データを取り込めば、瞬時に見やすいグラフを作成してくれるPower BI。データ分析やレポート作成、データを使った意思決定にも大いに役立つツールです。しかし、Power BIは多機能であるため、なかなか思うように使いこなせない方もいるでしょう。
そこでこの記事では、Power BIを効率的に学べる研修を10選ご紹介します。Power BIを使った簡易なグラフ作成方法もお伝えするので、Power BIに興味がある方もぜひ参考にしてください。
Power BIとは?
Power BIは、Microsoftが提供するデータ可視化ツールです。Power BIで作ったグラフは、会議でのプレゼン資料作成やデータドリブン経営の推進など、幅広いビジネスシーンで活用されています。
- 「BI」は「ビジネスインテリジェンス」の略
- Power BIは無料の「Power BI Desktop」が主流
- Power BIで使えるデータの種類
「BI」は「ビジネスインテリジェンス」の略
「BI」は「ビジネスインテリジェンス」の略で、直訳するとビジネスの知能・知性という意味があります。
「Power」は「強力」を意味する英語なので、Power BIはデータから得られる「ビジネスの知性」を「強力」に後押しし、意思決定を助けてくれるツールと理解してもらうと良いでしょう。
Power BIは無料の「Power BI Desktop」が主流
Power BIは、無料版の「Power BI Desktop」が主流です。
多くのPower BIの研修でも「Power BI Desktop」を使用しており、手元のデータを取り込むだけで、円グラフや折れ線グラフ、積み上げ式の縦・横グラフなど、多彩なグラフを瞬時に作成してくれます。
なお、作成したレポートを組織内で共有、または、より大規模なデータ分析を行う際には、「Power BI Pro」や「Power BI Premium」といった有料版サービスが必要です。
Power BIで使えるデータの種類
Power BIといえば、「エクセルとの強固な連携」というイメージが強いですが、実はエクセル以外に以下のようなデータにも対応しています。
- CSV (.csv)
- テキストファイル (.txt)
- XMLファイル
- PDFファイル
- Webページ上のデータ(URL指定)
- データベース (SQL Server, Oracle, MySQLなど)
- Azureサービス
このように、Power BIは多彩なファイル形式・データソースに対応しています。なお、エクセルファイルはPDFに変換することも可能です。詳しい操作方法を以下でお伝えしているので、ぜひこの機会に試してみてください。
Power BIのおすすめ研修10選!
では、Power BIのおすすめ研修を10選ご紹介しましょう。まずは、各研修の特徴をまとめた表からご覧ください。
研修名 | 主な特徴 |
Power BI Desktop入門(NEC) | 高度なスキルも対応、1ヶ月1.2回開催 |
Power BIによるデータ分析(トレノケート) | セルフサービスPower BI実現、対面式 |
Power BI研修(インターネットアカデミー) | 非エンジニア向け、カスタマイズ可 |
Power BI活用研修入門(リクルート) | エクセル経験者向け、月1開催 |
Power BIを使用したデータ分析(iラーニング) | セキュリティ対策もカバー、初心者歓迎 |
Power BI Desktop研修(Gakken Skills GATEWAY) | DX推進・生産性向上重視の研修 |
Power BI Desktop(Winスクール) | 長期間・複数回に分けた学習 |
Power BI Desktop基礎研修(インソース) | 実務直結に役立つ身近なテーマを活用 |
Power BIセミナー(TECH PLAY) | 無料・多彩なテーマで随時開催 |
Power BI入門セミナー(IHS) | 無料・月2回の気軽な参加型 |
①Power BI Desktop入門|NEC
こちらは、Power BI Desktopの操作を学ぶ初心者向け研修です。エクセルなどのデータベースからデータを取り込み、加工・可視化する技術を、遠隔ライブ配信で実践的に習得します。
研修では、リレーションシップやDAX関数を使った高度な分析もカバー。開催頻度は1ヶ月に1、2回、申し込み・スケジュールは公式サイトで随時更新しています。
受講料 | 44,000円 |
受講期間 | 1日 |
受講スタイル | オンライン(遠隔ライブ配信) |
②Power BI によるデータ分析|トレノケート
こちらは、セルフサービスBI(IT部門の力を借りずに、自分自身でデータ分析を行うこと)を学べる入門研修です。Power BI Desktopを使い、対面式学習で実践的にスキルを習得します。
このコースは、WindowsとOfficeの基本ができれば、ITの専門知識がなくてもOKです。データ取り込み、加工から、Webやモバイルでの活用法まで、実習を通して分かりやすく学べます。
受講料 | 77,000円 |
受講期間 | 1日 |
受講スタイル | 会場イルミネート(虎ノ門) |
③Power BI研修|インターネットアカデミー
こちらは、非エンジニア職の方・管理職の方を対象としたPower BIの基礎研修です。基本は6時間の研修ですが、ニーズに合わせて柔軟に対応しています。
研修では、Power BIの基本操作から売上データ・情報との結合、合計値の表示などを演習形式で丁寧にレクチャー。バラバラのデータを会社全体で統合し、企業の現状を「見える化」するスキルが身につきます。
受講料 | 要問合せ(カスタマイズ) |
受講期間 | 6時間 |
受講スタイル | オンライン(eラーニング)、会場(講師派遣対応) |
④Power BI活用研修(入門)|リクルート
こちらは、「エクセルだけでは物足りない」と感じはじめた方向けのPower BI研修です。開催は基本的に月1回で、公式サイトでスケジュールを公開しています。
講座では、Power BIの基本・データ取得や変換、複数のデータを繋ぎ合わせるリレーションシップの定義など、実践的なワークショップを通じて分かりやすく学びます。
受講料 | 15,000円/名(税抜) |
受講時間 | 3時間 |
受講スタイル | オンライン |
⑤Power BI を使用したデータ分析|iラーニング
こちらは、Power BI Desktopの基本を学べるハンズオン研修です。研修では、データインポートから、カードや多彩なグラフ作成、修正・散布図の作成まで実践的に学びます。
さらに、ダッシュボード作成や共有方法、データセキュリティ(RLS)までカバーし、安全なデータ活用を実現。前提知識は不要なので、データ分析初心者の方にもおすすめです。
受講料 | 66,000円 |
受講期間 | 1日(9時30分 ~ 16時30分 昼休憩:60分) |
受講スタイル | 対面、オンライン |
⑥Power BI Desktop研修|Gakken Skills GATEWAY
こちらは、Power BI Desktopを活用したオンライン研修です。研修では、データドリブンな意思決定促進、レポート作成負担軽減を実現し、生産性向上とDX推進をサポートします。
講座では、Power BI Desktopの基礎から、ビジネスでの具体的な活用シーン、目的に合わせたデータ形式の選び方までカバー。なお、参加前には、Microsoft 365の無料版アカウントの準備が必要です。
受講料 | 22,000円 |
受講期間 | 半日 |
受講スタイル | オンライン |
⑦Power BI Desktop|Winスクール
こちらは、Power BI Desktopを使い現場で役立つデータ分析スキルを学べる研修です。研修では、抽出したデータの分析から効果的なグラフ作成、レポート作成までを実践的に学べます。
さらに、複数のデータソース連携、DAX式の基本概念、データ共有方法も学習。なお、当研修は、Winスクールの「Excel講座」、もしくは同等スキルを持った方が対象です。
受講料 | 60,500円(税込) |
受講期間 | 1ヶ月(90分×6回) |
受講スタイル | 教室、オンライン |
⑧Power BI Desktop基礎研修|インソース
Power BI Desktopを使った業務効率化を目指す研修です。研修では、エクセルやDBからのデータ紐づけなど、現場で使えるテクニックを具体的なワークを通して学習します。
例えば、日本の人口トレンド、経費・売れ行きといった身近なテーマを用いるので、日々の業務に直結する、生きたデータ活用の力を無理なく身につけられます。
受講料 | 会員:41,00円、通常:44,000円 |
受講期間 | 1日 |
受講スタイル | オンライン |
⑨Power BIセミナー!|TECH PLAY
TECH PLAYでは、Power BIセミナーを随時開催しています。例えば、入門版「Power BIはじめの一歩セミナー!」、米の消費・需要データを使った「Power BI 実演ライブ」など多彩です。
研修はオンラインで開催し、誰もが無料で利用できるのが魅力。ただし、多くの研修は先着申し込み順で、席に限りがあるので注意しておきましょう。
受講料 | 無料 |
受講期間 | 平均1時間 |
受講スタイル | オンライン |
⑩Power BI入門セミナー|IHS
こちらは、無料でPower BI Desktopの基本操作を学べるハンズオンセミナーです。研修では、エクセルに蓄積した大量のデータを、カラフルで説得力あるグラフに表現する術を学べます。
月に2回ほど開催されるZoomオンライン講座なので、場所を問わず気軽に参加できます。事前にPower BI Desktopのインストールは必要なので忘れず済ませておきましょう。
受講料 | 無料 |
受講時間 | 1時間 |
受講スタイル | オンライン(Zoom) |
Power BIで作成した視覚的なレポートやグラフは、パワーポイントと連携することで、説得力を強化したプレゼンテーション資料へと進化します。
以下の記事はパワーポイントの研修を紹介しているので、ぜひPower BIの研修と合わせてプレゼンテーションスキルを加速化し、ビジネスの場で活かしてください。
Power BIの研修を選ぶポイント
Power BI研修を選ぶ際は、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
- 自分のスキルに合っているか
- 手ごろに学べる研修か
- ライフスタイルに合っているか
①自分のスキルに合っているか
Power BIの研修は、受講者のレベルに応じて構成が大きく異なります。例えば、初心者の方が、DAX関数やモデル設計といった応用編に飛び込んでも、やはりスキルは定着しにくいです。
逆に、Excelのピボットテーブルや関数を使いこなしている人なら、基礎だけでは物足りないかもしれません。まずは、ご自身の経験に照らして、「いま学ぶべきステップ」はどこなのか見極めましょう。
②手ごろに学べる研修か
Power BIの研修費用は無料のオンライン講座から、数万円にのぼる専門的なコースまで様々です。いきなり高額な講座に申し込むよりは、やはり手ごろな料金の研修からスタートする方が良いでしょう。
費用に見合った価値を感じるためにも、安価な基礎研修から段階的に進み、本格的に学びを進めていくと無駄のないスキルアップを実現できます。
③ライフスタイルに合っているか
Power BIの研修を受ける際、ライフスタイルに合った受講形式を選ぶことも重要です。短時間で一気に学びたい人には1日集中型がぴったりですが、仕事終わりに少しずつ学びたいなら週1ペースの分割型が向いています。
オンライン講座は、通学が難しい方、自宅でも移動中でも受講できる柔軟さが魅力です。生活リズムに無理ない研修を選ぶことで、学習のモチベーションを保ちながら学び続けられます。
研修前に知っておきたいPower BIの基本操作
最後に、エクセルデータとPower BIの無料版「Power BI Desktop」を使った円グラフの作り方を、画像付きで分かりやすくご紹介します。ぜひ、Power BIの直感的な操作性と実際にできあがるグラフをご覧ください。
なお、「Power BI Desktop」は事前にダウンロードしておきましょう。「Power BI Desktop」の公式サイトにアクセスすれば、Microsoftアカウントからアプリをダウンロードできます。
- エクセルでデータを作成・保存
- ここでは、以下のような簡易なデータを使用
- Power BI Desktopを起動
- スタート画面が表示されたら「Excel ブック」をクリック
- ファイル選択ダイアログが表示
- 先ほど保存したファイルを選択して「開く」をクリック
- 「ナビゲーター」画面にエクセルファイル内のシートが表示
- 円グラフで使いたいシートにチェック
- データのプレビューに問題なければ右下の「読み込み」をクリック
- 画面右側の「データ」に読み込んだデータ中の列(「評価」と「割合」)が表示
- 隣の「視覚化」ペインから「円グラフ」アイコンをクリック
- 空の円グラフに、各扇形が示す項目をドラッグ&ドロップで設定
- ここでは、「割合」を「値」、「評価」を「判例」にドラッグ&ドロップ
- 自動的に画面左上に「評価による割合の合計」を表す円グラフが作成
- 拡大した円グラフ
- グラフの表示形式を変えると別形状に変化(ここでは「集合縦棒グラフ」を使用)
Power BI Desktopを使えば、このように簡単な手順で、見栄えの良いグラフを作成できます。ぜひ、簡単なデータを使って基礎の使い方からまずマスターしてみてください。
Power BIに取り込む際、まずエクセルなどを使ってデータを一覧表にまとめる作業が必要です。エクセル表の作り方に関しては、以下の記事をご参照ください。
Power BIの研修についてまとめ
Power BIの研修は数多くあり、受講料金や受講形態、対象者も様々でした。
まずは、本記事を参考にどのような研修があるのか十分にリサーチしてみてください。Power BIは奥深いので、段階的に学び進めることが重要です。
