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【2025】リスキリング補助金・助成金5選!受給条件・金額・メリットや注意点も徹底解説

近年、デジタル化やAIの進化により、企業に求められるスキルが大きく変わっています。こうした変化に対応するため、リスキリングや人材育成は欠かせません。

現在では、国や自治体の補助金・助成金制度を活用し、従業員のスキルアップを目指す企業が増えています。本記事ではリスキリング補助金の活用法や注意点などを解説していますので、ぜひ参考にしてください

リスキリングとは?

リスキリングとは、技術革新やビジネス環境の変化に対応するため、従業員が新たな知識やスキルを身につけることを指します。特にDX(デジタル化)やAIの普及により、今までの業務だけでなく新しい職務にも対応できる人材を育成するため、企業が積極的に導入しています。

リスキリングが企業にこそ必要なワケ

リスキリングは、企業にとって単なる従業員のスキルアップ手段ではありません。企業がリスキリングに取り組むことで得られる主な効果は以下の通り多岐に渡るため、企業として生き残り、躍進していくにも欠かせないのです。

  • 生産性の向上
  • 新しいアイデアやイノベーションの創出
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)推進
  • 優秀な人材の確保・定着率向上
  • 採用コストの削減
  • 雇用の安定や人材の再配置

下記では、リスキリングについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

【2025】DX時代に必要なリスキリングとは?成功のためのステップと注意点を紹介

リスキリングに活用できる補助金・助成金・給付金の違い

リスキリングに活用できる補助金・助成金・給付金の違い

制度ごとの違いを表でまとめました。

制度名 対象事業・目的 審査の有無 支給目的 支給額の目安 管轄
補助金
  • 新規事業
  • 設備・IT導入等
あり(審査制) 事業推進 数百万~数千万円 経産省等
助成金
  • 雇用促進
  • 人材育成等
なし(要件制) 雇用・人材支援 数十万~数百万円 厚労省等
給付金
  • 生活支援
  • 教育訓練等
なし(要件制) 生活・学び支援 数万~数十万円 国・自治体

上記からわかるように、補助金支給の目的、制度の管轄省庁、支給対象などが各制度ごとに異なります。

リスキング補助金・助成金制度の支給金額と条件

リスキリング補助金・助成金制度

企業がリスキリングを推進する際には、さまざまな補助金や助成金制度を活用することができます

制度名 概要・特徴 対象事業・対象者 支給金額・助成率 支給条件(一部抜粋)
①人材開発支援助成金 職業訓練・研修の経費・賃金を助成 企業・従業員 賃金:1人1時間760円等
  • 正社員対象
  • 事前申請必要
②IT導入補助金 ITツール導入費用を補助 中小企業・小規模事業者 最大450万円、1/2補助等
  • 登録ITツール利用
  • 審査制
③ものづくり補助金 設備投資・新技術導入を支援 中小企業・小規模事業者 最大4,000万円、1/2補助等
  • 革新性・成長性が条件
④DXリスキリング助成金(東京都) DX研修の経費を助成 都内中小企業 1人1研修7.5万円、最大100万円
  • 公開・委託研修
  • 都内企業
⑤教育訓練給付金 教育訓練費用の一部補助 労働者・離職者 費用の20~70%、最大56万円
  • 指定講座受講
  • 雇用保険加入

①人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して職務に必要な知識やスキルを身につけさせるための研修を行う際、その経費や研修期間中の賃金の一部を国が助成する制度です。

主に正社員が対象で、計画的な人材育成を支援します。企業は人材育成のコストを抑えつつ、従業員のスキルアップや生産性向上を図ることができます。

参考:人材開発支援助成金(厚生労働省)

人材育成をさらに強化したい企業には、DXやAI分野に特化した実践的な研修サービスの活用するとよいでしょう。最新のデジタル技術やAIスキルを身につけ、現場で即戦力となる人材を育てたいなら、企業向けDX・AI人材育成研修サービスがおすすめです。

企業向けDX・AI人材育成研修サービスはこちら

②IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が業務効率化や生産性向上を目的にITツール(ソフトウェアやクラウドサービスなど)を導入する際、その費用の一部を国が補助してくれる制度です。

導入するツールや申請枠によって補助率や上限額が変わります。返済の必要はなく、IT活用による企業の成長をサポートするための補助金です。

参考:IT導入補助金

③ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性向上や新製品・新サービスの開発、生産プロセスの省力化などを目的に設備投資を行う際、その費用の一部を国が補助する制度です。

製造業だけでなく、サービス業や小売業など幅広い業種が対象で、補助金額は最大4,000万円、補助率は1/2または2/3と高額な支援が特徴です。企業の成長や競争力強化を後押しするため、毎年多くの事業者が活用しています。

参考:ものづくり補助金総合サイト

④DXリスキリング助成金(東京都)

DXリスキリング助成金(東京都)は、都内の中小企業が従業員向けにDX(デジタル化)に関する研修を実施した際、その費用の一部を助成する制度です。

対象となるのは、教育機関が実施する既存の公開研修(レディメイド研修)や、企業が教育機関に委託して行うオーダーメイド研修です。助成額は経費の3/4(1人1研修あたり上限75,000円)、1社あたりの上限は100万円で、複数回の申請も可能です。

参考:DXリスキリング助成金(東京都)

⑤教育訓練給付金

教育訓練給付金は、働く人や離職者がスキルアップや資格取得のために講座を受講した際、その費用の一部を国が補助してくれる制度です。指定された講座を受講し、修了すれば受講料の20~70%(最大56万円まで)が支給されます。

ただしこれは、ここまで紹介した企業向けの補助金・助成金と性質が異なり、雇用保険に加入し条件をクリアした個人に向けて支給されるものです。従業員のリスキリング推奨の際に、「このような制度もある」ということを通達するとよいでしょう。

参考:教育訓練給付制度(厚生労働省)

リスキリング補助金・助成金3つのメリット

リスキリング補助金・助成金3つのメリット

ここでは、リスキリング補助金・助成金のメリットについて詳しく解説します。

  1. コスト削減に繋がる
  2. 社内人材育成が可能
  3. DX推進基盤の構築ができる

①コスト削減に繋がる

リスキリング補助金や助成金を活用すると、企業が従業員のスキルアップや外部講座受講、研修にかかる費用の一部を国や自治体が負担してくれます。そのため、通常は企業が全額負担する教育コストを大幅に抑えることができ、予算を効率よく使いながら人材育成を進められます

コスト面での負担が軽減されることで、より多くの従業員にリスキリングの機会を提供しやすくなるのも大きなメリットです。

②社内人材育成が可能

リスキリング補助金を活用して社内で人材育成を進めると、外部から新たな人材を採用せずに、既存の従業員が自社の業務や文化を理解したまま新しいスキルが身につけられます

そのため、即戦力として活躍できる人材が社内で増え、業務効率化や新規事業の推進にもつながります。また、従業員のキャリア形成やエンゲージメント向上にも効果が期待できるのも嬉しいポイントです。

③DX推進基盤の構築ができる

リスキリング補助金や助成金を活用すると、企業はDX推進に必要な人材育成やスキル習得の基盤を整えることができます。具体的には、従業員向けのDX関連研修やeラーニング、ITツール導入などにかかる費用の一部を補助してもらえます

そのため、コストを抑えながら最新のデジタル技術や業務プロセス改善に対応できる組織づくりが可能です。これにより、業務効率化やイノベーションの促進、企業全体の競争力強化にもつながります。

リスキリング補助金・助成金の申請手順

リスキリング補助金・助成金の申請手順

手順 内容 ポイント・注意事項
① 申請要件の確認 各補助金・助成金の対象となる企業規模、業種、事業内容などの条件を確認
  • 要件を満たしていないと申請不可
  • 募集要項を事前によく確認
②実施計画の作成 研修内容や目的、期間、対象者などを明記した計画書を作成
  • 目標や期待する成果を明確に
  • 事業との関連性も記載
③申請書類の準備・提出 事業計画書、経費明細書、研修計画書など必要書類を準備し、指定方法で提出
  • 書類不備や期限遅れに注意
  • 必要書類をリストアップしておく
④審査・承認 提出書類をもとに審査が行われ、承認通知が届く
  • 内容に不備がないか再確認
  • 不採択の場合は次回に向けて計画見直し
⑤計画の実行 承認された計画に基づき研修や訓練を実施
  • 承認内容に沿って実施
  • 変更がある場合は事前に変更届を提出
⑥ 実績報告・支給申請 研修終了後、実績報告書や領収書、名簿などを提出し支給申請
  • 期限内に申請する
  • 内容や証憑の保管も重要
⑦助成金・補助金の受給 審査を経て、条件を満たしていれば助成金・補助金が支給される
  • 支給までに時間がかかる場合あり

上記は代表的なリスキリング補助金・助成金制度の申請手順です。詳細は各制度の要項を必ずご確認ください。

下記では、補助金の申請ポイントについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

【2025】DX人材育成の補助金活用術とは?企業が活用すべき制度と申請のポイント

リスキリング補助金・助成金申請時3つの注意点

リスキリング補助金・助成金申請時3つの注意点

リスキリング補助金・助成金を申請する際には、スムーズな受給のために事前に押さえておくべきポイントがあります。下記では、申請時に特に気を付けたい3つの注意点について解説します。

  1. 申請要件の確認が必要
  2. 書類準備に時間がかかる
  3. 審査落選リスクの可能性がある

①申請要件の確認が必要

リスキリング補助金や助成金を申請する際は、まず自社や従業員が制度ごとに定められた申請要件を満たしているかをしっかり確認することが大切です。

たとえば、企業規模や業種、雇用保険への加入状況、対象となる訓練の内容や時間など、細かな条件が設けられています。事前にチェックし、募集要項をよく確認しておかないと、申請しても受給できない場合があるため注意が必要です。

②書類準備に時間がかかる

リスキリング補助金や助成金の申請には、事業計画書や研修計画、経費明細、参加者名簿など多くの書類が必要です。書類を正確にそろえるには時間と手間がかかり、不備があると再提出や審査の遅れにつながることもあります。

スムーズに申請を進めるためには、早めに準備を始め、必要な書類をリストアップして計画的に対応することが大切です。

③審査落選リスクの可能性がある

リスキリング補助金や助成金は、申請しても必ず受給できるとは限りません。特に補助金は審査があり、申請内容や事業計画が制度の目的や基準に合致していない場合は不採択となるリスクがあります。

また、書類の不備や提出期限の遅れや必要な条件を満たしていない場合も落選の原因となるため、事前に要項をしっかり確認して丁寧な準備が必要です。不採択となった場合は、次回申請に向けて計画や書類内容を見直すことが大切です。

リスキリングの効果を最大化するポイント

リスキリング効果を最大化するためのポイント

①従業員の学習意欲を向上させる

従業員の学習意欲を高めるには、目標を明確にし、達成までの道筋を具体的に示すことが大切です。SMARTルール(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)を使って目標設定を行うと、何をどこまで頑張れば良いかが明確になり、モチベーションが上がります。また、インセンティブ制度や評価制度の導入も効果的です。

②実務で活用できる機会を提供する

リスキリングで学んだ知識やスキルをしっかり定着させるには、実務で活用できる場を意識的に用意することが大切です。例えば、習得したデータ分析やITスキルを使って実際の業務課題に取り組むプロジェクトを立ち上げたり、日々の業務の中で新しい手法を試せる機会を設けたりします。

実践を通じてスキルが身につくだけでなく、成果が評価やキャリアにも反映されることで、従業員のモチベーション向上にもつながります。

企業向けDX・AI人材育成研修サービス

企業向けDX・AI人材育成研修サービス企業向けDX・AI人材育成研修サービスは、自社のDX推進やAI活用を強化したい企業に、実践的な研修プログラムを提供しています。最新のデジタル技術やAIスキルを習得できるカリキュラムで、現場で即戦力となる人材を育成します。また、企業の課題や目標に合わせたオーダーメイド研修なども対応可能です。

リスキリング補助金まとめ

リスキリング補助金や助成金を活用すると、企業は従業員のスキルアップやDX推進を効率的に進めることができます。各制度の条件や最新情報を確認し、自社に合った支援策を上手に利用して、企業を成長させましょう。

【2025】リスキリング補助金や助成金とは?メリットや注意点なども徹底解説
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