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【2025】NXの活用事例を紹介!特徴や使用するメリットも解説

「製品開発のスピードを上げたい」「設計から製造まで一貫してデータ管理をしたい」という方におすすめなのが3DCADソフト「NX」です。
NXは設計、解析、製造などあらゆるプロセスにおいて万能であるソフトのため、近年大きく注目を集めています。

しかし、NXの導入を検討している企業の中には、導入事例を詳しく知りたいと思う方もいるでしょう。

本記事では、NXの具体的な活用事例を交え、特徴や価格について詳しく解説します。
具体的な活用事例を知ることで、自社での利用イメージが湧くかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

NXとは?

NXとは?

NXは、Siemens社が提供するCAD、CAE、CAM対応のハイエンド3DCADソフトウェアです。
製品設計から製造、解析、情報管理まで一貫して対応できるのが特徴です。

直感的な操作性を備え、自由度の高いモデリング、シミュレーション機能、多彩な設計モジュールにより、航空業界や自動車業界、精密機器など幅広い業界で活用されています。

また、同じくSiemens社が提供するPLMソリューション「Teamcenter」と連携することで、設計データを一元管理でき、開発プロセスの効率化と品質向上が期待できるのも魅力の1つです。

NX Xについて

NX Xとは、Siemens社が提供するクラウドベースの3DCADソフトです。
NXとの違いについては以下の表を参照ください。

提供形態 利用環境 パッケージ内容 コスト
NX デスクトップアプリ アクセス可能な場所が限定 カスタマイズ可能 初期導入コストが比較的高い
NX X クラウドベースのSaaS インターネット環境さえあればどこからでも利用可能 カスタマイズ可能 インフラ維持コストが少ないため、コストを抑えられる

NXとNX X大きく異なるのは提供形態と利用環境です。
NXは従来型のデスクトップアプリケーションですが、NX XはクラウドベースのSaaSとして提供されています。より柔軟に使用できるのは「NX X」と言えるでしょう。

また、ネット環境さえあればどこでも使用できるため、NX Xはリモートワークやチーム間での利用に特化しています。NXとNX Xでそれぞれの特性を理解し、自社の業務環境やニーズに合わせて選びましょう。

NX Xの無料体験版はこちら

NXの価格

NXの価格は以下の表を参照ください。

種類 月額費用 年間サブスクリプション価格
NX 要問い合わせ 要問い合わせ
NX X Design Standard 89,992円 1,079,901円
NX X Design Advanced 116,912円 1,402,948円
NX X Design Premium 149,217円 1,790,605円
NX Xオプション NX X Value Based Licensing(50トークン) 134,323円 1,611,879円

NX Xの3つのプランの違いは主に機能の違いです。

「NX X Design Standard」は基本的な3D部品やアセンブリ設計、板金設計、基本的なフリーフォームモデリング機能を備えたエントリーレベルのCADソフトです。

「NX X Design Advanced」は、Standardの機能に加えて、より高度なフリーフォームモデリングやアセンブリ機能、さらに高度な設計解析ツールを提供し、複雑な設計に対応しています。

「NX X Design Premium」は、Advancedの機能に加えて、モーションシミュレーションやアドバンスドCAE機能、熱や振動解析といった高度なシミュレーション機能が追加され、設計から解析まで一貫してサポートできるのが特徴です。

NX Xのオプション「NX X Value Based Licensing」は、トークンを使って柔軟に機能を利用できるコスト効率の高いパッケージプランです。
1つの製品コードで包括的なトークンプールにアクセスし、100以上のアドオンモジュールを選択可能となっています。トークンは使い終わると戻り、無駄なく活用できるのも魅力です。

NXは無料でも使える?

NXは学生に限り期間限定ではあるものの、30日間は無料で使用することが可能です。
ただし、NX Xであれば学生問わず無料で30日間使用できますので、機能や使用感などを確かめたいという方は以下の手順に沿って無料版を申し込んでみてください。

  1. SiemensアカウントまたはGoogleアカウントを作成
  2. ログインしNXの無料トライアルを申し込む(必須事項など記載する)
  3. NXのインストーラーをダウンロード
  4. NXをインストール

NX Xの無料体験版はこちら

以下の記事では、NXを無料で使用する方法について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

【2025】NXを無料で使う方法とは?NXの使い方を徹底解説!

NXの特徴

NXの特徴は以下の4つです。ここではNXの特徴を詳しく紹介していきます。
なお、これらの特徴が実際にどのように活用されているかについては、後述の活用事例にてご紹介いたします。

  • シンクロナスモデリングとパラメトリックモデリング
  • レンダリングが強化されている
  • ユーザー独自のルールで自動チェックができる
  • 2D機能が充実している

特徴①シンクロナスモデリングとパラメトリックモデリング

NXでは、シンクロナスモデリングとパラメトリックモデリングを統合した設計環境を提供しています。

シンクロナスモデリングは直感的なプッシュアンドプル操作でモデルを編集できる柔軟性を持ち、他のCADシステムで作成された履歴のないジオメトリも簡単に操作可能。
一方、パラメトリックモデリングは設計履歴を保持し、寸法などを用いた精密なモデル編集ができるのです。

2つを組み合わせることで、設計者は多様な設計ニーズに応じて最適な手法を選択し、柔軟的かつ効率的なモデリングが実現します。

特徴②レンダリングが強化されている

NXは、高品質な静的フォトリアリスティックレンダリングと動的レンダリング機能を備えています。

静的レンダリングでは、物理ベースのマテリアルとレイトレース技術を使用して、現実的で詳細な製品イメージを生成できます。
一方、動的レンダリングでは、モデルをリアルタイムで表示しながらアピアランスを調整できるため、設計の見た目を即座に確認し、修正が可能です。

デザインレビューやクライアントへの提案資料作成が効率化できるのも魅力と言えるでしょう。

特徴③ユーザー独自のルールで自動チェックができる

NXの「チェックメイト」機能は、設計データの品質を自動で検証できる機能です。
標準チェック項目に加え、企業固有の設計ルールを組み込んだ独自チェッカーの作成が可能です。

モデルの寸法、構造、アセンブリの正確性を設計段階で確認し、不具合の早期発見を実現。
また、検証結果は3Dツールを使用して視覚的に表示されるため、設計者が問題箇所を直感的に特定し、修正作業をすぐに対応できます。

特徴④2D機能が充実している

NXは、高度な2D製図機能を搭載し、等角投影図、断面図、詳細図などの自動生成や、3Dモデルとの連携によるビュー編集が簡単に行えます。
また、2Dから3Dへのデータ変換も可能で、設計初期のスケッチ段階から詳細設計まで、効率的に対応可能。

従来の2D設計プロセスを効率化しながら、3D設計への移行をスムーズに進められるでしょう。

以下の記事では、NXの使い方について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

【2025】NXのCADの使い方とは?コマンド一覧や無料で使う方法も解説

NXの活用事例を紹介

NXの活用事例を紹介

NXを実際に導入して業務プロセスを改善した事例を3つ紹介します。

  • 重機メーカー JCB
  • 航空機メーカー Bye Aerospace
  • 高級モーターメーカー Princess Yachts International

事例①重機メーカー JCB

重機メーカーのJCBは、PLM(製品ライフサイクル管理)とNX CADを活用したデジタル化により、製品開発の効率化とイノベーションを推進しています。

JCBは12,000人以上の従業員を抱え、年間50~60件の製品アップデートを行い、20万種類以上のバリエーションを構成する複雑なプロセスを抱えていますが、デジタルツインやTeamcenterとの連携により設計時間の短縮や部門間コラボレーションの強化を実現。
これにより、既存部品の検索が容易になり、無駄な部品作成を削減します。

また、健康、安全、快適性など多岐にわたる課題を解決し、複雑な製品構成の自動化で生産性を向上させています。

事例②航空機メーカー Bye Aerospace

航空機メーカーのBye Aerospaceは、革新的な全電気航空機「eFlyer」シリーズの開発でNX CADを活用し、設計から解析へのシームレスな移行や複合材を用いた軽量化設計を実現しています。

NXのWaveリンク機能を中心にしたトップダウン設計手法により、設計変更の伝達やコラボレーションが効率化され、製品開発の反復回数を増加。
Fibersimと連携して複合材の層構造を最適化することで、FAA認証取得に必要な性能要件を満たしています。

設計を次世代機へスムーズに転用可能な柔軟性を持たせたプロセスにより、開発時間の短縮とコスト削減を実現。eFlyer 2からeFlyer 4への進化も数週間で完了可能となり、短期間で市場投入を果たす技術的競争力を確保しています。

事例③高級モーターメーカー Princess Yachts International

Princess Yachts Internationalは、NX CADとTeamcenterを活用し、設計から製造までのプロセスを効率化し、高品質な高級ヨットの生産を行っています。
同社は、NXの高度な3Dアセンブリ機能を用いて設計段階で細部を検討し、Teamcenterを情報管理の中核として活用することで、設計データや部品情報の可視性と追跡性を向上。

NX CAMによる精密な金型加工や物理モックアップを組み合わせた製造技術により、軽量かつ高強度の船体を作成しています。

また、NXの設計自由度やTeamcenterによるワークフロー管理が、複雑なインテリア設計や標準部品の再利用を可能にし、生産効率の向上とコスト削減を実現。
同時に、設計変更や規制対応にも迅速に対応する体制を構築し、顧客の期待を超える製品を提供しています。

NXを使用するメリット

活用事例を通じて、NXがどのように効果的に機能するかを紹介しました。
最後にNXを使用するメリットについて解説します。メリットは以下の3点です。

  • 試作回数の減少
  • 納期の短縮
  • コストの削減

メリット①試作回数の減少

NXは高度な設計シミュレーション機能を備え、試作の前段階で製品性能や動作の検証を行うことが可能です。Simcenterによる解析やデジタルツイン技術を活用することで、実物試作を行う前に複数の設計案を仮想環境でテストできます。

これにより、設計ミスや不具合の早期発見が可能となり、試作回数を大幅に削減。物理的な試作にかかる時間やリソースを削減することで製品開発プロセスを効率化し、全体のスピードアップにもつながります。

メリット②納期の短縮

NXの統合型設計ツールは、設計、解析、製造プロセスを1つのプラットフォーム上で効率的に連携できます。設計データがTeamcenterで一元管理され、変更が即座に他の関連プロセスに反映されるため、情報の共有やコラボレーションがスムーズに行えるでしょう。

また、設計から製造までのシームレスなデータフローがエラーの発生を防ぎつつ、作業時間を短縮。結果として、従来よりも迅速に製品を市場に投入でき、競争力を高めることが可能です。

メリット③コストの削減

NXは効率的なデザインプロセスや精密なシミュレーション機能により試作回数を減らし、リソースの浪費を防ぎます。
また、NX CAMの高度な加工機能により、材料の無駄を最小限に抑えた精密加工が可能です。
さらに、設計変更時にはWaveリンク機能によってデータの整合性を保ちながら効率的に修正できるため、不要な再設計や手戻りコストも削減。

上記の要素が合わさることで、全体的な開発コストの大幅な削減が実現します。

NXの事例についてのまとめ

本記事では、NXの概要や活用事例を中心に特徴や使用するメリットを詳しく解説しました。
3DCADソフト「NX」は、設計から解析、製造までを一貫してサポートする高度なツールで、航空業界や自動車業界をはじめ多様な分野で利用されています。

NXの導入により、試作回数の削減や納期短縮、コスト削減が可能になり、競争力向上も期待できます。本記事の活用事例などを参考に自社での導入イメージを持って、NXで業務を効率化してみてはいかがでしょうか。

NXの活用事例を紹介!特徴や使用するメリットも解説
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