「Autodesk Fusionの面取りってどの場面で使用するの?」と悩む方も多いでしょう。
面取りは習得できればモデルの設計において便利な機能ですが、実際に使用する場面やフィレットとの違いについて理解しておかなければ使用する場面に迷うでしょう。
そこで本記事では、Autodesk Fusionにおける面取りの概要をはじめ、角を丸める方法との違いや実際の操作方法を画像付きで解説します。また、面取りを短期間で習得できるおすすめのセミナーについても紹介していますので、併せてご覧ください。
Autodesk Fusionにおける面取りとは?
Autodesk Fusionにおける面取りとは、設計するモデルの角に面取りを付けるコマンドです。似たような機能に「フィレット」が存在しますが、フィレットは角に丸みを持たせる一方で、面取りは斜めの平面にすること。
例えば、製品を設計する際に製品のエッジが鋭利だと、手や衣類を傷つけるリスクがあります。しかし、面取りを行うことで、エッジを滑らかにして安全性を高められるのです。
もちろん、フィレットの方がより安全性の高い製品を設計できますが、ネジやボルトが挿入される穴のエッジでは時に丸みをおぼていることで噛み合わないこともあるため、面取りを使用する必要があるのです。
コマンド一覧
Autodesk Fusionにおける面取りのコマンドは以下の通りです。
項目 | 概要 |
エッジ | 面取りをするエッジを指定 |
接面チェーン | タンジェント(接線)接続しているエッジを一括選択するか、しないかを選択 |
タイプ |
|
距離 | 面取りの距離を入力 |
角度 | 面取りの角度を入力 |
【画像付き】Autodesk Fusionの面取りを解説
ここからは面取りの方法を画像を用いて解説します。また、コマンド一覧で先述した通りタイプは主に3つあるため、それぞれの方法について解説します。
- 等距離で面取りを行う方法
- 距離と角度の面取りを行う方法
- 2つの距離の面取りを行う方法
等距離で面取りを行う方法
初めは等距離で面取りを行う方法です。今回は3つの解説を下記直方体を使用して解説していきます。
面取りのコマンドは画面上部にある「修正」から選択することができます。
それでは等距離の面取りを行っていきます。まずは面取りを行うエッジまたは面を選択します。今回はエッジを選んで面取りを行いました。この際にエッジの長さを入力すれば、調整が可能です。
距離と角度の面取りを行う方法
次に距離と角度の面取りを行う方法です。距離と角度の面取りとは、先ほどの等距離で行う面取りに加えて、角度も調節できるようになります。
例えば、先ほど同様にエッジを選択して、面取りを調節し、その後に角度を変化させると下記画面のように面取りの距離を入力した部分の角度も変化させることができます。
2つの距離の面取りを行う方法
最後に2つの距離の面取りを行う方法です。例えば、エッジを選択してみると、下記画面のようにエッジに接する2つの面の距離を調節することが可能になります。
矢印が2つ出てきていますが、どちらでも問題ありませんので各方向に距離を入力していきます。
また、ここまで3つの面取りについて紹介しましたが、スケッチ作成の時点でも面取りを行うことは可能です。調整しやすいように面取りを行っていきましょう。
Autodesk Fusionで面取りを行うメリット
Autodesk Fusionで面取りを行うメリットは以下の3つです。
- 設計の強度と耐久性を向上
- 安全性の向上
- デザインの仕上がりを改善
メリット①設計の強度と耐久性を向上
面取りを活用することで、部品や製品のエッジ部分にかかる応力集中を軽減できます。特に直角や鋭利なエッジでは、外部からの荷重や振動によって応力が一点に集中し、亀裂や破損の原因となることも。
面取りを行うことで応力がエッジ全体に分散され、設計全体の強度が向上します。また、応力集中を提言できれば、長期間使用される部品の耐久性に直結し、製品寿命を伸ばすことも可能です。耐久性が重要な機械部品や建築部品の品質を向上させ、より信頼性の高い設計が実現できます。
メリット②安全性の向上
面取りを行うことで、鋭利なエッジを滑らかに仕上げることができ、部品を使用する際の安全性を向上させることができます。鋭利なエッジは、製造時に手や皮膚を傷つけるリスクが高く、手作業で扱うことが多い部品では事故につながる可能性も。
面取りによってエッジが滑らかになることで、怪我や損傷のリスクが軽減されるだけでなく、製造現場や製品の安全基準を満たしやすくなります。さらに、製品の安全性が向上することで、顧客満足度や信頼性を高める効果も期待できます。
メリット③デザインの仕上がりを改善
面取りを活用すると、部品や製品全体のデザインが滑らかで美しい仕上がりになります。
また、滑らかなエッジは光の反射も均一になり、製品が高品質に見える効果も。消費者向けの製品では、デザインの美観が購入に直結することが多く、面取りを施すことで売上向上につながります。見た目の向上が実現できるのは、面取りのメリットと言えるでしょう。
Autodesk Fusionで面取りができない場合の対処法
Autodesk Fusionで面取りができない場合、「フィレット/面取りを要求されたサイズで作成できませんでした」というエラーが表示されるという方もいるでしょう。面取りの問題は
- エッジの接点が不連続である
- 指定したサイズがモデルの最小半径に対して大きすぎる
- 外部データによるジオメトリのエラーが原因です
解決策としては、スケッチや押し出しを再描画して修正する、面取りやフィレットのサイズを小さく調整する、複数回に分けて処理するなどの方法が有効です。また、スイープカットコマンドやメッシュを利用して滑らかなエッジを再作成することで、エラーが出なくなります。
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受講形式 | 会場/ライブウェビナー/eラーニング |
受講費用 |
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セミナー内容 | 【1日目】
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持ち物 | 特になし(筆記用具程度) |
会場住所 |
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Autodesk Fusionの面取りでよくある質問
Autodesk Fusionの面取りでよくある質問についてまとめています。
Autodesk Fusionの面取りについてのまとめ
本記事では、Autodesk Fusionの面取り機能について概要や操作方法、活用シーンを詳しく解説しました。面取りはモデルの強度向上や安全性確保に役立つコマンドです。操作が上手くいかない場合は本記事を参考に挑戦してみてください。
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