「BricsCADを使いたいけれど、どのように学べば効率的にスキルを身につけられるのか分からない」「独学だけでは不安」と悩む方は多いのではないでしょうか。
建築や製造の分野で求められるCADスキルは専門性が高く、自己流では習得に時間がかかったり、実務で通用しない知識になってしまうリスクもあります。
そこで本記事では、BricsCADを学びたい方に向けておすすめの講習を紹介するとともに、講習を選ぶ際のポイントや独学で習得する方法についても詳しく解説します。BricsCADを短期間で効率よく学びたい方はぜひ参考にしてください。
BricsCADとは
出典：Bricsys
BricsCADは、ベルギーのBricsys社が開発するDWG互換の統合型CADです。AutoCADと同じDWG形式のファイルを直接扱えることから、従来AutoCADで作成したデータをそのまま利用できます。
BricsCADの特徴は、従来の2D設計と3D設計、BIMモデルを同一環境でシームレスに扱える点です。AutoCADからの移行を考えるかたは、既存の資産を活かしつつ新しいワークフローへ拡張できるのが魅力です。
BricsCADのプラン
BricsCADは用途別に5製品を用意しており、各製品には以下のような機能が含まれます。
| 製品名 | 主な機能 | 備考 |
|---|---|---|
| Lite | 2D作図、2D拘束、図面拡張、LISP対応 | AutoCAD LTに近い2D専用エディション |
| Pro | Liteの機能＋3Dモデリング、ダイレクトモデリング、API拡張、アセンブリ | 汎用3Dモデリングやアプリ開発に対応した標準版 |
| Mechanical | Proの機能＋板金設計、3D機械設計向け拡張機能 | 機械設計向けの機能が豊富 |
| BIM | Proの機能＋BIMモデリング、IFC対応 | BIMプラットフォームを備え、BIMデータのインポート・エクスポートが可能 |
| Ultimate | Pro、Mechanical、BIMの全機能を統合 | 総合エディションで、機械・建築・BIMをすべてカバー |
5つの製品から最適なものを選びましょう。
BricsCADの料金
BricsCADはサブスクリプションと永久ライセンスの二種類を提供しており、ライセンス体系が選択できることも魅力の1つです。
長期利用の場合は買い切り型がコスト面でおすすめです。またLite・Proは5本単位のネットワークライセンスや3年契約のプランも用意されており、大規模な企業導入にも対応しています。
しかし、「BricsCADをできるだけお得に導入したい」「自社に合ったライセンスの種類が分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。利用人数や使用期間、必要な機能によって最適なプランは変わりますので、迷ったときは専門家に相談するのがおすすめです。以下のリンクから無料で見積もり依頼が可能ですので、コストや導入形態に不安がある方も、ぜひお気軽にご相談ください。
BricsCADの講習を受講するメリット
「BricsCADの講習を受講するか検討している」という方は、メリットを把握しておきましょう。
- BricsCAD独自の強みを効率的に習得できる
- BIM・3D設計への拡張がスムーズにできる
- モチベーションを維持しやすい
①BricsCAD独自の強みを効率的に習得できる
BricsCADはAutoCADと同じDWG互換を備える一方、独自のコマンドやワークフローが数多く存在します。
例えば、2D図形や3Dモデルを自動でブロックに変換する「Blockify」コマンドや、既存モデルから自動でBIMオブジェクトを生成する「BIMify」など、作図効率を向上させる機能があります。
こうした機能は独学でも習得できますが、講習であれば短期間でポイントを押さえられます。また、BricsCADはLISPやAPIによりカスタマイズが可能であり、講習では実務に即したカスタムメニューの構築方法も学べるケースがあります。
②BIM・3D設計への拡張がスムーズにできる
BricsCADは、基本の2D図面作成だけでなく、Pro以上になると3DモデリングやBIMの作成にも対応しています。特にBIMエディションでは、建築業界でよく使われる「IFC形式」のデータを読み込んだり、書き出したりできる機能も備わっています。
講習では、最初に2Dの操作を学んだ後、3DやBIMにステップアップする流れを体系的に教えてくれるので、初めから以下の流れを意識して学習が可能です。
- 図面から学習を始める
- 立体モデルへとステップアップする
- 最終的にBIMモデルへ発展させる
建築や設計の現場では、紙の図面から3Dモデルを作り、そのままBIMへと発展させる業務が増えているため、講習で流れを習得すればプロジェクト全体の効率化や品質向上が期待できるでしょう。
③モチベーションを維持しやすい
独学は自分のペースで進められる一方で、途中で挫折してしまう人が多いのが現実です。BricsCADの講習では、講師や他の受講者と一緒に決められたカリキュラムを進めるため、自然と学習のリズムを保ちやすいのがメリットです。
オンライン講習でも、質問フォーラムやチャット機能を活用して疑問をすぐに解決できることが多く、安心して学べるでしょう。一人でつまずいてしまうような部分も、モチベーションを維持しながらスキルを習得できます。
以下の記事では、BricsCADの製図方法について紹介しています。講習の受講ではなく、まずは独学を試したいという方はあわせてご覧ください。
BricsCAD講習の選び方
BricsCAD講習を選ぶ際は以下3つのポイントを意識しましょう。
- AutoCADとの違いについても教えてくれるか
- BricsCADの便利機能まで学べるか
- 実務に直結する内容か
①AutoCADとの違いについても教えてくれるか
BricsCADはAutoCADと同じ「DWG形式」のファイルを扱えるため、AutoCADからの移行を検討しているユーザーも多いです。しかし、実際に使ってみると「ショートカットキーが微妙に違う」「独自のコマンドに慣れない」といった壁にぶつかることがあります。
そのため、講習を選ぶときには「AutoCADとBricsCADを比較しながら解説してくれるか」を必ず確認しましょう。両ソフトの違いや互換性を講師が実務経験を交えて説明してくれると、スムーズにBricsCADを業務に取り入れやすくなります。
②BricsCADの便利機能まで学べるか
BricsCADには、AutoCADにはない独自の便利な機能が数多く搭載されています。代表的なものが「Blockify」や「BIMify」です。
| 機能名 | 概要 | 活用シーン・メリット |
|---|---|---|
| Blockify | 似た図形を自動でブロック化する機能 | 大量の図面を扱うときに作業効率を大幅に改善できる |
| BIMify | 通常の3DモデルをBIMモデルへ変換する機能 | 建築設計でBIMデータを活用する際に必須。モデル変換がスムーズに行える |
講習を選ぶ際には「BricsCAD独自の機能までカバーしているか」を確認するのが大切です。実際に操作しながら学べる講習であれば、効率的に習得でき、業務にすぐ活かせるスキルになります。
③実務に直結する内容か
BricsCADの操作方法を知るだけでは、実際の仕事で活用するのは難しい場合があります。たとえば、設計事務所や製造業の現場では、単に図面を描くだけでなく「図面データの管理」「他部署との情報共有」「BIMとの連携」など、実務に沿った使い方が求められます。
そのため、講習を選ぶ際には「実務を想定した課題を取り入れているか」に注目しましょう。図面管理やBIMデータの活用方法、カスタムツールの作成方法など、日常業務に直結する内容を学べる講習は実用性が高いです。
おすすめのBricsCAD講習
ここまでBricsCAD講習を受講するメリットや選び方について紹介しましたが、どの講習を選べばいいかわからないという方も多いでしょう。そこでおすすめなのが「BricsCAD基礎セミナー講習」です。
BricsCAD基礎セミナー講習は、未経験者でも安心して参加でき、短期間で2DCADの基本から応用操作までを体系的に学べるのが特徴です。
講義では画面操作や初期設定に始まり、図形の作成・編集、注釈の追加、レイアウト設定やテンプレートの活用、外部参照によるデータ管理まで、実務で欠かせない内容を網羅的に扱います。
受講後には全218ページにわたるオリジナル教材が配布されるので、復習や日常業務にも活用可能。短期集中で効率よくスキルを高めたい方や、独学では不安を感じている方にとって最適な講習といえるでしょう。
| セミナー名 | BricsCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill（ゲット プロスキル） |
| 価格(税込) | 27,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面（東京・名古屋・大阪）・ライブウェビナー・eラーニング |
BricsCADを独学で習得する方法
「講習を受ける時間がとれない」「できれば自分のペースで学習したい」という方でも、工夫すればBricsCADを独学で習得することは可能です。ここでは効率的に学ぶための3つの方法をご紹介します。
- 公式のチュートリアルを使用する
- 参考書で体系的に学習する
- 図形設計をメインで行う
①公式のチュートリアルを使用する
Bricsysでは公式のオンラインチュートリアルを公開しており、BricsCADを起動したときの「開始タブ」からアクセスできます。動画形式の教材は日本語字幕にも対応しているため、英語が苦手な方でも安心です。
出典：Bricsys
また、BricsysのYouTubeチャンネルには各コマンドの使い方や新機能の解説動画がアップされているので、基本操作を映像で確認しながら学習できます。
②参考書で体系的に学習する
独学の際は参考書を活用するのも効果的です。国内で出版されている数はまだ少ないですが、体系的に学習できる参考書が多いです。
また、AutoCAD向けの製図本でもDWG形式の図面作成に関する基礎は共通しているため、並行して学ぶことで理解を深められるでしょう。ただし、参考書だけで学習すると実務で活用することは難しいです。必ず作図と並行して実施しましょう。
③図形設計をメインで行う
独学で一番大切なのは「実際に手を動かすこと」です。先述した通り、いくら知識をつけても実務で活用できなければ意味がありません。簡単な図形の作成から始め、家具や部品を模した図面、3DモデリングやBIMデータ作成へとステップアップすると良いでしょう。
Web上で配布されているサンプル図面を活用したり、身近な物を測って図面化するなど、工夫すれば練習の幅が広がります。自分で課題を設定し、図面を完成させる経験が大切です。
以下の記事では、BricsCADのオンライン学習サービスについて紹介していますので、あわせてご覧ください。
BricsCADの講習についてのまとめ
本記事では、BricsCADの講習を受講するメリットや選び方を中心に、おすすめのセミナーについても紹介しました。BricsCADのセミナーは初心者向けから上級者向けまで幅広く、自分のレベルに適したものを選ぶ必要があります。
講習を受講する際は、「どのような目的で・どのレベルまで到達したいのか」を必ず決めて受講しましょう。ぜひ、本記事を参考に短期間でBricsCADのスキル・知識を身につけてください。
