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BlenderでUV展開する手順!テクスチャをもっと高度に使おう

Blenderを使用すると、多種多様な3Dモデルを作ることができます。テクスチャ機能を使用すれば、リアルなモデルを作ることは不可能ではありません。そのような、リアルな3Dモデル作成に必要な技術のひとつとして、UV展開というものがあります。では、UV展開とはどういったものなのか、具体的にどのようにして行うのかなどを解説していきます。

3Dモデルを平面状にするUV展開

BlenderのUV展開とは、3Dモデルを平面状に展開することです。Blenderで作る3Dモデルは、どのような形状であっても、ポリゴンメッシュという面によって構成されています。そのポリゴンメッシュを2次元に展開するのが、UV展開です。

Blenderでは、3Dモデルの表面に、様々な色や質感をしているテクスチャを貼り、リアルな見た目に仕上げることが可能です。ただ、テクスチャは原則として、平面で作られています。そのため、3Dモデルとは次元が異なり、貼り付ける作業が困難です。そこで、一度UV展開を行い、3Dモデルを平面状にして、テクスチャを貼る作業が必要となります。UV展開ができないと、テクスチャなしの無機質なモデルしか作れないことになります。したがって、UV展開は、Blenderを使って3Dモデルを作る際に、欠かせない作業ということです。

BlenderでUV展開を行う方法

BlenderでUV展開を行う手順としては、まず下準備で、切れ込みとなるシームを指定する必要があります。UV展開は、そのシームを元に行われます。Blenderで3Dモデルを編集できる状態にして、ポリゴンメッシュ同士が重なっている辺を任意で指定します。そして、「シームをマーク」を選択すると、そこがシームとなり、赤く表示されます。UV展開では、シームに指定した辺は繋がらない状態で展開されます。そのため、シームの指定次第では、ひとつの3Dモデルを、分割した状態で展開することが可能です。

複雑な3DモデルをUV展開する場合、シーム指定する辺が少なすぎるのはいけません。シームが少なければ、UVストレッチという歪みを伴った展開図となってしまいます。場合によっては、UVストレッチを完全になくすのは難しいですが、なるべく少なくなるように、シームの数を増やした方が良いでしょう。必要であれば、モデルを分割してしまうのもひとつの手です。

シームの指定が完了したら、タブにある「UV Editing」を選択して、実際にUV展開を行っていきます。もし、3DモデルとUV展開図の両方を把握したい場合は、ウィンドウを分割しておきましょう。ウィンドウの右上をドラッグすることで、ウィンドウは簡単に分割できます。その内一方のみをUV展開することで、3Dモデルと展開図の両立が可能です。

UV展開をするためにはまず、モデルを全選択します。そして、マウスで右クリックし、メニューを開きます。その中にある「展開」を指定したら、UV展開が行われます。ただ単純にUV展開をするだけであれば、それだけで作業は完了です。シンプルなモデルだと、そのままテクスチャを貼り付けても問題はありません。

しかし、モデルによっては、正しく展開ができない場合があります。その場合は、スケールの設定を変更しなければなりません。Blenderでは、自動でスケールの比率を調整することで、正しくUV展開ができないことがよくあります。それを改善するためには、「オブジェクト」タブから「適用」を選び、その中にある「スケール」から、スケールの値を変更しなければなりません。スケールには、X、Y、Zの3つがありますが、全ての値を「1」にすることで、正しく展開されるようになります。

また、展開したUVは、頂点を移動させて変更させることが可能です。その頂点移動によって、展開図の形を変え、あらかじめ用意してあるテクスチャに合わせるというのもひとつのテクニックです。さらに、UVは、移動や回転もできます。そのため、シームによってモデルが複数のパーツに分かれた場合、それぞれが重ならないように位置を調整した方が良いでしょう。

Blenderで、自身の都合の良いようにUV展開するためには、シームを自身で指定した方が良いです。ただ、Blender側が自動でシームを選び、UV展開をしてくれるという「スマートUV展開」機能もあります。そのやり方は単純で、3Dモデルを全選択した上で右クリックし、「スマートUV展開」を指定するだけです。そうすると、長い辺を中心としたUV展開となります。

展開したUVに合ったテクスチャを合わせる場合、用意してあるテクスチャの画像を貼り付けるだけで済みます。ただ、その他に、UV展開図に合わせてテクスチャを作成するという方法もあります。その場合、Blenderに備え付けてあるペイントツールを使用することとなります。また、Blenderではないデザインソフトで、テクスチャを作ることも可能です。その際には、UV展開を終えた状態で、「UV」タブから「UV配置をエクスポート」を選択します。そうすると、UV展開図が画像として出力され、デザインのベースとして使用できるようになります。デザインソフトでオリジナルのテクスチャを用意すれば、よりリアルなモデルに仕上げられるでしょう。

BlenderでUV展開を行うメリット

正確にテクスチャを貼ることができる

Blenderでは、UV展開を行わずにテクスチャを貼ることも不可能ではありません。しかし、複雑な3Dモデルに直接テクスチャを貼ろうとした場合、テクスチャとモデルの形状が合っているのかがわかりにくいです。テクスチャの一部が引き伸ばされたり、縮小されたりする恐れがあります。また、テクスチャ同士が重なり、見せるべき部分が隠れてしまうことも珍しくはありません。さらに、陰になっている部分のテクスチャを貼り忘れてしまうのもよくあることです。その結果、不自然な仕上がりになってしまうかもしれません。

そこでUV展開を行うと、そういったデザイン上のミスを防ぐことができます。UV展開では、モデルの表面全てを、平面図として把握することが可能です。そのため、テクスチャを貼り忘れている部分や、不自然な引き伸ばしや縮小が起こっているところも見つけやすいです。そうして、より精度が高く、良質なクオリティのモデルに仕上げることが可能です。

テクスチャを貼り付けた後の調整がスムーズ

Blenderで作った3Dモデルにテクスチャを貼り付けた後は、よりリアルな仕上がりにするために、調整が必要になる場合が多いです。その調整は、UV展開図に手を加える形で進めていくことができます。3Dモデルに直接手を加える場合、複雑なモデルだと、調整が難しいです。特に数多くの凹凸がある部分や、奥まっている部分などは、手間と時間がかかります。しかし、UV展開図を使用すると、調整はスムーズに行えます。

パーツごとの区別が容易

Blenderで作る3Dモデルは、複数のパーツに分かれる場合もあります。UV展開を行うと、そのパーツごとに区別することが可能です。展開図は分離させられるので、それぞれ異なるテクスチャを貼れます。調整もパーツごとに進めていけるため、調整によって全体のバランスが崩れてしまうことも防げるでしょう。

テクスチャの加工が容易になる

Blenderでは、3Dモデルとテクスチャの形状が合っていないこともよくあります。その場合、モデルに合わせてテクスチャを加工しなければなりません。主にカット加工を行い、テクスチャをモデルに合った形状に作り変えます。その際に、3DモデルをUV展開した平面図を参考にすると、編集がしやすいです。また、オリジナルのテクスチャを用意する場合、UV展開図をベースにすると、最適な形状のテクスチャを作ることが可能です。

Blenderでテクスチャを使用する際に欠かせないUV展開

Blenderでテクスチャを使用すると、リアルな3Dモデルを作ることが可能です。ただ、そのためには、UV展開が必須となります。したがって、Blenderを使った3Dモデルの作成を考えている人は、UV展開の手順もしっかり身に付けておきましょう。

BlenderでUV展開する手順!テクスチャをもっと高度に使おう
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