プレゼン資料を作ると聞くと、「PowerPointは操作が難しそう」と身構えてしまう人も多いと思います。実は、Canvaを使えば、PowerPoint資料を直感的に作れるんです。
Canvaの豊富なテンプレートやデザイン機能を活用すれば、難しい操作なしで、クオリティの高いプレゼン資料があっという間に完成。今回は、CanvaでPowerPoint資料を作成する方法や差がつく作成テクニックをご紹介していきます。
CanvaでPowerPoint資料を作るとは
Canvaはデザインツール、PowerPointはプレゼンに特化したツールです。しかし、CanvaでもPowerPointで作るようなプレゼン資料が直感的に作れます。しかも、作成したスライドはPowerPoint形式に変換してダウンロードできるため、作成も発表もスムーズです。
PowerPointは操作に独自性があり、難しく感じがちですが、Canvaならテンプレート選択やドラッグ&ドロップで、誰でも短時間で見栄えのいい資料が作れます。
Canvaの基本的な操作方法については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
CanvaでPowerPoint資料を作成する方法
Canvaでは、簡単にPowerPoint資料が作成できます。以下では、作成からエクスポートまでの流れを実際の画面を交えてわかりやすく解説します。
1.Canvaにアカウント登録(またはログイン)する
まずはCanvaを使うために、アカウント作成をする必要があります。アカウントはメールアドレスだけで登録できるほか、以下のアカウントをお持ちなら連携可能。
- Apple
- Microsoft
そのままログインすればOKです。Canvaには無料と有料のプランがありますが、無料プランでもPowerPoint資料は十分作れるので、まずは気軽に始めてみるのがおすすめです。
ちなみに、無料版よりデザイン性の自由度が高いCanva Proが気になる場合は、無料で試してから考えるのも良いかもしれません。
2. 「プレゼンテーション」を選択してテンプレートを選ぶ
- Canvaにログインできたら、まずは「プレゼンテーション」を選択します。
- Topページのアイコンのほか、検索バーに「PowerPoint」「パワポ」「プレゼンテーション」と入力します。
プレゼンテーション作成画面には、テーマや雰囲気別にたくさんのテンプレートが並んでいるので、「ビジネス向け」「教育向け」や「シンプル」など、目的に合わせて選ぶとイメージが固まりやすいです。王冠マークが付いている素材は有料プランにアップグレードすると使えるようになります。
無料版でもデザインが豊富なので、迷うかもしれませんが、後からスライドごとにカスタマイズもできるので、直感で決めても大丈夫です。
3. 資料の内容をデザインしていく
テンプレートを選んだら、資料の内容をデザインしていきます。Canvaは、デザインに直接テキストを打ったり、入れ替えたり、写真や素材をドラッグ&ドロップで追加したりと、感覚的な操作でレイアウトを整えられます。
こだわりたい場合は、背景色やフォント、文字や素材に動きをつけるアニメーションなども細かく調整可能。資料作成の際は、情報を詰め込みすぎず、できるだけ情報はシンプルにまとめるのがおすすめです。
Canvaのマジック作文機能については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
背景の色やフォントを変える
- 背景の色を変更するときは、上部にあるカラー表示をクリックします。
- 左側に現在使用中のカラー一覧が出るので、好きな色に変更しましょう。
- デフォルトカラーから選ぶこともできますが、統一感がなくなってしまうので、赤枠で囲った範囲の中で選択するのがおすすめです。
フォント変更は、変更したい文字を選択したら、上部のフォント表示部分をクリックします。
- 希望のフォントを選んで下さい。
- すべて変更を選択すると、プレゼン資料のテンプレート全ページに反映されます。
文字や素材に動きをつける
- 動きをつけたい文字や素材を選択したら、上部に表示される「アニメーション」を選択します。
- 左側に色々なアニメーションのパターンが表示されるので、好みの動きを選んで下さい。
新しいスライドを追加する
- 新しいスライドを追加するときは、下部に表示されているスライドとスライドの間をクリックします。
- 「ぺージを追加」の下の+マークをクリックすれば、新しいページが追加できます。
4. ファイル形式をPowerPoint用でエクスポートする
資料のデザインが完成したら、次はエクスポート作業です。
5. PowerPointでファイルを開いて整える
ダウンロードしたPPTXファイルをPowerPointで開いて、仕上げの調整を行いましょう。スライド切り替えのトランジションを加えると、よりプレゼンに動きとメリハリが出ます。
また、時間に余裕があれば、発表者ツールのノートを活用したり、スライドショーの動作確認もしておくと安心です。
CanvaでPowerPoint資料を作る際の差がつくテクニック
ただスライド資料を作るだけでは、相手の心に残るプレゼンにはなりません。ここでは、Canvaを使ってPowerPoint資料を作成する際に、ひと味違う仕上がりを目指すためのテクニックをまとめました。
カスタマイズして独自性を出す
Canvaには豊富なテンプレートがたくさんありますが、そのまま使うだけではどうしても既視感が出てしまうことも。差をつけるなら、カスタマイズを行いましょう。
フォントを変えるのはもちろん、カラーを自分らしい配色にしたり、アイコンや写真をアップロードして差し替えたりするだけで、グッと個性が引き立ちます。
特に、表紙や締めとなるのスライドは第一印象や最後の印象に直結するので、少し手間をかけると効果大です。オリジナリティを出すと、自分らしさが出て、聴き手の記憶にも残りやすくなるでしょう。
ただし、カスタマイズするのは、Canvaの基礎知識が身についていないと難しいかもしれません。以下のようなセミナーを活用してCanvaの基礎を学ぶのもおすすめです。
Canva基礎セミナー
Canva基礎セミナーは、短期間でCanvaの基本操作から応用的なカスタマイズ技術までじっくり学ぶことができます。セミナー内容は以下の通りです。
テンプレートの編集をより深く理解する内容 | 実践的で独自性を出すテクニック |
図形や文字の扱い方 | SNS向けの動画編集 |
写真加工 | AIを使った画像生成 |
AI機能各種 | AIを使った文章作成 |
アニメーション機能の使い方など | オリジナルカタログの制作など |
テンプレートを使いこなすだけでなく「自分の武器に変える」ために、しっかり学んでみる価値は十分にあるでしょう。
セミナー名 | Canva基礎セミナー |
---|---|
運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー |
高品質な画像やイラストを活用する
Canvaには、無料でも高品質な素材が豊富に揃っているので、ぜひ活用しましょう。特に有料素材(王冠マークが目印)はプロっぽさが格段に上がるので、こだわりたい場面では検討する価値ありです。
素材を選ぶときは、伝えたいメッセージに合うかを意識すると、伝わるスライドに仕上がります。
フォント選びと文字サイズを調整する
どんなに資料の内容がよくても、フォント選びや文字サイズに違和感があると、スライド全体がちぐはぐに見えがちです。Canvaではおしゃれなフォントがたくさん使えますが、読みやすさを最優先に選びましょう。
ちなみに、一つのプレゼン資料で使うフォントは1種類が原則です。シンプルで視認性の高く太字対応可能なフォントを選ぶのがおすすめです。
文字サイズは、タイトルと本文でしっかり差をつけると、視線の流れが自然になります。パッと見て伝わるかを意識して、シンプルにするだけでも洗練された印象になるでしょう。
3色に抑えて資料の見やすさを向上させる
配色は、スライドの印象を左右する大きな要素です。おしゃれにまとめようとさまざまな色を使ってしまうと、逆にゴチャゴチャしてしまうことも。基本は「ベースカラー・メインカラー・アクセントカラー」の3色以内に抑えるのがコツです。
Canvaにはカラーパレット機能があるので、もし色の組み合わせに迷ったら参考にすると安心です。また、文字と背景のコントラストをしっかりつけることで、視認性も向上します。
例えば、白背景に黒文字、濃紺に白文字などのシンプルな組み合わせを意識するだけでも、グッと見やすい資料になるでしょう。
ブランドカラーを統一させる
自分や企業のブランドイメージをプレゼン資料に反映させると、印象に残りやすくなります。Canvaでは、カラーコードやフォント、ロゴを登録できるブランドキット機能があるので、これを活用するとブレないデザインが作りやすいです。
例えば、企業カラーを一貫して統一したり、特定のロゴを適切な位置に配置したりするだけでも、資料がまとまります。ブランドイメージを意識することで、プレゼン自体の信頼感も上がるでしょう。
CanvaでのPowerPoint資料作成に関するよくある質問
CanvaでPowerPoint資料を作成するときに、よくある疑問をまとめました。実際に操作したときの参考にしてください。
Canvaの無料プランでもPowerPoint資料は作成できますか
Canvaの無料プランでもPowerPoint資料は作成できます。基本的な編集機能やテンプレート、画像・イラスト素材の一部も無料で使えるので、十分クオリティの高い資料を作ることが可能です。
ただし、王冠マークの付いている素材や背景を消すなどの機能や高度な機能は有料プラン限定なので、もし、素材にこだわりたい、もっと自由にデザインしたい、と感じたら、有料のCanva Pro版の利用を検討してもいいかもしれません。
まずは無料版で試してみて、必要に応じてステップアップするのがおすすめです。
PowerPointでCanvaで作った資料を編集できる?
CanvaからPPTX形式でエクスポートしたファイルは、PowerPointでも基本的な編集が可能です。ただし、デザインによっては注意が必要。CanvaとPowerPoint間の互換性の関係で、フォントが文字化けしたり、文字がズレることもあります。
そのため、フォントは文字化けしにくい「M+heavy(M+Regular)」や「Noto Sans Black」を使うのがお勧めです。細かいカスタマイズを行う予定なら、Canvaではなるべくシンプルな構成にしておき、PowerPointで微調整するようにデザインするとスムーズです。
CanvaのアニメーションはPowerPointでも再生できる?
残念ですが、Canvaで設定したアニメーション効果は、PowerPointに引き継ぐことができません。PPTX形式でエクスポートすると、スライドは静止画になるため、Canvaのアニメーションは消えてしまいます。
もし、プレゼン発表で動きを加えたい場合は、PowerPoint側でアニメーションやトランジションを設定し直す必要があります。そのため、最初から、動きはPowerPointで仕上げると考えておくと、スムーズに進められるでしょう。
また、CanvaでもPowerPointのようなプレゼン機能があるので、こちらを使えば、アニメーションなどはそのまま動かすことが可能です。
Canvaのプレゼン機能の使い方
- 画面右上の「共有」→ダウンロード横の「プレゼンテーション」を選びます。
- プレゼンテーションを押すと、自分のタイミングでプレゼンを行うことができます。自動再生や録画機能もあります。
プレゼンテーション資料作成におすすめのCanvaテンプレートはある?
Canvaには豊富なテンプレートがありますが、プレゼン資料を作るなら「シンプル」「ビジネス」「モダン」などのカテゴリーがおすすめです。文字や図表を載せてもごちゃつきにくいデザインが多いのが特徴。
特にビジネス用のテンプレートは、最初から構成が作られているものが多いので、文字を入れ替えればスライドの流れを考える負担も軽くなります。また、背景が白ベースのものを選ぶと、視認性が高くなり、すっきり見やすいです。
Canvaで「伝わる」PowerPoint資料を作ろう
今回は、CanvaでPowerPoint資料を作成する方法や差がつく作成テクニックをご紹介しました。Canvaを使えば、PowerPoint資料作りも驚くほどスムーズに、センスよく仕上げることができます。
ただテンプレートを使うだけでなく、カスタマイズや工夫を加えることで、グッと伝わるプレゼン資料に仕上がるはずです。 まずは、難しく考えすぎず、楽しみながら、自分らしいプレゼンを作り上げていきましょう。たったひと手間が、大きな差を生み出すでしょう。
