IT技術が次々と開発されていく中で、今までできなかったことが可能になったという事例が増えています。CGは革新的な技術の一つといえるでしょう。
今回はCGについての説明と、CGの種類・CGの活用事例やソフトウェアについて取り上げます。
CGとは?
CGとは、「Computer Graphics(コンピュータ・グラフィックス)」の頭文字をとった言葉です。
コンピュータを使用して、図面を書いたり、画像を作成したものを指しますが、コンピュータによる画像作成技術そのものを指して、CGと呼ぶこともあります。
CGを最初に開発したのは、マサチューセッツ工科大学の学生でした。
開発当初は、コンピュータの画面に、立方体の辺であるワイヤーフレームを表示する程度でしたが、1970年代には、現代のCGのベースとなる技術が開発され、陰になって見えない線や面を消去する「陰面消去法」など、CG製作に欠かせない技術が出来上がりました。
また、1980年代になると、本格的な実用化が始まります。
近年では、CGを駆使した仮想現実や拡張現実の技術も注目されるようになっており、CGが身近なところで、さらなる活躍を見せると期待されています。
最近ではCGを利用して映画やアニメーションも作られており、人が映っていなくても1からバーチャルな映像を作ることが可能になりました。
さらにCGは製品の試作モデルに使われたりと、想像の世界を具現化するのに多く利用されています。
CGとCADの違い
CGと似てるものにCADがありますが、CADとCGは似てるようで全く違うものになります。
詳しくは下記記事で解説しているので、気になったらご覧になってみてください。
CGの種類
CGは大きく以下の2つの種類に分かれます。
- 2DCG
- 3DCG
CGの種類1.2DCG
まず1つが、2DCGです。
2次元コンピュータ・グラフィックスでは、コンピュータを使って平面の絵を描くことができ、簡単なイラストや子供用アニメ、ロゴデザインなど、さまざまな分野で利用されています。
2DCGは、直接コンピュータ上で、ペンタブレットやマウスを使って描くこともできますが、紙に描いたものをスキャンしてコンピュータに取り込み、その後、デジタル加工をすることも可能です。
CGの種類2.3DCG
そして、もう1つが、3DCGです。
3次元コンピュータ・グラフィックスでは、仮想空間である3次元の世界で、仮想の立体物を置くなどして立体的に表現することができます。
実写に近い、クオリティの高いグラフィックを作成できるのが、3DCGの特徴です。
CGの活用事例
ここではまず、以下のCGの活用事例を取り上げ、それらの事例から見えてくるメリットを考えます。
- Paidy
- 排水圧送ポンプSFA
- 医療分野
- 映画
CGの活用事例①Paidy
2DCGをうまく活用したものとして、オンラインショップなどで利用可能な決済サービスのコンセプトムービーを作成した「Paidy」の事例を挙げることができます。
今でこそ決済サービスはいろいろ出てきて、どんなものかを理解できるようになってきましたが、サービスが出始めのころは、新しい技術に不安を持った方は多かったようです。
Paidyでは、決済サービスを支える電子技術に着目して、決済スピードや安全性をイメージできるよう2次元のCGを使って表現し、よい印象を持たせることに成功しました。
コンセプトやブランドは、実際に存在しているものとは違い、表現するのは難しいものです。
CGを活用すると、イメージ通りの映像制作が可能になり、企業や提供するサービスの特性を顧客に印象付けることができます。
そのため、企業が自社ホームページなどに掲載するCG動画制作は盛んになっています。
CGの活用事例②排水圧送ポンプSFA
3DCGも、企業の宣伝などに多く利用されるようになっています。
その1つを、「排水圧送ポンプSFA」のプロモーションビデオで見ることができます。
こちらのポンプを利用すると、流しや洗面台の位置の変更や増設が容易にできるということを理解させるため、立体感があるアニメ映像を使っています。
アニメ映像の中では、立体映像の中にオフィスの執務室がいくつか表示され、その中の空きスペースに水道設備を簡単に設置する様子がコミカルに描かれていて、自分事としてイメージしやすい点がメリットとなっています。
CGの活用事例③医療分野
3DCGは、医療分野で使用すると効果が高いことが認知されています。
そのため、医療現場から3DCG制作を依頼されている映像制作会社が増えているようです。
人体を3DCG化した映像を用いる場面としては、医療従事者同士のカンファレンスや教育などが挙げられます。チーム内で情報を共有したり、可視化されていなかった物事をイメージするには、3DCGを用いた映像を使うのが一番良いと考えられています。
「百聞は一見に如かず」という言葉にもある通り、映像を見せながら説明すると、会議にかかる時間を短縮し、患者に向き合う時間を増やすことにつながっているようです。
人体を模した3DCG映像は、患者のインフォームドコンセントにも使われています。
患者の側からすると、お医者さんが丁寧に説明してくれても、一つ一つの言葉が難しくて理解できなかったり、そもそも自分の病状に気を取られて話の内容が頭に残らないということも多々生じます。
その点、CG映像を見せながら患者の病状を説明したり、治療方法やその効果性を説明すると、頭の中でイメージが形作られ、納得して治療にのぞむことができるようです。
CGの活用事例④映画
CGの最先端技術がみられるのが、映画です。
VFXと呼ばれる視覚効果や、SFXといわれる特殊撮影技術は、現実にはあり得ない世界を作り出しつつ、あたかも自分がその世界に入り込んだ感覚を持たせるのに役立っています。
ものや空間を用意しなくても、デジタル的に映像を作ることができるので、製作コスト削減にも貢献しています。
幅広い活用事例があるCGから見えてくるメリットの1つは、実在しない映像を作り出すことができる点にあります。人の体内や地中奥深くなど、撮影するのが難しい場所の映像を作成できるのが、CGの特徴であり、メリットです。
また、映像の製作コストを下げるのにも役立ちます。
撮影許可をとったり、取り直しの手間や費用を削減できることも利点といえるでしょう。
動きを変えるなど、修正や変更が簡単に行えることもCGのメリットで、実写よりも効果的な映像を作成できます。
CGソフトウェアの選び方
CG映像を作成可能なソフトウェアは、有料・無料を問わず、いろいろ出されています。
CGソフトを選ぶ場合は、どんな映像を作るのかなどの目的とともに、映像を見せる対象となる人、CG製作にかけられる予算や時間などを明確にすると、選びやすいかもしれません。
例えば、CGを勉強する手始めとしてCGソフトを初めて使うという人は、無料でいて機能が多いものを使うと良いです。また、数学が得意な人であれば、数値入力をすることで形状を作成できるなど、自分の思考や特性に合ったものを選べるでしょう。
本格的にCGを学びたい、仕事で使うといった場合は、有料のCGソフトを利用するとクオリティの高いものを作ることができます。実写のようなリアルな映像が実現しやすく、色味の調整やエフェクトの追加などが簡単に行えるからです。
本格的な映像制作では、いくつもの種類のCGソフトを使うことが一般的です。
CGソフトは、いろいろな機能が搭載された「統合型」のものと、特定の機能を持つ「特化型」に分かれていますが、高度なCG映像を作成する現場では、特化型を使うケースが目立ちます。
景観を作るのに適しているソフト、動きのあるキャラクターを作るのに向いているソフトを使い分けることで、より視覚効果があるCG映像作成が可能になります。
CG技術の可能性はまだまだある
1970年代に世の中に登場したCG技術は、今では企業のプロモーションや映画の世界に加え、命にかかわる医療現場などでも利用されるようになりました。
CGは実在しない映像を作成できることで可能性が広がっています。
2DCGや3DCGに加え、近年ではVFXやSFX技術も登場しましたが、CG製作に携わる人はCGを作る目的や予算などを考えてCGソフトを選ぶことができるでしょう。
ぜひこの機会にCGに触れてみて、CGソフトをダウンロードしてみてください。
CGに関しての以下の記事もご参考ください。
