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【2025】ライノセラスのiPad版とは?3Dモデルビューア機能や使い方を解説

3Dモデリングツールであるライノセラスを手軽に使いたい、屋外でもチェックしたいというときに役立つのがビューアとしての機能をもつiPad版のライノセラスです。しかし、具体的な導入手順や使い方がわからないとお悩みの人も多いでしょう。

そこでこの記事では、ライノセラスiPad版の概要や導入手順をわかりやすくまとめました。
導入後の使い方も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ライノセラスのiPad版とは?

まずライノセラスは、多業種で利用しやすい3Dモデリング機能が備わったツールです。
直感的な操作で3Dモデルを構築できることはもちろん、豊富なプラグインを導入することにより、多種多様な表現・調整に対応できます。

しかし、上記の作業を実施できるのがパソコンといった高処理に対応できる端末だけであり、屋外などだとデータのチェックを実施できません。そこで登場したのが、ビューア機能をもつiPad版のライノセラス「iRhino 3D」です。

ライノセラスのUI(ユーザーインターフェース)をそのままに、パソコンで作成したデータをすぐに閲覧できます。豊富な表示機能が搭載されているので、屋外でもライノセラスのデータをチェックしたい人におすすめです。

また、パソコンに導入して操作するライノセラスの概要からチェックしたい人は以下の記事をご確認ください。ソフトウェアの機能について詳しく解説しています。

【2025】Rhinoceros(ライノセラス)とは?人気3Dモデリングソフトを解説

ライノセラスiPad版を導入できる端末

ライノセラスiPad版は、iOSに対応している端末に導入できます。
つまり、iPadのみならずiPhoneにもインストールできるのが特徴です。
参考として以下に、動作環境をまとめました。

基本的な動作環境 iOS 17以降が搭載されているiPhone・iPad
部屋のスキャン機能 LiDARスキャナーを備えたiPhone・iPad
オブジェクトのスキャン機能 iPadOS 17以降のiPad、またLiDARスキャナとA14 Bionicチップ以降を搭載したiPhone・iPad

古い機種のiPad・iPhoneではインストールできない点に注意してください。
参考として、現在対応できるiPhoneの古い機種は「iPhone XR」までです。
iPadについては「iPad mini」「iPad Air」「iPad Pro」などで動作します。

ライノセラスのiPad版の対応ファイル形式

ライノセラスiPad版に対応しているファイル形式は、次の通りです。

  • 3dm
  • dwg・dxf
  • glb・gts
  • iges
  • lwo
  • usd・usdz
  • off
  • ply
  • points
  • raw
  • slc
  • stl
  • vrml
  • wamit
  • x

ライノセラス独自のファイル形式3dmはもちろん、Autodeskのdwg・dxfに対応しているのが特徴です。さらには、点群データであるpointなども表示できることから、ライノセラスだけでなく豊富な用途で利用できます。

なおiRhino 3Dはライノセラス8、7の3dmデータへの保存に対応しています。
古いバージョンへの保存ができない点に注意してください。

ライノセラス8の情報を詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
最新バージョンの概要や追加機能を説明しています。

【2025】Rhinoceros8とは?7との違いや価格情報・使い方を解説

ライノセラスのiPad版の使い方

ライノセラスのiPad版では、CADソフト・モデリングソフトなどで作成されたデータを閲覧できる機能だけでなく、豊富な機能が搭載されています。そのなかでも、特に便利な機能の使い方を整理しました。

2D図面・3Dモデルのビューア

3Dモデルの表示
出典:ライノセラス公式サイト

ライノセラスのiPad版では、作成された3Dモデルの読み込みが可能です。
360°自由に回転できることはもちろん、表示形式を次のように変更してデータを閲覧します。

  • ワイヤーフレーム
  • シェーディング
  • X線

また、レイヤーに分けてモデルを表示できるのはもちろん、iPadやiPhoneで利用するのにもかかわらず、レンダリングにも対応しているのが魅力です。

2D図面の表示
出典:ライノセラス公式サイト

さらにはライノセラスのiPad版は2D図面の読み込みにも対応しています。
2DCAD・3DCADのデータを読み込めることから、ライノセラスで作成したデータ以外にも使い道をつくり出せるのが特徴です。

読み込んだデータへのマークアップ

ライノセラスのiPad版は、読み込んだデータにマークアップをして保存できます。
参考として以下に、利用できるマークアップ機能を整理しました。

  • ペンでの書き込み
  • 計測
  • 色変更

例えば指摘したい場所、フィードバックしたい場所をペンで囲むことにより、伝えたい位置を示せます。また、直接文字を書き込むこともできるため、紙の書類にメモをするのと同じ感覚でマークアップできるのが魅力です。

複数のペン機能が用意されているので、マークアップの見やすさを調整できます。

ARモードによる3Dモデルの配置

3DモデルのAR配置
出典:ライノセラス公式サイト

ライノセラスのiPad版には、AR技術を活用した現実世界へのモデル反映機能が搭載されています。

ARとは拡張現実という意味であり、現実世界とデジタルを融合する革新的な技術です。
ライノセラスのiPad版では、カメラ機能を利用して、映し出された空間にそのまま3Dモデルを配置できます。

また3Dモデルは自由に位置を調整することが可能であり、基準点に合わせて3Dモデルを配置するARマーカー、位置を任意で調整する自由点、サーフェスといった機能を利用できます。

LiDARを利用した点群データスキャン

点群データのスキャニング
出典:ライノセラス公式サイト

ライノセラスのiPad版は、LiDARの機能を搭載したiPad・iPhone限定で、点群データのスキャン機能が搭載されています。

LiDARとは、Light Detection and Rangingの略称であり、光を利用したリモートセンシング技術を用い、物体検知や対象物までの距離を計測する機能のことです。最新のiPadやiPhoneにも搭載されており、次のような用途で利用できます。

  • 屋内空間を点群データ化する
  • 対象の物体を点群データ化する

また、スキャンされた点群データは、メッシュデータとして保存が可能です。
3Dモデルを利用する建設業のBIM業務はもちろん、3Dモデリングのベースとなる3Dメッシュデータを作成する際にライノセラスのiPad版が役立ちます。

ライノセラスのiPad版の活用シーン

iRhino 3Dの活用シーン

ライノセラスiPad版を導入したものの、どのような用途で利用していいのかイメージできない人もいるはずです。そこでここでは、業務におけるライノセラスiPad版の活用シーンをまとめました。

屋外でのデータチェック

ライノセラスのiPad版は、社内で作成した3Dモデルを屋外にいる関係者に共有する際に活用できます。

例えば、今すぐデータの内容をチェックしてもらいたいものの、担当者が外出している場合には、その担当者が帰社するまで待たなければなりません。一方でライノセラスのiPad版があれば、クラウドを通じて世界中の誰にでもデータを連携できます。

屋外からチェックしてもらい、フィードバックをもらうといった動き方もできるので、ライノセラスと組み合わせて利用してみてはいかがでしょうか。

発注者へのデータ共有

ライノセラスで作成した3Dモデルや2D図面のデータを共有したいものの、なかにはライノセラスのソフトを所有しておらず、閲覧に時間がかかる発注者もいます。

そこで役立つのがスピーディーにデータを共有できるほか、無料でインストールできるiPad版のライノセラスです。ビューアという目的、そして指摘という目的だけならiRhino 3D単体で対応できます。

発注者との情報共有を効率化したいなら、ぜひライノセラスのiPad版の導入を提案しましょう。

プレゼンテーション

ライノセラスのiPad版は、iPad・iPhoneといった小型のデバイスに導入できるため、屋外へ持ち運びやすいのが特徴です。そのため、打ち合わせ協議をする際のプレゼンテーションに利用できます。

なかでもiPadは11~13インチ程度の大きさのものもあるため、少人数の打ち合わせであれば問題なく対応できます。さらにはプロジェクターに接続できるので、わざわざパソコンを持ち歩きたくないという人におすすめです。

ライノセラスのiPad版の導入手順

ライノセラスiPad版のインストール
出典:App Store公式サイト

ライノセラスのiPad版は、Appleが提供しているApp Storeからインストールできます。
以下にインストール手順を整理しました。

  1. App storeにアクセスする
  2. 「iRhino 3D」と検索する
  3. 右上に表示される「入手」ボタンをタップする

特に細かな設定はありません。
パソコンからiPad・iPhoneにデータを送信して読み込むだけで、簡単にビューア機能を利用できます。

ライノセラスの使い方をセミナー講習で学ぼう

Rhinoceros基礎セミナー ライノセラスのiPad版を活用したいなら、パソコン版のライノセラスの使い方を覚えておくことをおすすめします。

使い方を学習する際に独学をする人もいますが、途中で挫折してしまう人も少なくありません。そこでおすすめなのが、以下のようなプロの講師からライノセラスの使い方を学べるセミナー講習です。

セミナー名Rhinoceros基礎セミナー講習
運営元ProSkilll(プロスキル)
価格(税込)38,500円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京)

操作の基本、機能の使い方、実践的な業務への適用方法などを、挫折せず効率よく学べるので、自分でも利用できそうなセミナー講習がないか探してみてはいかがでしょうか。

ライノセラスのiPad版についてまとめ

ライノセラスのiPad版は無料でインストールできるのにもかかわらず、ビューア機能・マークアップ機能・点群スキャン機能・AR機能など、豊富な機能を利用できます。

ライノセラスだけではなく複数のデータ形式の読み込みができるのはもちろん、iPhoneにも導入できるのが魅力です。屋外でもライノセラスのデータをチェックしたいと考えているのなら、ぜひiPad版をインストールしてみてください。

ライノセラスipadのアイキャッチ
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