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【2025】BricsCADの製図方法とは?コツや参考動画も紹介

BricsCADは、DWGファイルを取り扱うことができる2D/3DCADソフトです。
使いこなすことができれば、様々な製図作業をBricsCAD1本でこなしてしまうことも不可能ではありません。
AutoCADに触れたことがあるならば、BricsCADの基本的な使い方をマスターするまでの時間も長くかかることはないでしょう。

今回は、基本的な間取り図の書き方を通して、BricsCADによる図面の作成方法を解説します。

BricsCADについて

BricsCADは、ベルギーのBRICSYS社が開発したDWG互換CADソフトウェアです。
DWGファイルは、元々Autodesk社がリリースしているAutoCADと、その関連ソフトウェアで使用される独自のファイル形式でしたが、BRICSYS社も所属する非営利組織「Open Design Alliance(ODA)」によって、DWGファイルの読み書きを行うソフトウェアライブラリ「Teigha」が開発され、BricsCADをはじめとするDWG互換CADソフトウェアが続々と登場するようになりました。

BricsCADの大きな特徴のひとつに、AutoCADとの互換性が非常に高いという点があります。
DWGファイルの読み込みや書き出しに対応しているだけでなく、操作性や製図概念などの様々な部分でAutoCADのノウハウを活かすことが可能となっており、AutoCADからの移行をスムーズに行うことが可能です。
そのため、AutoCADの操作に慣れていれば、BricsCADの操作もすぐに理解できるでしょう。

また、BricsCADは、設計に関わる作業の全てをワンプラットフォームで行うことが可能という特徴もあります。
2Dや3Dの図面はもちろん、BIM、機械設計もBricsCADのソフト1本で行うことが可能です。
ただし、3D、BIM、機械設計はそれぞれ対応したライセンスの購入が必要となる点に注意しましょう。

BricsCADのライセンス

ライセンス名価格主な機能
BricsCAD Liteサブスクリプション(1年間)
47,300円(税込)

永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
103,675円(税込)
2D作図機能
2D拘束
図面拡張
BricsCAD Proサブスクリプション(1年間)
66,000円(税込)

永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
157,300円(税込)
Liteの機能
3D機能
ダイレクトモデリング
API拡張機能
アセンブリ機能
3D拘束機能
BricsCAD BIMサブスクリプション(1年間)
138,600円(税込)

永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
307,450円(税込)
Proの機能
BIMモデリング機能
図面拡張
BricsCAD Mechanicalサブスクリプション(1年間)
132,000円(税込)

永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
293,150円(税込)
Proの機能
板金機能
3D機械設計向け拡張機能
BricsCAD Ultimateサブスクリプション(1年間)
150,700円(税込)

永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
336,050円(税込)
Proの機能
BIMの機能
Mechanicalの機能

全ての機能を使用したい場合は、Ultimateライセンスを購入すると良いでしょう。

なお、ライセンスは全て買い切り型となっています。
一度購入すれば、追加の課金は一切行うこと無く半永久的にソフトを使用し続けることが可能です。
定期的にライセンス料を支払い続けるサブスクリプション型を採用しているAutoCADと比較すると、長期的なコストパフォーマンスはBricsCAD側に軍配が上がります。

BricsCADで基本的な間取り図を書くには

BricsCADで基本的な間取り図を書く

BricsCADの操作に慣れるためには、2Dの製図作業を覚えることが大事です。
その点、不動産業者やハウスメーカーが作成する間取り図は、2Dの製図作業の基本を学ぶ上では非常に良い教材となります。
何故ならば、間取り図には製図作業の基本要素が多く含まれているからです。
線の引き方をはじめとして、建具や設備などを表現する図形の配置、円や長方形の描画、文字の入れ方など、間取り図を書くことで製図を行う上で必要な作業を一通り学ぶことができます。

前述した通り、BricsCADは2Dでの製図作業のみならず、3Dでの製図やBIM、機械設計と言った作業も行うことが可能です。
一方で、BricsCADを使用する製図作業は多彩な機能をしっかりと理解する必要がある上に、必要に応じてコマンド入力を行うこともあるため、CADそのものに触れたことがない人にとってはハードルが高いと言えるでしょう。
BricsCADによる2Dにおける製図作業の基本を押さえることは、3Dでの製図や機械設計などより高度な機能を使用する上での下地作りにも繋がるため、今後のステップアップを図るためにも基本は大切です。

既にAutoCADに触れたことがある人には、BricsCADの製図作業を学ぶのに多くの時間は割く必要がないでしょう。
前述したように、BricsCADの操作性や製図概念はAutoCADと多くの面で似通っているため、AutoCADの知識を存分に活かすことができます。
AutoCADで基本的な間取り図を書くことができれば、BricsCADでもすぐに同様の間取り図を書くことができるでしょう。

BricsCADの実際の図面の書き方を解説

それでは実際に図面の書き方を解説していきます。

基準線の引き方

間取り図を書く上で最初に行う作業は、基準線を引くことです。
基準線は図形の基本となる線であり、この線を基にして壁や柱を書き込んだり、建具や設備などを表す図形を配置していくことになります。
製図作業の土台となるため、この作業は欠かさず行いましょう。

BricsCADの製図作業は、画層と呼ばれるレイヤー構造の中で行います。
作成する図形は、現在選択されている画層の中に描画されるため、描画の際には「今どの画層を選択しているか」を常に意識しましょう。
基準線を書く段階ではまだ画層はひとつだけのため、最初の画層に描画していけばOKです。
BricsCADのプロパティバーで「画層」を選択し、図形が選択されていないことを確認した上でドロップダウンリストから引きたい線の線種と色、そして太さをそれぞれ選びましょう。
これが基準線の画層設定となります。

基準線を実際に引くには、ツールバーのポリラインアイコンかポリラインコマンドを実行してプロンプトメニューを開き、「線分」を選択します。
開始点と終点を選択すると、線分を引くことが可能です。
このように基準線を引いていくことで、以降の図面作成をスムーズに進めていくことができるようになります。

柱を立てる

次に、画層を変えて柱を立てていきましょう。
画層は「図面エクスプローラ」の画面で追加することができます。
新規作成ボタンを押すと新しい画層が追加されますので、線種と色、線の太さを改めて選びます。
基準線とは異なる色を選ぶと、以降の作業で基準線とそれ以外の線の区別がつきやすくなります。
画層の名前は「RC画層」としておきましょう。

柱は長方形ツールを使って描画します。
基準線を引いた時と同様に、ツールバーの長方形アイコンか長方形コマンドの実行を行います。
矩形の最初のコーナーとその対角線上のコーナーの2点を指定しましょう。
すると、現在選択されている画層上に長方形が描画されます。
この手順で、半径200mmの柱を一つ作ります。

柱は複数必要になりますが、全ての柱を全て長方形ツールで描画すると時間がかかってしまいます。
2つ目以降の柱は、1つ目の柱をコピー&ペーストして配置していくと良いでしょう。
コピーツールバーの「修正」ボタンを押下するか、コピーコマンドを入力した後にコピーしたい図形を選択します。
プロンプトの指示に従い、基点と2番目の点の座標を入力すると、選択された図形が基点と2番目の点の差分だけ移動する形でコピーが行われます。
後はこの手順を繰り返して、柱を図面上に描画していきましょう。

壁ラインの下書き

柱の描画を終えたら、再び画層の新規作成を行います。
画層名は「補助線画層」としましょう。
ここで行うのは、壁ラインの下書きです。
最初に、基準線をなぞる形で壁ラインの補助線を引いていきます。その後、オフセットコマンドを利用して今引いた線分に並行する線を引いていきます。オフセットコマンドでは元となる線からの距離を指定すると、指定した距離分離れた位置に元となる線に並行になるように同じ長さの線分が引かれます。外壁ラインの厚さを200mm、内壁ラインの厚さを100mmとする場合は、半分の値を距離として指定しましょう。

このようにして、補助線の外側と内側に2本のオフセットを作成した後、最初に引いた中央の補助線を消去すれば、壁ラインの下書きは完了です。図形を消去する場合は、消去したい図形を選択してEraseコマンドを実行すると消去されます。複数の図形を選択すればまとめて削除することが可能ですので、効率よく削除したい場合は複数選択を活用しましょう。

建具と設備の配置

ドアや窓といった建具、トイレやキッチンといった設備を図面上に配置するには「ブロック」を活用します。
ブロックは、よく使用する図形を登録して必要に応じて呼び出すための機能です。
ブロックは単に呼び出して図面上に挿入するだけではなく、状況に応じて編集を加えたり、修正を加えたブロックを再定義することもできます。

まずは下準備として、建具ブロックを配置するための「建具画層」を新たに作成しましょう。
ブロックを挿入するには、Insertコマンドを利用してブロック定義を指定します。
この時、必要に応じて別の図面ファイルからブロックを呼び出すことも可能です。
指定したブロックを図面に挿入するには、ブロックを挿入したい場所の座標とブロックの尺度を指定します。
尺度と座標は後から図面エクスプローラのブロックプロパティで修正することも可能なため、必要に応じて微調整を行いましょう。

設備も建具と同じ手順で配置を行っていきます。
設備は建具とは別に「設備」の画層を新たに作って、そこに配置していくと良いでしょう。
なお、設備の配置の作業については、次に説明する壁ラインの描画の後に行うことをおすすめします。

下書きに沿って壁を書く

「RC画層」を選択して、壁を書いていきましょう。
配置した建具を避けながら、下書きに沿って線分を引いていきます。
その後、柱や他の壁ラインと直交する部分について、トリミングを行う必要があります。
トリミングは境界となる図形を選択してトリムコマンドを実行し、トリミングしたい図形を選択すると境界部分からはみ出た線が消去されます。
これを繰り返して、壁ラインと柱、および壁ライン同士が交差する部分の線を消していきましょう。

また、建具と壁ラインが重なる箇所は、図形の部分削除を行うBREAKコマンドを利用して重なった部分を削除すると良いでしょう。
部分削除を行いたい図形を選択してBREAKコマンドを実行し、始点と終点を指定すると始点と終点の間の線が削除されます。
壁ラインの微調整にも使えますので、BREAKコマンドとトリムコマンドを活用して壁ラインを整えていきましょう。

寸法の入力

BricsCADには、寸法を入力するための「寸法ツール」が用意されています。
間取り図では「長さ寸法」を使用します。
「寸法画層」を新規作成し、寸法記入ツールバーから「長さ寸法」を選択して、寸法作成したい線分、または2本の補助線の基準点をそれぞれ選択します。
すると寸法線が表示されるので、補助線に合わせてクロスヘアを動かし、寸法線の調整を行います。
最後に寸法線を描画する位置を指定して、寸法入力は完了です。

文字情報の入力

最後に、部屋の名称や注釈などを図面内に書き込んでいきます。
「文字画層」を作成したら、テキストコマンドを利用して文字の挿入点と高さ、角度を指定します。
高さと角度に関してはデフォルトのままとしておきましょう。
その後、テキストを入力し、Enterキーを押下すると文字情報が図面上に描画されます。
これで、簡単な間取り図の完成です。

間取り図にはBricsCADの操作の基本が詰まっている

間取り図にはBricsCADの操作の基本が詰まっている

ここまで説明した間取り図の書き方の中には、BricsCADの製図を行う上で基本となる操作が多く存在します。

  • 線分の引き方
  • ブロックの挿入
  • 図形の描画
  • コピー
  • トリミング
  • 部分削除
  • オフセット作成
  • 寸法線とテキストの描画

BricsCADで図面を書く際に最低限必要な内容は全て詰まっています。
今回説明した操作内容をしっかりとマスターするにはセミナー受講が効率的です。セミナー学習でより複雑な製図作業に挑戦してみましょう。

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開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング

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BricsCADは安価で様々な機能が使用できるソフトです。
ライセンスが複数あることから、使用したい機能に合わせて選ぶことができます。
簡単な登録をすれば、ダウンロードと使用開始も容易です。
また、無料体験版を30日間使用することができるため、少しでも気になった方はまずお試しでダウンロードして使い心地を体験してみましょう。

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