WOGOが2024年10月に発表した「2D・3D設計見積自動化サービス」は、AIとアルゴリズムを駆使し、製造業や建築業の設計プロセスを根本から変革するサービスです。
このサービスの中核を担うのが、パラメトリックモデリングという先進的な設計手法です。
設計要素をパラメーターとして定義し、変更するだけでデザイン全体が自動的に更新されるため、複雑な構造や形状も簡単に作り上げることができ、従来は専門的な知識と経験が必要だった設計作業が、誰でも直感的に操作できるようになりました。
さらに、生成AIとの連携により設計者が意図するデザインをAIが理解し、最適な設計案を提案してくれるため、設計者の負担を大幅に軽減し、より創造的な作業に集中できるようになります。
WOGOの設計支援エンジンは、製造業や建築業が抱える人手不足や設計期間の長期化などの課題を解決し、企業の競争力強化に繋がると期待されています。
近年、AIやアルゴリズムといった言葉が頻繁に用いられるようになり、私たちの生活に深く浸透してきましたが、これらの言葉が正確に理解されているとは言い難いのが現状です。
例えば、「AI=アルゴリズム」などのように、両者を同一視してしまうケースも少なくありません。今回は、AIとアルゴリズムの関係やアルゴリズムの種類、注意点を解説します。
AIとアルゴリズムの関係とは
AIはコンピューターに人間の認識、推論、判断、創造性などの能力を模倣させる技術です。AIの進化は目覚ましく、特に自然言語処理分野では大きな進展が見られます。
2018年には、AIが人間の読解力に匹敵するレベルに達し、その後は「自己教師あり学習」という新たな手法が登場しました。
この手法により、AIは大量のテキストデータから文脈を深く理解し、より人間らしい対話を可能にし、要約や質問応答など、幅広い言語処理タスクを高い精度でこなします。
このような大規模な言語モデルは、人間の言語を深く理解し、まるで人と会話しているような自然なやり取りを実現します。
| AI | アルゴリズムを使って学習した「知識」 |
| アルゴリズム | 特定のタスクを実行するための「方法」 |
AIの学習の鍵を握るのが「アルゴリズム」です。アルゴリズムとは、コンピュータに与える一連の命令であり、問題解決の手順を詳細に記述したものです。
アルゴリズムは、AIに「次に何をすべきか」を指示する「道案内」のようなもので、単純な計算から複雑な問題解決まで、あらゆる処理をアルゴリズムによって実現することができます。
AIの性能は、アルゴリズムの巧妙さにかかっていると言っても過言ではないのです。
AIを自社で構築・運用するオンプレAIについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
AIにおけるアルゴリズムの種類

AIで用いられるアルゴリズムは、大きく分けて以下の3つの種類に分類されます。
- 分類アルゴリズム
- 回帰アルゴリズム
- クラスタリング
以下で、それぞれの種類を具体的に見ていきましょう。
分類アルゴリズム
分類アルゴリズムとは、教師あり学習と呼ばれるタイプのアルゴリズムの一種で、あらかじめ正解データが与えられたデータを用いて学習を行う方法です。
過去のデータに基づき、新しいデータがどのグループに属するかを予測するデータの仕分け作業を自動で行うようなものです。
例えば、過去のスパムメールと正常なメールのデータをもとに、新しいメールがスパムか否かを判断します。
この時、メールの文面や送信元、含まれるキーワードなどの特徴を分析し、スパムメールの特徴と比較することで、新しいメールがスパムまたは正常に属するかを予測します。
回帰アルゴリズム
回帰アルゴリズムは、過去のデータから将来の値を予測するため、株価の変動や商品の売上高のように、連続的に変化する数値を予測したい場合に活用されます。
過去のデータとそれに対応する結果(例えば、過去の株価と実際の株価)のペアを用いて学習を行います。
この学習過程を通じて、アルゴリズムは入力データと出力データの間の関係性をモデル化し、新しいデータが入力された際に、そのデータに対応する出力を予測できるようになります。
クラスタリング
クラスタリングとは、大量のデータの中から、似た特徴を持つものを自動的にグループ化し、新たなグループ(クラスタ)を発見する手法です。
データの海から、似たような性質を持つものを集めて、新しい島々を見つけるような作業と言えるでしょう。
データの中に隠された構造やパターンを発見することを目的としており、人間が気づきにくいような複雑な関係性もクラスタリングによって可視化することができます。
クラスタリングは、あらかじめ正解となるデータが与えられない「教師なし学習」の一種で、分類アルゴリズムのように、データにあらかじめ正解が与えられている分類問題とは異なります。
AIのアルゴリズムにおける注意点

AIアルゴリズムは、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めていますが、様々な注意点が存在します。以下で詳しく解説します。
偏った判断をするリスクがある
AIアルゴリズムは、学習データからパターンを認識し、そのパターンに基づいて予測や判断を行います。
しかし、もし学習データが特定のグループに対して偏っている場合、AIは偏った結果を出力してしまう可能性があります。
例えば、過去の採用データに基づいてAIが採用候補者を評価する場合、もし過去の採用データが特定の性別や民族に偏っていた場合、AIは同じような偏りを学習し、新たな採用候補者に対しても不公平な評価をしてしまう可能性があるでしょう。
透明性を持たせる必要がある
AIアルゴリズムが社会に広く受け入れられ、活用されるためには、その決定過程に対するユーザーの信頼が重要です。
アルゴリズムがどのように結論に至ったのかを理解できれば、ユーザーは、AIが出力した結果に対して適切な判断を下し、安心してAIを活用することができるでしょう。
そのため、AIの開発段階から、透明性と説明可能性を意識した設計が求められます。
アルゴリズムの決定プロセスを可能な限り追跡可能かつ理解しやすいものにすることで、ユーザーはAIの内部動作を把握し、その出力結果に対する信頼感を高めることができるでしょう。
さらに、AIの決定に対して具体的な説明を加えることも、透明性を高める上で有効な手段です。
例えば、画像認識AIが特定の画像を「猫」と判断した理由として、「丸い顔」「尖った耳」「長い尻尾」などの特徴を挙げることができるようにします。
このような説明はAIの判断根拠を可視化し、ユーザーの理解を深めることに繋がるのです。
大量の電力を消費する
AI、特にディープラーニングモデルは、高度な機能を実現するために膨大な計算処理を必要とするため、環境への負荷という新たな課題を浮き彫りにしています。
AIの持続可能な発展のためには、以下のような取り組みが重要になります。
| アルゴリズムの効率化 | エネルギー消費の削減に繋がる |
| ハードウェアの進化 | データセンターの環境負荷を低減する |
| 再生可能エネルギーの利用 | AIの電力消費に伴う環境負荷を軽減する |
これらの取り組みは、AIが環境に与える影響を最小限に抑え、持続可能な社会の実現に貢献するための重要なステップと言えるでしょう。
持続可能な成長を実現するために欠かせない取り組みについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
セキュリティ対策を実施する必要がある
AIアルゴリズムの高度な学習には、膨大な量のデータが重要です。しかし、このデータには個人の属性や行動に関する情報など、プライバシーに関わる情報が含まれている可能性もあります。
そのため、AIの開発・利用においては、データのプライバシー保護とセキュリティ確保が一刻を争う課題となっています。
データの匿名化や仮名化といった手法は、個人を特定しにくくする一般的な対策として用いられてきましたが、これらの手法だけでは、高度な分析技術を用いれば個人を特定できてしまうリスクが完全には排除できません。
より強固なプライバシー保護を実現するためには、フェデレーテッドラーニングという各デバイスや組織が保有するデータをその場所で処理し、学習結果のみを中央のサーバーに集約するアプローチなどが重要です。
フェデレーテッドラーニングを行うことで、データそのものを中央に集めることなく、複数のデータ源から学習モデルを構築することが可能です。
また、データの保存時だけでなく、ネットワークを通じて転送される際にも暗号化を施すことで、不正アクセスによるデータ漏洩のリスクを大幅に軽減できます。
さらに、アクセス権限の厳格な管理や定期的なセキュリティ監査の実施も不可欠です。
AIのアルゴリズムの知識を深めるならセミナーがおすすめ

AIの急速な発展に伴い、その根幹を支えるアルゴリズムの重要性はますます高まっていますが、AIのアルゴリズムは高度な数学や統計学の知識を必要とし、独学で習得するのは容易ではありません。
そこでおすすめなのが、たった2日間でAIプログラミングの基礎を学べるAIエンジニア育成講座です。
AIエンジニア育成講座では、経験豊富な講師がAIの基礎から応用までを体系的に指導し、最新のアルゴリズムに関する知識はもちろん、実践的なプログラミングスキルも習得できます。
より深くAIの仕組みが理解でき、実際に手を動かしながら学習を進めることができるでしょう。
アルゴリズムの知識を深めAIの仕組みを理解しよう

今回は、AIとアルゴリズムの関係やアルゴリズムの種類、注意点を解説しました。アルゴリズムとは、AIが問題を解決するために従うルールや手順の集まりであり、AIの思考回路のようなものです。
アルゴリズムを理解することは、AIの仕組みを深く理解することに繋がり、AIがなぜそのような結果を出力するのか、その根拠を把握することができるでしょう。
また、アルゴリズムの改善点を見つけることも可能になり、より高性能なAIを開発することができます。
今回ご紹介したアルゴリズムは、AIアルゴリズムのほんの一部です。 AIの研究は日々進展しており、新しいアルゴリズムが次々と開発されています。
深層学習など、より複雑で高度なアルゴリズムは、画像認識、自然言語処理など、様々な分野で革新的な成果を生み出しているのです。