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【2023】PDMとはどんなシステム?機能やメリット、導入の流れをわかりやすく解説

PDM(Product Data Management)とは、CADやBOMなどのデータを一元管理できるツールのことです。今や、製造業で業務効率化を図りたい多くの企業が導入を進めています。また、昨今では製造業に限らずさまざまな企業で導入されているシステムだと言えるほど普及してきました。

今回は、PDMの概要や主な機能、PDMを導入するメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。また、PDMを導入する流れや導入時の注意点についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

PDM(Product Data Management)とは?

PDM(Product Data Management)とは、設計におけるCADデータなどの製品データや製品に使用する部品表(BOM)の情報を管理できるシステムです。設計部門と他の部門における情報共有を円滑化したり、情報管理にかかる工数を削減できたりします。

たとえば、設計ではCADソフトを使用してデータを生成することが一般的です。しかし、CADだけでは設計を行えません。

仕様書などの文書データ、設計や設計のスケジュール管理アプリなど、豊富なデータを管理する必要があるでしょう。そういったデータを一元管理できるのがPDMの役割なのです。

従来から、PDMは電気製品の製造や自動車製造などの工業製品の製造管理に用いられていました。しかし、昨今はアパレルや飲食店など製造業以外の製品管理にも用いられるようになってきています。

PDMとPLMの違い

PDMと似た単語として「PLM(Product Lifecycle Management)」があります。PDMが製品の開発・設計データ管理に重きをおいたツールなのに対して、PLMは製品の企画・開発・販売・廃棄までのプロセスを包括的に管理する役割があるという違いがあります。

前述したように、PDMでは製品開発段階のCADデータやBOM管理、設計時の文書共有などを行うツールです。一方で、PLMではそれらのプロセスに特化するのではなく、製品のライフサイクルを広く捉え、その流れを最適化するために、広範囲のデータ管理を行うのが特徴です。

たとえば、取引先管理や購入部品管理、顧客フィードバック管理、型加工のシミュレーションなどはPLMが担うこととなります。つまり、PDMとPLMの大きな違いは「広範囲のデータ管理を担うかどうか」という点であり、PDMよりもPLMの方が広範囲のデータ管理を行うことが特徴です。

ただし、PDMツールの中には付属機能としてPLM的な機能が設けられていることもあります。製品によってもPDM・PLMの対応範囲が異なるため、いずれにせよ自社に最適なシステムを導入することが重要です。

PDMの主な機能

PDMには主に、次のような機能が搭載されています。

ワークフロー管理

設計部門の中のワークフローを見える化し、システム上に表示できる機能です。また、ワークフロー上にチェックポイントを設置でき、申請・否認作業を行えます。

上司が部下にどのような工程で作業を行っているか、質問して確認を取らなくても良いため、システム上でスムーズにワークフローを進められます。

検索管理

ファイルや図面を検索できる機能です。ツールによってはファイル内の文言検索ができたり、固有番号で検索をかけられたりもします。多くの製品や部品を扱っている企業においては役立つ機能だといえるでしょう。

データ管理

PDMでは、次のようなデータを一元管理することができます。

  • CADデータ
  • BOM(部品表)
  • 文書データ
  • 図面
  • 画像
  • 設計データ など

また、各データを紐づけることもできます。たとえば、BOMと設計データを紐づけることで、製品ごとの部品の在庫を管理できます。

セキュリティ対策機能

ツールによっては部門ごとにパスワードをかけられるものもあり、セキュアに情報を検索できます。また、ファイルごとにロックをかけることで、データの改編を防ぎ、重要なデータが破損することも防げます。

加えて、アクセスログを把握できるツールであれば、誰がどの情報にアクセスできるかを把握し、発生した問題の改善に努められるでしょう。

BOM管理

製品の組み立てに必要な部品情報をツールで一元管理できます。また、管理情報は設計部門から生産部門へ引き継ぎ可能です。各々の部門へ情報を提供すれば、スムーズに生産工程を管理できます。

PDMを導入するメリット

PDMを導入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、主なメリットを6つ紹介します。

データのリアルタイム共有が可能

更新のタイミングがずれることで、確認しているデータが異なるといった問題を解決できます。PDMではデータをリアルタイムで共有できるため、どのデータが最新情報なのかを判断しやすく、製造工程において認識のズレが起きることを防げます。

また、従来はメールでデータ共有していましたが、そこにはセキュリティ面の問題がありました。しかし、PDMの導入で遠隔地にもセキュリティ性能を保った状態でリアルタイム共有できるため、グローバル企業にも役立ちます。

ワークフローを可視化できる

製品を適切に管理し品質を一定にするためには、ワークフローを設定することが必要不可欠です。しかし、わかりにくいワークフローが設けられていれば、スタッフに浸透せず、遵守すること自体が難しくなってしまうでしょう。

PDMを活用すれば、ワークフローをシステム上に設定、チェックポイントを設置して申請・承認作業を実行すれば、自然とワークフローを浸透させられます。

生産性が向上する

PDMの導入によって、情報の共有性や検索性が高まるため、本来行わなければならなかった書類探しや申請・承認作業など、無駄な業務を削減できます。その結果、本来工数を割くべき作業に時間を使えるため、開発にかかる期間を大幅に短縮可能です。業務が洗練されれば、生産性向上にもつながるはずです。

データを再利用しやすい

PDMによってデータを一元管理できたことと、検索性が高まったことで、製品の再利用がスムーズになります。

たとえば、過去製造した製品のデータを検索し新製品に反映したり、同様製品の売れ行きから製造台数を設定したりもできるでしょう。また、現在販売している製品と同様の部品を使用する機械があれば、データを紐付けて部品の同時発注もできます。

データを一元管理できる

製品を製造する際には、次の3つの問題点に陥ることがあります。

最新データがわからない

1つ目の問題点は、どれが最新データかがわからないことです。

たとえば、「バージョン2」とデータ名をつけたとしても、次に「バージョン3」があるかもしれませんし、これが最新版かもしれません。場合によっては、情報探しに膨大な時間をかけなければならないケースもあります。

必要なデータを検索できない

2つ目の問題点は、必要なデータを検索できないことです。

ファイルのキーワード検索に対応しているツールは多数存在しますが、内容からファイルを検索できるサービスはあまり多くありません。必要なデータを手作業で探さなければならないこともあり、多くの時間を必要とすることもあります。

管理が追いつかない

3つ目の問題点は、情報数が多すぎて管理が追いつかないことです。

忙しい時期は1日に40データほどを確認しなければならないこともあり、それだけでリソースを圧迫してしまいます。本来時間をかけるべき部分に時間がかけられず、負担を感じている担当者もいるでしょう。

そういった場合に、PDMツールを導入すれば、必要な情報をすぐに探せるため、データ探しに工数を割く必要がありません。このように、情報の検索時間を短縮できることは大きなメリットとなります。

クレーム対応にも役立つ

クレーム対応に役立つことも、PDMを導入するメリットです。

従来は、顧客からクレームが来た場合に、原因を究明するため部品を製造している工場に連絡を取らなければなりませんでした。しかし、PDMを活用すれば「部品がいつ変わったのか」「不具合が発生した部品を購入したのはいつか」という情報が把握でき、原因究明の時間を大幅に短縮できます。

PDMを導入する際の流れ

PDMは自社にとって最適なものを選ばなければ、効果を最大化することは難しいでしょう。ここでは、PDMを導入する際の流れについて詳しく解説します。

問題点を洗い出す

最も重要なことは、問題点を洗い出すことです。

まずは、自社のデータ管理にどのような問題点があるのかを確認しましょう。その際、上層部だけで決めるのではなく、現場の意見をヒアリングしたりアンケートを取ったりして、現場レベルの状況を把握することが重要です。

経営陣と現場の問題意識を共有する

現場の意見に頼ることも重要ですが、それだけでなく経営陣が方針を定めることも重要です。「このような問題を感じており、改善したい」と現場に伝えれば、現場が感じている思いを伝えてくれるはずです。

このように、経営陣・現場それぞれが当事者意識を持ちながらPDM導入について考えられる体制を整えておきましょう。

PDMを試しに導入する

「ツール選びに時間をかけたくないからすぐに導入しよう」「このツールを導入すれば問題点を解消できるはずだ」と感じ、PDMツールを一気に導入しようと考える企業も多いのではないでしょうか。しかし、PDMは会社の運営方針に大きく影響を与える部分なので、慎重に改善することが大切です。

PDMを導入する場合におすすめなのは、トライアルを利用するか、数ヶ月限定で利用してみることです。最初は単純な仕組みを構築し、状況を見つつ他の部署に拡大していくと良いでしょう。

PBMツールの特性を理解した上で、「自社にとって必要十分な機能が搭載されているのか」を考えながら本導入に踏み切ることが大切です。

運用体制を整える

PDMを導入した当初はツールの活用方法がわからず、現場には大きな負担を与えてしまうでしょう。しかし、慣れるにつれ業務が効率化されることをアピールすれば、スタッフがツールに対して関心を持ち、学習してくれる可能性が高いです。

場合によっては、ツールに強い人材を採用しPDM導入を併走してもらいながら運用体制を整えることも検討しましょう。

PDMを導入する際の注意点

PDMは業務効率化につながるツールとして非常に優秀ですが、導入する場合には2つの注意点を把握しておかなければなりません。ここでは、2つの注意点について詳しく解説します。

課題を洗い出してから導入する

1つ目の注意点は、課題を洗い出してから導入することです。まずは自社の現状を把握して、データ管理の課題を明確にする必要があります。

たとえば、お客様からのお問い合わせに対応するのが難しいという問題があると仮定します。その場合、部品管理がうまくいっていないことや、検索しづらいデータ管理が行われているなどの問題があるでしょう。

そういった問題に対しては、検索管理に強いPDMシステムを導入することで、解決に導ける可能性があります。このように、事前に自社の課題を洗い出し、最適なPDMシステムを導入することが重要です。

小規模からスタートする

PDMの導入において、一気に導入を進めてしまうと、多くのコストを必要としますし、現場もついていけません。最初は小規模で導入を進め、現場からのフィードバックを受けながらシステムを調整していくと良いでしょう。

PDMの導入事例

最後に、PDMの導入事例を3つ紹介します。PDMシステムの導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

アイダエンジニアリング株式会社

アイダエンジニアリング株式会社は、プレス機械を製造するブランドです。

同社では、操作がシンプルであり、わかりやすく使いやすいPDMツールの導入を検討していたようです。また、国産ツールで、カスタマイズの際にレスポンスよくスムーズに対応してくれるツールを探していたとのことです。

PDMツールがなければ、生産が追いつかず業務に支障をきたし、生産の現場に必要不可欠なツールだと考えているようです。

株式会社 イシダ

株式会社 イシダは、計量器を製造しているメーカーです。アフターケアにも力を入れており、BOM管理ができるようなPDMシステムを検討していたようです。

その中でも、同社は価格面でメリットがあるツールを検討しており、FullWeb-PDMを導入したと語られています。また、顧客からアフターメンテナンスの依頼を受けた際に得た情報から、過去の製造データを呼び出してきて、問題点を確認できる点においても、PBMツールにメリットを感じているようです。

川重冷熱工業株式会社

川重冷熱工業株式会社は、吸収冷温水機・冷凍機とボイラを製造している会社です。生産部門における業務改善策を考えていたようで、その一つの方法としてPDM導入を進めたそうです。

同社は、想定する必要な機能を網羅的に備えているツールを探しており、その上でコストパフォーマンスが高いサービスを検討していました。そこで導入したのがFullWeb-PDMでした。

導入する上で最も重要なのは、「現場で使う人が実際に考えながらことばにまとめて伝えること」「やる気がないと導入は成功しない」と語られています。

まとめ

PDMの概要や主な機能、PDMを導入するメリット・デメリット、導入する流れや導入時の注意点について詳しく解説しました。

PDMを導入することで、データを一元管理でき、生産性を向上させられるメリットがあります。また、アフターフォローにも対応しやすく、製品価値をより向上させられるでしょう。

しかし、ただ闇雲に導入してはなりません。自社にとってのデータ管理における問題点を洗い出し、経営陣と現場が問題意識を共有した上で最適なツールを導入する必要があるでしょう。

今回お伝えした内容も参考にして、PDMツールの導入を検討してみてください。

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