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Substance 3DとFusion 360の違いは?機能・特徴・向いているユーザーとは

Substance 3DとFusion 360は、どちらも3Dコンテンツ制作において人気のソフトウェアですが、それぞれに異なる用途や特徴を持っています。
ここではSubstance 3DとFusion 360について、その特徴や利用するシーンなどからそれぞれの違いについて詳しく解説します。

Substance 3Dとは

Substance 3Dとは
Substance 3Dは、アドビが提供する3Dコンテンツ制作のための包括的なツールセットです。
リアルな3Dテクスチャやモデリングの作成・編集などに特化したソフトウェアであり、
  • Substance 3D Modeler
  • Substance 3D Sampler
  • Substance 3D Designer
  • Substance 3D Painter
  • Substance 3D Stager

の主要5ソフトと、「Substance 3D Assets」という素材提供ツールで構成されています。

初心者からプロのクリエイターまでを対象としており、デザインや建築業界、ゲーム開発や映像制作などの多岐にわたる分野で活用されています。Substance 3Dで作成したコンテンツは、アドビが提供するPhotoshopやIllustratorなどの画像加工ソフトと連携することが可能です。

Substance 3Dの各ソフトの機能と特徴

Substance 3D Modeler デジタルクレイで3Dを造形するソフトです。
絵を描くような感覚で3Dモデリングできることが特徴です。
Substance 3D Sampler 写真や画像をスキャンして、リアルなテクスチャを生成するツールです。
素材の質感や光の反射を簡単に再現できるため、高品質なテクスチャの作成が可能です。
Substance 3D Designer ノードベースのアプローチを用いてテクスチャを作成するソフトウェアです。
独自の3Dモデルをゼロからデザインでき、高度なカスタマイズが可能です。
Substance 3D Painter 3Dモデルにリアルなペイントを施すツールです。
多彩なブラシなどのツールを備えており、3Dモデルに深みや立体感を加えることができます。
Substance 3D Stager 3Dモデルやマテリアルを組み合わせてリアルなシーンを作成するツールです。
背景のパースやモデルの配置などが自動化されており、効率的に作業できることが特徴です。
Substance 3D Assets 数千種類のマテリアルと数百種類の3Dモデルをダウンロードできる素材提供ツールです。
素材はそのままでも使えますが、カスタマイズも可能です。

Fusion 360とは

Fusion 360とは、世界的なCADソフトメーカーのAutodesk社が提供しているクラウドベースの3DCAD/CAM/CAEソフトウェアです。
一般的には、設計や製図を行う場合はCADソフト、CADで作成した設計図を基に部品加工するデータを作成する場合にはCAMソフト、設計したデータの強度などのさまざまな条件をシミュレートする場合にはCAEソフトのように、目的に合わせたソフトが必要です。しかし、Fusion 360はこれらの全ての作業を一元的に行える機能を備えているため、製品開発の効率化を実現します。

Fusion 360の各種機能

Fusion 360のCAD機能

Fusion 360のCAD機能には、ポリゴンモデリングやサーフェスモデリング、ボリュームモデリングなどの基本的なモデリングツールが搭載されており、自由曲面を作成できるスカルプトモードや3Dスキャニング機能も備えています。

Fusion 360のCAM機能

Fusion 360のCAM機能としては2.5軸・3軸・5軸などのさまざまな加工に対応した機能が搭載されており、シミュレーション機能もあるため加工前にシミュレートすることもできます。

Fusion 360のCAE機能

Fusion 360のCAE機能では強度解析や熱解析、流体解析などのさまざまな解析が可能となっており、製品の性能を事前に確認することができます。

これらの他にPCB機能もあるため、回路図や基板レイアウト、配線なども簡単に設計が可能です。そして、作成したデータはクラウド上で管理されているため、複数のユーザーにおけるデータ共有はもちろん、インターネットに接続したパソコンであれば、いつどこでも作業を進めることができます。

Fusion 360の特徴

Fusion 360の特徴としては、ユーザーインターフェースに非常に優れていることが挙げられます。シンプルなデザインで直感的に操作できるような構成になっているため、初心者でも比較的簡単に作業ができます。豊富な機能を備えていますが、ネット上にはヘルプやチュートリアルも数多くあるため操作に困った場合でも安心です。
さらにセミナーや講習会も多く開催されているため、短期間でスキルを磨きたい場合におすすめです。

Fusion 360は無料で利用可能

また、Fusion 360は無料で利用できることも特徴のひとつです。
商用利用の場合は有料ですが、商用利用でなければ企業でも無料で利用できます。
ただし有料の場合でも1ユーザー当たり年間税込71,500円とリーズナブルで、3DCAD/CAM/CAEソフトを個別に購入するより経済的なことが魅力となっています。

Substance 3DとFusion 360の違い

Substance 3DとFusion 360の違い
Substance 3DとFusion 360は、どちらも3Dコンテンツ制作に利用されるソフトウェアですが、それぞれの得意分野が異なります。

Substance 3Dはテクスチャリングとマッピングに特化したツール

Substance 3Dは、主に3Dモデルのテクスチャリングとマッピングに特化したツールです。
デザインはもちろんリアルな質感や光沢、模様などを付けることで、3Dモデルに臨場感を与えることを目的としています。物理ベースのレンダリングにも対応しているためリアルな表現が可能で、ゲーム開発や建築、プロダクトデザインなどの幅広い分野において、リアルでクオリティの高い3Dモデルを作成するために利用されています。

Fusion 360は製品設計や製造に特化した総合設計ソフトウェア

一方で、Fusion 360は3Dモデリングをはじめ設計や製造、シミュレーションなどを包括的にカバーする総合設計ソフトウェアです。製品設計や製造、品質検査などの分野で、製品開発の効率化や品質向上のために利用されています
3Dモデリングやアセンブリ作成、シミュレーションなどの多岐にわたる機能が搭載されており、エンジニアやデザイナーなどの製品設計や製造に携わる人にとって大変便利なソフトウェアです。
したがってSubstance 3DとFusion 360は、
  • Substance 3Dが主に3Dモデルのテクスチャやマテリアルの美しさを向上させるなど視覚的な側面に特化したツール
  • Fusion 360は製品の全体的な設計と製造プロセスを管理して3Dモデリングから製造までの一貫した処理を提供するソフトウェア

という違いがあります。利用する場合は、これらの違いを理解しておくことが大切です。

Substance 3DとFusion 360どちらを選ぶべき?

Substance 3DとFusion 360どちらを選ぶべき?
Substance 3DとFusion 360のどちらを選ぶかは、目的や用途によって異なります。
3Dモデルのテクスチャリングやマッピングが主な目的の場合はSubstance 3D、3Dモデルのモデリングやシミュレーション、製造などが目的の場合はFusion 360を選ぶとよいでしょう。
具体的には、3Dモデルにリアルで美しいテクスチャを適用させたい場合はSubstance 3Dが適しており、製品開発の各プロセスを一元化させて製品開発の効率化や品質向上を図りたい場合はFusion 360が適しています。

Substance 3Dが向いているユーザー

  • 3Dモデルのテクスチャリングやマッピングを重要視するデザイナーやアーティスト
  • リアルな質感や光沢を持つ3Dモデルを作成したいクリエイター
  • ゲームや映画制作、建築デザインなどで3Dアセットの外観を向上させたい人

Fusion 360が向いているユーザー

  • 製品設計や製造、シミュレーションに関与するエンジニアやプロダクトデザイナー
  • 製品開発プロセスを一元管理し、効率的に進めたい企業や個人
  • 3DモデリングからCAM、CAEまでの幅広いスキルを習得したい人

Substance 3DとFusion 360は、どちらも3Dコンテンツ制作の効率化と品質向上に大変役立つソフトウェアです。それぞれの特徴を理解して、どちらのソフトウェアが自分の目的に適しているかを検討することが大切です。

Substance 3DとFusion 360の違いを理解しよう

Substance 3DとFusion 360のどちらも大変便利なソフトウェアですが、その機能と用途の違いを理解して選ぶことが重要です。目的に合わせて正しく選択することでクオリティの向上や作業の効率化につながるため、違いをしっかりと理解してから利用するようにしましょう。

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