチャートを作れるというのもメリットです。
共有しやすい
エクセルで作ったガントチャートは、チームメンバーなど、他の人と共有しやすいのもメリットです。エクセルファイルを受け渡しする他に、オンラインで共有する機能も使えます。共有機能を使えば、スケジュールに変更があった場合、編集したガントチャートを他の人に見せて把握してもらうことは難しくないでしょう。
エクセルのガントチャートの作り方6選!
エクセルを使用したガントチャートの作り方は、複数あります。その中から代表的なものを、6つ紹介していきます。
セルの塗りつぶし
エクセルでガントチャートを作る最も簡単な作り方は、「セルの塗りつぶし」です。クリックあるいはドラッグでセルを選択した後、「ホーム」タブにあるアイコンから色を指定するだけで、ガントチャートが完成します。操作が簡単であるうえに、色の使い分けが容易なので、シンプルなガントチャートを作りたい場合に向いているでしょう。
図形の挿入
セルを跨ぐ形で、図形を挿入するという方法もあります。「挿入」タブから「図形」を選択し、四角形など、横長にしても問題ないものを選びましょう。それをセルの上に配置し、ドラッグでスケジュールに合った形に引き伸ばします。その作業を繰り返せば、ガントチャートの出来上がりです。図形を細長いデザインにすると、スタイリッシュな見た目になります。
また、角が丸い四角形や矢印を選べるため、個性的なガントチャートが作成可能です。
グラフの作成
エクセルの「グラフ作成機能」を、ガントチャートに応用することも可能です。まずはタスク名と作業の開始日、作業日数を書いた表を作成します。そして、タスク名と作業の開始日を選択した状態で、「挿入」タブからグラフのアイコン内にある「積み上げ横棒」を選んでください。その後、右クリックから「データの追加」を選び、開始日の情報を付け加えます。そうすると、作業開始日の後に作業日数が続くグラフが完成するはずです。
その後、グラフのメニューから「軸の反転」を選択し、開始日が早いタスクが上になるようにしましょう。最後に、作業開始日のグラフを「塗りつぶしなし」にすると、作業日数だけが表示されるガントチャートとなります。
条件付き書式を活用する方法
自動で更新されるガントチャートを作成したい場合、「条件付き書式」を活用します。別のセルに開始日と終了日を入力すると、ガントチャートのセルに色が付く形です。例として、B2セルに開始日、C2セルに終了日を入力し、ガントチャートはD2から始まるとします。まずは「ホーム」タブから、「条件付き書式」「新しいルール」を選択しましょう。
そして、「数式を利用して、書式設定するセルを決定」の項目を選び、「=AND(D2>=B2,D2<=C2)」と入力します。最後に「書式」から「塗りつぶし」で色を選択すると、ガントチャートの完成です。
関数の利用
エクセルに標準で備わっている「IF関数」を使えば、簡易的なガントチャートを作れます。D2セルに、「=IF(AND(D2>=B2,D2<=C2,”■“,””)」と入力しましょう。そうすると、B2セルに入力する開始日と、C2セルの終了日に応じて、「■」あるいは空白が切り替わります。後は、右下の四角をドラッグして、全体にコピーすればガントチャートの出来上がりです。
テンプレートの活用で作る方法もある
エクセルでは、ガントチャートの無料テンプレートがいくつか公開されています。そのテンプレートを活用して、オリジナルのガントチャートを作るというのもひとつの方法です。まずはインターネットを通じて、使いたいテンプレートをダウンロードしましょう。
そのファイルを開くと、すでにフォーマットが完成されているガントチャートが使えます。それをベースに、タスク名や開始日などを入力し、オリジナルのガントチャートを作りましょう。
エクセルでガントチャートを使用する時の注意点
エクセルにてガントチャートを使用する際には、いくつか気を付けなければならないことがあります。その注意点を、ひと通り確認していきましょう。
タスクはひと通り書き出しておく
エクセルで作成したガントチャートは、後から編集する作業が手間になりやすいです。特にタスクが増えると、ガントチャートに組み込むと共に、レイアウトの調整なども必要となります。場合によっては、既存のガントチャートに、大幅に手を加える必要も出てくるでしょう。
そうならないよう、ガントチャートに組み込むタスクは、最初にひと通り書き出しておきましょう。また、ガントチャート上では、タスクの細分化ができません。したがって、複数の工程に分けることができるタスクは、必要に応じて、ガントチャートを作る前に細分化してください。
見やすさを重視してレイアウトを作る
ガントチャートに組み込むタスクが大量にある場合、それをただ羅列するだけでは、見づらくなってしまう恐れがあります。そのため、レイアウトを工夫しましょう。接点のあるタスクをグループにまとめて、グループの間に空白の行を設けたり、色分けをしたりすると良いです。
共有する場合は編集者を限定
エクセルで作成したガントチャートは、簡単に共有できます。ただ、そのままでは「編集機能」まで共有できてしまうので要注意です。セルを塗りつぶす、図形を挿入するなど、シンプルなガントチャートであれば、そこまで大きな影響はないかもしれません。
しかし、条件付き書式やグラフなどを使った複雑なガントチャートは、編集すると形が崩れてしまう恐れがあります。そのため、共有する際にはロックをかけて、限られた人しか編集できないようにしましょう。
タスク管理に便利なエクセルのガントチャートの作り方まとめ
ガントチャートは、利便性の高いスケジュール表です。効率的なタスク管理をしたいのであれば、積極的に活用しましょう。そして、エクセルであれば、ガントチャートを作ることは決して難しくありません。記事で紹介した複数の作り方から、状況に合ったものを選んで作成してください。また、無料のテンプレートを活用すれば、簡単にオリジナルのガントチャートを作成できるでしょう。