エクセルで作業をしていると、名前や住所などにふりがなをつけたい場面があります。
特に名簿作成やデータ管理の際、漢字の読み方を統一して管理したり、五十音順に並べ替えをしたりするために、ふりがなをつけておくと便利です。
本記事では、エクセルでふりがなをつける基本的な方法から、関数を使って自動的にふりがなを取得する方法まで詳しく解説していきます。
エクセルでふりがなをつけるメリット
エクセルで漢字にふりがなをつけることには、以下のようなメリットがあります。
- 正確な読み方がわかる
- 並び替えが正確に行われる
これらのメリットについて確認していきましょう。
メリット①正確な読み方がわかる
エクセルで漢字にふりがなをつけることで、その漢字の正確な読み方がわかるようになります。
特に、名前や住所など、複数の読み方がある漢字を扱う場合に有効です。
例えば、同じ「上村」という漢字でも「うえむら」と「かみむら」という読み方がありますが、ふりがなをつけることで読み間違いを防止できます。
これにより、データの見やすさが向上するため、特に名簿や顧客リストなどを扱う際には、重要な役割を果たします。
メリット②並び替えが正確に行われる
ふりがなをエクセルで設定することで、フィルターでの並び替えがより正確に行えます。
通常、文字列は読み方によってソートされますが、漢字の場合誤った読み方でデータが並んでしまう場合があります。
しかし、ふりがなを設定しておくと、その読み方に基づいて、自動的に正確な順序でデータを並べ替えられるのが特徴です。
これにより、並び替えのミスを修正する手間が省けるでしょう。
また、フィルター機能について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。フィルターを使った並び替えや抽出の方法について解説しています。
表のデータ管理をよくする方は、ぜひあわせてご覧ください。
エクセルでふりがなをつける方法
エクセルでふりがなをつける方法として一番に思いつくのは、別のセルにふりがなを手入力する方法です。
しかし、エクセルでは、ふりがなを自動的につける方法があります。
ふりがなを自動的につけるには、「ホーム」タブの「フォント」グループから「ふりがなの表示/非表示」アイコンをクリックしましょう。
すると、漢字の上側に対応するふりがなが追加されます。このときにつくふりがなは、漢字を変換した際に入力した仮名文字が基準となっています。
そのため、漢字を入力する際は、ふりがなをつけたい文字で漢字は変換するようにしましょう。
エクセルでふりがなをつけるためのショートカットキー
エクセルの「ふりがなの表示/非表示」には、以下のショートカットキーが割り振られています。
このショートカットキーは同時押しではなく、順番に押すことで適用できます。
エクセルではマウスを極力使わず、キーボードで操作することで作業効率が高まるので、ぜひこのショートカットキーは覚えておきましょう。
エクセルでつけたふりがなを修正する方法
エクセルでつけたふりがなが間違っていた場合は、以下の手順で修正ができます。
- ふりがなを修正したいセルを選択する
- ホームタブの「フォント」グループから「ふりがなの表示/非表示」の下向き三角形のマークをクリックする
- 「ふりがなの編集」をクリックする
- ふりがなにカーソルが当たるので、正しいふりがなをつけ直してEnterキーで確定する
変換によっては正しいふりがなではない場合もあるので、ふりがなをつけた後は必ずチェックするようにしましょう。
ひらがなにする方法
ふりがなは、デフォルトだとカタカナで表示されますが、「ふりがなの表示/非表示」の「ふりがなの設定」からひらがな表示に変更できます。
ダイアログボックスが開いたら、ふりがなタブの「種類」から「ひらがな」のラジオボタンをアクティブにしてOKボタンを押すことで、ひらがなに変換されます。
ほかにも、配置を中央寄せや均等割付けにしたり、フォントタブから文字色やフォントサイズの変更もできるため、設定を見直して自由にカスタマイズしてみてください。
エクセルの関数でふりがなをつける方法
エクセルでは、PHONETIC(フォネティック)関数を使うことでも、漢字にふりがなをつけられます。PHONETIC関数の構文は以下のとおりです。
引数には、ふりがなを振りたい文字列が入力されたセルを参照しましょう。
セルを参照することで、参照元の文字列の読みをカタカナで出力されます。
セル参照によってふりがなを出力できるため、相対参照でセルを参照した数式を一つ作っておけば、後はオートフィルで対応させたいすべてのセルにPHONETIC関数を適用できます。
また、関数の理解が難しいと感じる方は、一度しっかりとエクセルの勉強をしてみるのがおすすめです。
エクセルの勉強をすることで、基本的な操作や関数の使い方について理解できるでしょう。
以下の記事では、エクセルを勉強する方法や、おすすめの教材について紹介しています。ぜひこちらもあわせてご覧ください。
PHONETIC関数の使い方
PHONETIC関数は以下の手順で使用します。
- ふりがなを出力したいセルをクリックする
- 数式バー左にある「fx」のボタンをクリックする
- 「関数の分類」を「すべて表示」にして、「P」と入力する
- 「関数名」から「PHONETIC」を探して選択し、OKボタンをクリックする
- 「参照」のボックスにカーソルを合わせて、ふりがなを取り出してきたいセルをクリックで選択する
- OKボタンで確定する
PHONETIC関数を使えば、別のセルにふりがなを表示させられるため、漢字とふりがなを分けて表示したい場合に便利です。
また、出力したふりがなが間違っている場合は、漢字の方のセルを選択した状態で、ホームタブの「フォント」グループから「ふりがなの表示/非表示」の下向き三角形のマークをクリックし、「ふりがなの編集」を開きましょう。
すると、漢字の上にふりがなが振られるので、そのふりがなを修正してEnterキーで確定することで、ふりがなを出力しているセルが正しいふりがなに更新されます。
ふりがながつかない場合は?
PHONETIC関数を使っても、セルにそのまま漢字が出力されてしまう場合があります。これは、参照したデータにふりがなの情報が入っていないことが原因です。
メモ帳やブラウザなど外部データから文字列をコピーして貼り付けた際に起こります。
このような場合は、「ふりがなの編集」から参照元のセルにふりがなを振ってあげることで、PHONETIC関数でも呼び出せるようになります。
漢字のまま出力されてしまった場合の対処法として覚えておきましょう。
エクセルのスキル向上を図るなら講座の受講がおすすめ
エクセルでは、ふりがなの付与など、意外と知らない便利な機能が豊富にあります。
そんな便利な機能を使いこなせるようになるためには、講座の受講がおすすめです。
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エクセルで読めない漢字を入力する方法
エクセルでは、「ふりがなの表示/非表示」 やPHONETIC関数を使って読めない漢字にふりがなを振ることができます。
しかし、データを入力する際は、読み方がわからないと変換で入力できません。
そのようなときは、IMEパッドを使いましょう。
IMEパッドは、Microsoftが提供している、日本語の入力や変換をサポートしてくれるアプリです。IMEパッドで使える機能は、以下の表のとおりです。
機能 | 特徴 |
手書き入力 | マウスを使って書いた漢字の変換候補から選択できる。 |
総画数 | 選択した総画数の漢字を候補から選択できる。 |
部首 | 選択した部首の漢字を候補から選択できる。 |
IMEパッドはパソコン画面右下にある、「あ」や「A」のマークを右クリックして表示されるメニューから「IMEパッド」を選択することで使用できます。
それぞれの機能の詳しい使い方について見ていきましょう。
機能①手書き入力
IMEパッドの手書き入力で漢字を検索する方法です。
- パソコン画面右下にある、「あ」や「A」のマークを右クリックする
- 表示されたメニューから「IMEパッド」を選択する
- 「IMEパッド手書き」の「ここにマウスで文字を描いてください。」のところにマウスで調べたい漢字を書く
- 右側に表示される変換候補から漢字を選ぶ
正確な候補を出してもらうためにも、なるべくきれいに書くようにしましょう。
機能②総画数
IMEパッドの総画数で漢字を検索する方法です。
- パソコン画面右下にある、「あ」や「A」のマークを右クリックする
- 表示されたメニューから「IMEパッド」を選択する
- 「IMEパッド手書き」左の「画」をクリックする
- 「総画数」の「1画」の横向き三角形のアイコンをクリックして、対象の漢字の総画数を選択する
- 右側に表示される候補から漢字を選ぶ
画数によっては数が多すぎて、見つけるのに時間がかかってしまう場合があります。
機能③部首
IMEパッドの部首で漢字を検索する方法です。
- パソコン画面右下にある、「あ」や「A」のマークを右クリックする
- 表示されたメニューから「IMEパッド」を選択する
- 「IMEパッド手書き」左の「部」をクリックする
- 「IMEパッド総画数」の「1画」の下向き三角形のアイコンをクリックする
- 対象の漢字の部首の画数を選択する
- 左側に表示される部首から対象の部首を選ぶ
- 右側に表示される候補から漢字を選ぶ
読めない漢字を調べるのが難しい場合は、IMEパッドから検索してみましょう。
エクセルでふりがなをつける方法のまとめ
今回は、エクセルでふりがなをつける方法について紹介しました。
ふりがなをつけることで、漢字の正確な読み方が確認できるため、名前や住所などでの読み間違いを防げます。
また、データの並び替えもふりがなに基づいて正確に行えるため、作業効率が向上します。
ふりがなをつける手順としては、対象セルを選び、「ホーム」タブから「ふりがなの表示・編集」を選ぶのみです。
この機能を活用して、データ管理の精度と効率を向上させましょう。
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