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どんな種類があるの?今さら聞けない「フィラメント」について【3Dプリンター】

こんにちは。3Dプリンター専門店『Fabmart(ファブマート)』のショップ店員です!

今回は、今さら聞けないシリーズ第2弾。
第1弾「FDMについて」でしたが、今回は3Dプリンターでの造形に欠かすことのできない「フィラメント」についてお話しします。

  • フィラメントって何?
  • どんな種類があるの?
  • 種類によって何が違うの?

3Dプリンターを使い続けるには、フィラメントとのお付き合いが不可欠です。
そんな今さら聞けないようなことをまとめてみました!

フィラメントってなに?

フィラメント

フィラメントは、FDM法や材料噴射(マテリアルジェッティング)の3Dプリンターで、データを出力するために用いる材料です。
FDMについてはこちら
通常プリンターでいうとインクと同様の役割を果たします。

細長い糸状の材料で、リールに巻きつけてあります。
メーカーによってはカートリッジなどに格納されていて、自社の材料しか使えないようにしている場合もあります。
その場合、カートリッジに付属したICチップなどで情報を読み取って、自社製品(純正品)かどうかを機械が判断しています。

フィラメントがないと、インク切れと同じことなので、3Dプリントができません。
なので、造形には必要不可欠なものというわけです。

フィラメント実装

▲ 実際にフィラメントを3Dプリンター(UP! Plus2)に設置するとこんな感じです。

どんな種類のフィラメントがあるの?

フィラメントは、合成樹脂の「熱可塑性樹脂」と呼ばれるものでできています。
熱可塑性樹脂は、熱を加えるとやわらかくなり、冷やすと固まります
そして再び熱を加えると、またやわらかくなる性質を持ちます。

フィラメントの材質は、3Dプリンターの機種によって対応しているものが異なります。
最近は技術が進歩して、フィラメントの種類がどんどん増えています。

< フィラメントの種類 >

  • ABS
  • PLA
  • ASA
  • PA
  • PET/PETG
  • PC
  • PPSU
  • PEI
  • 合成木質
  • 合成カーボン
  • ゴムライク
  • etc…

すべて紹介するのは大変なので、よく使われるものをピックアップしました!

1.ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)

ABSは、一般的なプラスチック製品で広く使われている素材です。
Acrylonitrile Butadiene Styrene(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)」を略して、ABSと呼ばれています。

出力時の温度(≒融点)がPLA樹脂に比べ高く、そのため高い温度でないと出力できません(230-260℃程度)。
高温で溶かしたABSは冷やすと収縮する性質を持っています。
大きい造形では途中でひずみが生じやすく、変形する可能性があります。
そのため大きな造形は苦手です。

他の材質と比べると粘着性と柔軟性にやや優れており、強度があります。
曲げや伸びに耐性があります。
後加工(やすりがけ作業や着色などの加工作業)が簡単で、出力後も扱いやすいです。

後工程で研磨などを行う試作品や、プラモデル・フィギュアのパーツ、稼働機構を持たせたいもの向きです。

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2.PLA(ポリ乳酸)

PLAは、対応している3Dプリンターの多い素材です。「Poly Lactic Acid」の略で、PLAと呼ばれています。

トウモロコシやジャガイモなど、自然由来の素材を原料にしています。
乳酸を重合することによってできた高分子なので、乳酸から作られたポリエステルとも言えます。

PLA

ABSと比べると、低い温度での出力が可能(およそ180-230℃程度)です。
造形中の冷えによって起こるひずみやソリに強く、出力が安定しています。
逆に言えば高温に弱いため、温度の高い場所に置いておくと造形物が溶けてしまう恐れがあります。

表面が硬くて丈夫なところが特徴です。
しかし、そのため、削ったりやすりがけをする後加工は不向き。
塗料も馴染みづらいです。
後加工のやりやすさをABSと比較すると、PLAはかなり苦労します。
覚悟しましょう……

出力中の嫌な臭い(樹脂が熱されて溶けたときに出る独特の臭い)が出ません。

形状確認や、後工程の少ない実用品、大きいもの、耐摩耗性を確保したいもの向きです。

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3.合成フィラメント(複合材料)

ABS・PLAに異素材を混ぜ込んでできたものが、合成フィラメント(複合材料)です。
木や竹の繊維を混ぜ込んでできているものが「木/竹質フィラメント」、炭素繊維を混ぜ込んでできているものが「合成カーボンフィラメント」です。
他に銅などもあります。
木質フィラメントは、プラスチックですが木の質感がきちんと感じられて、出力してみるとおもしろいです!

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4.PET(ポリエチレン・テレフタレート)/PETG

PETとは、「Poly Ethylene Terephthalate(ポリエチレン・テレフタレート)」の略称です。
透明性があり、強度、耐久性、耐熱性に優れています。
一般的にペットボトルの素材として知られています。身近だからイメージしやすいですよね。

しかしFDM法の3Dプリンターは積層して造形するため、そのぶん透明度が低くなります。
ペットボトルほど透明度は出ないので注意してください。


PETGは、簡単に言うとPETの強化版です。
PETに「Glycol modified」がくっついてPETGと呼ばれています。

PET以上に高い透明性があり、強度、耐久性、耐熱性に優れています。
PETがペコペコしたペットボトルに使われるのに対して、PETGは化粧品の容器など高機能なボトルに使われています。

ちなみに、下の画像くらいの透明度をイメージしてください。(※カラーが透明の場合)

PETG

PETGとPETの詳しい違いは、分子の生成やら配合の話になるため、気になる方は検索して調べてみてください。

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5.PC(ポリカーボネート)

PCとは、「Poly Carbonate(ポリカーボネート)」の略称です。

プラスチック素材の中では最高レベルの耐衝撃性を持ちます。
なんとABSの5倍、塩化ビニール樹脂の10倍、アクリル樹脂の50倍の強さ!
これだけ丈夫な素材ですが、加工にも優れています。
外観が美しい光沢を放つことから、高級感を出したい家電製品や日用品などに使われています。
iPhone5のボディに使われていたことで有名です。

また他のプラスチック素材に比べて、比較的軽量なところも特徴です。
軽くて丈夫という、まさに3Dプリントを活用するのに重宝しそうな材料です。
高温多湿の環境に弱いことと、対応する3Dプリンターがまだ少ないところが短所ですね。

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どの材料がフィラメントの主流なの?

フィラメントの主流は圧倒的に、ABS・PLAです。
とくにPLAは、5万円以下で買えるような低価格の3Dプリンターでも対応しています。
しかし、上でも説明しましたが、PLAは後加工がむずかしい欠点があります。
予算に余裕があるようなら、ABSも出力できる3Dプリンターを買うことをおすすめします!

純正品以外のフィラメントも使えるの?

Amazonなどで売っている安いフィラメントありますよね。
機種によっては、そういった他社製の汎用フィラメントを使うこともできます。
しかし当然、汎用フィラメントを使用した際や、使用した後のヘルプはメーカーの保証外となりますので、自己責任での使用となります。

ヒーターの温度設定や移動スピードは純正品に最適化されているため、純正品を使うことで最高品質で造形できます。
純正フィラメントが、いちばんきれいに出力できるってことですね。
出力に失敗しないためにも純正品の使用を推奨しています。

フィラメント・3Dプリンターを購入するには

Fabmart(ファブマート)」で取り扱うフィラメントは、すべてメーカー純正品です!

Fabmart

Fabmart店員の感想
種類がたくさんあって迷っちゃいますが、特殊なものづくりを考えていないなら、まずはABSかPLAフィラメントを使ってみてください!
色が豊富で、価格も他の素材のフィラメントと比べると安価で手に入ります♪
どれも鮮やかな色なので着色しなくても様になります。
ちなみに私は黄色が好きです◎
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