ビジネスの現場で求められる「データ活用力」。その中でも注目を集めているのが、MicrosoftのBIツール「Power BI」です。とはいえ、機能が多くて何から学べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、初心者でも無理なく始められ、実務で使えるレベルまで到達できるPower BI講習の内容や選び方、おすすめ講座9選を紹介します。最適な講習を選び、Power BIスキルを効率的に身につけましょう。
Power BIの講習とは?初心者でも始めやすい理由
ビジネスの現場では、Excelだけでは対応しきれない大量データの可視化や分析が求められるようになっています。そんな中、注目されているのが「Power BI」。Power BIは初心者でも扱いやすく、高度な分析を視覚的に実現できるツールです。
ただし、独学だけでは操作や活用方法に限界を感じることも。Power BI講習は、初心者が基本から段階的に学び、実務で活かせるスキルを体系的に身につけられる学習手段です。
ここでは、Power BIの基本機能や学ぶメリット、講習を受ける意義について解説します。
Power BIとは何か?基本機能とできること
Power BIは、Microsoftが提供するBIツールです。
複数のデータソースから情報を取り込み、見やすくグラフや表などで可視化し、業務の意思決定をサポートします。Excelよりも大規模かつ複雑なデータを扱いやすく、ビジュアルダッシュボードの作成やリアルタイムのデータ更新、チーム内での共有も可能です。
主な機能には、次のようなものがあります。
- データの取り込み(CSV、Excel、クラウドサービスなど)
- データ変換・整形(Power Query)
- 分析用データモデルの構築(リレーション・階層)
- DAX関数による計算列・指標の作成
- ダッシュボードやレポートの作成
- Microsoft 365やTeamsとの連携
- モバイルデバイスからのアクセスや共有
Power BIは、技術的な知識がなくても直感的な操作でグラフを作成したり、複数のデータを統合・分析したりできるため、多くの企業で導入が進んでいます。
Excelでもできることは大いにあります。Excelで出来うることなのか知りたい方は、下記をご覧ください。
Power BIを学ぶメリットとは
Power BIは、単にツールを使いこなすためだけでなく、業務の効率化やデータドリブンな意思決定を実現するうえで大きな力を発揮します。学ぶことで得られるメリットは非常に多く、初心者でも着実にスキルアップが可能です。
- データ分析スキルの土台が身につく
- Excelよりも高度なデータ可視化が可能
- リアルタイムの業務データを元に意思決定できる
- プレゼン資料の質が飛躍的に向上する
- 社内の情報共有がスムーズになる
- BI人材としての市場価値が高まる
Power BIを習得することで、単なる操作スキルだけでなく、業務全体の改善につながる分析思考やデータ設計の視点も自然と養われます。特に多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している今、Power BIのスキルは幅広い業種で重宝されるでしょう。
なぜ講習が必要なのか?独学との違い
Power BIは直感的なツールとはいえ、実務で使いこなすには基礎から応用までの理解が必要です。
独学でも情報は得られますが、誤った操作のまま覚えてしまったり、効率的な使い方に気づけなかったりすることも少なくありません。講習を受けることで、体系的なカリキュラムと講師によるサポートのもと、最短で実践力を身につけることが可能になります。
項目 | 独学 | 講習 |
---|---|---|
学習の体系性 | 自己流でバラバラになりやすい | カリキュラムに沿って段階的に学べる |
不明点の解決 | 自力で調べる必要がある | 講師に質問できる |
実務レベルの到達 | 時間がかかることが多い | 最短で即戦力スキルを獲得できる |
モチベーション維持 | 継続しにくい | 同期や講師と関わりながら進められる |
最新情報へのアクセス | 情報の信頼性がまちまち | 実務経験豊富な講師から直接学べる |
このように、Power BI講習は単なるスキル習得にとどまらず、実務で本当に使えるノウハウやコツを効率よく学べる点で、非常に効果的です。特に、短期間で成果を出したい方や、仕事ですぐに活用したい人には講習の受講がおすすめです。
Power BIの講習で学べる内容とステップ
Power BI講習は、単にツールの使い方を学ぶだけでなく、データの取り込みからダッシュボード作成、実務への応用までを体系的に身につけられる構成になっています。特に初心者向けの講習では、Power BIの全体像をつかみながらステップバイステップで習得できるため、初めてBIツールに触れる方でも安心です。
ここでは、講習で学べる内容やカリキュラム構成、学習のステップと応用スキルについて見ていきましょう。
Power BIの講習のカリキュラム全体像
Power BIの講習では、以下のような流れで学習が進みます。
基本的な操作から実務的な可視化・共有スキルまで網羅されており、段階的に理解を深められるよう設計されています。
学習フェーズ | 内容 | 目的 |
---|---|---|
導入 | Power BIの概要と画面構成を理解 | ツールの全体像を把握 |
データ接続 | ExcelやCSV、クラウドからのデータ取り込み | データソースを活用できるようにする |
データ変換・整形 | Power Queryを使った不要データの削除や統合 | 実務に適したデータ構造を作成 |
データモデリング | 関連付けや階層設定、リレーションの理解 | 効率的なデータ分析を可能にする |
DAX関数基礎 | 計算列・指標の作成と使い方 | 高度な数値分析の準備 |
ビジュアル作成 | 棒グラフや折れ線、マトリクスなどの視覚化 | 分析結果を見やすく伝える技術 |
ダッシュボード作成 | インタラクティブなレポートの作成 | 実務に使えるレポート出力 |
このように、Power BI講習では基本操作から応用スキルまで一貫して学べるため、受講後すぐに現場で活用できる力が身につきます。
初心者向けの学習ステップ
Power BIに初めて触れる方でも、段階を踏んで学習すれば無理なくスキルを習得できます。多くの初心者向け講習では、次のようなステップで進行していきます。
- Power BI Desktopのインストールと初期設定
- サンプルデータを用いたデータの取り込み
- 基本的なグラフや表の作成方法の理解
- フィルタやスライサーを使ったデータ抽出体験
- 分析結果を他の人に共有するレポート作成
Power BIの基本操作と考え方が自然と身につきます。最初は難しそうに感じても、実際に操作しながら学ぶことで理解が深まり、ビジネスデータの活用が楽しくなっていくでしょう。
実務で役立つ応用スキル
Power BI講習では、基本だけでなく応用レベルの内容も段階的に取り入れられています。
特に以下のようなスキルは、実務でPower BIを効果的に活用するために欠かせません。
- DAX関数による複雑な計算の自動化
- カレンダーテーブルを用いた時間軸分析
- 指標やKPIの設計とパフォーマンス比較
- モバイル対応のダッシュボード作成
- ロールレベルセキュリティ(RLS)設定によるアクセス制御
- Power BI Serviceでの共有・自動更新設定
応用スキルは、データ分析を単なるレポート作成から一歩進めて、業務改善や戦略立案に活かすための基盤となります。講習では実際の業務シナリオに基づいたケーススタディが扱われることもあり、より実践的な力が養われるでしょう。
ダッシュボード作成までの流れと練習内容
Power BI講習の中でも、特に人気の高いパートが「ダッシュボード作成」です。
複数のビジュアルを組み合わせて、見やすく・伝わりやすく・操作しやすいインタラクティブなレポートを作る力を養います。単なるグラフ作成にとどまらず、KPIの設計から共有まで、実務に直結する一連のプロセスを実践的に学べるでしょう。
- 分析目的を明確にするためにKPIやペルソナを設定する
- データの信頼性を高めるためにPower Queryで整形・加工する
- ビジュアル(棒グラフ、カード、マトリクスなど)を効果的に配置する
- スライサーやドリルダウンでインタラクティブ性を追加する
- ブランドに合った色やレイアウトを反映して完成度を高める
- Power BI Serviceを使ってダッシュボードを社内で共有する
このような手順でダッシュボードを構築することで、受講者は「見せるだけで終わらない」「使われるレポート」を実践的に学ぶことができます。完成したダッシュボードはそのまま業務で活用できるレベルに仕上がるため、学習の成果をすぐに実感できるのも大きな魅力です。
おすすめのPower BI講習9選
Power BIのスキルを習得するには、自分の目的やレベルに合った講習を選ぶことが成功への近道です。ここでは、初心者から実務レベルを目指す方まで対応可能なおすすめのPower BI講習を9つ厳選して紹介します。
講座の特徴や対象者、価格帯、受講形式などを一覧表にまとめました。
講座名 | 主催会社 | 対象者 | 特徴 |
---|---|---|---|
①Power BI 実務研修(初級~応用) | ユースフル | 法人 | 実務帳票に基づいた完全カスタマイズ研修 |
②NEC Power BI研修 | NECビジネスインテリジェンス | 法人 | DX人材育成向けの体系的研修 |
③インソース Power BI研修 | インソース | 法人 | 実務に即した課題設定とサポートが強み |
④トレノケート BI研修 | トレノケート | 中~上級者 (法人) |
分析実践に特化した高度な内容 |
⑤インターネットアカデミー研修 | インターネット・アカデミー | 個人、法人 | Web系に強く柔軟なカスタマイズが可能 |
⑥Power BI セミナー(初級・中級) | 一円マネジメント企画 | 初級~中級者 | 対面ハンズオン形式で講師に直接質問可能 |
⑦Power BI ウェビナー(英語) | Microsoft社 | 初級者 | 無料で受講可能なオンデマンド講座(英語のみ) |
⑧Power BI入門セミナー | IIMヒューマン・ソリューション | 初心者 | 完全無料のオンラインセミナーで気軽に学べる |
⑨Power BI ハンズオンセミナー(応用) | フロッグウェル | 応用レベル (法人) |
カスタマイズ対応・1on1指導も可能 |
目的や学習スタイルに合わせて最適な講習を選び、Power BIのスキルを着実に伸ばしていきましょう。
①Power BI 実務研修(初級~応用)|ユースフル
ユースフルが提供するPower BI実務研修は、企業内の実務帳票やデータ構造に合わせて、完全にカスタマイズされた研修が受けられる点が最大の特徴です。
初心者から応用まで幅広く対応し、講習内容は「売上分析」「在庫管理」「顧客セグメント分析」など現場で使える内容に直結しています。講師は実務経験が豊富なプロフェッショナルで、受講後すぐに現場で使えるスキルが身につきます。オンライン・対面どちらにも対応し、チーム単位での研修にも最適でしょう。
②NEC Power BI研修|NECビジネスインテリジェンス
NECのPower BI研修は、企業のDX推進やBI人材の育成を目的に設計された法人向けプログラムです。
Power BIの基本操作だけでなく、社内業務への具体的な落とし込み方を重視したカリキュラムが特徴です。NECグループが社内実践で蓄積したノウハウをもとに、業種や業務内容に応じた事例も多く取り入れられています。受講形式は主にオンラインで、全国の企業が場所を問わず受講可能。実績と信頼性を重視する企業におすすめです。
③インソース Power BI研修|インソース
インソースのPower BI研修は、業務課題を可視化・分析する力を養うことに焦点を当てた法人向け講座です。
Excel操作に慣れた人なら無理なく移行できる構成で、基礎から応用まで段階的に学べます。人数や業種、研修目的に応じて内容を柔軟にカスタマイズできるため、自社課題を講習に落とし込むことも可能です。また、講義形式だけでなくワークショップ型にも対応しており、チームで実践力を高めたい企業にぴったりでしょう。
④トレノケート BI研修|トレノケート
トレノケートのBI研修は、Power BIを活用したビジネスデータ分析に重点を置いた中級~上級者向けの講座です。
BI設計やデータモデリング、KPIの設計手法など、より高度で専門的なスキルを学べる点が特徴です。グローバルに展開する企業や、データアナリストを育成したい部門に適しており、講師もIT教育の専門家が担当します。
オンライン形式が中心で、実務に直結した応用知識をしっかり身につけたい方に最適です。
⑤インターネットアカデミー研修|インターネット・アカデミー
インターネットアカデミーでは、Web技術にも強い講師陣によるPower BI研修を提供しています。
基本操作からデータ可視化、DAX関数、共有方法まで幅広い内容をカバーし、法人・個人どちらのニーズにも対応。講座はカスタマイズ可能で、業務で扱っているデータを題材にすることも可能です。オンラインと教室(対面)の両方に対応しており、学びやすいスタイルを選択できます。Web系スキルとBIを併用したい方にもおすすめです。
⑥Power BI セミナー(初級・中級)|一円マネジメント企画
一円マネジメント企画が主催する「Power BIセミナー」は、東京開催の対面型ハンズオン講座です。
初級・中級の2コースに分かれており、Power BI未経験者でも実際に操作をしながら基礎を学ぶことができます。少人数制のため質問もしやすく、講師からの個別サポートが受けられるのが強みです。また、参加者同士の交流を通じて他社の活用事例を聞けることも魅力の一つです。
1日完結型で、集中してスキルを習得したい方に最適です。
⑦Power BI ウェビナー(英語)|Microsoft社
Microsoftが提供するPower BIウェビナーは、オンデマンド形式でいつでも視聴可能な無料の講座です。
内容はすべて英語ですが、Power BIの導入方法や活用事例、Excelとの連携など、豊富なテーマが用意されています。各コンテンツは実際のビジネス課題を想定しており、企業導入を検討している方や基本を広く浅く学びたい方に向いています。英語に抵抗がなければ、コストをかけずに幅広い知識を得られる優れた学習リソースです。
⑧Power BI入門セミナー|IIMヒューマン・ソリューション
IIMヒューマン・ソリューションが主催する「Power BI入門セミナー」は、Zoomを利用した完全無料のオンラインセミナーです。
初めてPower BIを触る方でも理解できるよう、操作画面を見ながらステップバイステップで進行。シンプルなデータを使いながら、取り込み・可視化・共有までの基本を学びます。特に「まず試してみたい」「自分に合っているか確認したい」という方にぴったりです。気軽に受講できる環境が魅力です。
⑨Power BI ハンズオンセミナー(応用)|フロッグウェル
フロッグウェルのハンズオンセミナーは、応用レベルの内容をカスタマイズして提供する法人向け講座です。
ストーリー仕立ての実習課題とテストデータを用いて、実践的にPower BIを操作しながら学ぶことができます。受講者のスキルや業務内容に応じて内容を柔軟に構成できるため、導入前の社内トレーニングにも最適です。
1on1形式やコンサルティングとの組み合わせも可能で、個別対応を重視したい企業に特におすすめです。
その他の研修を知りたい方は、下記をご覧ください。
Power BIの講習の選び方ガイド
Power BI講習は種類が豊富で、学習目的やスキルレベル、受講環境によって最適なものが異なります。講習を効果的に活用するためには、自分の目的や学習スタイルに合った講座を選ぶことが非常に重要です。
ここでは、講習選びで失敗しないために確認しておくべきポイントを紹介します。
- 自分のスキルレベルに合っているか確認する
- 対面・オンライン・オンデマンドなど形式を比較する
- 実践的な内容か、理論中心かを見極める
- 講師の実務経験やサポート体制が充実しているかをチェックする
- 受講後に使える資料やサンプルデータがあるか確認する
- 無料体験や体験セミナーがあるか調べる
- レビューや口コミを参考に実績を把握する
- 自分の業務に関連する内容が含まれているか確認する
- 学習期間とスケジュールの柔軟性をチェックする
- 費用と内容のバランスが取れているか比較する
このように、Power BI講習を選ぶ際には「何を学びたいか」「どう学びたいか」を明確にし、それに合った講習を見つけることが重要です。内容の充実度や講師の質だけでなく、自分にとって無理なく続けられる形式かどうかも判断材料になります。
事前に情報を比較し、最も効果的に学べる講習を選びましょう。
Power BI講習でスキルを身につけて業務を効率化しよう
Power BIは、データ活用が求められる現代のビジネスにおいて、非常に強力なツールです。
しかし、その真価を発揮するためには、単なる操作だけでなく、業務に即した使い方や応用スキルの理解が欠かせません。今回ご紹介したように、Power BI講習は初心者でも実務レベルまで無理なくステップアップできる仕組みが整っており、自分に合った講座を選ぶことで学習効率も大きく向上します。
最初は不安に感じるかもしれませんが、体系的な講習を活用することで着実にスキルを習得し、業務の質を高めることが可能です。
自分の目的に合った講習を選び、今日からPower BIでのデータ活用を一歩踏み出してみましょう。ビジネスの現場で“使える力”を身につけることが、これからのキャリアに大きな価値をもたらします。
