パワーポイントの資料作成にも、DXの波が押し寄せているとご存じでしょうか。
伝わりにくい文章やデザインにかかる時間を削減できる便利なDXの方法が複数あります。
そこでこの記事では、パワーポイントをDX化するアイデアや学び方についてわかりやすくまとめました。よくある課題も紹介しているので、項目にあてはまる方はぜひDX化に取り組んでみてください。
パワーポイントのDXとは?
パワーポイントのDXとは、従来の「人力頼み」の資料作成から脱却し、AIやクラウドツールを活用して効率化・高品質化を図る取り組みのことです。
たとえば近年、次のような新たな技術が発達したことによって、文章やデザインを手軽に準備できる環境が整いました。
- AI
- RPA
- クラウド
これらの技術はパワーポイントの資料作成にも活用できるシーンが数多くあります。
資料作成の属人化や制作スピードの遅さ、理解してもらえないパワーポイント資料にお困りなら、この機会にDX化に着手してみてはいかがでしょうか。
従来のパワーポイントによくある課題
そもそも、なぜ従来のパワーポイント制作だと問題があるのでしょうか。
本項では、手作業の仕事で発生しやすいパワーポイントの課題を整理しました。
手作業でデザインしなければならない
パワーポイント資料のデザインは、基本的にすべて手作業で行わなければなりません。
しかし、パワーポイントの知識が乏しいビジネスパーソンの場合、次のような専門知識をもっていないため、ゼロからの作成には時間がかかります。
- 配色
- レイアウト
- フォントの統一
- キャッチコピー
たとえば、営業資料を1から作成する場合、文章・図・写真などすべての構成要素を手動で整える必要があり、ひとつの資料をつくるのに数日かかるというケースも少なくありません。
急ぎの資料作成に対応できないほか、メインの業務リソースを圧迫してしまい、業務効率を落としてしまう原因となります。
統一感のないページ構成になりやすい
複数名で活動するチームや会社の場合、作成者ごとにパワーポイントの構成・デザインのルールがバラバラになりやすく、統一感が出にくいのも課題です。
たとえば、同じ部署で働くビジネスパーソンによって、プレゼン資料のフォントサイズ・配色・構成がバラバラだと、閲覧者が内容に集中できず「見づらい」「わかりづらい」と感じるかもしれません。その結果、案件の獲得に影響することもあるでしょう。
パワーポイントは自由度が高い一方で、社内に統一ルール(フォーマット・ガイドラインなど)がないと、資料の質が変わってしまいます。見やすく整った資料をつくるためにも、DX化に取り組み、統一性をもたせやすい環境を構築することが大切です。
品質が担当者に属人化しやすい
パワーポイント資料のクオリティは、作成する担当者のスキル・経験に依存し、属人化しやすいのが特徴です。
特に中小企業や専門部署がない組織では、デザインスキルや構成力をもつ人に資料作成が集中して、ほかの社員では同じクオリティを再現できないことも少なくありません。その結果、特定の社員に負担が集中することもあるでしょう。
安定した品質のパワーポイント資料をつくるためには、DX化に取り組んで負担を分散することが重要です。
パワーポイントをDX化するアイデア
パワーポイントの資料作成の効率化・安定化を図りたいなら、DX化に取り組むことが重要です。
本項ではDX化に役立つアイデアをまとめているので、導入の参考にしてみてください。
文章生成AIを使って伝わりやすい文章をつくる
閲覧者に伝わる文章を自分で書けないという方は、文章生成AIを活用して、ハイクオリティなキャッチコピーや説明をつくり上げるのがおすすめです。
たとえば、上画像は文章生成AIのChatGPTに指示を出してみたシーンです。
これに対し、次のような回答をもらいました。
あとは上記から選択をしてパワーポイントに反映するか、改めて指示を出して再考してみるのもおすすめです。検討やアイデア出しのDX化が可能ですので、ぜひ文章生成AIを活用してみてください。
画像生成AIを使ってデザイン・図解をつくる
パワーポイントに挿入するデザインや図解の作成に時間がかかるという方は、画像生成AIを活用して制作時間を短くするのがおすすめです。たとえば、上記のように「栄養ドリンクの特長」を表す図解をつくってもらえるように指示を出しました。
すると、以下の図解が生成されました。
AIだと日本語フォントにうまく対応できないこともありますが、全体のデザインや配置などの検討に最適です。また表示されているイラストをそのまま使えるなど、デザインが統一された図解作成に役立ちます。
また画像生成はCanvaというツールでも対応可能です。
詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
テンプレートをダウンロード・作成する
自身で文章作成やデザインをできない、また社内でAI活用を禁止されている場合には、Web上で公開されている次のようなテンプレートを活用するのがおすすめです。
- パワーポイントのテーマ
- フォント・図・イラスト
- アニメーション
たとえば、Web上には有志の方がつくった無料テンプレートのほか、ハイクオリティな有料テンプレートが公開されています。手軽におしゃれなデザインを入手できるので、活用してみてはいかがでしょうか。
パワーポイントをDX化するメリット一覧

パワーポイントの作業をDXすれば、スピード・品質・伝達力に関して多くのメリットがあります。以下に、メリットの概要と魅力を一覧化しました。
メリット | 内容 | DXの効果 |
---|---|---|
作成時間の大幅短縮 | AIやテンプレートで文章・図解・レイアウトを自動化 | 文字入力やアイデア出し、図解作成の時間をカットできる |
品質の均一化と属人化防止 | 統一テンプレートや自動構成により、誰でも高品質な資料が作成可能に | 担当者による品質差がなくなり、チーム全体で安定したアウトプットが可能となる |
伝わりやすさの向上 | 構造化された文章・図解で視認性と理解度が向上 | 説得力のあるプレゼン資料を作成でき、商談・会議で成果が出やすくなる |
実際に、AIに関する調査では、AI活用者の約3割が、データ収集やレポート作成の時間を時短 & 効率化できたという結果が出ています。
パワーポイントのDX化には、AI以外にもさまざまな方法が用いられていますが、そのどれもが業務効率化や生産性向上に役立っているのが事実です。
パワーポイントのDXを学ぶ方法
パワーポイントをDX化したいと思っても「どこから手をつければいいのかわからない」という方も多いはずです。ここでは、パワーポイントのDX化に欠かせない学習の方法について紹介します。
独学でDXの方法をリサーチする
パワーポイントのDXの学習を無料から始めたいなら、次のような独学からスタートするのがおすすめです。
- Web検索でパワーポイントのDXのコツを調べる
- 書籍や学習本を購入してDXについて学ぶ
- 学習サイトや動画配信サイトでDXをリサーチする
独学のアイデアであったり、使いやすいツールなどは無料でもリサーチが可能です。
なかには、AIツールを使って実際にパワーポイントの資料をつくる様子を説明したコンテンツなども見つかるため、ぜひ無料からリサーチをはじめてみてください。
プロからDXの知識・スキルを学ぶ
「自分でパワーポイントのDX化についてリサーチできない」「効率よくDXの知識・スキルを学びたい」という方は、プロから直接レクチャーしてもらうのがおすすめです。以下に、プロから学ぶ方法をまとめました。
- DXやAIの基礎講座・研修に参加する
→ プロの講師から実践的なDXの取り組みを学べる - メンターを雇ってマンツーマンで学習する
→ パワーポイントやMicrosft Officeに特化の人材から直接教えてもらえる
なお、講座やメンターは、選ぶ場所・人によって学習できる内容や成果が変化します。
とはいえ、比較検討を実施して選択すれば、独学よりも短期間でパワーポイントのDX化を実現できるため、ぜひトライしてみてください。
またパワーポイントのセミナーが気になる方は、以下の記事がおすすめです。
パワーポイントのスキルを証明するには
パワーポイントのDX化を図る前に、まずはパワーポイントの制作スキルから身につけたいと考える方も多いでしょう。実際に、DX化に取り組むためにはパワーポイントの基礎知識・スキルが欠かせません。
そこで、パワーポイントの基礎知識・スキルがあると証明するのに役立つのが「MOS」というMicrosft Officeの専門資格です。通年で実施されているため、この機会に、セミナー講習などで試験対策をスタートしてみてはいかがでしょうか。
パワーポイントのDXについてよくある質問
パワーポイントのDXについてまとめ
パワーポイント資料の作成に時間がかかっている、人によって品質が違うとお悩みなら、この機会にぜひDXに取り組んでください。
近年では、競合他社でもDXに取り組む傾向が強まっており、パワーポイントの制作ひとつをとっても、大きく差をつけられつつあります。
時間のかかる人力作業を削減すれば、メイン業務に注力しやすくなるので、業務効率化のためにもDXへの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
