新たにCADソフトの導入を検討しており、Bricsys NV社が提供するBricsCADに興味をおもちではないでしょうか。しかし価格体系が複雑で、具体的にいくらかかるのかわからないとお悩みの方もいるでしょう。
そこでこの記事では、BricsCADの価格情報やライフサイクルコストをわかりやすくまとめました。加えて、無料プランの有無や購入方法も解説しているので、購入検討の参考にしてみてください。
BricsCADとは
BricsCAD(ブリックスキャド)は、ベルギーのBricsys NV社が開発・提供する汎用CADソフトです。
高い互換性と柔軟なライセンス体系が魅力の製品であり、DWG形式をネイティブに扱えるため、ほかのCADソフトとの連携や乗り換えにも対応できます。
また、建築設計(BIM)、機械設計(Mechanical)、2D作図(Lite)といった多様な用途に対応するエディションが揃っているのが魅力です。目的に合わせてプランを選べるため、価格コストを抑えつつ最新のワークフローを選択できます。
ライセンス名 価格 主な機能 BricsCAD Lite サブスクリプション(1年間)
47,300円(税込)
永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
103,675円(税込)2D作図機能
2D拘束
図面拡張BricsCAD Pro サブスクリプション(1年間)
66,000円(税込)
永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
157,300円(税込)Liteの機能
3D機能
ダイレクトモデリング
API拡張機能
アセンブリ機能
3D拘束機能BricsCAD BIM サブスクリプション(1年間)
138,600円(税込)
永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
307,450円(税込)Proの機能
BIMモデリング機能
図面拡張BricsCAD Mechanical サブスクリプション(1年間)
132,000円(税込)
永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
293,150円(税込)Proの機能
板金機能
3D機械設計向け拡張機能BricsCAD Ultimate サブスクリプション(1年間)
150,700円(税込)
永久ライセンス(1年間メンテナンス付)
336,050円(税込)Proの機能
BIMの機能
Mechanicalの機能
またBricsCADの概要を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
BricsCADとAutoCADの違い
CADソフトのなかでも人気の高いAutoCADとBricsCADを比較したいと考えていないでしょうか。以下に、2つのソフトの違いをまとめました。
| BricsCAD | AutoCAD | |
|---|---|---|
| 価格体系 | ・サブスクリプション ・永久ライセンス |
・サブスクリプション |
| 対応ファイル形式 | DWGネイティブ対応 | DWGネイティブ対応 |
| 機能の拡張性 | ・BIM ・Mechanical ・AI補助機能 ※同一環境で利用可能 |
CAD関連の作業に強いがBIMについてはAutodeskの別製品が必要 |
| 導入メリット | 長期利用時の低コスト、複数分野を1ソフトで網羅 | 世界的な利用実績、安定したサポート体制 |
AutoCADは大規模組織向けの標準ツールである一方、BricsCADは「価格と機能のバランスを重視する現場」向けのCADソフトです。特に「永久ライセンス」の有無は長期的なコスト試算で大きな差を生むため、予算管理を重視する企業に最適です。
BricsCADの価格プラン(サブスク・永久ライセンス)

BricsCADの価格は、選択するプランによって変化します。
自社に最適なプランを見つける参考として、各プランごとにわかりやすく価格情報をまとめました。
- 2DCADに対応したい人:BricsCAD Lite
- 2D・3DCADの両方に対応したい人:BricsCAD Pro
- 機械設計に特化したい人:BricsCAD Mechanical
- 建設系BIMソフトを選びたい人:BricsCAD BIM
- 上記すべての目的に対応したい人:BricsCAD Ultimate
BricsCAD Liteの価格
BricsCAD Liteは、2D図面作成を中心に業務を行う個人ユーザーや小規模事務所向けのプランです。低コストでCAD環境を整えたい方に適しています。
| 契約期間 | シングルライセンス 価格(税込) |
ネットワークライセンス 価格(税込) ※5シートパック |
|---|---|---|
| 1年 | 47,300円 | 70,950円 |
| 3年 | 127,600円 | 191,400円 |
| 永久ライセンス | 103,675円 | 155,513円 |
たとえば、建築図面や製造図面の2D作図、図面チェックや修正業務におすすめです。
BricsCAD Proの価格
BricsCAD Proは、2Dと3Dをバランスよく利用したい設計者やエンジニア向けのプランです。
機能面ではLiteの上位版にあたり、幅広い設計業務を一元管理できます。
| 契約期間 | シングルライセンス 価格(税込) |
ネットワークライセンス 価格(税込) ※5シートパック |
|---|---|---|
| 1年 | 66,000円 | 99,000円 |
| 3年 | 178,200円 | 267,300円 |
| 永久ライセンス | 157,300円 | 235,950円 |
3Dモデリング(ソリッド・サーフェス)のほか、点群データやGISとの連携をベースとした設計におすすめです。
BricsCAD Mechanicalの価格
BricsCAD Mechanicalは、機械設計や部品設計を専門とするエンジニア向けのプランです。
製造業の現場で必要となる板金・部品設計の自動化機能を備えています。
| 契約期間 | シングルライセンス 価格(税込) |
ネットワークライセンス 価格(税込) ※5シートパック |
|---|---|---|
| 1年 | 132,000円 | 198,000円 |
| 3年 | 356,400円 | 534,600円 |
| 永久ライセンス | 293,150円 | 439,725円 |
アセンブリ設計(部品の組み立て・管理)のほか、板金展開機能による展開図自動生成、BOM(部品表)生成にも対応しており、効率的な設計が可能です。
BricsCAD BIMの価格
BricsCAD BIMは、建築設計・施工に携わるユーザー向けのプランです。
AutoCADベースでBIMを実現できるのが大きな強みです。
| 契約期間 | シングルライセンス 価格(税込) |
ネットワークライセンス 価格(税込) ※5シートパック |
|---|---|---|
| 1年 | 138,600円 | 207,900円 |
| 3年 | 374,000円 | 561,000円 |
| 永久ライセンス | 307,450円 | 461,175円 |
IFC入出力によるBIMデータの交換だけではなく、RVT/RFAインポートでAutodeskのRevitとの連携、さらにはAIによる要素分類で自動BIM化にも対応できます。
BricsCAD Ultimateの価格
BricsCAD Ultimateは、BricsCADの全機能を利用したい企業・チーム向けの統合プランです。
Lite・Pro・Mechanical・BIMすべてに対応している最上位モデルとして利用できます。
| 契約期間 | シングルライセンス 価格(税込) |
ネットワークライセンス 価格(税込) ※5シートパック |
|---|---|---|
| 1年 | 150,700円 | 226,050円 |
| 3年 | 407,000円 | 610,500円 |
| 永久ライセンス | 336,050円 | 504,075円 |
2D作図から3Dモデリング、BIM、機械設計までワンストップ対応できる他、部署をまたいだ統合CAD環境の導入に最適です。
BricsCADの価格をシミュレーション比較
BricsCADの価格は、選ぶプラン・契約形態(サブスクリプションor永久ライセンス)・ライセンス種別(シングルorネットワーク)で変わります。ここでは、代表的な利用パターンに応じて料金シミュレーションを行い、どのプランがコスト面で有利かを比較しました。
たとえば6年間の利用を想定した場合、各プランの合計価格は以下のようになります。
| プラン | 1年契約 を毎年更新 |
3年契約 を2回更新 |
永久ライセンス購入 |
|---|---|---|---|
| Lite | 283,800円 | 255,200円 | 103,675円 |
| Pro | 396,000円 | 356,400円 | 157,300円 |
| Mechanical | 792,000円 | 712,800円 | 293,150円 |
| BIM | 831,600円 | 748,000円 | 307,450円 |
| Ultimate | 904,200円 | 814,000円 | 336,050円 |
上表からわかるように、長期利用をする際にはどのプランでも永久ライセンスが低コストです。Ultimateの場合、1年契約更新だと904,200円かかりますが、永久ライセンスなら336,050円で済み、約57万円の差額になります。
ただし、3年以内など利用期間が短い場合にはサブスクでも検討余地があります。
まずは自社で何年BricsCADを利用したいのか設定したうえで、上表の価格シミュレーションを参考に、導入すべきプラン条件を検討してみてください。
BricsCADの価格を抑える方法

BricsCADはほかのCADソフトと比べて価格が安く、導入コストを抑えやすい製品ですが、工夫次第でさらに価格を最適化できます。前述したシミュレーションの情報なども参考にしつつ、有効な「コスト削減のポイント」を整理しました。
- 永久ライセンスを選ぶ
4年以上使うなら永久ライセンスが圧倒的に有利 - 3年契約で割引を活用する
10%割引が提供される(期限未記載) - 複数人で利用する場合はネットワークライセンスを選ぶ
1人あたりのライセンス費用が安くなる - 代理店割引を利用する
キャンペーン価格やサポート込みのパッケージが用意されている場合もある
上記の条件で価格が変化するため、BricsCADを導入する前には、必ず「利用期間」「利用人数」「用途」を明確にしておきましょう。
BricsCADに無料プランはある?

BricsCADは基本有料で導入しなければなりませんが、30日間の無料体験版(トライアル版)が用意されています。当プランはBricsCADの全機能を使えるUltimateプランを導入可能です。
まずは上画像のように、公式サイトにある申込みボタンをクリックしましょう。
すると会員登録・ログイン画面に切り替わるため、次のような基本情報を入力してください。
ここまでの手続きが終われば、次のダウンロードページへと移行します。

ボタンをクリックすればすぐにダウンロードが始まるため、BricsCADが価格に見合っている製品なのか気になる方は、ぜひ無料体験版から利用してみてください。
また、学生や教員の場合には、無償のアカデミックライセンスも利用可能です。
1年間無料でBricsCADを入手できます。
加えて、無料体験版の概要を詳しく知りたい方は、以下の記事で手順等をわかりやすく解説しています。
BricsCADの購入方法(個人・代理店経由)
BricsCADは、公式サイトからの個人購入と、国内代理店を通じた購入の2パターンがあり、導入目的やサポートの要不要によって選ぶのが最適です。ここでは、それぞれの特徴を比較して解説します。
- 自身で判断したい場合:個人購入
- サポート・トレーニング希望:代理店経由
自身で判断したい場合は個人購入がおすすめ
CAD経験者や小規模利用でコストを抑えたい方は、Bricsys公式サイトからの直接購入が最適です。
公式ストアではライセンス価格が常に最新に更新され、サブスク・永久ライセンスをオンラインで手軽に購入できます。以下に個人購入のメリットをまとめました。
- 常に最新の価格体系で購入できる
- 余計な仲介費用がかからない
- 30日間の無料体験版からそのまま本契約に移行できる
すでにCADを導入した経験があるなど、自己判断で導入できる方は個人購入で価格を抑えつつBricsCADを利用するのがおすすめです。
サポート・トレーニング希望なら代理店経由がおすすめ
CADの導入・運用に不安がある場合は、国内代理店を通じて購入するのがおすすめです。
代理店では、購入後のアフターサポートや日本語トレーニングを受けられるため、初心者や企業利用で安心です。以下に代理店経由のメリットを整理しました。
- 日本語による電話・メールサポートがある
- 導入時のライセンス設定や運用マニュアルを提供してもらえる
- 有償・無償のトレーニングプログラムを利用できる
- キャンペーン割引や法人向けの複数ライセンス提案もある
安心して長期的に利用したい、トラブル対応を相談したいという方は、代理店を利用してBricsCADを導入しましょう。
なお、BricsCADの導入を決めた方は、基本操作や活用方法を学ぶために、セミナー講習を受講するのがおすすめです。「実践的に学べるBricsCADセミナー講習」では、基礎・応用を実践形式でトータル的に学習できます。
セミナー名 BricsCAD基礎セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
BricsCADの価格についてまとめ
BricsCADは、AutoCADと互換性を保ちながら、サブスクリプションと永久ライセンスの両方が選べる柔軟な価格体系が魅力です。
まずは体験版を導入して操作性や機能を確認し、自社の利用期間・人数・用途に最適なプランを選びましょう。サポートが必要な場合は代理店経由の導入がおすすめです。