UnityのUI(User Interface)は、ゲームやアプリの操作画面を直感的にデザインしたり、実装できたりする強力なツールです。Unityをはじめて利用するとき、このUIで混乱する方も多いでしょう。
UnityのUIは、ゲームやアプリの操作画面を直感的にデザイン実装できるシステムで、ボタンやテキスト・画像・スライダーなどさまざまなUI要素を自由に配置し、ゲームやアプリの操作性を高められます。
本記事では、UnityのUIをわかりやすく理解するために初歩的なことから上手く操作するコツまでを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
UnityのUIとは
UnityのUIとは、Unityでゲームやアプリを開発するときに、操作画面や各種ボタン・スコア画面などを直感的にデザインして実装できる追加パッケージと考えると理解しやすいでしょう。
UnityのUIを使わずに、コマンドラインツールを使ってこれらの要素を実装できないわけではありません。一般的には、ゲームやアプリを作成する場合は、UIを使用することを強く推奨します。
UIを使うことで、ゲームやアプリをより完成度の高いものにできます。またUnityには、さまざまなUI要素や機能が用意されているため、これらの要素や機能をうまく活用することで、直感的で使いやすいUIを作成できるでしょう。
ここからは、そんなUnityのUIの特徴をいくつか紹介します。
ゲームやアプリ開発を加速するUnity UIの特徴
Unity UIの特徴は次のとおりです。凝ったゲームやアプリの機能を簡単に実装できるため、ぜひUnityのUIを使いこなしてみてください。
①豊富なUI要素 | UI要素がパッケージで用意されている ・ボタン ・テキスト ・画像 ・スライダー ・ドロップダウンリスト ・スクロールバー ・プログレスバーなど |
②柔軟なレイアウト | レイアウトを使用してUI要素を自在に配置できる ・グリッドレイアウト ・アンカーレイアウト ・スプリングレイアウトなど |
③アニメーション機能 | ボタンを押したときに色が変わったり、スライダーが滑らかに動いたりするようなアニメーションを簡単に作成できる |
④インタラクション機能 | ボタンを押したときに別のシーンに遷移したり、スライダーの値をデータベースに保存したりするようなオリジナルインタラクションを設定できる |
⑤プレハブ機能 | よく使用するUI要素をまとめて保存しておけるテンプレートで、同じUI要素を何度も作成する手間を省ける |
⑥スクリプト | UI要素の挙動を制御するプログラム ボタンを押したときに別のシーンに遷移したり、スライダーの値をデータベースに保存したりするような処理をスクリプトで記述できる |
UnityのUIを徹底解説、導入から実践テクニックまで
ここではでUnityのUIを実際に使用する際の導入方法や実践テクニックを各ステップごとに解説していきます。
Unity UIの導入方法
Unity UIを使用するには、以下の手順が必要です。
①Unityをインストールする
Unity公式サイト (https://unity.com/download) から、個人利用の場合は「Personal」、商用利用の場合は「Plus」または「Pro」を選択します。
ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってUnityをインストールしてください。
②UIパッケージをインストールする
Unityを起動し、新規プロジェクトを作成します。インストール方法は下記のとおりです。
- 左側のメニューバーから「Window」 > Package Managerを選択する
- 検索バーに「UI」と入力して検索し、検索結果から「UI Toolkit」と「UGUI」の2つのパッケージを選択する
- 「Install」ボタンをクリックして、パッケージをインストールする
③Canvasを作成する
Canvasを作成方法は次のとおりです。
- Hierarchyウィンドウで右クリックし、「UI」 > Canvasを選択する
- SceneウィンドウにCanvasが作成する
④UI要素を作成する
UI要素の作成は次のとおりです。
- Canvasを右クリックし、「UI」から作成したいUI要素を選択する(例えば、ボタンを作成したい場合は「Button」を選択する)
- SceneウィンドウにUI要素が作成される
UI要素のプロパティを編集する
Inspectorウィンドウで、作成したUI要素のプロパティを編集できます。
例えば、ボタンのプロパティを編集すると、ボタンのテキスト、色、サイズなどを変更できます。
Unity UIの基本操作
Unity UIの基本操作は以下の通りです。
①UI要素の選択 | ・HierarchyウィンドウでUI要素をクリック ・SceneウィンドウでUI要素をクリック |
②UI要素のプロパティの編集 | ・InspectorウィンドウでUI要素を選択してプロパティを編集 |
③UI要素の移動 | ・SceneウィンドウでUI要素をドラッグ |
④UI要素の回転 | ・SceneウィンドウでUI要素を右クリックし、「回転」を選択 ・マウスホイールで回転 |
⑤UI要素の拡大縮小 | ・SceneウィンドウでUI要素を右クリックし、「スケール」を選択 ・マウスホイールで拡大縮小します |
⑥レイアウトの調整 | ・レイアウトコンポーネントを使用してレイアウトを調整 ・Rect Transformを使用してUI要素の位置とサイズを調整 |
⑦アニメーションの設定 | ・Animationコンポーネントを使用してアニメーションを作成し、タイムラインを使用してアニメーションのタイミングを調整します。 |
⑧インタラクションの設定 | ・Event Systemを使用してインタラクションを設定 ・スクリプトを使用してインタラクションの処理を記述 |
以上8つの基本操作を覚えることで直感的なUI作成ができるようになるでしょう。
Unity UIの実践テクニック
Unity UIには、さまざまな実践テクニックがあり、Unity UIは、高度なUIカスタマイズにも対応しています。
シェーダーやマテリアル・マスク・レイヤーなどを活用することで、より複雑で美しいUIを作成もできますのでぜひ挑戦してみてください。
ここでは、その中でも特に役立つ実践的なテクニックをいくつか紹介します。
①UIプレハブを活用する
UIプレハブは、よく使用するUI要素をまとめて保存しておけるテンプレートです。
プレハブを使うことで、同じUI要素を何度も作成する手間を省けます。
プレハブの使い方は次のとおりです。
- 作成したいUI要素を配置する
- HierarchyウィンドウでUI要素を右クリックし、「UI」 > As Prefabを選択する
- プレハブの名前を入力して、「Save」ボタンをクリックする
- プレハブを使用したい場所にドラッグドロップする
プレハブを使うと、同じUI要素を何度も作成する手間を省けるだけでなく、UIの一貫性を保ち変更もまとめて行えます。
②UIマスクを活用する
UIマスクは、UI要素の一部を切り抜いたり、隠したりする機能です。
複雑なUIレイアウトを作成する際に役立ちます。
UIマスクの使い方は次のとおりです。
- マスクしたいUI要素の上に、マスク用のUI要素を作成する
- マスク用のUI要素に「Mask」コンポーネントを追加する
- マスク用のUI要素のプロパティで、「Shape」を「Rectangle」などに設定する
- マスクしたいUI要素をマスク用のUI要素の子要素にする
UIマスクを使うことで、複雑なUIレイアウトを作成し、UIのパフォーマンスを向上させやすくなるでしょう。
③スクリプトを活用する
スクリプトは、UI要素の挙動を制御するプログラムです。
ボタンを押したときに別のシーンに遷移したり、スライダーの値をデータベースに保存したりするような処理をスクリプトで記述できます。
スクリプトの使い方は次のとおりです。
- C#スクリプトファイルを作成する
- スクリプトファイルに、UI要素の挙動を制御するコードを記述する
- HierarchyウィンドウでUI要素を選択し、「Add Component」 > Scriptを選択する
- 作成したスクリプトファイルを選択する
スクリプトを使うことでUI要素の挙動を自由に制御し、複雑なUIを実装できます。
④アニメーションを活用する
アニメーションは、UI要素に動きを与える機能です。
ボタンを押したときに色が変わったり、スライダーが滑らかに動いたりするようなアニメーションを作成できます。
アニメーションの使い方は次のとおりです。
- Animationコンポーネントを追加する
- アニメーションウィンドウを開き、アニメーションを作成する
- アニメーションのプロパティで、アニメーションのタイミングや動きを設定する
アニメーションを使うとUIをより魅力的にすると同時にユーザーの操作をわかりやすくします。
⑤レイアウトコンポーネントを活用
レイアウトコンポーネントは、UI要素を自動的に配置する機能です。
グリッドレイアウト、アンカーレイアウト、スプリングレイアウトなど、さまざまなレイアウトコンポーネントが用意されています。
レイアウトコンポーネントの使い方は次のとおりです。
- UI要素にレイアウトコンポーネントを追加する
- レイアウトコンポーネントのプロパティで、レイアウト方法を設定する
レイアウトコンポーネントを使うとUIレイアウトを簡単に作成でき、UIレイアウトを動的に変更できるようになります。
Unityを上手く操作するコツ
UnityのUIを上手く操作するには、いくつかのコツがあります。
迷ったり躓いたりした場合や、もっとスムーズに操作できるようになりたい場合は以下のことを参考にしてみてください。
①公式ドキュメントやチュートリアルを参照する
Unityの公式ドキュメントには、UIに関する詳細な情報が掲載されています。
チュートリアル動画も用意されているので、初心者でも安心して学習できます。
②サンプルプロジェクトを活用する
Unityには、さまざまなサンプルプロジェクトが用意されています。
サンプルプロジェクトを参考に、自分のプロジェクトにUIを実装してみましょう。
③コミュニティを活用する
Unityには、活発なコミュニティがあります。
コミュニティフォーラムやSNSで質問すれば、他のユーザーからアドバイスを受けられます。
④ショートカットキーを活用する
Unityには、様々なショートカットキーが用意されています。
ショートカットキーを活用することで、操作を効率化できます。
⑤自分に合ったエディタ設定を見つける
Unityのエディタ設定は、自由にカスタマイズできます。
自分に合ったエディタ設定を見つけることで、操作性を向上できます。
⑥焦らずゆっくりと学ぶ
Unityは奥深いツールです。
全てを一度に理解しようとするのではなく、焦らずゆっくりと学ぶことが大切です。
⑦楽しみながら学びましょう
Unityは、ゲームやアプリ開発という楽しい目的で使用できます。
楽しみながら学ぶことで、モチベーションを維持しましょう。
UnityのUIについてまとめ
今回紹介したUnityのUIは、ゲームやアプリの操作画面を直感的にデザイン、実装するための必須のツールといえるでしょう。
操作方法は基本的にはシンプルで難しいことはほとんどありませんので、基本的なことを理解できたら、あとは実際に操作してみることをおすすめします。
ぜひ、本記事を参考に、UnityのUIを使いこなして、高品質なゲームやアプリを作成してください。
