「図面の自動分析」や「3Dモデルの自動生成」など、AI搭載CADによる業務効率化が急速に進んでいます。一方で、「社内のスキルアップが追いつかない」「使いこなせる人材が少ない」と悩む企業担当者様も多いのではないでしょうか。
この記事では、CAD講習やスクール受講で利用できる助成金を、個人・法人向けに分けて紹介します。パソコン購入で支給される補助金、IT導入補助金対象のCADソフト一覧もお伝えするので、CADを活用して業務改善したい企業様はぜひ参考にしてください。
CADの講習は助成金が使える?

CADの講習費用は、国から支給される「助成金」の対象となります。例えば、「CADの自動化スキルを身につけたい」「3DCAD操作を基礎から社員に学ばせたい」といった企業の教育費用が助成金の対象です。
CADの講習費用の助成率(支援額の割合)や助成額、および上限は、利用するCADの助成金制度のコース、利用者の状況によって異なり、一般的な助成金は大企業よりも中小企業が優遇されています。
人材育成は助成金・ツール導入は補助金
ところで、CADで使える助成金と補助金はどう違うのでしょう。通常、CAD講座受講などの「人材育成」に関わる費用には助成金、CADソフトや設備導入などの費用には補助金が適用されます。
「CAD向けの助成金と補助金は同じ」と思っている方は多いので、ここでは助成金と補助金の違いを確認しておきましょう。
| 項目 | 助成金 | 補助金 |
|---|---|---|
| 所管省庁 | 厚生労働省 | 経済産業省 |
| 主な目的 | 雇用保険を活用した人材育成支援 | 企業のIT化・新規事業の支援 |
| 採択の特徴 | 要件を満たしていれば原則受給 | 予算枠があり公募後に審査あり |
| 支援対象 | 講習の受講費、研修中社員の賃金補助など | CADソフト購入・サポート費用 |
このように、助成金は「人」、補助金は「モノ」が支援対象です。もう少し深掘りすると、
- 厚生労働省(労働環境の安定) →人材育成支援→助成金
- 経済産業省(経済の活性化) →ツール・設備導入→補助金
という構造になっています。つまり、それぞれの省が「どのような役割を担っているのか」を知ると、補助金と助成金の違いも自然と理解できます。例えば、AutoCADの講習を受ける場合、厚生労働省の人材開発支援助成金が主な助成金制度です。
人材開発支援助成金を使えるセミナー
AutoCAD基礎セミナー&自動化セミナー【助成金対応】は、この人材開発支援助成金を利用でき、CAD講習費用の最大75%が支給されます。学習形式は場所を問わず学べるeラーニング。会場受講と同等のクオリティなので、動画学習は初めてという方も安心です。
CAD講習で活用できる個人・法人向け助成金
では、CAD講習で活用できる主な助成金を、個人向けと法人向けの2種類ご紹介します。
個人向け:教育訓練給付金
教育訓練給付金は、雇用保険の被保険者、または離職者がCADの指定講座を受講すると、最大80%の受講費が支給される助成金制度です。
なお、助成金の対象となるCADの指定講座はエリアによって若干異なり、現在(2026年5月16日)大阪府では「ヒューマンアカデミー:建築CAD総合コース」など9件の講座が助成金の対象でした。
教育訓練給付金の基本情報
まずは、個人向けのCAD講習に使える助成金・教育訓練給付金の基本情報から見てみます。
| 項目 | 助成金の内容 |
|---|---|
| 主管省庁 | 厚生労働省 |
| 申請窓口 | ハローワーク |
| 目的 | 個人の学び直し・再就職・キャリア形成を支援 |
| 給付内容 | 受講費の20〜80%を支給(区分により異なる) |
| 対象講座 | 厚生労働大臣が指定した教育訓練講座 |
| 対象者 | 雇用保険加入者(3年以上※特例2年あり)、離職者、65歳以上の雇用保険加入者 |
| 申請期限 | 修了後1ヵ月以内 |
| 注意点 | 専門実践教育訓練給付金は「訓練前キャリアコンサルティング」が必須 |
教育訓練給付金の助成金支給内容
個人向けのCAD講習の助成金「教育訓練給付金」は助成金のコースが3つあり、それぞれCAD講座に対する助成金の支給内容が異なります。
| 区分 | 専門実践教育訓練 | 特定一般教育訓練 | 一般教育訓練 |
|---|---|---|---|
| 目的 |
|
|
|
| 支給率 |
|
|
20% |
| 上限額 | 最大64万円/年 | 最大25万円 | 最大10万円 |
| 給付期間 | 最大3年間 | 1回 | 1回のみ |
参照:【教育訓練給付金対象】大阪府のCAD講座、教育訓練給付金
法人向け:人材開発支援助成金
続いて、法人向けのCAD講座で使える助成金をお伝えしましょう。法人向けのCAD講座では人材開発支援助成金が使えます。人材開発支援助成金が定める対象訓練の要件には以下の3つが明記されており、CAD講座の受講を目指す企業の目的にも合致しています。
- 新分野展開に必要な技能
- DX化・グリーン・カーボンニュートラル化に必要な技能
- 今後従事が予定される職務に必要な技能
この人材開発支援助成金は、企業が従業員に専門的な知識・技能(CAD操作など)を習得させるために行う職業訓練に対し、訓練費用や訓練中の賃金の一部を国(厚生労働省)が支援する助成金です。
人材開発支援助成金は7つのコースがあり、このうち法人のCAD研修・講習に最も適している助成金は「事業展開等リスキリング支援コース」です。
事業展開等リスキリング支援コースの基本情報
まずは、CAD講習でおすすめの助成金「事業展開等リスキリング支援コース」について、助成金の目的や対象者などで具体的に確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主管省庁 | 厚生労働省 |
| 対象事業主 | 雇用保険適用事業所の事業主 |
| 対象労働者 | 雇用保険の被保険者 |
| 制度の目的 | 従業員の人材育成・スキルアップを支援 |
| 助成内容 | 訓練経費の一部+訓練中の賃金の一部を助成 |
| 訓練の要件 |
|
| 訓練方法の注意点 | eラーニング・通信制は経費助成のみ(賃金助成なし) |
| 年間の助成上限 | 1事業所あたり1億円(1年あたり) |
事業展開等リスキリング支援コースの助成金支給内容
続いて、事業展開等リスキリング支援コースの助成金の支給内容をお伝えします。
| 項目 | 中小企業 | 大企業 |
|---|---|---|
| 経費助成率 | 75% | 60% |
| 賃金助成(1人1時間) | 1,000円 | 500円 |
| 設備投資加算 | 50% | 対象外 |
| 経費助成限度額(10〜100時間未満) | 30万円 | 20万円 |
| 経費助成限度額(100〜200時間未満) | 40万円 | 25万円 |
| 経費助成限度額(200時間以上) | 50万円 | 30万円 |
助成金でAutoCADの基礎から自動化まで習得しよう!
AutoCAD基礎&自動化セミナー【助成金対応】は、CADソフトで圧倒的シェアを誇る・AutoCADに特化した短期集中型のセミナーです。CAD講座におすすめの「事業展開等リスキリング支援コース」の助成金支給対象で、条件を満たすことで研修費用の最大75%が助成されます。
1年間いつでも学べるeラーニングプラン
本講座は約12時間のeラーニングで構成されており、会場受講と同等の内容を1年間いつでも視聴できるお得なプランです。カリキュラムは、AutoCADの基礎操作から図面作成の自動化、Excel連携まで、実務で役立つ最新スキルを網羅しています。
ATC認定・日本No.1の実績で安心の学習環境
さらに、オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)として公式に認定されており、ATCの受講者数は2年連続で日本No.1。受講後にはAutodesk社の修了証が発行されるため、「助成金で信頼性の高いCAD講座を利用したい」という企業様も安心してご利用いただけます。
助成金と併用できるIT導入補助金とは?
助成金と併用できるIT導入補助金とは、デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)のことです。
この補助金は、ITツールを導入する中小企業・小規模事業者が対象で、DX化に必要な「ソフト+ハード+クラウド」の費用をまとめて支援します。業務で使うCADソフトも対象に含まれます。
デジタル化・AI導入補助金2026の補助率・補助額
デジタル化・AI導入補助金2026には5つの申請枠があり、このうち「インボイス枠」を利用すると、会計ソフトなどの導入とあわせて、パソコンやタブレットの購入費用まで補助されます。
各申請枠の対象者、補助率、補助額は以下の表をご参照ください。
| 補助枠 | 対象 | 最大補助率 | 最大補助額 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | ソフトウェア、クラウド利用料 | 2/3 | 450万円 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | ソフトウェア、PC、レジなど | 4/5 | 350万円 |
| インボイス枠(電子取引類型) | 受発注ソフト | 2/3 | 350万円 |
| セキュリティ対策推進枠 | セキュリティサービス | 2/3以内 | 50万円 |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 会計・受発注・決済ソフト等 | 4/5 | 3,000万円 |
デジタル化・AI導入補助金対象CADソフト一覧
デジタル化・AI導入補助金2026では、様々なITツールが対象とされており、CADソフトは現在256件のツールが対象となっています。ここでは、この中から建築・製造業でよく使われているCADツールを一覧でご紹介します。
| CAD名 | 主な用途 | 対象業種 | 登録価格 |
|---|---|---|---|
| AutoCAD 1年プラン | 汎用2D/3D | 建築・製造 | 71,000円 |
| iCAD SX V8 3D2D設計(PRO) | 超高速3D設計 | 製造業 | 1,848,000円 |
| 武蔵 建設CAD | 施工管理・図面 | 建設・土木 | 288,000円 |
| BricsCAD BIM | AutoCAD互換・BIM | 建築・建設 | 293,475円 |
| CADWe’ll Tfas | 電気・空調・給排水 | 建築設備 | 1,450,000円 |
| CADEWA SMART | フル3次元CAD | 建築設備 | 1,400,000円 |
| Archicad Studio 12ヶ月 | 建築意匠・BIM | 建築・デザイン | 357,000円 |
| RIKCAD | 外構・造園・エクステリア | 建築 | 1,280,000円 |
| CADSUPER 2026 | 国産・機械設計2D | 製造業 | 680,000円 |
| dracad 2025 | 汎用設計支援 | 建築 | 240,000円 |
CADの講習で助成金を使うメリット・デメリット
CAD講習で助成金を利用する際には、やはりメリット・デメリットがあります。ここでは、上記のCADで使える助成金の内容をもとにまとめてみました。
| 種類 | CAD講習で助成金を利用するメリット | CAD講習で助成金を利用するデメリット |
|---|---|---|
| 個人 |
|
|
| 法人 |
|
|
なお、CAD講習で助成金を利用するデメリットの一つ・eラーニング・通信制の「賃金助成なし」ですが、これは「自由なスタイルで学べ、スキマ時間を活用できる(=業務時間を縛らない)」からこその仕組みです。
業務の手を止めることなくいつでも学べるeラーニングは、多忙な建築業・製造業の企業様にとって、非常に取り入れやすい人材育成方法といえるでしょう。
CAD講習で助成金を使うための手順4ステップ
続いて、CAD講習で助成金を使う際の申請手順をご紹介しましょう。ここでは、人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」を参考に4ステップでお伝えします。
- 訓練計画を作成して提出する
- CAD講習を実施する
- 受講費用を企業が支払う
- 訓練終了後に支給申請を行う
Step1. 訓練計画を作成して提出する
まずは、事業内職業能力開発計画に基づき、訓練計画を作成しましょう。主な提出書類は、
- 職業訓練実施計画届
- 事業展開等実施計画
- 対象労働者一覧
などです。これらを訓練開始日の6ヵ月前〜1ヵ月前までに、最寄りの労働局へ提出します。
Step2. CAD講習を実施する
申請後は、提出した計画に沿って訓練(CAD講習)を実施します。受講中は、出席記録を残し、受講状況がわかるようにしてください。
Step3. 受講費用を企業が支払う
続いて、受講費用を払いましょう。助成金は後払い方式のため、CAD講習費用はいったん企業が全額を支払います。支給申請時に必要となるため、振込通知書などの支払い通知書を必ず保管してください。
Step4. 訓練終了後に支給申請を行う
最後は、訓練終了日の翌日から2ヵ月以内に、以下の書類を労働局へ提出します。
- 支給申請書
- 賃金助成の内訳書
- OFF-JT実施状況報告書
- 雇用契約書の写し(労働条件の確認)
- 受講費用の支払い証明書(振込通知書など)
- 出勤簿・タイムカード・賃金台帳の写し
なお、各都道府県労働局の助成金申請窓口は「助成金のお問い合わせ先・申請先|厚生労働省」をご参照ください。
参照:事業展開等リスキリング支援コース「助成金受給のための手続きの流れ」
CADの講習の助成金に関するよくある質問
CADの講習の助成金を利用するにあたり、企業の担当者様からは以下のような質問が多く寄せられます。ここでは、「事業展開等リスキリング支援コース」のよくある質問を参考にお伝えしましょう。
助成金申請手続き、助成金利用の計画変更の際の一助としてぜひお役立てください。
CADの助成金についてまとめ
CAD講習に利用できる助成金は、研修や講習の費用負担を軽減できるお得な制度です。特に小規模事業者・中小企業への優遇措置があるため、「CADを活用したDX化はコスト面がネックだった」という課題解決にも有効です。
ただし、どのCAD講習も助成金の対象というわけではないので、事前に十分リサーチして助成金を受けられるかを確認しておきましょう。