こんにちは!キャド研です。
手描きで行われてきた製図を、コンピューターで支援するCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアは、設計作業を効率化できるため、建築・土木・機械など様々な分野で導入されています。
そんなCADソフトウェアの中でも根強い人気を誇るのが、アメリカのAUTODESK(オートデスク)社が販売する「AutoCAD(オートキャド)」です。初心者でも扱いやすいことから「CADの登竜門」とも呼ばれ、世界中で広く使用されています。
AUTODESK社からは、「AutoCAD LT」も販売されており、こちらも広く使用されています。
では、AutoCADとAutoCAD LTにはどのような違いがあるのでしょうか?
今回は、AutoCADとAutoCAD LTについて、用途や機能・料金など、様々な観点から比較して違いを分析していきます。
AutoCADとAutoCAD LTの基本データ
AutoCADとAutoCAD LTの使用用途や機能など、基本データを比較していきます。
どちらもサブスクリプション形式で販売されており、無料版を30日間試用することも可能です。
1か月、1年、3年単位で契約することができ、3年契約の場合には1年契約と比べて10%お得になります。
また、どちらも学生や教育機関用の無料体験版を利用することができます。
AutoCADとAutoCAD LTの無料で利用できる学生版製品について詳しくは、「学生は無料!?AutoCADの特徴や価格、使い方を解説します!」をご覧ください。
それでは、AutoCADとAutoCAD LTの違いを、表で比較してみましょう。
AutoCAD | AutoCAD LT | |
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用途 |
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機能 |
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ライセンス |
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付属サービス |
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価格 |
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こうして見ると、AutoCADの方が機能が多い分価格が高く、AutoCAD LTは機能を抑えた分、安価で使用できるようになっています。
また、AutoCADの特徴として、建築などの各分野に特化したツールセットを利用できることが挙げられます。
このツールセットによって専門分野に特化した機能を使えるので、建築などの各分野でCADを利用したい場合にはAutoCADがおすすめです。
反対に、そこまで高度な機能やサービスが要らないと言う人は、安価なAutoCAD LTにされるのもおすすめです。
AutoCAD Plusの内容
Auto CAD Plusとは、3Dモデリング機能やアプリケーションなどカスタマイズ、業種別ツールセットを同梱したAuto CADのハイエンドモデルです。どのような機能があるのか詳しく見てみましょう。
最大の特長「3Dモデリング機能」
Auto CAD Plusの特長として、3Dモデリング機能と基本機能の自由なカスタマイズ性があげられます。3Dソリッドやサーフェース、メッシュモデリングツールを使用てして、3Dモデルを作成することができます。また、3Dナビゲーションツールを使用すると、設計図内のオブジェクトを色々な角度・高さ・距離から確認することが可能です。3Dツールを使用すると3Dモデルのオービット・旋回・距離変更・ズームなどが行えます。その他に、3Dモデルからの2D図面の生成、光源の配置を想定した高度なレンタリング、ローカルマシンではなくクラウドにて処理を行う素早いレンタリングなど充実な機能があります。
カスタマイズ可能なインターフェースとセキュリティ
ユーザーインターフェースを自由にカスタマイズすることができます。自分好みにカスタマイズすることにより操作性が向上し、使用頻度の高いタスクの作業効率化を図れます。セキュリティではAutoCAD での実行可能ファイルの実行にセキュリティ上の制約を設けることで、悪意のある実行コードから保護されます。
旧AutoCADLTからの移行も可能
3D機能がなく2D盤のみの機能を有しているのがAuto CAD LTです。その他にもオブジェクトデータをテーブル抽出することができなかったり、業種別ツールセットがありません。2021年5月7日より新規販売は終了しています。現在Auto CAD LTを使用している人は更新契約をすることにより継続して使用することができます。また、料金はそのままに機能が大幅に拡張したAuto CAD Plusにプランを変更することも可能です。
初心者にも安心!AutoCADを学べるおすすめのセミナーはこちら!
ビズロードが開催している「AutoCAD基礎セミナー」は、AutoCADを業務で使用するスキルを身につけていただくことを前提に構築された講座です。AutoCADのコマンドをただなぞるようなセミナー形式ではなく実践形式に近いため、すぐに業務に活かすことができます。
一般受講のほか企業研修やAutoCAD人材育成などのカリキュラムとしても利用されています。
AutoCAD基礎セミナーの特徴
AutoCAD基礎セミナーは、こんな人におすすめです。
- 2DCAD・AutoCADを業務で使われる方
- AutoCADの効果的な使い方を身につけたい方
- AutoCADの講座を初めて受講される方
- AutoCADの自己学習に限界を感じている方
- すぐにAutoCADを使えるようになりたい方
- 今後AutoCADを使用する予定の新入社員
- CAD設計のスキルを得て転職をしたい方
- AutoCADの研修・教育の一貫として使いたい方
AutoCADにする?AutoCAD LTにする?
データ容量は大きくなってしまうものの、3Dモデルに対応することにより設計の効率化が可能な「AutoCAD」に対し、「AutoCAD LT」は2Dモデルのみであるものの、リーズナブルな価格で設計が行えます。
2つともAUTODESK社が開発したソフトウェアであるものの、その機能や価格、使用場面は大きく異なります。
3D機能を駆使し、より高度な図面の制作を徹底的に効率化していきたいという場合には、AutoCADをおすすめします。
また、建築などの各分野で専門的な図面を作成したい場合には、AutoCADのツールセットがおすすめです。
一方で、「まずはCADソフトウェアがどういうものなのかを試してみたい」というような場合には、機能面でも価格面でもAutoCAD LTが最適です。
導入する際には、実際に現場で必要としている機能はどのようなものなのかを考慮したうえで、以下の特徴も参考に、どちらがふさわしいかを検討してみてください!
AutoCADは3Dモデルにも対応!
AutoCADとAutoCADLTの大きな機能の違いは、AutoCADが3Dモデルに対応した3DCADソフトウェアであるということです。
3DCADとは、3次元的にわかりすく表示しながら図面作成が行えるCADソフトのことです。
ですので、AutoCADであればソリッド、サーフェス、メッシュオブジェクトといった機能を使って、3Dモデルを作成・編集することが出来ます。
また、CGイメージの作成や3Dプリンターへの出力も可能です。
3DCADソフトによる3D設計が浸透してきている現在では、この3DCAD機能の強みはAutoCADの大きなメリットです。
3Dモデルを作成すれば、体積や表面積、質量、重心などの情報を計算しやすく、2DCADにはないシミュレーション機能も使うことができます。
また、製品の材料費の算出が容易になったり、図面を修正しやすくなったりするなど、設計の効率化につながります。
建築の場面では、3Dモデリングすることによって図面ではイメージしにくい納まりなど詳細部分を、わかりやすく表示して設計・プレゼンができます。
AutoCADは3Dモデルに対応することで、AutoCAD LTよりも多数の機能を搭載しています。
さらに、カスタマイズ性やアドオンソフトが充実しているという点もAutoCAD LTとの違いといえます。
AutoCAD | AutoCAD LT | |
3Dモデリング | ○ | × |
ベースビュー、投影図、断面図、詳細図 | ○ | × |
機能拡張ツール | ○ | × |
3Dモデルの読み込み | ○ | × |
3D Print Studio | ○ | × |
アプリケーションプログラミングインタフェース | ○ | × |
ネットワークライセンス | ○ | × |
3D関連の機能をAutoCADとAutoCAD LTで比較してみると、上の表のようになります。
やはり値段が張るだけあって、AutoCADではAutoCAD LTにはない3DCAD機能をふんだんに使うことができることがわかります。
AutoCADの3Dモデリングについて、詳しくはコチラの記事で解説しています。
また、AutoCADの使い方を学びたいという方はAutoCAD基礎セミナーがおすすめです!
AutoCAD LTは低価格で2Dモデルを作成できる!
AutoCAD LTとAutoCADとの大きな違いは、「3Dモデルに対応しているかどうか」です。
AutoCAD LTは3Dモデルに対応しておらず、2Dの図面しか作成することができない「2DCAD」になります。
しかし、AutoCAD LTはAutoCADに比べて、価格はかなりリーズナブルになっています。
月額使用料形式の場合には、さらに安価で試してみることができるため、CADソフトを扱ったことが無いという現場でも導入しやすいのがメリットです。
AutoCAD LTはAutoCADに比べて機能面は劣りますが、その分扱うデータ容量も小さくなっています。
そのため、「図面を開くのに時間がかかる」「メールなどでのデータ送信に時間がかかる」といったような問題が発生せず、快適に使用することが可能です。
AutoCADとAutoCAD LTの無料体験版を使ってみよう!
AutoCADにもAutoCAD LTにも、無料で全機能を試せる無料体験版がダウンロードできます。
30日間の期間制限はありますが、期間中は完全無償で2つのソフトを試すことができます。
機能制限がないので、実際の製品と同じ環境で図面の作図方法や動作、機能を試せるのが大きなメリットです。
無料体験版は公式サイトで簡単な登録を行い、お使いのパソコンにソフトウェアをダウンロード、ダウンロードしたファイルをインストールするだけで簡単に利用できます。
AutoCADの3D機能とAutoCADLTのリーズナブルな価格、どちらか選べないという方は一度両方のソフトウェアをダウンロードしてみて、試してみてはいかがでしょうか。
また、学生や教員は教育の目的に限って、学生版ライセンスを無料で3年間利用することができるので、該当する方は一度試してみてください。
AutoCAD・AutoCAD Plusの操作に迷ったら
AutoCADやAutoCAD Plus(元LT)の操作に迷ったり、基本を学びたいと思った時のおすすめ方法を紹介します。
AutoCADを基礎から学べるおすすめのセミナー
AutoCADを実務で使えるようになるためには、一定の知識やスキルが必要になります。
動画などを見て独力で学ぶことも可能ですが、より効率的かつ手っ取り早く使えるようになりたいのであれば、セミナーを受講するのがよいでしょう。
数あるセミナーの中で特におすすめなのが、わずか2日間で基礎的なスキルを身に着けることができるAutoCAD基礎セミナー講習です。
実際に会場に行って受講する対面型の講義のほかにウェビナーやeラーニングで学べるほか、料金も3万円程度とリーズナブルですので、一刻も早くAutoCADの各種機能を使って仕事ができるようになりたいと考えている方はぜひ受講してみてください。
AutoCAD LT(Plus)を使いたい人にもおすすめ
AutoCAD基礎セミナー講習は、AutoCAD LT(Plus)を使いたいという人にもおすすめのセミナーです。
というのも、AutoCADとAutoCAD LT(Plus)とは、一部の機能は異なるものの、基本的な操作方法には共通する部分が多くあるため、こちらのセミナーで学んだことをそのまま活用できるからです。
講義の中で講師に直接質問することもできるため、もしAutoCAD LT(Plus)について知りたい内容があるのであれば、そういった機会を活用して聞いてみるのもよいでしょう。
ウェビナーやeラーニング形式で受講する場合は、チャットを用いて質問するとも可能です。
AutoCADとAutoCAD LT 比較~まとめ~
今回はAutoCADとAutoCAD LTを比較してみましたが、いかがでしたでしょうか?
AutoCADには3D機能、AutoCAD LTにはリーズナブルな価格とどちらにも特徴やメリットがあります。
表で見るとその機能や値段は一目瞭然だと思うので、ご自身のやりたいことに合わせてご購入ください。
また、2つのソフトウェアは無料体験版がダウンロードできますので、ぜひ試してみてください。
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参考動画
〈動画〉YouTube -初めてAutoCADを使う日に見る動画-
動画タイトルの通り、全くの初心者に向けて丁寧に解説をしてくれています。
動画の中でも、AutoCADとAutoCAD LTの違いについて説明してくれていますので参考にしてください。
