「Macで使える2DCADソフトを探しているけど、選び方もわからない」「無料で使えるものってあるの?」と疑問や悩みを抱える方もいるでしょう。
Windows向けのソフトが多いCADソフトの中で、Macに対応しているか確認するために契約して試用するのは手間がかかります。そこで本記事では、Macで使えるおすすめの2DCADソフトを5つご紹介。無料で始められるものや、初心者でも扱いやすいものなど、選び方のポイントもあわせて解説します。
Macで2DCADソフトは使用できる?
結論、Macでも2DCADソフトは使用可能です。
しかし、Windows向けに開発されたソフトが多いため、使用できない場合も。Macに対応していなかったり、機能制限があるため、事前に使用できるかを確認することが重要です。
ただし、近年ではクラウド型やMac専用に最適化された2DCADソフトも登場しており、建築設計や機械設計、図面作成など幅広い用途に対応可能になってきています。また、Parallelsなどの仮想化ソフトを使えば、Mac上でWindowsを動かし、Windows専用のCADソフトを利用することも可能です。
無料で使えるMac対応ソフトもいくつか存在するため、用途や予算に応じて柔軟に選ぶことができます。用途に合ったソフトを選ぶことで、Macでも快適に2DCAD作業が行えます。
以下の記事では、Macで使用できるソフトを7つ紹介しています。本記事とあわせてご覧ください。
CADソフト使用におけるMacとWindowsの比較表
2DCADソフトを使用する際のMacとWindowsの比較表です。それぞれの特徴や利点を解説します。どちらで使用するか迷っている場合は参考にしてみてください。
項目 | Mac | Windows |
パフォーマンス | Apple Silicon(M1/M2チップ)搭載で高い処理能力と省電力性能を実現 | ハードウェア構成次第で性能が変動。高性能PCを構築可能だが、消費電力は高めの場合も |
アップデート頻度 | Windows版より遅れる場合がある | 新機能やアップデートが早く提供される傾向あり |
学習環境があるか | Windowsを使用している人が多いため、参考にならないケースもある | Windows向けに解説されている動画が多いため、学習できる環境は多い |
カスタマイズ性 | ハードウェアやOSのカスタマイズ性は低い。ただし安定性は高い | ハードウェア・ソフトウェアともに自由度が高く、用途に応じた構成が可能 |
セキュリティ | 比較的高い | ウイルス対策ソフトの利用が推奨されるが、多層防御を構築可能 |
おすすめの方 | デザイン性やApple製品との連携を重視するユーザー向け | ソフトウェア互換性やカスタマイズ性を重視するユーザー向け |
2DCADソフトを使用する際に「MacとWindowsどちらがいい?」と悩む場合、特にこだわりがなければWindowsがおすすめです。Macでしか使用できないCADソフトはありませんが、Windowsでしか使用できないソフトはあります。
ただし、1つのソフトしか使用せずにデザイン性などを求めるのであればMacでも問題ないでしょう。
Macで使用する2DCADソフトの選び方
Macで使用できる2DCADソフトは限られているものの、その中でも選び方について紹介します。
- 予算に合わせて選ぶ
- 用途に合わせて選ぶ
- 使用頻度に合わせて選ぶ
選び方①予算に合わせて選ぶ
2DCADソフトには無料で使えるものから高機能な有料ソフトまであります。個人利用や学習目的であれば、機能がある程度限定された無料版でも十分です。
例えば、簡単な図面作成やレイアウト設計であれば、無料ソフトでも作業は可能。一方で、業務利用や本格的な設計作業を行う場合は、有料版を選んだほうが良いでしょう。有料ソフトには、作図ツールやファイル互換性、商用利用可など、業務に必要な機能が搭載されているため、ストレスなく作業ができます。
まずは自分の予算と使用目的を明確にし、無料から始めて必要に応じてアップグレードするのがおすすめです。
選び方②用途に合わせて選ぶ
2DCADソフトは用途によって求められる機能が異なります。例えば、建築図面を作成する場合と、製品の部品図や配線図を描く場合では、テンプレートや図形、対応フォーマットも変わってきます。
建築向けなら、寸法設定やレイヤー機能が充実しているソフトが便利ですし、機械設計向けであれば、精密な線引きや部品ライブラリがあるソフトがおすすめ。また、図面のやり取りをするクライアントが使っているファイル形式に対応しているかどうかもポイントです。使用目的を明確にした上で、対応した機能を持つソフトを選ぶことで、作業効率が向上します。
選び方③使用頻度に合わせて選ぶ
2DCADソフトを毎日のように使うのか、月に数回使う程度なのかによっても、選ぶべきソフトは変わります。以下は使用頻度に合わせた選び方の例です。
- 頻繁に使用する:動作が軽く作業効率の良い有料ソフトの導入がおすすめ
- 月に数回使う程度:無料のCADソフトで十分対応できるケースも多い
頻繁に使用する場合に有料ソフトがおすすめの理由は、サポート体制があるからです。サポート体制が整っているソフトであれば、万が一のトラブル時にも安心です。一方で、たまに図面を確認したり簡単な編集を行う程度であれば、無料のCADソフトで十分対応できるでしょう。
使用頻度に見合わないソフトを導入すると、コストが無駄になる可能性もあるため、まずは使用頻度を決めて、それに合ったソフトを選ぶことが大切です。
Macで使用できる2DCADソフト5選
Macで使用できる2DCADソフトを5つ紹介します。
ソフト名 | 価格 | 特徴 |
AutoCAD |
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Vectorworks |
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Jw-cad | 無料 |
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LibreCAD | 無料 |
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ドラフティングキャドプロ7 for Macintosh | 無料 |
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ソフト①AutoCAD|有料
引用:Autodesk
AutoCADは、世界中で広く使用されている業界標準のCADソフトウェアで、Mac版も提供されています。AutoCAD for Macは、Apple Silicon(M1/M2)チップを活用した最適化により、高速な処理能力と安定した動作を実現。
特に建築設計、土木工学、機械設計などの分野で活用されており、複雑な図面や大規模なプロジェクトでもスムーズに対応可能です。Mac版ではmacOSのダークモードやマルチタッチジェスチャーといった機能に対応しており、直感的で効率的な操作が可能。
ただし、VBAやLIPSといった自動化機能は使用できません。AutoCADはプロフェッショナル向けのツールであり、高度な設計を求めるエンジニアや建築家におすすめです。
Mac版AutoCADの使用方法
ここでは画像付きでAutoCADの使い方を簡単に解説します。まずはMacでAutoCADを開いた場合の初期画面です。
以下の画面は作業画面です。
WindowsとMacで作業画面は異なります。Macでは、両サイドにコマンドやタブがついていますが、Windowsでは画面上部に設置されています。実際に四角形を描いてみます。
画面左にある四角形のコマンドをクリックして、四角形を描いてみました。
図形の書き方などは特に変わりはありません。なお、AutoCADのライセンス契約をしたい方や、AutoCADの操作を実務レベルで身に付けたいという方は以下のリンクからチェックしてください。
ソフト②Vectorworks|有料
引用:Vectorworks
Vectorworksは、建築設計やランドスケープデザインに特化したCADソフトです。このソフトは2D CAD機能だけでなく、BIM機能も搭載しており、設計から施工まで一貫して作業が可能です。また、Mac版ではEnscapeとのリアルタイムレンダリング統合が可能で、美しいビジュアル表現を作成することができます。
直感的な操作性と柔軟性のあるツールセットが特徴であり、多様なデザインニーズに対応可能です。特にクリエイティブなデザインやビジュアル表現を重視する建築家やランドスケープデザイナーに適しており、プレゼンテーション能力を求めるプロフェッショナルにもおすすめです。
ソフト③Jw_cad|無料
引用:Jw_cad
Jw_cadは、シンプルかつ建築業向けの2DCADソフトウェアです。本来はWindows向けに開発されていますが、Macでも利用可能です。基本的な図面作成機能を備えており、、初心者にも使いやすい設計がされています。
Jw_cadの最大の魅力は、無料でありながら商用利用可能であり、業務でも問題なく使用できることです。建築業に特化しているソフトであるため、建築・土木業界におすすめです。
ソフト④LibreCAD|無料
引用:LibreCAD
LibreCADはオープンソースの無料2D CADソフトウェアであり、Macで利用可能です。DWGやDXF形式のファイル読み書きに対応しており、基本的な図面作成機能を備えています。軽量かつシンプルなインターフェースが特徴でありながら、高度なスナップシステムや多様な描画を使用することができます。
また、オープンソースコミュニティによって継続的に開発・改善されているため、新しい機能追加やバグ修正が行われています。コストパフォーマンスを重視する学生や個人ユーザー、小規模プロジェクトにおすすめ。さらに、自分好みにカスタマイズできる点も魅力であり、自分専用の環境を構築したいユーザーにも適しています。
ソフト⑤ドラフティングキャドプロ7 for Macintosh|無料
引用:infinisys
ドラフティングキャドプロ7 for Macintoshは、日本国内向けに開発されたMac専用の2DCADソフトウェアです。初心者にも使いやすい直感的な操作性が特徴でありながら、大判印刷、自動面積計算機能など多彩なツールセットを搭載。
また、DWG/DXF形式へのファイル変換にも対応しているため、他のCADソフトとの互換性も確保されています。建築設計から間取り図作成まで幅広い用途に対応しており、小規模から中規模プロジェクトまで柔軟に使用できます。そのため、専門知識が少ないユーザーからプロフェッショナルまで幅広く利用可能です。日本国内市場向けに最適化されているため、日本語で快適に使用できる点も魅力的です。
以下の記事では、3DCADがMacで使用できるのかを解説しています。3DCADの利用も検討している方はあわせてご覧ください。
Windows版CADソフトをMacで使用する方法
「Windows版CAD」ソフトをMacで使用したいという方もいるでしょう。そのため、3つの方法を紹介します。
方法 | 概要 | メリットやおすすめの方 |
Boot Camp | Appleが提供する公式ツールで、MacにWindowsをインストールしてデュアルブート環境を構築する方法 |
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仮想化ソフトウェア | Mac上に仮想的なWindows環境を構築し、その中でCADソフトを動作させる |
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エミュレーター | エミュレーターを使用し、一部のWindows専用CADソフトをMac上で動作させる |
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なかでもおすすめなのは、Boot Campを使用することです。ただし、利用するにはIntel Macが必要であり、Apple Silicon(M1/M2)搭載のMacでは利用できないため、注意しましょう。
2DCADソフトが学べるおすすめのセミナー
本記事で紹介したおすすめの2DCADから、ソフトの操作スキルを学べるセミナー以下2つ紹介します。
- AutoCAD基礎セミナー講習
- Jw_cad基礎セミナー
AutoCAD基礎セミナー講習
AutoCADを学ぶなら「AutoCAD基礎セミナー講習」がおすすめ。短期間で実務レベルまでを習得でき、AutoCADの画面操作や見方から、データ管理・活用まで網羅的に学べます。
セミナーを受講後は、オリジナル教材「AutoCAD完全攻略セミナーガイド」をPDFにて配布します。受講期間の復習はもちろん、参考書として活用できます。セミナーの講師は、企業に対してCADソフトの運用を補助したり、CAD・CAMの立ち上げ支援を実施。経験豊富な講師にわかりやすく丁寧に教えてもらえます。
セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
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運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Jw_cad基礎セミナー
Jw_cadの基礎から応用操作までをしっかりと習得できる「Jw_cad基礎セミナー」は、Jw_cadの初期設定や基本操作に加え、線や円の作成、図形編集、レイヤや属性管理、注釈の追加、レイアウトの設定方法、図面の比較機能など、実務で頻繁に使用される機能を網羅的に学べます。
講師陣は、CADソフトの開発や運用支援の実績を持ち、セミナー受講者にはオリジナル教材「Jw_cad完全攻略セミナーガイド」をPDFで配布。受講期間の復習はもちろん、参考書として活用いただけます。
セミナー名 | Jw_cad基礎セミナー |
---|---|
運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Macで使用できる2DCADソフトについてのまとめ
Macでも2DCADソフトを利用することは可能であり、ソフトを選ぶ際には、使用目的や予算、作業頻度で比較しましょう。また、仮想化ソフトやエミュレーターを活用すれば、Windows専用ソフトの利用も可能です。
ただし、さまざまな種類のソフトを使用するのであれば、Windowsがおすすめです。ぜひ本記事を参考に、Macで使用できる自分に合った2DCADソフトを見つけてみてください。
