WordPressを使って、ウェブサイトや記事を作成したいと考えている方も多いでしょう。ですが、独学でWordPressのスキルを習得することにハードルを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、WordPressの基本情報から勉強法、WordPress初心者が勉強すべきポイントについて解説します。併せて初心者が抱きやすいWordPressを勉強する際のよくある疑問にも回答していますので、ぜひ参考にしてみてください。
WordPressとは
WordPressは、ウェブサイトやブログを簡単に作成・管理できるオープンソースのプラットフォームです。専門的な知識がなくても直感的な操作でサイト構築が可能で、世界のウェブサイトの43.6%がWordPressで作成されています。
日本国内のCMSのシェアにおいても84.4%とユーザーが多く、多くのウェブサイトがWordPressで作成されています。初心者から経験者に至るまで、幅広いユーザーがさまざまな目的で利用できるため、高いシェア率を誇っているといえるでしょう。
WordPressでできること
WordPressは、ウェブサイトやブログの作成・管理を可能にするコンテンツ管理システム(CMS)です。ウェブサイト構築に必要な基本機能から、高度な機能まで用意しており、個人のブログから企業のウェブサイト、eコマースまで幅広い用途で利用できます。専門知識がなくても、テーマやプラグインを組み合わせるだけでウェブサイトを作成できるため、数あるCMSの中でも、WordPressは特に初心者が利用しやすいサービスといえるでしょう。
WordPressで作成できるウェブサイトの種類
WordPressで作成できるウェブサイトは以下になります。
- ブログ(個人、企業)
- ホームページ
- ポートフォリオサイト
- ECサイト
- コーポレートサイト
- メディア系サイト(情報発信)
個人向けのブログから企業のコーポレートサイトまで、幅広いジャンルのウェブサイト(記事)を作成できます。
WordPressの基本機能
WordPressの基本機能には、以下のような機能があります。
- 記事の執筆・投稿
- 画像や動画の追加
- 固定ページの作成
- 階層構造の設定
- 外観のカスタマイズ
WordPressは基本機能だけでもウェブサイトや記事を作成できる点が魅力でしょう。
WordPressのカスタム性
WordPressは基本機能だけでも魅力的なウェブサイトを作成できますが、プラグインを活用するとより目的に特化したウェブサイトを作成できます。プラグインを追加して機能を拡張すると、以下のようなカスタマイズが可能です。
- SEO対策
- SNS連携
- お問い合わせフォームの設置
- 会員制機能の実装
- EC(電子商取引)機能の追加
- セキュリティの強化
プラグインを活用したカスタマイズには一定の知識が必要ですが、初心者でも十分に習得できるスキルです。
WordPressの勉強方法6選
ここでは、WordPressの効率的な勉強法を解説します。各勉強法の概要について表にまとめましたので、まずはご覧ください。
勉強方法 | 費用 | メリット | デメリット |
①WordPressを実際に動かしてみる | 無料、有料両方あり |
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②本で勉強する | 2,000円~数千円程度 |
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③記事で勉強する | 無料 |
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④動画で勉強する | 無料(※一部有料コンテンツもあり) |
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⑤SNSで情報収集する | 無料 |
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⑥セミナーや勉強会に参加する | 数千円~数万円(無料のものもあり) |
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それぞれの勉強法を見ていきましょう。
①WordPressを実際に動かしてみる
WordPressを実際に動かしてみることは、効果的な勉強方法の1つです。WordPressにはテーマやプラグインなど独自の機能がありますが、慣れるまでは初心者は戸惑ってしまうかもしれません。ですが、どの機能も直観的に操作できるようデザインされているため、動かして感覚をつかむ練習をおすすめします。
まずは無料テーマを使い、簡単な個人ブログの作成を目指してみましょう。その過程で、テーマやプラグイン、管理画面の使い方など、操作のイロハが身についてくるからです。その上で、できないこと、わからないことを他の勉強法でフォローする方法が脱初心者の近道です。
②本で勉強する
本で勉強するやり方は、初心者がWordPressを学ぶ有効な方法の1つです。専門書を活用すれば、基礎から応用まで順序立てて学習できるため、知識の抜け漏れを防ぎながら全体像を把握しやすくなります。HTMLやCSS、PHPなどの基本的な知識から実践的なサイト構築までを段階的で学べる構成になっている点が大きな魅力でしょう。
また、本での学習は自分のペースで進められる点もメリットです。時間や場所を選ばずじっくり学習でき、理解できなかった部分を何度も読み返すことが可能です。まずは書店やオンライン書店で評価の高いWordPress入門書を1冊選び、実際にWordPressを動かしながら読み進めてみるとよいでしょう。
③記事で勉強する
ウェブ記事による勉強のメリットは、無料で必要な知識をピンポイントで学べる点にあります。HTMLやCSSなどのプログラミング言語の基礎からWordPressのインストール方法、基本操作まで幅広く発信されており、初心者に必要な情報も多数あります。また、既存のテーマをカスタマイズする方法やプラグインの紹介と使い方など、サイト構築に活かせる応用情報も数多くあり、中級者が学べる内容が豊富な点も魅力です。
ウェブ記事で勉強する際は、まずは自分がどこがわからないのか把握してから、検索して該当記事を探しましょう。WordPressはバージョンが更新されるため、参考にするウェブ記事は、可能な限り更新の日付が新しいサイトすることが大切です。
④動画で勉強する
動画で勉強する方法は、視覚的に操作画面を確認しながら学べるため、テキストだけの学習よりもイメージがつかみやすく理解が深まりやすい点が魅力です。YouTubeの動画などは無料で繰り返し視聴できるため、効率的に勉強が行え、コスパ良く知識を身につけられるでしょう。
WordPressの使い方を発信しているYouTubeチャンネルには、以下のようなものがあります。
- (株)ウェブロード
- アキユキ / Web制作チャンネル
- ウェブビジチャンネル
- 金子晃之
- mikimiki web スクール
どのチャンネルもわかりやすくWordPressの使い方を解説しており、初心者の勉強のサポートになるでしょう。
⑤SNSで情報収集する
SNSを活用した情報収集も、WordPressを勉強する上で効果的です。X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSでは、WordPressに関する最新情報やトレンドを素早くキャッチできます。「#WordPress」のようなハッシュタグをフォローしたり、専門家のアカウントをチェックすることで、初心者でも質の高い情報にアクセスできるのが魅力でしょう。
また、SNS上のWordPressのコミュニティなどに参加すれば、専門家から直接レクチャーしてもらえる機会も得られます。参加者である初心者同士で情報交換したり、励まし合ったりできますので、まずはSNSで情報をチェックすることをおすすめします。
⑥セミナーや勉強会に参加する
セミナーや勉強会に参加する方法も、WordPressを勉強する上で効果的です。セミナーや勉強会では、初心者から中級者まで様々なレベルに合わせた講座が用意されており、専門家から直接指導を受けられるため貴重な勉強な機会です。多くの勉強会では実際に操作しながら学ぶハンズオン形式を採用しているため、理論だけでなく実践的なスキルを身につけられる点も魅力でしょう。
また、操作ややり方でわからない部分についてその場で質問できるため、独学では解決しにくい問題もすぐに解消できます。最新のWordPressのトレンドや技術についても、第一線で活躍する講師から直接学べる点も大きなメリットでしょう。
WordPressの学習を始めるなら、まずは自分のレベルに合ったセミナーや勉強会を検索してみてください。その際、地域や開催形式(オンライン・オフライン)で絞り込むと効率的です。
WordPress初心者が勉強すべきポイント
WordPress初心者の場合、優先的に勉強すべきポイントがあります。
- WordPressの構造
- クラシックエディタとブロックエディタ
- プラグイン
- テーマ
どのポイントもWordPressでは重要になりますので、それぞれ見ていきましょう。
①WordPressの構造
WordPress初心者にとって、WordPressの構造を理解することは基本となります。WordPressの環境を支える要素には、以下のようなものがあります。
- HTML/CSS
- サーバー
- ドメイン
各要素の役割を理解することで、ウェブサイトの構築だけでなく発生しうるトラブルへの対処もしやすくなるため、土台として勉強しておきましょう。
HTML/CSS
HTML/CSSは、WordPressのテーマやプラグインに使用されている言語で、HTMLはウェブページの構造を定義し、CSSはデザインを担当しています。そのためHTML/CSSを理解して扱えるようになると、より細かなカスタマイズやデザインの調整ができるようになります。
具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。
- カスタマイズの自由度の向上
- 拡張性の向上
- サイトの表示速度の向上
- SEO対策
- テーマやプラグインの不具合を解決
以上のメリットから、HTML/CSSを扱えるようになると、より目的に合わせて最適化されたウェブサイトを作成、運用できるようになるでしょう。
サーバー
サーバーは、WordPressで作成したウェブサイトのデータを保存する箱のような役割を果たす機能です。具体的には、以下の役割を担っています。
- データの保存と提供
- インターネットへの接続
- ユーザーの要求に応じた情報提供
- WordPressソフトウェアを実行する環境の提供
初心者の方なら、サーバーを「WordPressのデータを保存し、インターネット接続にも必要な機能」と考えると覚えやすいでしょう。
ドメイン
ドメインは、ウェブサイトのアドレス(住所)であり、誰が運営するウェブサイトか明らかにする上で重要な機能です。自分の名前やブランド名などを含んだドメインを取得することで独自性を出したり、プロフェッショナルな印象をユーザーに持ってもらいやすくなります。
ドメインには無料のものと有料のものがあります。有料ドメインの取得費用は年間1,000〜5,000円程度で、複数年契約でさらに安くなる場合もあります。
ドメインの種類には以下のようなものが挙げられます。
- .com
- .net
- .jp
- .co.jp
- .info
- .xyz
- .blog
- .store
レンタルサーバー事業者ごとにドメインの費用は異なっており、加えてどのドメインの種類かによっても費用が変わってきますので注意してください。また、「.co.jp」など使用率が高いドメインの方が費用が高い傾向にあります。
②クラシックエディタとブロックエディタ
WordPressの記事作成画面には、クラシックエディタとブロックエディタの2種類があります。WordPress 5.0以降はブロックエディタが標準となっていますが、プロジェクトなどの性質や好みに応じてエディタを選べます。
クラシックエディタ
クラシックエディタは、シンプルで直観的に操作でき、初心者でもすぐに記事などが作成できます。 WordやGoogleドキュメントなどに近い操作感なので、文字入力や画像配置が簡単なのが大きな特徴でしょう。
また、HTMLやCSSのコードを直接編集しやすく、熟練者にとってカスタマイズがしやすい点もクラシックエディタの魅力です。多くのプラグインやテーマとの互換性も高いため、目的に合ったウェブサイトの作成がしやすくなっています。
ブロックエディタ
ブロックエディタは、要素ごとに専用のブロックを設置し、それぞれのブロックを個別に編集しながら記事などを作成するエディタです。最初は扱いずらい印象がありますが、慣れるとドラッグ&ドロップでブロックを移動させてカスタムしたり、複雑な仕組みや動きのあるコンテンツを直観的に配置できるようになります。SEOに配慮したウェブサイトの構造、記事の構成も簡単に作成できる点も魅力でしょう。
熟練者向けの高度なカスタマイズも可能で、カスタムブロックを作成することにより、ウェブサイトや記事をより目的に合わせたデザイン・仕組みにもできます。
③プラグイン
プラグインは、WordPressの機能を拡張するためのツールであり、ウェブサイトをカスタムする上で欠かせない機能です。プラグインがあれば、プログラミングスキルがない方でも、サイトの目的や要件に合わせて必要な機能を柔軟に追加し、高機能なサイト構築が可能です。また、セキュリティ強化やSEO対策といった専門的な機能も、プラグインによって補強できます。
プラグインの詳しい情報については、以下の記事で解説しています。
④テーマ
テーマは、WordPressで作成するウェブサイトの外観や構造といったデザインと機能を決める機能です。専門的な知識がなくても、テンプレートとして用意されているテーマを導入することで、デザイン性の高いウェブサイトを簡単に作成できる点が魅力です。
テーマには有料・無料の2種類があり、どちらを選ぶかはウェブサイトに必要な機能によって変わります。初心者の場合、まずは無料テーマを試してみることをおすすめします。実際に操作しながら機能を確認し、自分のニーズに合ったテーマを探してみましょう。
WordPressを勉強する際のよくある疑問
最後に、WordPressの勉強に関するよくある疑問について回答します。
- WordPressを習得するのにかかる時間は?
- WordPressに費用はかかる?
- HTML/CSSの知識は必須?
- 独学でわからない場合はどうする?
どの疑問のWordPress初心者にとって気になるものばかりですので、チェックしておいてください。
①WordPressを習得するのにかかる時間は?
WordPressの習得にかかる時間は、経験や学習環境によって異なります。初心者の場合、基本的な使い方の習得に1〜2週間、中級レベルまでに1〜3ヶ月、上級レベルまでに3ヶ月〜1年程度が目安になるでしょう。集中的に学習すれば早く習得できますが、仕事と並行して学ぶ場合は、WordPressをスムーズに操作できるようになるまで6ヶ月程度を目安にするとよいかもしれません。
具体的に初級・中級・上級レベルそれぞれの状態は以下になります。
- 初級レベル:WordPressのインストールやテーマの設定、基本操作を使ってページ作成が可能になる状態
- 中級レベル:テーマのカスタマイズ、SEO対策などの施策が行えるようになる状態
- 上級レベル:オリジナルテーマの開発やHTML/CSSを扱った高度なカスタマイズができる状態
まずは脱初心者として初級レベルを目指し、実務で使うなら中級レベルを目指して勉強するとよいでしょう。
②WordPressに費用はかかる?
WordPressは無料でも利用できますが、本格的な利用には有料プランや関連サービスの費用が必要となる場合があります。WordPress.comの無料プランと有料プランでは使える機能や制限に違いがあり、有料版では広告非表示、カスタマイズ性の向上、収益化の自由などのメリットが得られます。
WordPressのサービスは、以下の3種類に分けられます。
- WordPress.org(無料)
- WordPress.com(無料)
- WordPress.com(有料)
それぞれの特徴について表にまとめました。
WordPress.org(無料) | WordPress.com(無料) | WordPress.com(有料) | |
費用 | 無料 | 無料 |
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必要なもの |
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なし | なし |
プラグイン | 利用できる | 利用できる | 利用できる |
テーマ | 利用できる | 一部利用できる | 利用できる |
独自ドメイン | 利用できる | 利用できない | 利用できる |
サポート | なし | あり | あり |
また、WordPressの有料プラン以外に必要な費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
③HTML/CSSの知識は必須?
WordPressを使用する上で、HTML/CSSの知識は必須ではありません。テーマやプラグインを活用すれば、コーディング知識がなくても基本的なWebサイトを構築できます。ビジュアルエディタを使えば、HTMLタグを直接入力せずに記事執筆などが可能です。初心者の方は、まずWordPressの基本機能から始め、必要に応じてHTML/CSSを学ぶ方法がおすすめです。
④独学でわからない場合はどうする?
WordPress初心者が独学で行き詰まった場合、一人で解決しようとするのではなく誰かに教えてもらう方法がおすすめです。具体的には、以下の2つの方法が挙げられるでしょう。
- WordPress.comのフォーラムで質問する
- セミナーや勉強会に参加する
公式サイトであるWordPress.comでは、WordPressについて他のユーザーに質問できるフォーラムがあります。行き詰った場合は、まずはフォーラムで他のユーザーに聞いてみるとよいでしょう。
WordPressのセミナーや勉強会に参加し、専門家から直接教えてもらう方法もあります。WordPressは誰でもウェブサイトが作れることが特徴ですが、とわいえ初心者には難しい部分があるのも事実です。特に細かな設定やデザインについて悩んでしまうのではないでしょうか。セミナーや勉強会に参加すれば、WordPress熟練の講師からアドバイスをもらえ解決できます。
WordPress勉強まとめ
初心者がWordPressを勉強する際は、完全な独学ではなく、必要に応じて専門家に質問できる環境を用意することが大切です。実際にWordPressを動かしながら、本・記事・動画などで勉強するようにし、併せてSNSやWordPress.comのフォーラム、セミナーや勉強会などで専門家からレクチャーしてもらえる環境を作るとよいでしょう。
WordPressは着実に学べば誰でもウェブサイトを作成できるようになりますので、焦らず一歩ずつ学ぶ姿勢を持つことが大切です。
