CADの講座を受けたいものの「受講費用が高くて導入しづらい」「社員にCADを学ばせたいが、コストが気になる」と悩んでいる企業担当者も多いのではないでしょうか。そこで活用を検討したいのが、CADの講習で使用できる助成金です。
助成金は条件を満たせば、CAD講座の受講費用の一部を助成金で補える可能性があり、人材育成にかかる負担を抑えながらスキルアップを進められます。
本記事では、CADの講習で活用できる助成金の概要から、対象となる講座、申請の流れ、利用前に確認すべきポイントまでわかりやすく解説します。
CADの講習で使用できる助成金はある?

結論から言うと、CADの講習で使用できる助成金はあります。代表的なのが、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。この助成金は、企業が従業員に対して、職務に関連する専門知識や技能を身につけさせるための職業訓練を実施した場合に、費用の一部を支援する助成金制度です。
CADは、建築・製造・設計などの業務に直結しやすいスキルのため、AutoCADや3DCAD、BIM関連の講座などが助成金の対象になる講座が多くあります。
そもそも助成金とは?
助成金とは、国や自治体などが、一定の条件を満たした企業や個人に対して支給するお金のことです。
融資とは異なり、原則として助成金は返済する必要がありません。たとえば、企業が従業員のスキルアップを目的にCADの講座を受講させる場合、条件を満たせば、受講費用や研修中の賃金の一部が助成金の対象になることがあります。
ただし、助成金は申請すれば必ず受け取れるお金ではありません。CAD講習で助成金を活用したい場合も、受講前に対象となる制度や講座かどうかを確認しておくことが大切です。
CADの講習で使用できる助成金一覧
まずはCADの講座で使用できる助成金を2つ紹介します。
| 制度名 | コース名 | 申請可能金額 | 主な対象 | CAD講座との関係 |
|---|---|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 | 人材育成支援コース | 400円〜/人/時 | 企業 | 社員向けCAD講座で活用しやすい |
| 教育訓練休暇等付与コース | 30万円〜 | 企業 | CAD講座を受けるための休暇制度に関係 | |
| 人への投資促進コース | 500円/人/時 | 企業 | デジタル人材育成や定額制訓練に関係 | |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 500円〜/人/時 | 企業 | DX・新規事業に伴うCADスキル習得に関係 | |
| 建設労働者認定訓練コース | 経費の額×6分の1 | 建設業関連 | 建設関連の認定訓練に該当する場合 | |
| 建設労働者技能実習コース | 〜10万円 | 建設業関連 | 建設労働者の技能向上訓練に該当する場合 | |
| 教育訓練給付制度 | 一般教育訓練 | 〜10万円 | 個人 | CAD利用技術者試験などの指定講座に関係 |
| 特定一般教育訓練 | 〜25万円 | 個人 | 指定講座であれば受講費用の一部が給付対象 | |
| 専門実践教育訓練 | 〜64万円 | 個人 | 専門性の高い指定講座が対象 |
①人材開発支援助成金|企業向け
人材開発支援助成金は、企業が従業員の職業能力を高めるために講座や研修を受けさせる場合に活用できる助成金です。CADの場合、建築・製造・設計・設備・機械分野などの業務に必要なスキルとして、CAD講座を社員研修に組み込むケースが考えられます。
たとえば、AutoCADや3DCAD、BIM、製図関連の講座を通じて、社員の設計スキルや図面作成スキルを高めたい企業は、人材開発支援助成金は検討しやすい制度です。講座費用だけでなく、条件によっては訓練期間中の賃金が助成対象になる場合もあります。
②教育訓練給付制度|個人向け
教育訓練給付制度は、個人がスキルアップやキャリア形成を目的に講座を受講する際に、受講費用の一部が支給される制度です。企業向けの助成金とは異なり、基本的には受講者本人が利用する制度として考えるとわかりやすいでしょう。
CAD講座では、厚生労働大臣の指定を受けた講座であれば、教育訓練給付制度の対象になる可能性があります。たとえば、CAD利用技術者試験の対策講座や、建築CAD、機械CAD、3DCADなどを学べる講座が指定講座に含まれている場合があります。
CAD講座の目的がDXという方は、以下の記事でDXに使える助成金も紹介していますので、あわせてご覧ください。
助成金が使用できるおすすめのセミナー

さまざまなセミナーや講座がある中で、おすすめなのが「AutoCAD基礎セミナー&AutoCAD自動化セミナー」です。AutoCAD基礎セミナー&AutoCAD自動化セミナーは、厚生労働省の人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」の対象となっており、条件を満たすことで研修費用の最大75%の助成を受けることができます。
AutoCADの基礎と自動化の実践的なスキルを身につけることができるハンズオンのセミナーであり、初心者の方でも実務スキルを身につけることが可能です。以下のリンクから詳細をチェックできますので、ぜひご覧ください。
以下の記事では、CADソフトの補助金についても紹介していますので、あわせてご覧ください。
CAD講座で助成金を申請する方法

最後はCAD講座で助成金を申請する方法を以下のステップで解説します。詳細な申請期限や必要書類等については、厚生労働省やハローワークのサイトをご覧ください。
- 申請前にCAD講座が助成金の対象になるか確認する
- 訓練計画を作成して期限内に提出する
- CAD講座を計画どおりに受講する
- 受講後に支給申請書と必要書類を提出する
- 支給審査を受けて助成金の支給可否が決まる
- 受講後は期限内にハローワークへ申請する
①申請前にCAD講座が助成金の対象になるか確認する
CAD講座で助成金を申請する前に、受講予定の講座が助成金制度の対象か確認します。人材開発支援助成金では、企業が労働者の職業能力を高めるために訓練を実施することが前提になります。
そのため、CAD講座を受けさせる理由を「業務に必要な設計スキルを身につけるため」「図面作成や3Dモデリングの実務力を高めるため」のように、職務との関係がわかる形で整理しておくことが大切です。
②訓練計画を作成して期限内に提出する
企業が人材開発支援助成金を使ってCAD講座を受講させる場合は、講座を受けた後にいきなり助成金を申請するのではなく、事前に訓練計画を提出する流れになります。
計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に提出します。つまり、CAD講座の申し込みや受講開始日を決める前に、助成金の申請スケジュールを逆算しておく必要があります。提出先は、事業所の所在地を管轄する労働局が基本で、都道府県によってはハローワークで助成金申請を受け付けている場合もあります。
③CAD講座を計画どおりに受講する
訓練計画を提出した後は、届け出た内容に沿ってCAD講座を実施します。ここで注意したいのは、受講日程や訓練内容、対象者などを勝手に変更しないことです。
すでに届け出ている職業訓練実施計画届や訓練実施計画届に変更が生じる場合、定められた期限までに変更届を提出する必要があるとされています。また、期限までに変更届を提出せずに変更後の訓練を実施した場合、その部分は助成金の対象にならない可能性があります。
④受講後に支給申請書と必要書類を提出する
CAD講座の受講が終わったら、助成金の支給申請を行います。人材開発支援助成金では、訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に、支給申請書と必要書類を労働局へ提出する流れです。
助成金申請時には、以下の資料が必要になります。
- 支給申請書
- 経費助成の内訳がわかる書類
- 訓練実施状況がわかる書類
- 講座費用の支払いを確認できる書類
- 講座内容がわかる資料
- 対象労働者に関する書類
- 賃金助成に関する確認資料
CAD講座の費用を助成金で申請する場合も、領収書や振込記録、受講実績が確認できる資料を残しておくことが大切です。書類の不足や記載ミスがあると審査に時間がかかるため、受講前から必要書類を確認しておくと助成金の申請が進めやすくなります。
⑤支給審査を受けて助成金の支給可否が決まる
助成金支給申請後は、労働局による審査が行われ、助成金の支給または不支給が決定されます。CAD講座を受けたからといって、その時点で助成金の支給が確定するわけではありません。以下の要件を満たしているか確認されます。
- 訓練計画
- 受講実績
- 対象者
- 経費の支払い
- 雇用保険適用事業所
助成金を前提にCAD講座を申し込む場合は、支給までに時間がかかることも考慮し、資金繰りや社内稟議の段階で余裕を持っておく必要があります。
⑥受講後は期限内にハローワークへ申請する
教育訓練給付制度では、CAD講座を修了した後に、ハローワークへ助成金の支給申請を行います。以下はそれぞれの申請期限です。
| 助成金制度 | 申請期限 |
|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 訓練修了日の翌日から起算して1か月以内 |
| 特定一般教育訓練給付金 | 訓練修了日の翌日から起算して1か月以内 |
| 専門実践教育訓練 | 受講中や修了後など、訓練の種類に応じて申請タイミングが異なる |
CAD講座を受講する際は、講座修了後に助成金申請で慌てないよう、必要書類と申請期限を事前に確認しておきましょう。
CADの講習で使用できる助成金についてのまとめ
CAD講座で助成金を活用するうえで大切なのは、使えそうな制度を探すことよりも、受講前の段階で対象条件と申請手順を正しく確認しておくことです。
助成金は、CADスキルを学ぶ企業や個人にとって費用負担を抑えられる制度ですが、講座を受ければ自動的に支給されるものではありません。対象講座かどうか、訓練計画の提出が必要か、申請期限に間に合うかなどを事前に整理しておかなければ、せっかくの制度を活用できない可能性があります。
CAD講座を検討しているなら、まずは対象制度と申請条件を確認し、助成金を活用できる形で計画的に受講を進めましょう。