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超分かりやすい!CADとCAMとCAEの違いとは?おすすめソフトや全て使えるソフトも紹介

コンピュータによる設計加工に関するソフトウェアには、CADとCAM・CAEの3通りがありますが、このソフトたちはそれぞれ異なる機能を持っています。
では、具体的にCADとCAMとCAEはどういった機能を持ちどのような目的で使用するのかを、おすすめのソフトウェアと共に確認していきましょう。

CAD・CAM・CAEの違い

CAD・CAM・CAEはソフトの種類となり、この3つは全く違う機能のソフトとなります。
簡単に説明するとCADは設計図を書くソフトで、CAMは設計図から素材を切削するための指示ソフト、CAEは実際の商品や設計図を解析するソフトです。

それぞれ機能が全く違うので、下記で詳しい内容を見て自分はどのソフトを導入したいのか確認していきましょう。

コンピュータでの設計に使用するCAD

コンピュータでの設計に使用するCAD

CADは、コンピュータ上で設計を行うためのツールで、Computer Aided Designの略です。マウスによる線引きやキーボードでのコマンド入力などによって、効率的に製図を行うことができます。
それまで紙に手書きで行っていた製図では、修正や分担などが大変です。
そこへCADが登場したことによって、そうした作業が非常に楽になりました。
基本的な設計はひとつのソフトの中で完結し、設計図はデータ形式として完成します。そのデータはメールへの添付やクラウドの保存などによって、複数人で共有することも可能です。
そのため、設計の工程ごとに分担することも不可能ではありません。

そのCADには平面での製図を行うための2DCADと、立体的な設計が可能な3CADの2通りに分かれます。
従来の紙の製図をコンピュータ内で行う場合は2DCAD、そのまま加工で使用する立体モデルを作成するのであれば3DCADを使用します。
また、CADのソフトウェアは種類が豊富で、幅広い分野で使用できる汎用性の高いものの他に、建築や土木など専門分野に特化したものもあります。

CADについては下記記事でもっと詳しく説明しています。

【2022年】CADとは?初心者にも分かりやすいようにCADの種類やおすすめのCADを徹底解説

工作機械に必要なプログラムを作るCAM

CAMは、Computer Aided Manufacturingの略で、主に旋盤加工機などの工作機械で必要なプログラムを作り出すためのツールです。
CADで作成した設計図データを、工作機械ように変換させるために使用します。CADに対応している工作機械では、設計図を元に機械を動かし、図面通りの製品を作り上げることが可能です。
しかし、CADの設計図データをそのまま工作機械に送っただけでは、加工はできません。
CADの図面データを元に、工作機械用を動かす数値制御プログラムを作る必要があります。その、図面データから数値制御プログラムを作成することが、CAMの役割です。

CADで作った設計図は、効率の良さを維持するために、工作機械に送るのが基本です。CADのデータを元に、手作業で加工を行うことはまずありません。
そのため、工作機械を動かすのに欠かせないCAMは、CADを用いた製造にほぼ必須のツールです。したがって、CADとCAMをひとまとめにしてあるソフトも珍しくはありません。
そしてCAMのソフトウェアにも、CADと同じように2Dと3Dの2種類があります。
平面の素材から切り出し作業だけを行うのであれば2DCAMを使用し、複数軸を使用した立体的な加工では3DCAMを用います。

CAMについてまだよく分からなかった方はこちらの記事も参考にしてください。

CAMとは?CAMソフトの選び方や使い方を初心者向けに徹底解説

コンピュータ上でシミュレーションを行うためのCAE

CAEは、Computer Aided Engineeringの略で、CADで作成した設計図に問題がないかを解析できるツールです。
製造業界では、製品に問題がないか、求められている品質を実現できるかどうかを確かめるために、テストをしなければなりません。
CAEを使用すると、そのテストをコンピュータ内で行えます。従来の方法であれば、試作品をいくつか作って、実際に環境を用意した上でテストをしなければなりません。
けれど、CAEを使用すれば、コンピュータ内で条件を設定することで、実際にテストをした場合とほぼ同等のシミュレーションが可能です。
そして、シミュレーションで問題点が見つかった場合は、どこを改善すべきなのかがわかります。
そのように、試作品を用意することなく、全てのテストをコンピュータ内で完結させられるのが、CAEの強みです。

CAEにはいくつもの種類があり、代表的なのは、力が加わった際に設計したものがどう変化するのかを確かめる構造解析や、熱が加えられた時に、その熱がどのように伝わるのかを確認する伝熱解析などです。
その他にも音響解析や電磁波解析など、種類は非常に豊富です。対応しているソフトも異なるため、必要に応じて使い分けることになります。
CADで作った設計図をCAEによって解析し、それで問題がなければCAMを使用して工作機械にデータを送り、実際に製造をするというのが一連の流れです。

CAEとは?CADデータを解析する方法やおすすめCAEソフトを徹底解説!

CAD・CAM・CAEそれぞれのおすすめソフト

CAD・CAM・CAEそれぞれのおすすめソフト

それではCAD・CAM・CAEそれぞれのおすすめソフトを紹介していきます。

CADのおすすめソフト AutoCAD

CADソフトは非常に数多くの種類がありますが、その中でも高いシェア率を誇るのが、オートデスク株式会社の「AutoCAD」です。業務用として活用されることが多いCADソフトウェアで、幅広い分野での設計に対応することできます。分野ごとに用意されたツールも豊富なので、特定の分野専用CADとして使用することも不可能ではありません。2Dと3Dの両方のCADでの設計ができ、AutoCADさえあればひと通りの作図が可能です。また、コマンドの種類が豊富なのも特徴で、コマンドを使いこなせるようになる学習は必要ですが、使いこなせれば、非常に効率的な作図が実現できます。

そして、シェア率が高いということは、使用する人が多いということでもあります。そのため、分担での作図をしたり、データの確認をしたりする相手が、AutoCADを保有している可能性が高いです。もし、相手がAutoCADを保有していれば、手元にあるAutoCADで作成した図面を渡す際にも、相手に合わせてデータを変換させる必要がありません。

CAMのおすすめソフト FFCAM

CAMソフトでおすすめなのは、牧野フライス製作所が独自開発した「FFCAM」です。工作機械メーカーが手掛けているのが特徴の3DCADで、世界中で使用されています。
メーカーとして培ってきたデータを、CAM用のデータベースとして使用しているという強みがあります。
使用を想定している材料は幅広く、加工内容と合わせて条件を細かく設定できます。5軸に対応した加工で、複雑な設計でも高い精度で仕上げられます。

また、簡単に操作ができるように工夫してある点も特徴で、CADデータから工作機械用のプログラムを作る工程がシンプルです。
基本的な加工にはあらかじめテンプレートが用意されていて、それをドラッグとドロップによってコピーし、少し手を加えるだけで容易にプログラムが作成できます。

CAEのおすすめソフト Ansys Mechanical

CAEソフトで代表的なのは、ANSYS社の「Ansys Mechanical」です。CAEの内、構造解析と電熱解析が行えるソフトで、その2種類の解析であればひと通りに対応しています。
そして、基本的な機能を備えたProの他、対応できる材料や解析方法の範囲が広がる、PremiumとEnterpriseという、複数のパッケージが用意してあるのが特徴です。
ただ、標準のProでも対応できる解析は充実していて、基本的な解析の他、疲労解析の機能や形状最適化なども、上位パッケージを選択しなくても利用可能です。
PremiumやEnterpriseは、ビーム解析を行ったり、複合材を使用したりするような、特殊かつ高度なシミュレーションを行うために使用します。

CAD・CAM・CAEにおすすめのソフト Fusion 360

CADとCAM、CAEは、それぞれ独立したソフトが多いですが、中には3つ全ての機能を備えているものもあります。それが、オートデスク株式会社が作っている「Fusion 360」です。
同じオートデスク株式会社が手掛けている「AutoCAD」は、幅広い分野で使用する汎用タイプです。それに対して「Fusion 360」は、工業製品の製造に特化しているのが特徴です。
そのため、工業製品を作るために必要な機能は、ひと通り備わっています。CAD機能での設計を行ったら、そのままCAEで解析に移り、CAMで工作機械用のプログラムを作るという一連の流れが、ひとつのソフトで完結できます。
それぞれの機能を移行する際に、データを変換させる必要がありません。

そして、クラウドタイプであるという特徴を持ち、インターネットを通じて更新する形です。そのため、常に新しい状態で使用することができます。
また、クラウドはデータのやり取りのためにも使えて、同じソフトを利用する人同士での連携もしやすいです。
そのような強みがあるため、個人と法人を問わず、幅広いところで使用されています。

CAD・CAM・CAEについてまとめ

今回紹介したようにCADとCAM・CAEはそれぞれ異なる特徴を持っており、全く違う機能のソフトウェアになります。
そして、CAD・CAM・CAEを全てを使いこなすと効率的な設計と製造が行えます。
CAEによるシミュレーションの精度が高ければ、何度も試作を繰り返す必要もありません。
このようにCAD・CAM・CAEの特徴をそれぞれしっかり理解して、どのソフトが自分に必要なのか吟味していきましょう。

CADとCAMとCAEの違いとは?おすすめソフトや全て使えるソフトも紹介
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