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【2025】Macで3DCADは使用できる?おすすめのソフトや導入する際の注意点を解説

「3DCADソフトはMacで使用できる?」と疑問を持つ方も多いでしょう。これまで、Windowsのみ対応のCADソフトがほとんどでしたが、近年はMacで使用できる3DCADソフトも増えています。

しかし、いまだにWindowsのみ対応のソフトもあるため、「使用できるソフトであるか」を確認して導入する必要があります。

そこで、本記事では、Macで使用できる3DCADソフトを紹介。また、Windowsのみしか対応していないソフトをMacで使用する方法もあわせて解説します。

3DCADはMacで使用できる?

3DCADはMacで使用できる?

結論、3DCADはMacで使用可能です。これまでは、Windowsでしか使用できないでいたCADソフトも、Macを使用するユーザーが増えてきたことから使用できるソフトも増えています。

しかし、Macで使用できるソフトの中には、「Windowsで使用できる機能が使えない」といったケースもあります。そのため、事前に使用したいソフトがMacに対応しているか?機能に制限はないかなど見極めて利用しましょう。

また、Windows版と比べてUIが異なったり、日本語対応をしていないソフトもあるため、操作性やサポートも確認が必要です。特に業務用途で使用する場合、機能の違いが作業効率を悪くする可能性もあるため、無料トライアルや公式の情報を活用し、実際の使用感をチェックしましょう。

以下の記事では、Macで使用できるCADソフトを2DCADも含めてご紹介していますので、あわせてご覧ください。

【2025】MacBookで使用できるCADソフト7選!注意点やWindowsとの違い

Macで使用できる3DCADソフト|有料

Macで使用できる3DCADソフト|有料

まずは有料でMacで使用できる3DCADソフトを5つ紹介します。

ソフト名 価格 特徴
AutoCAD
  • 8,800円/月
  • 71,500円/年
  • 214,500円/3年
  • Mac版はタッチ操作やマルチビュー機能を搭載し、直感的な操作が可能
  • 精密な設計が可能で、多機能かつカスタマイズ性が高い
Autodesk Fusion
  • 12,100円/月
  • 96,800円/年
  • 290,400円/3年
  • 設計から製造までのワークフローを一貫して管理できる
  • クラウドでのデータ管理・共有が可能で、WindowsとMacの機能差が少ない
Rhinoceros
  • 187,000円(税込)
  • 110,000円(税込):アップグレード版
  • 高精度なNURBSモデリングを活用し、複雑な形状の設計が可能
  • Mac版はMetal APIを活用し、描画速度が向上
Vectorworks
  • Design Suite 2025:264,000円
  • Architect 2025:198,000円
  • Landmark 2025: 198,000円
  • Spotlight 2025 :198,000円
  • Fundamentals 2025:132,000円

※サブスクリプションライセンスの価格

  • BIM、建築設計、ランドスケープデザインなど幅広い用途に対応するBIMソフト
  • Metal APIによる描画性能向上と、Redshiftレンダリングによるリアルタイム表示が可能
ArchiCAD
  • Archicad Collaborate:62,040円/月(税込)
  • Archicad Solo:44,220円/月(税込)
  • BIMcloud SaaS:14,520円/月(税込)
  • 建築設計に特化したBIMソフトで、設計から施工までの管理が可能
  • 直感的な操作が可能で、大規模プロジェクトでも効率的に作業できる

ソフト①AutoCAD

AutoCAD

引用:Autodesk

世界でもトップクラスのシェアを誇る「AutoCAD」はAutodeskが開発した業界標準の2D・3D設計ソフトで、精密な設計、カスタマイズ性、豊富な機能を備え、建築、機械、電気、土木など多分野で使用されています。

Mac版のAutoCADは、Windowsにはない機能が搭載されており「タッチパネルによる操作」「マルチビューでの作業効率化」などがあります。一方で、設計作業を自動化する「AutoLISP」「VBA」などは使用できないため、導入の際は慎重に検討しましょう。

こんな方にオススメ!
・画面を共有して複数人で作業を行いたい
・タッチ操作も活用して、効率的に設計業務を進めたい

AutoCADの「購入を検討している」「無料版を使用してみたい」という方は以下のリンクからチェックできますので、ご確認ください。

AutoCADの操作方法

簡単にMac版のAutoCAD操作方法について解説します。以下の画面はMacでAutoCADを開いた際の、作業画面です。Windowsの場合は、画面上部にコマンドが配置されていますが、Macでは画面左にあります。

作業画面

あとは、Windowsで使用する方法と変わりません。例えば、円を書く際は左の画面にある「円コマンド」もしくは画面下にあるコマンド入力に「Circle」と入力し、円を描きます。

円を描く

基本的な操作方法や機能に違いはありません。先述で紹介したVBAやLIPSなどの機能が使用できないことを覚えておきましょう。

AutoCADの操作を「短期間で効率よく学習したい」「実務レベルをすぐに身につけたい」という方は、Proskilllが運営する「AutoCAD基礎セミナー講習」の受講を検討してみてください。

ソフト②Autodesk Fusion

Autodesk Fusion

引用:Autodesk

「Autodesk Fusion」もAutoCAD同様にAutodesk社が開発しているCADソフトです。Autodesk Fusionは3DCADだけでなくCAMの機能を備えたクラウドベースのソフトウェアで、製品設計から製造までのワークフローを統合可能。

3DモデリングやCNC加工、シミュレーション、ジェネレーティブデザインを活用し、クラウド上でのコラボレーションやデータ管理もできます。複数ツールの管理不要でデータ変換の問題を解消し、ワークフローの合理化や設計最適化に貢献。

Autodesk Fusionはクラウドベースのソフトウェアであるため、Windows版とMac版で大きな機能の差はありません。

こんな方にオススメ!
・設計から製造まで一気通貫で作業をしたい
・場所を選ばずにどこでも作業をしたい
Autodesk Fusionの購入を検討している方は以下のリンクから無償版のダウンロードができますので、チェックしてみてください。

Autodesk Fusionの操作方法

Autodesk FusionもAutoCAD同様にMacで使用しても対して機能などは変わりません。FusionではWindowsとMacで作業画面についても大きな違いはありません。下記の画像はMacの作業画面です。

作業画面

実際に直方体を作成していきます。まずは「スケッチ作成」から長方形を作成していきます。

スケッチ作成

次に押し出し機能を使用して、高さをマウスで「ドラッグ」もしくは「数値を入力」して、高さを入力すると完成です。

直方体の完成

Autodesk Fusionの操作は初心者の方でも操作しやすいCADですが「実務レベルの操作スキルをすぐに身につけたい」という方は、Proskilllが運営する「Autodesk Fusionセミナー講習」の受講を検討してみてください。

ソフト③Rhinoceros

Rhinoceros

引用:Rhinoceros

「Rhinoceros」は、建築家やデザイナーに広く利用される3Dモデリングソフトで、NURBS曲線やサーフェスの高精度なモデリングが可能です。Mac版はAppleのMetalグラフィックスAPIを活用し、描画速度が大幅に向上しています。

また、ユーザーインターフェースはmacOSに最適化されており、直感的で洗練された操作性が特徴。強みとして、Grasshopperによるパラメトリックデザイン機能や、高度なレンダリングエンジンを搭載しており、複雑な形状やデザインの自由度が非常に高い点が挙げられます。

こんな方にオススメ!
・高精度なNURBSモデリングを活用して複雑な形状を設計したい
・比較的軽量で高性能なソフトが必要
Rhinocerosはデザインの自由度が高いソフトで使用できれば設計業務は捗るでしょう。しかし、初心者にとって操作難易度は少し高めです。そこで2日間で実務レベルを身につけられるProskilll運営の「Rhinoceros基礎セミナー」の受講を検討してみてください。

ソフト④Vectorworks

Vectorworks

引用:Vectorworks

Vectorworksは、BIMや建築設計、ランドスケープデザインなど、多様な分野に対応するBIMソフトです。Mac版ではAppleシリコンプロセッサにネイティブ対応しており、高速かつ安定したパフォーマンスが特徴。

また、Metal APIを利用した描画性能の向上や、Redshiftレンダリングエンジンによるリアルタイムレンダリングが可能で、高精度なビジュアル表現が強みです。専門分野ごとにカスタマイズされた製品ラインアップもVectorworksの魅力と言えるでしょう。

こんな方にオススメ!
・BIM機能と2D/3D統合設計ツールを活用したい
・コスパが高く、幅広い分野に対応可能なツール

ソフト⑤ArchiCAD

ArchiCAD

引用:ArchiCAD

ArchiCADは、BIMを中心とした建築設計に使用されるソフトで、設計から施工までのプロセスを一貫して管理できます。Mac版はAppleシリコンプロセッサ向けに最適化されており、高速な処理能力と優れたポータビリティを実現。

ArchiCADの強みは、直感的な操作性と高度なBIM機能の統合にあり、大規模プロジェクトでも効率的に作業できる点です。また、3Dビューや図面の更新速度が速く、設計の柔軟性と生産性を両立しています。

こんな方にオススメ!
・BIMを活用して設計から施工までのプロセスを一貫管理したい
・直感的な操作性と柔軟性を重視しつつ、効率的に作業を進めたい

Macで使用できる3DCADソフト|無料

Macで使用できる3DCADソフト|無料

次に紹介するのは無料で使用できる3DCADソフトです。

ソフト名 商用利用 特徴
FreeCAD 可能
  • オープンソースで無料ながら、高機能な3DCADソフト
  • パラメトリックモデリングを採用し、機械設計や建築、3Dプリントに活用可能
Tinkercad 可能
  • ブラウザ上で動作する初心者向けの3DCADソフト
  • シンプルで直感的なインターフェースにより、誰でも簡単にモデリングが可能
SketchUp Free 不可
※Proへのアップグレードが必要
  • 建築設計、インテリアデザイン、家具設計などの用途に適している
  • インターネット環境があれば、どこからでもアクセス可能
Blender 可能
  • Macを含む複数のプラットフォームで利用可能なオープンソースソフト
  • Pythonによるスクリプトやアドオン開発が可能で、カスタマイズの自由度が高い

ソフト①FreeCAD

FreeCAD

引用:FreeCAD

FreeCADは、Mac版を含むマルチプラットフォーム対応のオープンソース3DCADソフトです。パラメトリックモデリング機能を備え、機械設計、建築、3Dプリントなど幅広い分野で利用可能。

無料でありながら商用CADソフトに匹敵する高機能性、豊富な機能、そしてコミュニティが活発であるため、世界中の開発者・エンドユーザーによって継続的に機能や性能の改善が行われている点です。

また、STEPやIGESなどの標準フォーマットをサポートし、他のCADソフトとの互換性も高いのが特徴です。

こんな方にオススメ!
・無料で高機能なパラメトリックモデリングを試したい
・オープンソースの柔軟性を活かし、カスタマイズや拡張を行いたい

ソフト②Tinkercad

Tinkercad

引用:Tinkercad

Tinkercadはブラウザベースの3DCADソフトで、直感的なインターフェースが特徴です。初心者でも簡単に3Dモデリングを始められるよう設計されており、教育現場でも広く使用されています。

豊富な形状とテンプレートのライブラリ、リアルタイムのコラボレーション機能、STLおよびOBJファイル形式のサポート、他のCADソフトで作成されたモデルをインポートし、編集することも可能です。

また、3Dプリント用のモデル作成にも適しており、簡単な操作で実用的な3Dオブジェクトを作成できます。

こんな方にオススメ!
・3Dプリント用のシンプルなモデル作成を目的とする
・ダウンロード不要のブラウザベースで手軽に使いたい

ソフト③SketchUp Free

SketchUp Free

引用:SketchUp

SketchUp Freeは、Macを含むあらゆるOSで利用可能なブラウザベースの無料3DCADソフトウェアです。インストール不要で、インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、建築、インテリアデザイン、家具設計など幅広い分野で活用されています。

直感的な操作性で、初心者にも使いやすいインターフェースを備え、短時間で3Dモデリングが可能。ただし、商用利用や拡張機能の追加はできないため、SketchUp Proへのアップグレードが必要です。

こんな方にオススメ!
・初心者でも直感的に操作できるツールを探している
・商用利用はせず、趣味や練習でソフトを使用したい

ソフト④Blender

Blender

引用:Blender

Blenderは無料の3DCG編集ソフトですが、「建築物や内装のリアルな3Dモデルを作成」や「工業製品や家具などの3Dモデリング」など3DCADとしても使用できる、無料のオープンソース3Dモデリング・アニメーションソフトウェアです。

3.1のアップデートでM1チップ搭載Macをサポートし、GPU・CPUレンダリングが可能になりました。

Blenderの強みは、3Dモデリング、テクスチャリング、アニメーション、レンダリング、ビデオ編集、VFXなどさまざまな機能を備えていることです。また、Pythonを使用してスクリプトやアドオン、カスタムツールを作成できるため、機能の拡張やカスタマイズができるのも魅力と言えるでしょう。

こんな方にオススメ!
・無料でプロフェッショナルレベルの3DCG制作ツールを使いたい
・チュートリアルやコミュニティサポートを活用して学びたい
Blenderの使用方法について短期間で操作スキルを身につけたいという方は、Proskllllが運営する「Blender基礎セミナー」の受講がおすすめです。以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。

以下の記事では、おすすめの3DCADソフトや使い方も解説していますので、あわせてご確認ください。

【2025】3DCADとは?モデリングの仕方からおすすめ3DCADソフトまで徹底解説!

MacでWindows対応の3DCADソフトを利用する方法

3DCADソフトの中には、Windowsのみ対応というものも多くあります。ソフトを使用する人の中には、「Windows対応の3DCADソフト」を使用したいという方もいるでしょう。そこで、方法を4つ紹介します。

  1. 仮想環境を使用する
  2. Boot Campを利用する
  3. クラウドベースのCADソフトを活用する
  4. Wineを利用する

方法①仮想環境を使用する

仮想環境とは、ハードウェアのなかで仮想的に構築した環境を指します。

Parallels DesktopやVMware Fusionなどの仮想化ソフトウェアを使うと、macOS上でWindows OSを「仮想マシン」として起動し、3DCADソフトを実行できます。特にApple Siliconチップ搭載Macでは、Parallels Desktopが公式にWindows 11をサポートしており、柔軟に調整可能です。

仮想環境のメリットは、macOSとWindowsを同時に並行使用できる点で、ファイルのコピー&ペーストやディスプレイ共有がシームレスに行えます。ただし、Macの物理メモリやCPUコアを仮想マシンと共有するため、16GB以上のメモリと8コア以上のCPUを搭載したモデルが必要になります。

方法②Boot Campを利用する

Boot Campとは、MacにWindows OSをインストールするための機能です。Intel製CPU搭載のMacでは、Boot Campを使用してWindowsを直接インストールし、再起動することで3DCADを実行できます。Macの全リソースをWindowsに集中できるため、仮想環境よりも高いパフォーマンスが期待できます。

特に複雑な3Dレンダリングやシミュレーションを必要とするソフトで有効です。ただし、MacOSとWindowsの切り替えは、毎回再起動する必要があり、ストレージも最低128GBの空き容量が求められます。

注意点として、Apple Silicon MacではBoot Campが利用不可なため、対象はIntel Macに限定されることを覚えておきましょう。

方法③クラウドベースのCADソフトを活用する

Autodesk FusionやOnshapeなどのクラウド型CADは、Mac上で直接利用できます。Windows版のCADソフトこだわらない方におすすめです。また、クラウド型ベースのCADソフトは、クラウドの処理速度に影響するため、Mac本体のスペックをさほど必要とはしません。

ただし、常時インターネット接続が必須で、大規模なアセンブリデータの処理は通信速度で作業効率が左右されます。

方法④Wineを利用する

WineやWineBottlerは、Windows用ソフトをmacOS上で直接実行する互換レイヤーです。

仮想マシンやデュアルブート環境を構築せずに3DCADを動作させられますが、OpenGLやDirectXの完全な互換性が保証されないため、ソフトの一部機能が正常に動作しないリスクがあります。Wineの利用は、軽量な2DCADや旧バージョンのソフトに限定するか、最終手段として検討しましょう。

Macで3DCADソフトを導入する際の注意点

Macで3DCADソフトを導入する際の注意点

最後はMacで3DCADソフトを導入する際の注意点を解説します。以下2点は特に重要なポイントになりますので、留意しておきましょう。

  1. ソフトが対応しているか
  2. 機能に制限がかけられていないか

注意点①ソフトが対応しているか

Macで3DCADソフトを導入する際は、ソフトがmacOSに対応しているか確認しましょう。

3DCADソフトはWindowsを前提に開発されており、Mac版が提供されていない可能性も。購入した後にMacに対応しないとなれば、費用を無駄にしてしまうこともあります。

導入前に公式サイトやユーザーのレビューを確認し、Macで使用できるかを確認するために、無料トライアルを利用するのもおすすめです。

注意点②機能に制限がかけられていないか

仮にMacに対応している3DCADソフトであっても、Windows版に比べて一部機能が使用できない場合があるため注意が必要です。

また、作業における機能の制限だけでなく、3DCADソフトの中には「Mac版は日本語に対応していない」といったサポート面での制限もあります。ソフトの公式情報やフォーラムをチェックし、作業に支障が出ないか事前に確認することが重要です。

Macで3DCADを使用できるのかについてのまとめ

近年はMac対応の3DCADソフトが増えてはいるものの、ソフトによっては機能やサポート面で一部制限がかけられていることも。また、Windows版のソフトをMacで使用できる方法はありますが、パソコンのスペックや操作環境によって「使いにくい」「操作方法が違う」といったこともあるでしょう。

そのため、Macで3DCADを使用する際は、事前に公式サイトなど確認しておきましょう。ぜひ本記事を参考に、Macで3DCADの導入を検討してみてください。

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