闇雲に仕事を進めても、なかなか上手くいくものではありません。
企業としての目標を達成するには経営管理が必要です。
これによって実際の企業活動をモニタリングしたり、活動の結果改善すべきポイントを見つけることができるのです。
この経営管理にはいろいろなやり方、考え方があるのですが、その一つがPPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)です。
PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)とは?
PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)は、複数のプロジェクトをまとめて管理してプロジェクトの戦略を効率よく考え、マネジメント力を上げる施策のことです。
プロジェクトを複数で管理することにより、優先順位や人員の調整・予算の振り分けなどが決めやすくなるといったメリットがあります。
一流の経営者はプロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントを行うことで効率よく経営を回すことが可能になり、役職者は安定してたくさんのプロジェクトを回すことができるようになるでしょう。
なぜPPMが必要なのか
PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)は何故必要なのでしょうか。
理由の1つ目は、自社の製品や事業を客観視できるからです。
一旦スタートした事業というのは、なかなか終わらせられません。利益が低く市場の成長も望めない、「負け犬」にカテゴライズされるような事業であっても、スタッフの頑張りやこれまでにかけた金額を考えてなかなか撤退を決められないということはよくあるのです。
しかしPPM分析を使えば、市場シェアと市場成長率という指標によって事業の状態を客観視することができるので、どこにお金をかけるのか、撤退すべきかどうかを判断しやすくなるのです。
2つ目に、事業の判断ミスを防ぐためにも、PPM分析は役立ちます。
事業を単純に「赤字だからストップする」「黒字だからこのまま継続」と判断するのは早計です。今は赤字であってもこの先大きく伸びる可能性がある事業もありますし、黒字であってももう市場が成熟しきっていてこれ以上の利益は望めない事業もあります。
単なる赤字黒字だけで判断するのはむしろ危険なのです。
PPM分析であれば赤字黒字以外の指標を基準に考えることができるので、これ以上成長できそうもない事業に多額の投資をしたり、これから伸びる事業を赤字だからと切り捨ててしまうリスクを減らすことができるのです。
人気PPMツールを徹底比較!
PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析を行うときは、市場成長率と市場シェア率を計算して2軸の座標を置き、手がけている自社の商品や事業を点(バブル)で表示するのが一般的です。
商品や事業を表す点は売上高に応じてサイズを変えてぱっと見て分かりやすくします。
自分で座標軸やバブルを用意し、調整したり動かしたりしながらPPM分析を行うのはなかなか大変で、複数人で行うならそれをどうシェアするかも考えなければいけません。
そんなときはツールを使って効率的に分析を行いましょう。
- Clarity
- Strap
- monday.com
- asana
人気PPMツール①Clarity
Clarityは外資系のソフトウェアになりますが、分かりやすい画面操作なのにも関わらずプロジェクトにしっかりコミットできる優秀なPPMです。
事業計画や戦略をどんどん回していく海外にピッタリですが、もちろんそのようにPDCAをうまく回していきたいといった日本の会社でも利用することができます。
規模が大きい会社やPPMをうまく行いたい経営者の方はまずClarityを検討してみると良いでしょう。
人気PPMツール②Strap
Strapは日本企業グッドパッチが開発するオンラインホワイトボードツールです。
文字通りオンライン上にホワイトボードがあるイメージで、リアルタイムで図形やテキストといった情報の共有編集が可能です。
これによって、作業やスタッフ同士のコミュニケーションを効率化します。公開範囲を指定したり、IPアドレスでのアクセス制限も可能なので、安心して運用することができます。
PPM分析用のテンプレートが用意されているので、手軽に分析をスタートさせることができます。
人気PPMツール③monday.com
monday.comはチームのタスク、プロジェクト、スケジュール、ファイルなどを一元管理できる業務管理ソフトウェアです。カスタマイズ性が高いのが特徴で、自社や業務に最適な作業環境をユーザーが自由に構築することができます。
操作のしやすさはもちろん「見やすさ」にも大きな特徴があり、「仕事の見える化」を促進してくれるソフトです。
PPM分析は企業内で行われている数多くのプロジェクトを統括的に捉える必要があるため、一元管理ソフトとして大いに役立ってくれます。
人気PPMツール④asana
asanaはチームのプロジェクトとタスクを管理するプロジェクト管理ツールで、数多くのアプリケーションと連携することができるため、スムースな業務進行をサポートしてくれます。
プロジェクトを付箋のように自由に移動させて視覚化できるボード機能を搭載しており、タスクを細かく分けて一覧表示することで複数のプロジェクトを視覚化して管理することが可能です。
PPMのための機能も搭載されており、複数のプロジェクトを効率的に管理することが可能です。
ポートフォリオとして一覧にまとめることで、別チームのプロジェクトでも進捗状況を把握しやすくなります。
PPMツールの選び方
PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)はいろいろなソフトで行うことができますが、ここではオンラインホワイトボードと業務管理ソフトの2つについて、選び方や比較の仕方を考えてみましょう。
オンラインホワイトボード
オンラインホワイトボードは、視覚的な情報共有がやりやすいのが大きな魅力です。
複数人で共有することを考えると、機能性などはもちろんですが、使い方が簡単でいろいろなデバイスで使用できるものを選ぶのがおすすめです。
業務管理ソフト
業務管理ソフトは、とにかく目的に合った機能が搭載されているかを重要視する必要があります。
折角業務管理ソフトを入れるのですから、PPMだけではなく他の機能にも注意を向けましょう。
料金や使いやすさももちろん大切です。
PPMツールの比較について まとめ
PPM(プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント)は「市場成長率」と「市場シェア率」の2つの軸を元に、自社の製品や事業を客観視するために非常に重要です。
これによって単なる数字で判断することなく、投資や撤退に関する判断ミスを減らすことが期待できるのです。