「モデルを一度設計したものの、寸法を変更したい」という方も多いでしょう。
設計中に製品の寸法を自由に変更できれば、再度製品を設計する手間を削減し、効率的にモデリングが可能です。また、寸法の変更は決して難しい機能ではないため、一度やり方を覚えてしまえば繰り返し利用できます。
そこで本記事では、寸法の変更方法について画像付きで解説し、変更できない場合の対処法や短期間で実務レベルまで身につけられるおすすめのセミナーについても紹介します。
Autodesk Fusionで寸法の変更はできる?
Autodesk Fusionで、設計中に寸法を変更することが可能です。
変更方法は主に2つあり、スケッチ作成での編集とパラメトリックデザイン機能を使った編集があります。スケッチ作成では、既存の寸法値をダブルクリックして新しい値を入力するだけで変更できます。
一方、パラメトリックデザインを使用すると、履歴タイムラインから過去の操作を選択し、関連する寸法を変更することで、設計全体に反映させることが可能です。これにより、関連パーツや寸法間の整合性を維持しながら効率的に設計を更新できます。
また、寸法変更後は更新された設計を3Dビューでリアルタイムに確認できるため、設計意図が反映されているかを即座に確認できます。
コマンド一覧
寸法変更におけるコマンド一覧は以下の通りです。
設定項目 | 概要 |
基本精度 | 小数点以下の桁数を設定。指定した桁以下の値は四捨五入されて表示 |
変換単位 | [ ]付きで異なる単位を表示。ミリメートル設定時はインチ、インチ設定時はミリメートルを表示 |
変換精度 | 「変換単位」を有効にした場合に適用。[ ]内に表示される数値の小数点以下桁数を設定し、四捨五入される |
許容差 | 「対称」を選んだ際に適用される寸法許容差を入力
|
参照寸法 | 寸法文字に ( ) を付加し、参考表示に変更 |
尺度変更しない | 図形長さと寸法値が比例しない場合、アンダーバー付きで表示 |
理論的に一致 | 理論寸法として表示し、寸法文字を四角で囲む |
検査タイプ | 検査寸法の種類を選択可能:なし(表示なし)、円形(丸枠表示)、角形(角枠表示)、フレームなし(枠なし表示) |
検査ラベル | 検査寸法にラベルを付けるか選択 |
検査レート | 寸法検査の頻度を示す検査率の表示を選択 |
レート | 検査率の具体的な値を入力 |
Autodesk Fusionで寸法変更の方法
ここからはAutodesk Fusionで寸法変更の方法について解説します。まずはスケッチ作成から下記の立方体を作成しましょう。
今回は「X軸80×Y軸80×Z軸80」で作成しています。下記は直方体を上から見た画像ですが、ここでY軸の長さを変更したいう時の変更方法について解説します。
まずは画面左にあるブラウザからスケッチを選択します。
すると「スケッチ1」が表示されますので、スケッチを右クリックし、「寸法表示」を選択します。
先ほどスケッチ作成で入力した「寸法」が表示されました。
この寸法にカーソルを合わせてダブルクリックをすれば、簡単に変更が可能です。
次にスケッチから編集する方法です。先ほどと同様にブラウザの「スケッチ1」を右クリックするとスケッチの編集が表示されます。
スケッチ編集をクリックすると下記のような画面になるため、数値にカーソルを合わせてダブルクリックを行い、数値を入力しましょう。
実際に数値を入力し、スケッチ終了を押すとY軸の数値が60になっています。
Autodesk Fusionでスケッチ寸法の使い方
ここからはAutodesk Fusionでスケッチ寸法の使い方について紹介します。
長さの寸法設定
まずは長さの寸法設定です。スケッチを作成した際に以下の画面のように寸法が表示されておらず、線の長さが知りたいというときの設定方法です。
最も簡単な方法は画面上部にあるスケッチ寸法をクリックし、選択した線の長さを表示させる方法です。
実際に線を選択すると寸法が表示されます。ここでもう一度クリックすると長さを入力することが可能です。
距離の寸法設定
次に線の長さではなく、点と点、線と点などの距離寸法を設定する方法です。例えば、四角形の左上の点から右下の点までの距離を表示する場合は、先ほど同様にスケッチ寸法から点を選びます。
すると、点と点の距離が表示されました。
角度の寸法設定
角度寸法は並行になっていない線と線を選択することで角度寸法を表示・変更することができます。先ほど同様にスケッチ寸法をクリックし、2つの線を選択すると角度が表示されます。
なお、選択する線をクリックする順番はどちらでも問題ありません。
Autodesk Fusionで寸法変更ができない場合の対処法
寸法を変更しようとしても変更できないという方も多いでしょう。寸法が変更できない原因は主に2つあります。
- 過剰拘束されている
- 寸法が無効になっている
①に関してはスケッチが過剰拘束されていることで起きる現象です。過剰に寸法や拘束条件を追加した場合、メッセージが表示されるため、寸法値を編集して対応すれば解決できます。
一方②に関しては、そもそも寸法が無効になっていることです。無効になっているかを確認する方法は画面上部にある「選択」→「選択フィルタ」で寸法にチェックが入っているか確認してみてください。
チェックが入っていなければ無効になっているということなのでチェックを入れて再度を編集しましょう。
寸法変更を短期間で身につけるならセミナーがおすすめ
寸法変更は決して難しい機能ではないものの、初心者にとっては難しいと感じることも。そこでおすすめするのは短期間で寸法変更の操作スキルを実務レベルまで身につけられる「Autodesk Fusionセミナー講習」です。
Autodesk Fusionセミナー講習はAutodesk公認であり、初心者の方でも2日間で実務レベルまでを身につけることができるセミナーです。受講形式として会場/ライブウェビナー/eラーニングを設けており、好きな時間に好きな場所で学習することも可能。
また、寸法変更だけでなくAutodesk Fusionにおける基礎操作から応用まで身につけることができます。
受講形式 | 会場/ライブウェビナー/eラーニング |
受講費用 |
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受講到達目標 | 【1日目】
【2日目】
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持ち物 | 特になし(筆記用具程度) |
会場住所 |
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Autodesk Fusionで寸法変更の際の注意点
Autodesk Fusionで寸法を変更する場合は以下2つの注意点を留意しましょう。
- 数値の入力を見直す
- 他のモデルに影響を与える可能性もある
数値の入力を見直す
Autodesk Fusionで寸法を変更する際は必ず数値を入力してモデルを設計しましょう。また、数値を誤入力すると、意図しない形状や寸法の部品が作成されてしまう可能性があるため、必ず数値を見直してください。
寸法変更の際に複雑な形状のモデルや複数のモデルを同時に変更する場合は、数値の誤入力が後に発覚すると手間がかかる可能性も。そのため、寸法を入力する際には、常に単位を確認し、計算ミスがないよう慎重に行う必要があります。
他のモデルに影響を与える可能性もある
寸法変更は便利な機能であるものの、一つの部品の寸法を変更すると、他の部品にも影響が及ぶことがあります。そのため、寸法を変更する際には、関連する部品の形状や寸法が意図した通りに変化しているか、必ず確認しましょう。
必要に応じて、関連する部品の拘束や参照を見直すことで、意図した通りの形状を作成できるでしょう。
Autodesk Fusionの寸法変更におけるよくある質問
Autodesk Fusionの寸法変更についてよくある質問をまとめています。
Autodesk Fusionの寸法変更についてのまとめ
Autodesk Fusionを活用する際、寸法変更は便利な機能の一つです。本記事では、スケッチ作成を用いた寸法変更方法を詳しく解説しました。また、変更できない場合の原因や対処法についても紹介し、注意点も解説しています。
本記事で紹介したセミナーは、基礎から応用まで幅広く学べる内容で、初心者でも実務レベルに到達できるため、効率的にスキルアップが可能です。寸法変更をスムーズに行えるスキルを習得することで、設計業務をより快適に進められるでしょう。
